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第563話 新素材出現
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テンプレに遭遇した次の日、俺たちは変わらずダンジョンの攻略を進めている。今の所俺たちが七十階以降に潜っていることは誰も知らない。良くも悪くもドーンボーンの人間に、眼をつけられている俺たちの動向を、きちんと監視できていないのは大丈夫なのだろうか?
といっても、監視者はなるべくまくように行動しているため、俺たちがダンジョンに潜っているのは、わかっているだろうが何階に潜っているかは分からないだろう。
一回目に通過した時に集めておいた素材を、常識的な範囲でギルドに売却しているので、その素材が取れる所に潜っていると思っている事だろう。馬鹿正直にご苦労なこった。やらせている俺が、それを言っても微妙だな。
「八十六階も上と同じような、洞窟型のダンジョンっぽいな。でも、上に比べると若干通路や部屋が広いか?」
八十六階に降りてきて、思ったことを口にしてみた。
「そうね。シュウの言う通り、気持ち通路や部屋が大きくなってるわね。それに魔物も上と種類は、変わらないはずなのに若干大きくなってる気がするわよ」
カエデの発言に、前衛で戦っているメンバーが同意を示している。
「あ~見てわかるくらいでかくなってる? 前に出て戦ってないから、そこまで違いがあるようには見えなかったな。何て言うのか、たいした差じゃないってことだな」
「確かにそう言われたらそうなんだけどね」
「あ、ご主人様。ゴk『シャラーーーップ!!!!』ヒックヒック……」
「あぁ~ネル、ごめん。泣き止んでくれ」
黒い悪魔の名称を言おうとしたネルに対して、怒鳴ってしまった。やっちまったな……泣いてしまったネルをあやすように、抱っこして頭を撫でてやる。
日本にいた時にこんなことやってたら、腰を痛めただろうな。いや、むしろステータスの恩恵で出来るようになってるんだから、喜ばしい事だろう! 泣かせなければ、問題なかった話なんだけどな……
三十分位ダンジョンを進んでいる間、ずっと抱っこをして撫でてあげていると機嫌が直ったのか、満面の笑みで俺にしがみついてきていた。しばらくはネルの好きにしてあげよう。そして俺の腰にしがみついてきているシェリルとイリアは……歩きにくいけど、甘んじて受け入れよう。二人も心配なんだよな。
後、俺の後ろにいい大人なのに、ガクブルしている三人がいるけどな。俺もネルの事が無かったら、びくびくしてたと思うよ、だって黒い悪魔が出たんだからね。
シュリの話だと上の方にいた黒い悪魔の、三割位は大きく見えたらしい。上の階の奴でさえデカかったのにさらにデカくなるか? でも、生息数が少ないみたいで、焼き尽くしながら進むという事にならなくてよかった。
それにしても、相変わらず黒い悪魔の脚肉とか黒い悪魔の胸肉とか、意味不明なドロップ品を落とすようだ。いくら美味くても絶対に食べねーぞ!
