ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第506話 楽しい楽しい旅の準備

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 朝起きたらダンジョンバトルが終わっていた。暴走した骨ゲーターが、スケルトンキングの命令を無視して、コアルームまでたどり着いてしまったのだ。

 スケルトンキングと骨ゲーターが何か意思疎通したかと思ったら、骨ゲーターの後を追っかけていたから、もしかしたら牛乳風呂の話を聞いて一緒に暴走? なわけないよな? ない、よ……な?

 昨日の様子を聞きにバザールの所へ行くと、ダンジョンバトルの後スケルトンキングもバザールの下に駆け寄ったみたいなので、後者が正しかったとちょっと驚愕した。

 ただスケルトンキングたちをバザールの農園に呼ぶと大変なことになるので、攻め手たちが待機するのは1階なので、隠しエリアを作って、大きな風呂を準備することにした。湯船は全部で三つ。まずは簡単な汚れを落とす水風呂、次に体を綺麗にするスライム風呂、最後に牛乳風呂。

 牛乳に関しては劣化しない、保存の効果がかかっている。ダンジョンの効果を限定的につけている状態だ。結構なDPがかかってびっくりしたけどな。牛乳の入れ替えはバザールに任せているので、頑張ってもらおう。

 いくら保存の効果があっても大量の骨が入ればね、そのうち汚くなるからな。牛乳を捨てるような行為だけど、スケルトンたちから見れば、人間の食事に近い行為になるはずだ。どうやって骨から吸収するか分からんけどな! 特にコーティングされてる骨ゲーターとかな!!

 よくわからない、骨たちの事情を知って微妙な気分になりながら、DBS部屋を後にする。

 特にすることもなかったので、街中を散歩してゴーストタウンにも足を運んでみたが、特に変わった様子もなく平和だった。所々で問題は起こっているようだが、優秀な衛兵さんが頑張ってくれているようで、大きな問題になっていないという所だ。

 ドッペルの有用性に気付いてから一ヶ月が経った。ドッペルの仕上がりは、まずまずのようだ。ドッペルはこのまま各街へ派遣されることとなる。

 ディストピア・ジャルジャン・ヴローツマイン・グレッグ・ミューズ・ゴーストタウン・メギド・メギドの近くに作った街に配置した。それとは別に俺が街の外を、一人で歩くためのドッペルも準備している。これはダンジョンの研究に使っていた個体だけどね。

 後は、ドッペルとはいえ俺の一人での外歩きは、極力控えてほしいとの事だったので、レイリー・カエデ・ミリー・リンドのドッペルも準備した。五人パーティーとして、行商人兼冒険者的な感じで外に行ける体裁を整えた。

 四人の内一人でも中身が入っていれば、出歩けるようになったので、大分ハードルが低くなったと思う。レイリーが軍事の事から大分手がひけたので、余裕があると言ってくれたのが決め手になったけどな。

 レイリーはディストピアにきてからずっと、兵士の事にかかりっきりだったが、ジャルジャンやグレッグ、ミューズの中立都市に、他の街で隊長格だった兵士が運ばれてくることがあって、そのたびに性格に問題が無ければ購入していたそうだ。

 それを再教育して、自分の手を離れても大丈夫になったとか。

 俺は商売用の偽装した馬車の作成を始めた。見た目は普通の幌馬車だが、後ろから御者台にあがる場所と両側に、収納アイテムの台箱型の収納ボックスを備え付けている。

 指輪は必要なくなり、箱の入り口から入るサイズの物しか入れられないのだが、その分容量は収納のカバンの十倍は軽く入るサイズになっている。この収納ボックスもダンジョンから稀に産出され、最低でも馬車三台分は入れられるので、大商人が買っていくそうだ。

 俺が行商人で、レイリーが俺の執事兼護衛的なポジションで、カエデ・ミリー・リンドは、俺の父親がつけてくれた腕利きの護衛という事にする予定だ。

 冒険者ギルドカードを偽造するわけにはいかないので、特例で高ランクのクエストを受注したり、常時依頼の素材を大量納品などをして、強制的に上げる予定だ。ズルはしているが、ジャルジャンの冒険者ギルドには、話を通してきっちりとクエストをこなした回数で、ランクを上げている。

 俺のドッペルもついでに冒険者ランクを上げている。ただメインは、商人ギルドのギルドカードなので、冒険者ギルドのランクは大して関係ないだろう。

 収納ボックスはもちろん時間停止の機能がついているので、余っていたディストピアの日持ちのする野菜を詰め込んでいる。バラで詰め込むと面倒なので収納ボックスに入るサイズの籠を大量に用意し詰め込んでいる形だ。

 もちろん、ただで持っていくわけじゃない! ディストピア価格の値段だが大量に買い込んだ。他にもドワーフの見習い鍛冶師共が、売ることも考えずに作りためた武器や、塩、和紙、魚の干物、ドライフルーツや乾燥野菜などをドンドンいれていく。

 馬車何十台分の荷物を積み込んだのだろうか? それでもディストピアの在庫には、打撃は与えられていない。

「色んな所へ行くための口実として、行商人を装うだけなので、物が足りないとかは気にする必要ない。最悪DPで召喚できるように、能力を付与するから問題ない。あれ? ドッペルを使えば人でも問題なく召喚できるようになるな」

「ご主人様、DPで召喚できるメンバーは今まで通りで問題ないと思います。現状でも困っていないのでそのままでお願いします。念のためというのであれば、召喚できるドッペルを一人配置しておいてもらえれば、その者と相談して召喚する形で問題ないです」

「ふむ。じゃぁ俺のドッペルだけに付与しておこうか。そうすれば各街に相談できるドッペルとして、配置できるし問題ないかな?」

 それで問題が無いとの事だったので、俺のドッペルにダンジョンマスターのスキルを一部付与しておいた。馬車をひく馬にウォーホースを使用できないので、普通の馬を三匹召喚してレベルを強制的に上げて、力や持久力を強くしておいた。

 馬車の荷台の守りとして、フェンウルフという小型のオオカミ系の魔獣を召喚して、Lvやスキルを上げておいた。風と水の魔法に特化した感じのオオカミだ。何で召喚したかといえば、護衛の要素もあるが、俺がモフモフが欲しかったのだ。

 着々と準備が進んでいく、おっと忘れる前に俺のドッペルが、後日各街に行くことを伝えておかないとな。グリエルに伝言を頼み各街へ連絡してもらった。
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