ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第487話 第三回ダンジョンバトル開始!

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 メギドから帰ってきて二日が経った。問題は何もなかった、が何もなくて暇だったともいえる。俺の仕事なんて、全部丸投げしているので、暇であることが普通なんだけどな。

 暇だとついつい本を読みすぎてしまうからいかんな。妻たちからすれば、歩き回らないから助かる! みたいなことを言われたけど、俺だって働きたいんだよ! いや、ニートじゃないからな!

 あまり働くと心配するので、ほどほどにとの事だ。俺にできる事を頑張っていこうと思う。指笛をならすと、クロとギンが走って来た。ギンの頭にニコが乗ってるのは、気にもしてないようだな。なんか帽子みたいに見えなくもないな。

「クロ、スプリガンのみんながいるとこにいくから乗っけてくれ」

 俺がそういうと伏せをして、俺が乗りやすいようにしてくれた。またいで乗るのはいいが、ゴツゴツしているので、ニコを呼んで鞍になってもらった。

 つかまる所がないので、多めに毛をつかんで体を固定する。久々に乗ったけど、ウォーホースより早くねえか? それにほとんど体がぶれないのが怖い……オオカミの特性だろうか?

「みんな、ダンジョンの様子はどうだい?」

「そうですね、ディストピアのダンジョンは、特に何も変化はありませんね。みんな教え通り堅実に狩りをしてます。ただゴーストタウンの方は……馬鹿な冒険者がそこそこいるようで、全滅したり大怪我をされる人が結構いますね。

 その上ゴーストタウンの冒険者ギルドに、的外れな事を言ってますね。正確な情報を渡さなかったギルドの責任だから、責任をとれと言ってたやつらもいたようです。そもそもクエストを依頼して、潜ってもらったわけでもないですし、ダンジョンの中で起こったことは自己責任なのに、何言ってるんでしょうかね?」

「そんな馬鹿がいるんだな。バザールは今何してるか分かるか?」

「あの骨なら農業に精を出してますよ。骨で食べられないのに……でも一週間くらい前に、牛を召喚してましたね。何でかと思いまして聞いてみた所、

『最近腰が痛くなって。部下に見てもらったら、骨が弱くなってるみたいなこと言われたので、治すのに牛乳やカルシウムなどが大量に含まれている液体に、浸かるのがいいですって言われたから、自分で作った餌で育った牛のミルクに浸かろうと思いまして……』との事でした」

「牛乳に浸かるのか? 自分の物だし文句はないから存分にやってくれ」

「そういえば昨日、クリエイトアンデッドで作ったアンデッドが、家畜の世話をできるようになったって、骨なのに泣いてましたよ」

「器用な奴だな。アンデッドが世話をできるようになったというならちょうどいいか、ちょっと呼びだしてもらっていいか?」

「了解です。しばらくお待ちください」

「奥にいるから来たら通してくれ。後はブラウニー、冷たいほうじ茶と煎餅をお願い」

 監視部屋を我が物顔で進んでいく。って俺の物だけどな。

 ブラウニーの用意してくれた煎餅を堪能しながら、他のダンマスのダンジョンバトルを見ている。もちろんダイジェストだけどな! しばらくすると、バザールが到着する。

「呼んだでござるか?」

「呼んだ呼んだ。とりあえずもう一戦ダンジョンバトルをするぞ。そうすればクリエイトアンデッドの宝珠を召喚できるようになるから、頑張るぞ! あ、この前のダンジョンバトルって結局どうだったんだ?」

「クリエイトアンデッドでござるか、あれって便利でござる! 魔力さえあればでござるけど。この前のダンジョンバトルでござるが、二陣目で送った阿修羅と金剛が強すぎたでござる。相手が可哀想と思うくらい強かったでござる。

 一対一でダンジョンのボスたちがやっと対抗できる感じでござった。複数いた阿修羅を見てへっぴり腰になって、金剛を見て泣きそうな顔になってたでござる。魔物なのにあんな顔するんでござるな」

「お前も人の事言えんだろ?」

「どういう事でござるか?」

「骨なのに泣いてたって、スプリガンが言ってたぞ?」

「恥ずかしいでござる……」

「確認だけど、相手のダンジョンのボスは、Sランクじゃなかったってことか?」

「見た事ない魔物でござったが、十匹もいたことを考えれば、Sランクではないでござるな。阿修羅たちと渡り合ったことを考えると、Aランク上位くらいあってもおかしくないでござろう」

「八階にスケルトンキングを倒せる魔物がいたことを考えると、Sランクの魔物がボスでもおかしくないと思うんだけど……なかなかSランクの魔物はおらんのかね? 結構な数のダンマスがいるから、今回ははずれってことかな?」

「そこらへんはよくわからないでござる。ダンジョンバトルをするのはいいでござるが、攻め手はどうするでござるか?」

「キングを増やして攻めさせてみようか? 負けそうになったら無理しなくてもいいから、リビングドールたちに任せて逃げていいよ」

「いいでござるか? 負けるのは良くないと思うでござるが?」

「お前だって、畑残して死ねないだ……ろ? もう死んでるか?」

「アンデッドジョークはやめるでござる! では、スケルトンキングを増量して次の戦に臨むでござる!」

「頼む、DPはまだ足りるか?」

「牛を召喚して少し減ったでござるが、まだまだ余ってるでござる!」

「腰悪くして牛乳に浸かるとかなんとかいうあれか。魔物でミルクを出すウシ型の奴がいるが、そいつを召喚しておこうか? それに家畜をやってくれるなら、鶏型も豚型もお願いしたいところなんだが」

「最近農業だけじゃなく、畜産もいいと思ってきた所なので、ありがたいでござる! 魔物はちょっと怖いけど大丈夫でござる!」

「お前、この世界で言えば、大規模な討伐隊が組まれてもおかしくない、Sランクの魔物だってこと忘れてんだろ。俺が召喚するし、俺の支配下にあるお前に危害は加えないだろう。

 ついでに普通の鳥や豚も召喚しておくから頼むわ。良くできたらスカーレットあたりに卸してくれ、評価してくれると思うからな。基本は放牧的な感じでいいよな。念のため、魔物と動物の交配が可能かも、調べておいてほしいな」

「了解でござる!」

「あ、この前のダンジョンバトルに勝ったから、追加でDP渡しておくわ。自分のエリア内であれば、自由に使っていいからな。攻め手のDPが足りなくなったら、ノーマンやガルドに言えば、もらえるようにしとくからよろしくな。マッチングを始めるか」

 五分もしないうちにマッチングして、ダンジョンバトルが開始された。
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