639 / 2,518
第639話 森エリア踏破
しおりを挟む
「わかっていたけど、森型のフロアって面倒だな。ウィスプたちのおかげでフロアは丸裸だから、最短距離で階段まで向かえるけど、全方位からの襲撃はウザい!」
俺は、このフロアの事を端的に口にすると、みんなが同意と言わんばかりに首を縦に振っている。
このフロアに多い魔物は、昆虫系のようだ。カマキリの様な攻撃的な奴や、カブトムシのような防御型のような奴がいる。後は蜂も見かける、他にも色々な昆虫がいる。
自分たちのフィールドという事もあり、動きが異様にいい気がするんだよな。Lv以上の強さを発揮する、可能性があるんだよな。あ~めんどい。
一日で六階を踏破できるペースで進んでいる途中、三十五階で異変を感じ取る。俺だけじゃなく、従魔たちも止まり辺りを見回している。その違和感が分からないまま次の変化が起きた。
突然地面から、大きなものが現れたのだ。
「円陣防御態勢! シュリとリリーは、あの大きい物の前側に!」
ピーチ指示に従って、円陣の防御態勢が組まれる。外周部にタンクと前衛のアタッカー、その内側に弓と魔法、一番内側にヒーラーと俺、ウォーホースが曳いている馬車がいる陣が完成する。
魔物側ではない方は、スケルトン組が担当してくれている。従魔たちは、基本遊撃なので距離をとって、いくつかのグループになっている。
シュリが一番最初に攻撃を受けることになるため、俺とヒーラーは、バフ魔法をどんどんかけていく。
シュリが挑発し、デカ物のヘイトを稼いでいる。ワームっぽいな。ディストピアにいるワームとは、全然違うな。大きさもそうだが、攻撃性がやたらと高い。物理法則を無視して、攻撃を止めてしまうシュリもすげえな。
「おそらくですが、Sランク程の強さは無いと思います。重量があるので、攻撃力やタフネスはSランクに相当すると、考えてもいいかもしれません」
シュリの報告を受けて、ピーチは行動を開始する。
「シュリが受けてくれている間に、攻撃を仕掛けます。体が大きいから、ダメージを重視して攻撃を。魔法組、最大火力で詠唱開始! キリエはシュリに結界の準備、私とネルは全体に結界準備。魔法組の攻撃に合わせて、中心に全員集合!」
指示が出ると全員が行動を開始する。魔法組の詠唱が終わるまでは、アタッカーが自分の持てる力で、攻撃をしかけダメージを与えている。ライムから準備ができると合図が入ったので、俺は魔法組の前に詠唱していた魔法を解放する。
「【サンダーボルト】」
俺の魔法が着弾すると、デカいワームが少し痙攣した様子を見せ、行動が止まったので、その隙にみんなが退避してくる。
みんなが退避したのを見ると、最大火力の火魔法をライムが、煽り立てるような風をイリアが、ジュリエットとレミーが雷魔法をニ人の魔法に合わせて解き放つ。それと同時に防御結界が張られる。
大火力の魔法が着弾するが、デカいワームは生き残っていた。かなりダメージを与えたと思うが、死なないな……それにしてもこいつって、何なんだ? このフロアでは、普通にいる魔物なのか? それにしても強さが全然違うよな。
このダンジョンは、今までボスがいなかったな……ボス代わりの魔物? ガーディアンみたいなものか? 何かの小説では、ボス部屋みたいなのはいなくて、ダンジョンの中を、強い魔物が徘徊してるってのもあったな。そんなダンジョンってことか?
追撃でみんなが攻撃を仕掛けているが、一番効いてるのは、リンドの攻撃か? あいつの使ってる武器って、ハンマーだよな? ワームに打撃系って有効なのか? 五分程攻撃と魔法を繰り返して、何とか倒しきれた。本当に面倒な相手だった。
「ピーチちょっと休憩しよう。戦闘時間は、長くはなかったけど、ちょっと集中しすぎたから少し休むよ。【アースウォール】【結界】」
ピーチに許可をとり、みんなを包むように石壁を作りその外に結界を張り、簡易的な休憩所を完成させた。他の冒険者に知られれば、これが簡易的な休憩所なんて口が裂けても言えない。
「どうすっかな、時間的には問題ないから、少し休憩したら、目標の三十七階の階段前まで行こうか」
ニ十分程休んでから、ダンジョンを進んでいく。
少し時間はオーバーしたが、何とかたどり着けたな。
「壁が近くにあるから、そこまで移動して野営地を作ろうか」
今までは、洞窟型のダンジョンだったので、そこそこ広い部屋を占領して、そのままそこに野営していたが、今回は森タイプのだだっ広いエリアなので、自分たちで休める場所を作らないといけなくなっている。
魔法組が壁を作っていく。ダンジョンの壁に添うように石壁も作成して、足元も石で包んでいく。入り口以外は、全部石壁になっている。そこにシルキーたちがプレハブモドキを出していき、配置していく。
空気を入れ替えられるように、魔道具もセットして、入り口には寝ずの番ができる、スケルトンたちを置いておく。攻めてきても、あいつらがしっかりと守ってくれるだろう。この階だったら、問題なく倒せるからな。
特に何かあるわけも無く、夜が過ぎて朝を迎える。
六十階までは、一日六階ずつ降りていき、六十階まで十日で降りてきた。
俺たちが強くなっているという事もあるが、それ以上にマッピングができているのが、移動の速さに直結しているのだろう。強さは、六十階でおそらくLvニ〇〇位の魔物だろう。
そういえば最近は、ランクで魔物分けをあまりしていない気がするな。Sランクが規格外って感じで、呼んでるくらいか?
