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第530話 国王激おこ!
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『シュウ様、少々お待ちください。国王様、今から通信の魔道具でシュウ様とお話ししていただきます。この板にシュウ様が現れますので、そのままお話しください。それではシュウ様よろしくお願いします』
まさかテレビ電話みたいなことをする羽目になるとは……後で聞いたら、本人か分からないと言われる可能性があるので、姿と国王が俺に渡してきた紋章を、テレビ電話で見せれば問題ないと思ったため、こういった形になったそうだ。
「どうも。国王陛下も元気そうでよかった。長々と話してもしょうがないので簡単に用件を伝える。俺の街だったフレデリクがナントカっていう、侯爵の子飼いの商人が治めてるみたいなんだけどどういうこと?
確か書状に王国から管理する人間を出す、みたいな話だったと思うんだけど? 侯爵の子飼いの商人がそれなのかな?」
『む? どういう事じゃ? ちょっと確認を取るから待ってほしい。文官長、確か儂はこちらから派遣しろと言ったが、そこらへんはどうなっておるのだ? 侯爵に全部任せたって事は無いだろうな?』
国王は今の反応では白かな。あれだけボコボコにしたんだから、さすがに丁寧に扱うだろうな。それを知らない他の貴族は、ちょうどいいとか言って権利を奪ったりしてそうだな。
『シュウ殿、すまぬがフレデリクの件は本当なのだろうか? こちらから文官の一団を派遣して、フレデリクとリーファスを管理させているはずなのだが……実際にその文官たちからの報告書もあったのだ』
「おそらく本当だと思う。俺も直接調べていないから分からないけど、俺の頼りにしている人間たちの情報網では、侯爵の子飼いの商人がこの街を治めていて、結構黒い事をしているらしいぞ。
俺が作った試験農場の農民の話では、騎士団長もグルになってモンスターパレードで食料が高騰する前に、農民たちの食料を全部はした金で奪っていったそうだ。って、騎士団長とやらに襲われて、捕えてるんだった。クロ、連れてきてくれ」
『騎士団長がグルだったのか? あり得る話だな……長いものには巻かれろ主義の、クソ虫だったのを忘れておったわ』
「そうだな。濡れ衣を着せられて、大人しくつかまれとか言われたけど、本来従うべき人間を捕えようとするとか、異常じゃないか? 王国ってそんな法律あるのか?」
『馬鹿にするでない! そんな法律あるわけないだろうが! さすがにシュウ殿でも許しがたいですぞ!』
「お前だって濡れ衣被せて殺そうとしたじゃんか、やってること騎士団長と変わらんぞ?」
『うぐっ』
「お? 騎士団長が来たぞ。猿轡外してやれ」
「国王様!? はっ! そんなこといいとして、この大罪人を捕えて頂きたいのですが!」
『ふざけるな馬鹿者! 本来仕えるべき領主に向かって、その言い草はなんだ! お主は本当に騎士団長なのか? 品位にかける大バカ者だ! このアホの発言でよくわかった。シュウ殿、迷惑をかける。騎士団長、今から聞くことに素直に答えれば、温情があるかもしれないから心して答えよ』
国王は、騎士団長が頷くのを見て話を切り出す。
『フレデリクを今、治めている者は誰だ?』
「シジン侯爵様から派遣された、商人です」
『私の派遣した文官が、フレデリクとリーファスにいるはずなのだが、どこにいるか知らないか?』
「そういえば……国王様が派遣した文官かはわかりませんが、商人の下に優秀そうな奴隷がいました」
『おそらく、国から派遣した文官たちだろう。近衛たちに連絡して、侯爵を捕えさせよ。シュウ殿、度々済まぬ。大体の状況はつかめたから、少々お待ちいただきたい』
「全部そっちで対処してくれるなら構わんよ。そうだ、俺が派遣したワイバーン部隊なら、箱馬車くらい掴んで運べるから、移動は手伝おうか?」
『それは助かる! 今すぐ準備させるので、少々お待ちいただきたい』
「ワイバーン部隊のリーダー、無茶な注文じゃない限りは、手伝ってやってくれ。帰ってきたら美味い酒でも出すように、グリエルに言っておく。後の指示はグリエルに任せる。判断に困る事があったら、こっちに連絡してくれ」
『了解いたしました!』
この先の対応は、王国がしてくれるようだ。近衛が動く事になるなら、侯爵の兵では役に立たないだろう。俺たちにボコボコにされたとはいえ、能力で選ばれる役職なので、普通に見たら弱くない。
「俺たちがここで何かをするわけにはいかないので、外の掃除が終わったらディストピアに戻って、神たちが仕掛けた馬鹿げた悪巧みを阻止しに走ろうか。バザールと綾乃がいるから、そこまで急ぐ必要はないだろうけど、念のためにな」
その場にいた全員が頷いたので、支店にいるスカルズと元シングルの七人に、団長とその他二名を任せることにした。今の支店には閉じ込めておく場所がないので、土魔法を使うふりをして、DPで地下室を作成しておく。
支店でゴタゴタしていると、ワイバーン部隊が出発したと連絡が入った。どのくらいで到着するかわからないが、さっさと片付くといいな。フレデリクとリーファスが戻ってきたらどうするか? 帝国のメギドみたいに、飛び地で王国に認めさせるか? 俺が代官を置いて王国の一部として動いてもらうべきか?