「ご主人様、ただ大きくなっているだけではなさそうです。大きいから強く感じるのかまではわかりませんが、Lvも今までよりちょっと上ではないでしょうか?」
「ここのダンジョンって、きちんと対策をとって進んでけば、問題なくレベルを上げてけれるようにできてるよな。ここのダンジョンを作ったダンマスが、この街に住む人間のために作ったって感じがするな。じゃなきゃ、ダンジョンの中に畑を作ったりしないよな。
この街の人たちは、思ったより有効活用できてないけどな。暗黒トラップは、誰かが突破したら突破したパーティーが手伝って進ませる……みたいな事考えてたんじゃないかな? 今の所、俺はやるつもりないけどな」
会話をしながらも周りを警戒をして進んでいく。今、妻たちは警戒はしているが全員休憩モードである。誰が戦っているかといえば、従魔たちである。一番活躍しているのは、狭い通路なのに自由自在に飛んで、ドラゴンの本領ブレスを巧みに使って敵を殲滅しているハクだ。
火⇒風⇒氷⇒雷⇒火の順でブレスを吐いていたので、疑問に思ったので聞いてみたら、連続で同じブレスは吐けないようで、使用するとしばらくクールタイムが必要なようだ……ゲームか! ブレス全体にかからないで、各属性ブレスにかかる感じはゲームっぽいな。
さすがにシングル以上の冒険者といっても、過言ではないメンバーの集まりだけあって、八十階を越しても苦労する事は無いな。
苦労しているのは俺とカエデ、ミリー、リンドの四人が黒い悪魔のせいで、心が削られているくらいだろう。ニコ……いくら黒い悪魔より早いからって、体内で溶かそうとするのは止めてくれ。
八十八階に到着してこのダンジョン……いや、この世界に来て初めて目にしたものがあり、思わず写真を撮ってしまった。ミリーは聞いた事があるだけで現物を見るのは初めて、カエデも噂を聞いた事があるだけ、唯一長生きのリンドはダンジョンから持ち出された、それを見る機会があったらしい。
「で、これ綺麗だけど何?」
「シュウ君、これはダンジョンや魔物の領域に出来る、魔晶石っていう……えっと仮説の域を出ないのですが、倒された魔物がドロップになる時に、放出される魔力が集まって鉱石になったもの、と言われています」
「え? 宝石みたいなのに鉱石なの?」
「シュウ、あれは鍛冶師からしたら、破産してでも手に入れたいアイテムの一つよ」
カエデがそういうので、俺も興味を持ってしまった。色々聞いて分かった事は、鉱石と言ってはいるが、その実よくわかっていないとの事。魔晶石単体では加工も難しいのだが、他の金属に合金する事によって、いろんな特性を付与できるらしい。
パワードスーツのモデルとなった、漫画の賢者の石みたいな特性の鉱石だな。老ドワーフたちが教えてくれた、賢者の石とは違うが漫画に出てくる賢者の石の性質に近そうだ。DPで呼び出すことができないので、かなり貴重なものなのだろう。綾乃は生み出せたりするのかな?
そこにあった魔晶石は、ダンジョンにくっついている根元だけ残して、持ち帰っている。何で全部持ってこないかというと、ドワーフの中の言い伝えに、そういう風に採取すると、またそこを中心に魔晶石が集まってくるそうなのだ。大きくなるまでには長い年月がかかるらしいけどね。
九十階までサクッと攻略して、ガーディアンも倒し地上へ戻った。
といっても、監視者はなるべくまくように行動しているため、俺たちがダンジョンに潜っているのは、わかっているだろうが何階に潜っているかは分からないだろう。
一回目に通過した時に集めておいた素材を、常識的な範囲でギルドに売却しているので、その素材が取れる所に潜っていると思っている事だろう。馬鹿正直にご苦労なこった。やらせている俺が、それを言っても微妙だな。
「八十六階も上と同じような、洞窟型のダンジョンっぽいな。でも、上に比べると若干通路や部屋が広いか?」
八十六階に降りてきて、思ったことを口にしてみた。
「そうね。シュウの言う通り、気持ち通路や部屋が大きくなってるわね。それに魔物も上と種類は、変わらないはずなのに若干大きくなってる気がするわよ」
カエデの発言に、前衛で戦っているメンバーが同意を示している。
「あ~見てわかるくらいでかくなってる? 前に出て戦ってないから、そこまで違いがあるようには見えなかったな。何て言うのか、たいした差じゃないってことだな」
「確かにそう言われたらそうなんだけどね」
「あ、ご主人様。ゴk『シャラーーーップ!!!!』ヒックヒック……」
「あぁ~ネル、ごめん。泣き止んでくれ」
黒い悪魔の名称を言おうとしたネルに対して、怒鳴ってしまった。やっちまったな……泣いてしまったネルをあやすように、抱っこして頭を撫でてやる。
日本にいた時にこんなことやってたら、腰を痛めただろうな。いや、むしろステータスの恩恵で出来るようになってるんだから、喜ばしい事だろう! 泣かせなければ、問題なかった話なんだけどな……
三十分位ダンジョンを進んでいる間、ずっと抱っこをして撫でてあげていると機嫌が直ったのか、満面の笑みで俺にしがみついてきていた。しばらくはネルの好きにしてあげよう。そして俺の腰にしがみついてきているシェリルとイリアは……歩きにくいけど、甘んじて受け入れよう。二人も心配なんだよな。
後、俺の後ろにいい大人なのに、ガクブルしている三人がいるけどな。俺もネルの事が無かったら、びくびくしてたと思うよ、だって黒い悪魔が出たんだからね。
シュリの話だと上の方にいた黒い悪魔の、三割位は大きく見えたらしい。上の階の奴でさえデカかったのにさらにデカくなるか? でも、生息数が少ないみたいで、焼き尽くしながら進むという事にならなくてよかった。
それにしても、相変わらず黒い悪魔の脚肉とか黒い悪魔の胸肉とか、意味不明なドロップ品を落とすようだ。いくら美味くても絶対に食べねーぞ!