「この下は、またタイプの違うダンジョンなんだろうな。また迷路型みたいなダンジョンになってるけど、一つひとつの部屋がでかいんだよな。それに真四角じゃなくて、ラグビーボールみたいな形の部屋もあれば、ヒョウタンみたいな形の部屋もある。何だろな?」
食事が終わって、マップ先生を眺めていると、ついつい声が出てしまった。各々違う事をしていて、聞いていたものはいなかった。
気になるのは六十一階以降を探索している、ウィスプの数が減っているんだよな。一〇〇〇匹いたウィスプが、今は八〇〇ちょっとに減っているのが、気になるのだ。何があったのだろうか?
俺は、このフロアの事を端的に口にすると、みんなが同意と言わんばかりに首を縦に振っている。
このフロアに多い魔物は、昆虫系のようだ。カマキリの様な攻撃的な奴や、カブトムシのような防御型のような奴がいる。後は蜂も見かける、他にも色々な昆虫がいる。
自分たちのフィールドという事もあり、動きが異様にいい気がするんだよな。Lv以上の強さを発揮する、可能性があるんだよな。あ~めんどい。
一日で六階を踏破できるペースで進んでいる途中、三十五階で異変を感じ取る。俺だけじゃなく、従魔たちも止まり辺りを見回している。その違和感が分からないまま次の変化が起きた。
突然地面から、大きなものが現れたのだ。
「円陣防御態勢! シュリとリリーは、あの大きい物の前側に!」
ピーチ指示に従って、円陣の防御態勢が組まれる。外周部にタンクと前衛のアタッカー、その内側に弓と魔法、一番内側にヒーラーと俺、ウォーホースが曳いている馬車がいる陣が完成する。
魔物側ではない方は、スケルトン組が担当してくれている。従魔たちは、基本遊撃なので距離をとって、いくつかのグループになっている。
シュリが一番最初に攻撃を受けることになるため、俺とヒーラーは、バフ魔法をどんどんかけていく。
シュリが挑発し、デカ物のヘイトを稼いでいる。ワームっぽいな。ディストピアにいるワームとは、全然違うな。大きさもそうだが、攻撃性がやたらと高い。物理法則を無視して、攻撃を止めてしまうシュリもすげえな。
「おそらくですが、Sランク程の強さは無いと思います。重量があるので、攻撃力やタフネスはSランクに相当すると、考えてもいいかもしれません」
シュリの報告を受けて、ピーチは行動を開始する。
「シュリが受けてくれている間に、攻撃を仕掛けます。体が大きいから、ダメージを重視して攻撃を。魔法組、最大火力で詠唱開始! キリエはシュリに結界の準備、私とネルは全体に結界準備。魔法組の攻撃に合わせて、中心に全員集合!」
指示が出ると全員が行動を開始する。魔法組の詠唱が終わるまでは、アタッカーが自分の持てる力で、攻撃をしかけダメージを与えている。ライムから準備ができると合図が入ったので、俺は魔法組の前に詠唱していた魔法を解放する。
「【サンダーボルト】」
俺の魔法が着弾すると、デカいワームが少し痙攣した様子を見せ、行動が止まったので、その隙にみんなが退避してくる。
みんなが退避したのを見ると、最大火力の火魔法をライムが、煽り立てるような風をイリアが、ジュリエットとレミーが雷魔法をニ人の魔法に合わせて解き放つ。それと同時に防御結界が張られる。
大火力の魔法が着弾するが、デカいワームは生き残っていた。かなりダメージを与えたと思うが、死なないな……それにしてもこいつって、何なんだ? このフロアでは、普通にいる魔物なのか? それにしても強さが全然違うよな。
このダンジョンは、今までボスがいなかったな……ボス代わりの魔物? ガーディアンみたいなものか? 何かの小説では、ボス部屋みたいなのはいなくて、ダンジョンの中を、強い魔物が徘徊してるってのもあったな。そんなダンジョンってことか?
