ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
上 下
470 / 2,518

第470話 アホ王族の親族参上

しおりを挟む
 あれから五日が過ぎた。

 俺の予想通り再度派遣した魔物たちは、順調に進んで二日目の終わり頃に、前回全滅した場所までたどり着いた。損失は約一割程だ。戦闘は基本的に阿修羅と金剛、リビングアーマーが前に出て排除していたので、この程度で済んでいた。

 五日で到達できた階層は十四階だった。まぁまぁいい速度で進攻はしているけど、何階まであるか分からないので頑張ってくれ。

 雑魚スケルトンを連れてきた理由は、八階以降の罠を漢解除させるための要因だ。一応スケルトンジェネラルの強化種で、スカウトが出せたので召喚しておいた奴に、罠関係のスキルをさらに付与しておいたのだ。

 罠には解除できるタイプとできないタイプがあり、解除できないタイプを回避不能の場所に設置しているダンマスは、少なくないのでどうしても漢解除させるしかないのだ。ただ、このタイプの罠はダンジョンの中の魔物も引っかかるため、冒険者たちはその階の魔物を誘導して罠を発動させたりするらしい。

 俺らがダンジョンを攻略した時は罠を発動させずに基本移動してたからな~発動のトリガーになる物に結界を張ったり、魔法で覆ったりしていたので特に気にせずに進んでいたからな。

 前に送り込んだ俺の魔物は、四割近くが罠による被害にあって、その半分以上が戦闘不能になっていたので、罠を解除できるスケルトンを配置して、解除できないタイプは雑魚に生贄になってもらっている状態だ。

 基本的に指示を出すことができないので、突入前に大体の指示を出しているので、臨機応変にというわけにはいかないな。ある程度知性はあるのだが、アンデッド系は総じて脳無しで頭が悪いので、応用力がないのが欠点だな。

 Sランクの魔物位にならないと、アンデッド系の知能は期待できないようだ。早くクリエイトアンデッドを覚えて、Sランクのアンデッドを作成したいところだな。一応作成の時のために、妻たちには暇があれば、Aランクの魔石で作った魔核に魔力を注入してもらっている。

 魔力を発生させる機能は一切排除して、魔力をためる事が出来るようにだけしているため、かなりの量が蓄える事が出来るようになっている。大体五〇〇万程の魔力をためられると考えている。

 ない物ねだりしてもしょうがないので、今の手持ちでバザールには頑張ってもらおう。その時、俺の持っている異世界対応型スマホがなったので電話に出る。

『ご主人様、グレッグの領主代行から連絡が入っています』

「内容は聞いているか?」

『はい。以前ゴーストタウンで王族と名乗る人間が無礼を働いた件で、謝罪をしに来たとの事です』

「あぁ、解放して国に帰れたはいいけど、牢屋で死んだあいつの国か? 王族の誰かの一行がこっちに向かってきてるのは知ってたけど、やっとこれたのか」

『そういう事になりますね。で、この人たちをどうしましょうか?』

「ゴーストタウンに来てもらおうか。明日の夜には着くかな?」

『今から出発すれば、明日の夕刻頃には着くと思いますね』

「ゴーストタウンに来るようにしてもらってくれ。こっちでそいつらの泊まれる宿は手配しておくよ」

『わかりました。先方にはそのように伝えておきます』

 ゴーストタウンの老ドワーフに連絡を入れて、今さっきの話をしておく。明後日に先方と会う予定であることを伝えておく。

 たった二日では、ダンジョンバトルが進行するわけもなく、相手は二十五階まで来ていたので、明日あたりにボスに挑むのではないだろうか?

 こっちの魔物は十六階まで進んでいる。途中でボスらしき強敵を倒していたようだけど、その瞬間は見逃したので、ダイジェストで出てこないと何を倒したか分からんな。

 今いる場所は、ゴーストタウン城の会議室の様な所だ。机をはさんで前には、豪華な服を着ている三十代くらいの男と、左右に二人ずつ文官チックな見た目の男が三人と女が一人いて、後ろに十人の軽装の騎士が並んでいた。

 武器は携帯している。取り上げてもいいのだが、王族の護衛であるため騎士たちが渋ったので、めんどくさいから携帯させることにした。

 もちろん、こっちも武器を携帯しているが、メンバーは姉御組と年長組のシュリ以外が、ショットガンのストッパーを持っている。

 ちなみに俺の隣にいるのは、ゴーストタウンの領主の老ドワーフとグリエルとガリアだ。ガリアってもうこっちに帰ってきていたんだな。

 今は通信機で連絡を取りながら、管理を行っているそうだ。メギドはもうだいぶ落ち着いたので、森に近い門に都市を作ってほしいと依頼が来ている。今度、時間が出来たら、外枠だけでも作りに行くか。