地球の常識で考えれば、自分の国じゃない国の中に領地があるって……あれ? 大使館とか軍基地って、その国の領地扱いだったような? これから発展していくってわかったら、周りから人が集まる可能性があるし、壁でいったんせき止めるべきか?
今考えてもしょうがないな! さっさとフレデリクの街の外にいる魔物の処理をしようか。
「まだ、門番の人倒れてるな。面倒にならないように、結構強めに撃ったからしょうがないかな? クロとギン、俺たちが門から出たら、閂をかけてから壁の上からきてくれ」
「「ワフッ!」」
この程度の壁なら問題ない。ジャンプで届かなくても爪で引っ掻けて、登ることができるはずだ。門がしまったのを確認して、クロたちが出てくるのを待った。フレデリクの街の壁の近くは、騎士団や冒険者たちが殲滅してくれているのでほとんどいない。
撤退を始めている魔物たちなら、特に苦も無く倒せるので、一週間ほど外に出られなかった分のお金位は稼げるだろう。領主が報酬をかすめ取らなければだけどな。そこは国王が何とかしてくれるだろう。最悪侯爵からぶんどればいいし気にしすぎかな。
夜になるまでに、あたり一帯の危険な魔物は駆逐し終わっている。この時に活躍したのが、新しく召喚したオオカミと土木組だ。一人に一匹のシャドーウルフかシルバーウルフをあげたので、コンビを組んで殲滅して回ったそうだ。
夜になり様子を見た所、コンビを組んだオオカミたちが、相方にブラッシングされて気持ちよさそうだった。それを見たクロとギンが、ブラシをもって俺の所へ来たので、俺も土木組に交じってブラッシングを行った。
まさかテレビ電話みたいなことをする羽目になるとは……後で聞いたら、本人か分からないと言われる可能性があるので、姿と国王が俺に渡してきた紋章を、テレビ電話で見せれば問題ないと思ったため、こういった形になったそうだ。
「どうも。国王陛下も元気そうでよかった。長々と話してもしょうがないので簡単に用件を伝える。俺の街だったフレデリクがナントカっていう、侯爵の子飼いの商人が治めてるみたいなんだけどどういうこと?
確か書状に王国から管理する人間を出す、みたいな話だったと思うんだけど? 侯爵の子飼いの商人がそれなのかな?」
『む? どういう事じゃ? ちょっと確認を取るから待ってほしい。文官長、確か儂はこちらから派遣しろと言ったが、そこらへんはどうなっておるのだ? 侯爵に全部任せたって事は無いだろうな?』
国王は今の反応では白かな。あれだけボコボコにしたんだから、さすがに丁寧に扱うだろうな。それを知らない他の貴族は、ちょうどいいとか言って権利を奪ったりしてそうだな。
『シュウ殿、すまぬがフレデリクの件は本当なのだろうか? こちらから文官の一団を派遣して、フレデリクとリーファスを管理させているはずなのだが……実際にその文官たちからの報告書もあったのだ』
「おそらく本当だと思う。俺も直接調べていないから分からないけど、俺の頼りにしている人間たちの情報網では、侯爵の子飼いの商人がこの街を治めていて、結構黒い事をしているらしいぞ。
俺が作った試験農場の農民の話では、騎士団長もグルになってモンスターパレードで食料が高騰する前に、農民たちの食料を全部はした金で奪っていったそうだ。って、騎士団長とやらに襲われて、捕えてるんだった。クロ、連れてきてくれ」
『騎士団長がグルだったのか? あり得る話だな……長いものには巻かれろ主義の、クソ虫だったのを忘れておったわ』
「そうだな。濡れ衣を着せられて、大人しくつかまれとか言われたけど、本来従うべき人間を捕えようとするとか、異常じゃないか? 王国ってそんな法律あるのか?」
『馬鹿にするでない! そんな法律あるわけないだろうが! さすがにシュウ殿でも許しがたいですぞ!』
「お前だって濡れ衣被せて殺そうとしたじゃんか、やってること騎士団長と変わらんぞ?」
『うぐっ』
「お? 騎士団長が来たぞ。猿轡外してやれ」
「国王様!? はっ! そんなこといいとして、この大罪人を捕えて頂きたいのですが!」