「ご主人様、ただ大きくなっているだけではなさそうです。大きいから強く感じるのかまではわかりませんが、Lvも今までよりちょっと上ではないでしょうか?」
「ここのダンジョンって、きちんと対策をとって進んでけば、問題なくレベルを上げてけれるようにできてるよな。ここのダンジョンを作ったダンマスが、この街に住む人間のために作ったって感じがするな。じゃなきゃ、ダンジョンの中に畑を作ったりしないよな。
この街の人たちは、思ったより有効活用できてないけどな。暗黒トラップは、誰かが突破したら突破したパーティーが手伝って進ませる……みたいな事考えてたんじゃないかな? 今の所、俺はやるつもりないけどな」
会話をしながらも周りを警戒をして進んでいく。今、妻たちは警戒はしているが全員休憩モードである。誰が戦っているかといえば、従魔たちである。一番活躍しているのは、狭い通路なのに自由自在に飛んで、ドラゴンの本領ブレスを巧みに使って敵を殲滅しているハクだ。
火⇒風⇒氷⇒雷⇒火の順でブレスを吐いていたので、疑問に思ったので聞いてみたら、連続で同じブレスは吐けないようで、使用するとしばらくクールタイムが必要なようだ……ゲームか! ブレス全体にかからないで、各属性ブレスにかかる感じはゲームっぽいな。
さすがにシングル以上の冒険者といっても、過言ではないメンバーの集まりだけあって、八十階を越しても苦労する事は無いな。
苦労しているのは俺とカエデ、ミリー、リンドの四人が黒い悪魔のせいで、心が削られているくらいだろう。ニコ……いくら黒い悪魔より早いからって、体内で溶かそうとするのは止めてくれ。
八十八階に到着してこのダンジョン……いや、この世界に来て初めて目にしたものがあり、思わず写真を撮ってしまった。ミリーは聞いた事があるだけで現物を見るのは初めて、カエデも噂を聞いた事があるだけ、唯一長生きのリンドはダンジョンから持ち出された、それを見る機会があったらしい。
「で、これ綺麗だけど何?」
「シュウ君、これはダンジョンや魔物の領域に出来る、魔晶石っていう……えっと仮説の域を出ないのですが、倒された魔物がドロップになる時に、放出される魔力が集まって鉱石になったもの、と言われています」
「え? 宝石みたいなのに鉱石なの?」
「シュウ、あれは鍛冶師からしたら、破産してでも手に入れたいアイテムの一つよ」
カエデがそういうので、俺も興味を持ってしまった。色々聞いて分かった事は、鉱石と言ってはいるが、その実よくわかっていないとの事。魔晶石単体では加工も難しいのだが、他の金属に合金する事によって、いろんな特性を付与できるらしい。
パワードスーツのモデルとなった、漫画の賢者の石みたいな特性の鉱石だな。老ドワーフたちが教えてくれた、賢者の石とは違うが漫画に出てくる賢者の石の性質に近そうだ。DPで呼び出すことができないので、かなり貴重なものなのだろう。綾乃は生み出せたりするのかな?
そこにあった魔晶石は、ダンジョンにくっついている根元だけ残して、持ち帰っている。何で全部持ってこないかというと、ドワーフの中の言い伝えに、そういう風に採取すると、またそこを中心に魔晶石が集まってくるそうなのだ。大きくなるまでには長い年月がかかるらしいけどね。
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