ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第601話 ラディッツ統治の後日談

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 ツィード君が今回作ってくれた、奴隷の首輪改2は予想以上の効果を発揮しているようだ。

 罰則で意識を奪うだけではなく、細かく禁止行動を設定できるようになっているようで、『横領をした』だと意識を奪い首輪の力だけで自ら牢屋に入る、といったような事が可能だ。

 他にも、横領の幇助を求められた場合、すぐさま上司に報告しに行く、違法行為を発見した場合すぐに報告、といった細かく設定できるため、文官などの管理ではかなり役立つものとなりそうだ。

 でも、その設定が面倒なのでツィード君しかできなかった設定を、設定だけできる魔道具を作成している。ツィード君大喜び!

 ラディッツの街を制圧してから、およそ十日が過ぎた。

 元々いた文官で、よっぽどあくどい事をしていない者たちは、奴隷の首輪改2でこちらの指示に従う状態にして、街の運営をしているので、特に問題は無かった。

 ちなみに領主やあくどい奴らに関しては、ダギアの上層部の人間と同じ目にあっている。もちろん汚くなることはわかり切っていたので、初めから粘液系スライムを召喚して汚物処理にあたってもらっている。

 初めは汚物をとか思っていたが、街の地下でも喜んで汚物処理を行ってくれているのだ。あいつらにとっては御馳走のようなので、悪い事とは思わないようにした。

 点滴に関しては初めから行っているので、液体の入るボトルのような物を交換するだけにしておいた。拘束に関しては、DPで拷問道具みたいな感じで、召喚が可能だったのでそれを使っている。

 点滴している針が取れると困るので、点滴している腕は頑丈に固定しているので誰かが外そうとしない限りは外れないだろう。

 そういえばレイリーが実験したいという事で、ラディッツの街で襲ってきた兵士で、右腕を切り落とされたのがいたので、点滴で回復ポーションを流し込んでみようという話になったので行っている。

 部位欠損を治すことができるエリクサーではなく、部位欠損を治せないCランクの回復ポーションを使用して、実験している。まぁCランクなのは一番数が多かったからなんだけどね。

 話では、Bランクでも高品質の物であれば、部位欠損が治るものがあるという話があるが、基本的にはAランク以上の回復ポーションか、Eランク以上のエリクサーでないと、部位欠損が治らないとの事だ。

 結果は、Cランクの回復ポーション一本で肩から切り落とされた腕が、肘あたりまで再生していた。ニ本目で腕が治っていたので、Aランクポーションを買う事を思えば、Cランクの回復ポーションニ本で部位欠損が治るという事実はかなりいい事だろう。

 血管にポーションを、直接ぶち込むと効果が上がると思っていいのだろか? 今度は手軽にうてるように、濃縮を考えてみるか?

「思ったより効果があったな。ただ、これを他の国に知られるのは面白くないから、商会に併設している治療院で導入しようか?

 部位欠損については、ある程度可能になりました。と広告をうって、部位欠損の人に関しては睡眠剤を飲んでもらって寝ている間の治療なら、何とでもなるかな?

 それだと多分ワザと部位欠損して、治療方法を見に来る人がいると思うけど、マップ先生の簡易版でも部屋の入り口につけて、寝てるか分かるようにしておけば、バレないだろうと思うけどゼニスはどう思う?」

「安価とは言い難いですが、Cランクの回復ポーションニ本で、部位欠損が治るとなれば、ある程度お金を工面できる人であれば、問題なく治療できるかと思います。

 時価という事にして、お金を払える人からはお金をむしり取って、お金を持っていない人には安価で行えばよろしいのではないでしょうか?

 実際に指が無くなって仕事ができなくなった人や、足が無くなって絶望している人は多いと思いますし、使える人材が街に増えるのはいい事だと思います」

「そこらへんは調整して、お願いしていいかな? でも、お金や権力でごり押ししてくる奴等には、治療するつもりはないから、ちょっと防衛機能をあげる必要があるか」

「それほど心配する必要は、ないと思います。防衛については、戦闘奴隷でも問題ない人たちを、さらに鍛えて配置してますし、リビングアーマーに綾乃様が作ってくださっている、人造ゴーレム改も配置が進んでますので、問題ないと思います」

「ん? 人造ゴーレム改ってなんだ?」

「シュウ様、知らなかったのですか? 綾乃様はシュウ様に報告してるって言ってましたが……えっと、どういうものか説明すると、人造ゴーレムは人型ですが、改の方は動物型のゴーレムになります」

「見取り稽古みたいに、学習させたのかな? 別に有害になるモノじゃなさそうだから、気にする必要もないか。人造ゴーレム改の性能が高いなら、俺も作ってみようかな?

 猫型や犬型、色んな種類がいるから、夢が広がるな! 今度戻ったら綾乃に作り方聞いてみるか、人型と大して変わらない作り方しているだろうけど、動物の骨格何て分からないもんな」

 俺の知らない所で、思った以上に話が進んでいるようだ。

 さてすることも終わり、どうするか確認していると、俺はすっかり忘れていたが、今回は皇帝に依頼されてわざわざニつの街を攻めたのを思い出した。どうするか確認をとるために皇帝に連絡しようとしたが……良かったつながった。

 皇帝とは連絡が取れた方がいいとの事で、映像は流れない音声だけが通信できるタイプを、竜騎士の人間が置いていったそうだ。グリエルナイス!

「おっす、とりあえず言われてたニ個の街を制圧したぞ。これでもうメギドに、手を出してくる奴はいないよな?」

『そうだな、こっちの近衛騎士団も五つの街を制圧したと、連絡があったので馬鹿な貴族が攻めてくる事は無い。盗賊がいた場合には分からないが』

「あんな黒い悪魔みたいに、ワラワラ沸いてくる奴らまで管理しろとは言わないよ。壁を作ろうと思うから、境界線を決めてほしいんだが。

 壁の近くには水の流れる堀を作る予定だから、村みたいなところがあったら近くを通してもいいぞ。その近くに門を作れば、その村が発展するかもしれないし、そっちにとって悪い話じゃないだろ?」

『そこまでしてもらってもよいのか? こっちとしてはすごく助かるのだが、お言葉に甘えて文官たちに伝令を飛ばしておく、最悪新しく宿場町を作って大きな街にしてもいいだろうし。そこらへんは協力を期待してもいいのだろうか?』

「別にいいけど、有料になるからグリエルと決めてくれ。後、土木関係で派遣された人間を、帝国に勧誘したら殺すからな!」

『もちろん金は払うさ。宿場町を担当する文官にきつく言っておく。それに信頼できる近衛兵も、警護に当たらせて目を光らせておくよ。何かあったらよろしく頼む』

「ダギアかラディッツの街に来れば、連絡がつくようにしておくからよろしく」

『了解した。近衛騎士団の人間に連絡を入れておく』
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