『ふざけるな馬鹿者! 本来仕えるべき領主に向かって、その言い草はなんだ! お主は本当に騎士団長なのか? 品位にかける大バカ者だ! このアホの発言でよくわかった。シュウ殿、迷惑をかける。騎士団長、今から聞くことに素直に答えれば、温情があるかもしれないから心して答えよ』
国王は、騎士団長が頷くのを見て話を切り出す。
『フレデリクを今、治めている者は誰だ?』
「シジン侯爵様から派遣された、商人です」
『私の派遣した文官が、フレデリクとリーファスにいるはずなのだが、どこにいるか知らないか?』
「そういえば……国王様が派遣した文官かはわかりませんが、商人の下に優秀そうな奴隷がいました」
『おそらく、国から派遣した文官たちだろう。近衛たちに連絡して、侯爵を捕えさせよ。シュウ殿、度々済まぬ。大体の状況はつかめたから、少々お待ちいただきたい』
「全部そっちで対処してくれるなら構わんよ。そうだ、俺が派遣したワイバーン部隊なら、箱馬車くらい掴んで運べるから、移動は手伝おうか?」
『それは助かる! 今すぐ準備させるので、少々お待ちいただきたい』
「ワイバーン部隊のリーダー、無茶な注文じゃない限りは、手伝ってやってくれ。帰ってきたら美味い酒でも出すように、グリエルに言っておく。後の指示はグリエルに任せる。判断に困る事があったら、こっちに連絡してくれ」
『了解いたしました!』
この先の対応は、王国がしてくれるようだ。近衛が動く事になるなら、侯爵の兵では役に立たないだろう。俺たちにボコボコにされたとはいえ、能力で選ばれる役職なので、普通に見たら弱くない。
「俺たちがここで何かをするわけにはいかないので、外の掃除が終わったらディストピアに戻って、神たちが仕掛けた馬鹿げた悪巧みを阻止しに走ろうか。バザールと綾乃がいるから、そこまで急ぐ必要はないだろうけど、念のためにな」
その場にいた全員が頷いたので、支店にいるスカルズと元シングルの七人に、団長とその他二名を任せることにした。今の支店には閉じ込めておく場所がないので、土魔法を使うふりをして、DPで地下室を作成しておく。
支店でゴタゴタしていると、ワイバーン部隊が出発したと連絡が入った。どのくらいで到着するかわからないが、さっさと片付くといいな。フレデリクとリーファスが戻ってきたらどうするか? 帝国のメギドみたいに、飛び地で王国に認めさせるか? 俺が代官を置いて王国の一部として動いてもらうべきか?
地球の常識で考えれば、自分の国じゃない国の中に領地があるって……あれ? 大使館とか軍基地って、その国の領地扱いだったような? これから発展していくってわかったら、周りから人が集まる可能性があるし、壁でいったんせき止めるべきか?
今考えてもしょうがないな! さっさとフレデリクの街の外にいる魔物の処理をしようか。
「まだ、門番の人倒れてるな。面倒にならないように、結構強めに撃ったからしょうがないかな? クロとギン、俺たちが門から出たら、閂をかけてから壁の上からきてくれ」
「「ワフッ!」」
この程度の壁なら問題ない。ジャンプで届かなくても爪で引っ掻けて、登ることができるはずだ。門がしまったのを確認して、クロたちが出てくるのを待った。フレデリクの街の壁の近くは、騎士団や冒険者たちが殲滅してくれているのでほとんどいない。
撤退を始めている魔物たちなら、特に苦も無く倒せるので、一週間ほど外に出られなかった分のお金位は稼げるだろう。領主が報酬をかすめ取らなければだけどな。そこは国王が何とかしてくれるだろう。最悪侯爵からぶんどればいいし気にしすぎかな。
夜になるまでに、あたり一帯の危険な魔物は駆逐し終わっている。この時に活躍したのが、新しく召喚したオオカミと土木組だ。一人に一匹のシャドーウルフかシルバーウルフをあげたので、コンビを組んで殲滅して回ったそうだ。
夜になり様子を見た所、コンビを組んだオオカミたちが、相方にブラッシングされて気持ちよさそうだった。それを見たクロとギンが、ブラシをもって俺の所へ来たので、俺も土木組に交じってブラッシングを行った。
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