「本日は、時間を作ってくださりありがとうございます。この度は、私の愚弟がこの街で起こしたことに対する、謝罪で訪問させていただきました。誠に申し訳ございませんでした」

「その事は気にしなくていいよ。どうせ何もできずに捕えられたし、実害はなんもなかったからな」

 兵士たちが武器を抜きかけたが、俺に対して挨拶してきた男が一括すると剣から手を放していた。そういえば、こいつらの名前は知らんけど……まぁいっか。様子をながめていると、文官らしき男が話し始めた。

「私どもの国の王族が、この街で無礼を働いた事へ謝罪させていただきます。謝罪の気持ちとして、我が国の美姫を連れてきましたので、お受け取り下さい」

「え? いらないよ。良く知らん人間を、身の回りに置くわけないじゃん。俺の事馬鹿にしてんの?」

「いえ、そのような事はございません。私たちの国には、姫を差し出すくらいしか、謝罪を示す方法がございません……」

「じゃぁ、わざわざ来てくれたってことで、謝罪を受け入れるから連れて帰っていいよ。別に俺も愚弟とやらが、この街を攻め落としてやるって言ってたから、できるもんならと思って解放しただけだし、面白い物をみれたし、それで十分だよ」

「ですが!」

 文官は、王族の人間に手で止められて声を発するのをやめた。そのまま王族の人間が、

「こちらとしても、謝罪の何かを受け取っていただかないと面子が……」

「その面子とやらで腹でも膨れるのか? そんなことをしている暇があったら、自分の国の民に何かしてやったらどうだ? もし何かを受け取れというなら……そうだな。その女性がもってるペンにしようか。結構意匠が凝ってるし、使いやすそうだな。グリエル、紙を出してくれ。蝋も準備しといてくれ」

 女性の文官からペンを受け取り、グリエルの出してくれた紙に文字を書いていく。

 書いた内容は簡単に言えば、【俺はこのペンが気に入ったので、今回のトラブルに関する謝罪は、これで済ませたいと考えているので了承してください】といった内容で、グリエルとガリアがいつの間にか作っていた、俺の王印を使って判を押し、蝋封をして相手方に渡す。

 それを行うと相手方は苦い顔をするが、受け入れないという事は出来ないので、了承してくれたようだ。

 小説の知識が役に立つのであれば、王族と関係をもてば支援をさせたり、俺の情報を外に伝えたりと、まぁ懐に入れてもいいことないので拒んだ形だ。

 いくつか雑談をして、帰ることになったので、ディストピアの特産をいくつか渡しておいた。わざわざ来てくれた人に対してお土産だな、頑張って帰ってくれ。

 あの様子をみるに、たかりの様な物だろうな。こんなところまでくる労力があるなら、国のために魔物を一匹でも多く狩ればいいんじゃないか? と思うのは、俺だけなんだろうか?

 あの国がどういった国かは分からないが、いい方向に進むなら国民は嫌がらんだろうに。やっぱり血筋だけで、貴族や王族になっている人間は、総じて能力が低く感じるな。頭を切り替えてダンジョンバトルに精を出そう!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

月が導く異世界道中extra

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  こちらは月が導く異世界道中番外編になります。

彼女をイケメンに取られた俺が異世界帰り

あおアンドあお
ファンタジー
俺...光野朔夜(こうのさくや)には、大好きな彼女がいた。 しかし親の都合で遠くへと転校してしまった。 だが今は遠くの人と通信が出来る手段は多々ある。 その通信手段を使い、彼女と毎日連絡を取り合っていた。 ―――そんな恋愛関係が続くこと、数ヶ月。 いつものように朝食を食べていると、母が母友から聞いたという話を 俺に教えてきた。 ―――それは俺の彼女...海川恵美(うみかわめぐみ)の浮気情報だった。 「――――は!?」 俺は思わず、嘘だろうという声が口から洩れてしまう。 あいつが浮気してをいたなんて信じたくなかった。 だが残念ながら、母友の集まりで流れる情報はガセがない事で 有名だった。 恵美の浮気にショックを受けた俺は、未練が残らないようにと、 あいつとの連絡手段の全て絶ち切った。 恵美の浮気を聞かされ、一体どれだけの月日が流れただろうか? 時が経てば、少しずつあいつの事を忘れていくものだと思っていた。 ―――だが、現実は厳しかった。 幾ら時が過ぎろうとも、未だに恵美の裏切りを忘れる事なんて 出来ずにいた。 ......そんな日々が幾ばくか過ぎ去った、とある日。 ―――――俺はトラックに跳ねられてしまった。 今度こそ良い人生を願いつつ、薄れゆく意識と共にまぶたを閉じていく。 ......が、その瞬間、 突如と聞こえてくる大きな声にて、俺の消え入った意識は無理やり 引き戻されてしまう。 俺は目を開け、声の聞こえた方向を見ると、そこには美しい女性が 立っていた。 その女性にここはどこだと訊ねてみると、ニコッとした微笑みで こう告げてくる。 ―――ここは天国に近い場所、天界です。 そしてその女性は俺の顔を見て、続け様にこう言った。 ―――ようこそ、天界に勇者様。 ...と。 どうやら俺は、この女性...女神メリアーナの管轄する異世界に蔓延る 魔族の王、魔王を打ち倒す勇者として選ばれたらしい。 んなもん、無理無理と最初は断った。 だが、俺はふと考える。 「勇者となって使命に没頭すれば、恵美の事を忘れられるのでは!?」 そう思った俺は、女神様の嘆願を快く受諾する。 こうして俺は魔王の討伐の為、異世界へと旅立って行く。 ―――それから、五年と数ヶ月後が流れた。 幾度の艱難辛苦を乗り越えた俺は、女神様の願いであった魔王の討伐に 見事成功し、女神様からの恩恵...『勇者』の力を保持したまま元の世界へと 帰還するのだった。 ※小説家になろう様とツギクル様でも掲載中です。

あなたのレベル買い取ります! 無能と罵られ最強ギルドを追放されたので、世界で唯一の店を出した ~俺だけの【レベル売買】スキルで稼ぎまくり~

桜井正宗
ファンタジー
 異世界で暮らすただの商人・カイトは『レベル売買』という通常では絶対にありえない、世界で唯一のスキルを所持していた事に気付く。ゆえに最強ギルドに目をつけられ、直ぐにスカウトされ所属していた。  その万能スキルを使いギルドメンバーのレベルを底上げしていき、やがてギルドは世界最強に。しかし、そうなる一方でレベルの十分に上がったメンバーはカイトを必要としなくなった。もともと、カイトは戦闘には不向きなタイプ。やがてギルドマスターから『追放』を言い渡された。  途方に暮れたカイトは彷徨った。  そんな絶望的で理不尽な状況ではあったが、月光のように美しいメイド『ルナ』が救ってくれた。それから程なくし、共に世界で唯一の『レベル売買』店を展開。更に帝国の女騎士と魔法使いのエルフを迎える。  元から商売センスのあったカイトはその才能を遺憾なく発揮していく。すると驚くほど経営が上手くいき、一躍有名人となる。その風の噂を聞いた最強ギルドも「戻ってこい」と必死になるが、もう遅い。  見返すと心に決めたカイトは最強ギルドへの逆襲を開始する――。 【登場人物】(メインキャラ) 主人公 :カイト   / 男 / 商人 ヒロイン:ルナ    / 女 / メイド ヒロイン:ソレイユ  / 女 / 聖騎士 ヒロイン:ミーティア / 女 / ダークエルフ ***忙しい人向けの簡単な流れ*** ◇ギルドを追放されますが、実は最強のスキル持ち ◇メイドと出会い、新しい仲間も増えます ◇自分たちだけのお店を開きます ◇みんな優しいです ◇大儲けしていきます ◇元ギルドへの反撃もしていきます ◇世界一の帝国へ移住します ◇もっと稼ぎまくります

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第二章シャーカ王国編

悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが…… アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。 そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。  実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。  剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。  アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。

異世界転移したら~彼女の"王位争い"を手助けすることになった件~最強スキル《精霊使い》を駆使して無双します~

そらら
ファンタジー
↑「お気に入りに追加」を押してくださいっ!↑ とある大陸にあるローレスト王国 剣術や魔法、そして軍事力にも長けており隙の無い王国として知られていた。 だが王太子の座が決まっておらず、国王の子供たちが次々と勢力を広げていき王位を争っていた。 そんな中、主人公である『タツキ』は異世界に転移してしまう。 「俺は確か家に帰ってたはずなんだけど......ここどこだ?」 タツキは元々理系大学の工学部にいた普通の大学生だが、異世界では《精霊使い》という最強スキルに恵まれる。 異世界に転移してからタツキは冒険者になり、優雅に暮らしていくはずだったが...... ローレスト王国の第三王女である『ソフィア』に異世界転移してから色々助けてもらったので、彼女の"王位争い"を手助けする事にしました。

バランスブレイカー〜ガチャで手に入れたブッ壊れ装備には美少女が宿ってました〜

ふるっかわ
ファンタジー
ガチャで手に入れたアイテムには美少女達が宿っていた!? 主人公のユイトは大人気VRMMO「ナイト&アルケミー」に実装されたぶっ壊れ装備を手に入れた瞬間見た事も無い世界に突如転送される。 転送されたユイトは唯一手元に残った刀に宿った少女サクヤと無くした装備を探す旅に出るがやがて世界を巻き込んだ大事件に巻き込まれて行く… ※感想などいただけると励みになります、稚作ではありますが楽しんでいただければ嬉しいです。 ※こちらの作品は小説家になろう様にも掲載しております。

処理中です...