ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第481話 ダンジョンバトル終わる?

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「みんな、お疲れ様! 違う事をやってもらったから大変だったと思うけど、いい経験だと思って糧にしてくれ! 後しなきゃいけない事は、インフラ整備だな! みんなはまだやったことないけど大体わかってるかな?」

 夕食を食べ終わって、そのまま作戦会議を始めた。土木組からはインフラ整備はしたことないけど、綾乃から色々教わってるから大丈夫! と声を大にして言われてしまった。綾乃が教えたのか? 大丈夫だと思うけど何か心配だ。

 もう半分以上は区画整理も出来ているので、同心円状の道路と放射状の部分にある段差に階段、最も重要な上水の流れる溝作りだな! 道路ができれば、それに沿って溝を作ればほぼ解決なので問題ないからいけるべさ。

「明日は上から整備していこうか。領主館と一段下の段は、俺がお手本としてインフラ整備をしてみるから、よく見といてくれ。今日は解散! みんなは先にお風呂に入ってきて、クロたちを連れてってくれ。さすがに毎日洗うのは、疲れるからみんなも今日はよろしく」

 土木組は、大きいオオカミのクロたちが好きなので、めっちゃ喜んでたな。みんな頼む! お風呂から出てきた時のために、ブラウニーに王蜜を渡して、ハチミツレモンを頼んでおいた。

 ハチミツレモンはみんなに好評だった。でも後で聞いたのだが、王蜜はインパクトが強すぎるので、今あるレモンでは釣り合うものがない。普通のハニービーのハチミツを使ったようだ。王蜜を預かったブラウニーが、返そうとしてきたが、適当に料理に使ってほしいとそのまま渡しておいた。

 今日は、寝る前に上映会を行った。土木組からお願いがあった、昔のアニメの映画だ。一つの魔法で地形を変えてしまうほどの高位魔法を使い、ドラゴンもまたいで通るドラマタの魔法使いの少女が、剣士と出会いドタバタのバトルコメディを繰り広げていく、小説が原作のアニメだ。

 何であの映画なのかはよくわからなかったが、小さい頃に新作のアニメとしてやってたのをきっかけに、初めの頃のアニメをみて好きになった奴だ。久しぶりに見たので楽しかったな。

「昨日は、ちょっと夜更かしをしてしまいましたが、今日も作業があるので張り切っていくぞ!」

 土木組と三幼女のノリが良く「お~!!」と返事をしてくれた。

 昨日言ったとおりに上の段は、俺が見本としてササっとやって見せた。その後、土木組はそのまま作業を始めた。

 俺は、ポンプを作ってもらうための鍛冶場を作り始めた。この鍛冶場は、俺に縁のあるドワーフが使う予定なので、領主館の近くに作成するのだ。

 鍛冶場の設計図は四日程前に送られてきたので、その通りに作っていく。平均的な一軒家を建てるサイズの四倍の敷地をほこる作業場だったので、どうした物かと思ったが、本人たちが必要だと言っていたので、思いきって作ってみる事にした。

 炉に関しては、カエデの炉に使った二ランク下の炉を準備して、できる範囲で強化を行った。水も使い放題、炉に使う熱はAランクの魔石から作った魔核を四つ埋め込んで、ありえないほど早く高温にできるお手製だ。

「シュウ……ディストピアじゃないのにやりすぎじゃない?」

「確かにやりすぎだけど、使用制限をかけてるから、問題ないんじゃないか。特定のアイテムをもっていなければ、使用できないタイプだから大丈夫。

 後、この炉はここから動かすと使えなくなるように、プログラムを組んであるから盗むことはできないし、何よりガルドから火の中級精霊を預かってるから、それなりの物を準備してやらんとな」

 いつの間にか現れた火の精霊が、炉に潜り込んで起動を始めた。精霊にはアイテムは持たせていないが、炉に住み着くという特性を使って、裏口から起動できるような形になっている。高温に温められた炉の中で、精霊が気持ちよさそうな声を上げている。

「今みたいに、こいつがいれば強制的に起動させたり、炉を止めれるから問題ないさ」

 カエデからの質問を真っ向から切り捨てて、安全対策は問題ない!

「さてと、みんなの様子を見に行こうか!」

 のんびりと階段を下りていると、ブラウニーの一人が慌てている様子でこちらに向かって飛んできた。

「ご主人様! 報告があります! 先程ディストピアから連絡が入りまして、ダンジョンバトルが終盤に差し掛かっているそうです!」

「はぁ?」

「細かい状況は分かりませんが、最深部だと思われる所に到達して、ボス戦が開始されたそうです」

 ん~街作りが楽しくて、ダンジョンバトルの事を忘れていた。そして、忘れていたとはいえ、ダンジョンバトルが始まって二十日は経ってなかった気がするんだが……

 あれ? そう考えると普通は、一ヶ月とかかかるって言ってたから、二十日前後でバトルが終わるのは、問題ない? いやいや、二十日で勝ったら強いって評判になって、試合が成立しなくならないか?
 
 目的の物が手に入ったら、負けを演出すれば問題ないかな? そうなると、あのダンジョンが問題になってくるよな……ちょっとずつ細工して、ダンジョンを小さくするか?

「……じん様、ご主人様?」

「んあ? ごめんごめん、ちょっと考え事してた。今から帰っても意味ないから、今回のバトルについてまとめておいてくれって、伝言お願いしていいか?」

「了解であります!」

 俺からの指示を受けたブラウニーは、敬礼して野営地のある方へ飛び去っていく。何故敬礼なのだろうか?何かこだわりでもあるんかな?

 それにしても、終わるのか……早いと思うべきか、遅いと思うべきか……どっちなんだろうな。

『かなり早い方よ!』

 あ~うん、そんな気がしてた。やっぱり早いのか?

『あんたも慣れたわね! 最速というほど早いわけじゃないけど、全体から見れば早い方よ』

 なんか上機嫌な気がするんだが?

『上機嫌にもなるってもんよ! 私の召喚したダンジョンマスターが、ダンジョンバトルでいい成績で勝利するんだから、機嫌もよくなるわよ! エッヘン!』

 いい成績?

『ダンジョンバトルの面白みとしては微妙だったけど、戦術的にはかなりの王道だったわね。強い駒を揃えて、弱い駒は必要な所で捨て駒として使う。簡単なように見えて、難しい戦法なのよ。難しい理由は、指揮できるだけの頭をもった魔物が、少ないからなんだけどね』

 ふ~ん、そんなもんなのか。分かったから、街作りに邪魔だからどっかいっててくれ。

『言われなくても、ゲームの続きしてくるわよ!』

 なんていうか、親に怒られない事をいいことに、ゲーム浸りしてる子供みたいだな。

 さて気を取り直して土木組の様子を見に行くか!
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