追撃でみんなが攻撃を仕掛けているが、一番効いてるのは、リンドの攻撃か? あいつの使ってる武器って、ハンマーだよな? ワームに打撃系って有効なのか? 五分程攻撃と魔法を繰り返して、何とか倒しきれた。本当に面倒な相手だった。
「ピーチちょっと休憩しよう。戦闘時間は、長くはなかったけど、ちょっと集中しすぎたから少し休むよ。【アースウォール】【結界】」
ピーチに許可をとり、みんなを包むように石壁を作りその外に結界を張り、簡易的な休憩所を完成させた。他の冒険者に知られれば、これが簡易的な休憩所なんて口が裂けても言えない。
「どうすっかな、時間的には問題ないから、少し休憩したら、目標の三十七階の階段前まで行こうか」
ニ十分程休んでから、ダンジョンを進んでいく。
少し時間はオーバーしたが、何とかたどり着けたな。
「壁が近くにあるから、そこまで移動して野営地を作ろうか」
今までは、洞窟型のダンジョンだったので、そこそこ広い部屋を占領して、そのままそこに野営していたが、今回は森タイプのだだっ広いエリアなので、自分たちで休める場所を作らないといけなくなっている。
魔法組が壁を作っていく。ダンジョンの壁に添うように石壁も作成して、足元も石で包んでいく。入り口以外は、全部石壁になっている。そこにシルキーたちがプレハブモドキを出していき、配置していく。
空気を入れ替えられるように、魔道具もセットして、入り口には寝ずの番ができる、スケルトンたちを置いておく。攻めてきても、あいつらがしっかりと守ってくれるだろう。この階だったら、問題なく倒せるからな。
特に何かあるわけも無く、夜が過ぎて朝を迎える。
六十階までは、一日六階ずつ降りていき、六十階まで十日で降りてきた。
俺たちが強くなっているという事もあるが、それ以上にマッピングができているのが、移動の速さに直結しているのだろう。強さは、六十階でおそらくLvニ〇〇位の魔物だろう。
そういえば最近は、ランクで魔物分けをあまりしていない気がするな。Sランクが規格外って感じで、呼んでるくらいか?
「この下は、またタイプの違うダンジョンなんだろうな。また迷路型みたいなダンジョンになってるけど、一つひとつの部屋がでかいんだよな。それに真四角じゃなくて、ラグビーボールみたいな形の部屋もあれば、ヒョウタンみたいな形の部屋もある。何だろな?」
食事が終わって、マップ先生を眺めていると、ついつい声が出てしまった。各々違う事をしていて、聞いていたものはいなかった。
気になるのは六十一階以降を探索している、ウィスプの数が減っているんだよな。一〇〇〇匹いたウィスプが、今は八〇〇ちょっとに減っているのが、気になるのだ。何があったのだろうか?
0
お気に入りに追加
449
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
勇者に幼馴染で婚約者の彼女を寝取られたら、勇者のパーティーが仲間になった。~ただの村人だった青年は、魔術師、聖女、剣聖を仲間にして旅に出る~
霜月雹花
ファンタジー
田舎で住む少年ロイドには、幼馴染で婚約者のルネが居た。しかし、いつもの様に農作業をしていると、ルネから呼び出しを受けて付いて行くとルネの両親と勇者が居て、ルネは勇者と一緒になると告げられた。村人達もルネが勇者と一緒になれば村が有名になると思い上がり、ロイドを村から追い出した。。
ロイドはそんなルネや村人達の行動に心が折れ、村から近い湖で一人泣いていると、勇者の仲間である3人の女性がロイドの所へとやって来て、ロイドに向かって「一緒に旅に出ないか」と持ち掛けられた。
これは、勇者に幼馴染で婚約者を寝取られた少年が、勇者の仲間から誘われ、時に人助けをしたり、時に冒険をする。そんなお話である
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
エラーから始まる異世界生活
KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。
本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。
高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。
冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。
その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。
某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。
実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。
勇者として活躍するのかしないのか?
能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。
多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。
初めての作品にお付き合い下さい。
転生したら倉庫キャラ♀でした。
ともQ
ファンタジー
最高に楽しいオフ会をしよう。
ゲーム内いつものギルドメンバーとの会話中、そんな僕の一言からオフ会の開催が決定された。
どうしても気になってしまうのは中の人、出会う相手は男性?女性? ドキドキしながら迎えたオフ会の当日、そのささやかな夢は未曾有の大天災、隕石の落下により地球が消滅したため無念にも中止となる。
死んで目を覚ますと、僕はMMORPG "オンリー・テイル" の世界に転生していた。
「なんでメインキャラじゃなくて倉庫キャラなの?!」
鍛え上げたキャラクターとは《性別すらも正反対》完全な初期状態からのスタート。
加えて、オンリー・テイルでは不人気と名高い《ユニーク職》、パーティーには完全不向き最凶最悪ジョブ《触術師》であった。
ギルドメンバーも転生していることを祈り、倉庫に貯めまくったレアアイテムとお金、最強ゲーム知識をフルバーストしこの世界を旅することを決意する。
道中、同じプレイヤーの猫耳魔法少女を仲間に入れて冒険ライフ、その旅路はのちに《英雄の軌跡》と称される。
今、オフ会のリベンジを果たすため "オンリー・テイル" の攻略が始まった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる