ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
上 下
453 / 2,518

第453話 土木組の子供達の本気……

しおりを挟む
 いつもの通り夜行列車でディストピアに戻って来た。まずは家に戻って食事だ。

「ただいま! スカーレット、今日の朝食はあれ用意してくれた?」

「お帰りなさいませ。もちろん、和食が希望との事でしたので、いつものメニューに和食も準備しています。希望されていたサンマは、ここら辺では取れないので、DPで出させていただいています」

 さすがスカーレットだな。何か和食が食べたくなったので、昨日、朝は和食を追加してほしいと頼んでおいて、焼き魚はサンマが食べたかったので、そういう風に依頼しておいたのだ。

 焼きサンマには大根おろし! 旬の物を召喚してくれているようで、めっちゃ美味い! 鮮度で味が違うとはいえ、ここまで美味いと俺としては、二本目が食べたくなるわけで、焼き立てで出してもらった。

 ここで食べる人間も増えてきたな。俺たちに、新人組、土木組とその教師役と……MAXで五十人くらい入るんじゃないか? それでもまだまだスペースがあるんだから、どれだけ広く作ったのやら。って俺が作って拡張したんだったな。

 スカルズケモ耳三人娘は、メギドに待機している。レッドドラゴンを討伐して帰ってくる予定だったが、リポップしていなかったので、沸いたら連絡を入れるように伝えておいた。それまではメギドの地下に準備した、訓練場で連携を高めるように言ってある。

 俺が考えた土木組の訓練方法は、まずはイメージ力を高める所からだ。簡単なものから作成していき、ドンドン難しい物に変更していく。全員でクリエイトゴーレムを使い、イメージ力を高めていく。普通の魔法より、クリエイトゴーレムの方がイメージがダイレクトに現れるからだ。

「スカーレット、あの子たちの訓練状況はどうだ?」

「そうですね。完璧からは程遠いですが、最低限の事は問題ないと思います。やる気の差でしょうか? 覚えが早かったですね」

「今日から勉強を始めさせても、問題ないか?」

「時間的な話をするのであれば、九時から十一時、十四時から十七時で、お願いしたいところですね。それ以外の時間は、メイドの勉強をさせたいと思います」

「ん~そうするとハードだな。九時から十一時は、何もしない自由時間にして、十四時から十七時は魔法の勉強をさせて、それ以外はスカーレットに任せるけど、そこまでハードにやらないでくれよ。この子たちは絶対に無理するから、スカーレットの判断で止めないと、際限が無くなるからな」

「もちろんです。私たちがご主人様の意見を、ないがしろにするわけがないじゃないですか。任せてください!」

 ……これが信用ならないんだけどな。

「ネル、皆を呼んできてもらっていいかい?」

 はーい、と元気な掛け声をしてから土木組のみんなの所へかけていく。

「集まってくれたね。今日から魔法の勉強を始めるから十四時から十七時の間は、それにあてるからね。その時に魔法とか覚えてもらうからよろしく」

「ご主人様、レベルは上げなくていいの?」

 シェリルから発せられた一言で俺は固まる。

「そうだった。レベル上げないと魔法の行使も難しいか。ってことで戦闘訓練は、みんなどの位住んでる?」

「一通りの戦い方を学んだくらいです」

「よし、勉強の前にレベルを上げないとな。遠距離から安全に行えるように、能力向上と魔法スキルを覚えさせて、遠隔で攻撃させるか?」

 それを聞いていたピーチが、

「何を優先するかですね。今回は初めに魔法の使い方を、覚えてもらった方がいい気がしますので、遠距離での戦い方を学んでもらいましょう。回復系は全員が使えるようになった方がいいですね。土木組とは言いますが、魔法を中心とした部隊として、指導していく事が望ましいと思います」

「う~ん、無理のない程度に魔法を覚えてもらおうか。遠距離での戦闘を覚えてもらって、パワーレベリングをしよう。そしたら魔法の細かい使い方を覚えてもらって、同時にクリエイトゴーレムでイメージ力アップをしよう」

「そうですね。何をおいてもレベルを上げないと、どうにもならない問題ですからね。今日の午後は、その辺の戦闘レクチャーをしましょうか。フルメンバーで行くのであれば、実地訓練がいいと思いますのでやりましょうか」

 今日の午後の予定が決まった。レクチャーするのはライムに任せよう。魔法の使い方という意味では、俺の方が圧倒的にうまいのだが、さすがに教える方は上手ではない。

 この世界にきて分かったのだが、理論を教える事は出来ても、基礎学力が足りない人を相手に教える事が、俺にはできなかったのだ。その点この世界の人たちは感覚が物を言うようなので、ライムに任せた方がいい結果になると俺は思っている。

 午後になり任せた結果、こうなってもおかしくないか。

「「「「「「シェリルちゃん! ネルちゃん! イリアちゃん! 見て見て」」」」」」

 たった三時間の実地訓練で、魔法使いのように後衛として魔法をばんばん撃っている。能力向上で上がった魔力を考えれば、この位できても普通だと思うが、年齢を考えるとすごい進歩だな。むしろ幼いから、お手本があればすぐに覚えてしまうのだろうか?

 これなら明日は、もっとハードにパワーレベリングしても問題なさそうだな。

「勉強が一段落したら、自衛手段として格闘術や短剣術、杖術を教えるべきだよな」

 俺の一言で今後の方針のあらかたが決まった。

 土木組のパワーレベリング二日目。昨日は俺たちが前衛を務めて、魔力に余裕があるようだったので、十五人による飽和攻撃で魔物を倒している。

 ダンジョンなので穴は、魔法で掘れないが土や石を積むことはできるので、トーチカの様な使い方のできる壁を作成して、魔法で攻撃していた。土木組の面目躍如な攻撃の仕方だろう。普通ならこんなに、魔法で攻撃できる人間がいないからな、俺たちならではだろう。

 ただ、シュリみたいな速さが尋常じゃない場合は、魔法使いはやられるしかないんだよね。そういう意味では、フェンリルは魔法使いにとって最悪の相性なんだろうな。

 おっと現実逃避気味になってしまった。誰が指揮をとってるわけじゃないのに、一糸乱れぬ攻撃はすごいな。火魔法に風魔法を当てて火力を倍増したり、土魔法に風魔法で石礫の速度を上げたりと、その場で問題なく連携をとっていた、すごいな。『1+1』が『3』にも『4』にもなるこの流動的な連携。

 パワーレベリング用のダンジョンなので、後一週間も狩りを続ければ、レベルは一五〇は超えるだろう。そうしたらいったん、クリエイトゴーレムで魔法の勉強をしよう。

 パワーレベリングも続けていたが、午前中の休憩時間も狩りたいと言われて、九時から十一時の間もパワーレベリングを行った。予定していたレベル一五〇を大きく上回り、みんな二〇〇を超えていた。頑張りすぎやろ! 経験値効率がいいとはいえ、二〇〇を超えるとは思わなかったわ。

 さぁ、明日からは楽しい勉強の時間だ!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい

一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。 しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。 家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。 そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。 そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。 ……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──

勇者に幼馴染で婚約者の彼女を寝取られたら、勇者のパーティーが仲間になった。~ただの村人だった青年は、魔術師、聖女、剣聖を仲間にして旅に出る~

霜月雹花
ファンタジー
田舎で住む少年ロイドには、幼馴染で婚約者のルネが居た。しかし、いつもの様に農作業をしていると、ルネから呼び出しを受けて付いて行くとルネの両親と勇者が居て、ルネは勇者と一緒になると告げられた。村人達もルネが勇者と一緒になれば村が有名になると思い上がり、ロイドを村から追い出した。。  ロイドはそんなルネや村人達の行動に心が折れ、村から近い湖で一人泣いていると、勇者の仲間である3人の女性がロイドの所へとやって来て、ロイドに向かって「一緒に旅に出ないか」と持ち掛けられた。  これは、勇者に幼馴染で婚約者を寝取られた少年が、勇者の仲間から誘われ、時に人助けをしたり、時に冒険をする。そんなお話である

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

エラーから始まる異世界生活

KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。 本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。 高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。 冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。 その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。 某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。 実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。 勇者として活躍するのかしないのか? 能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。 多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。 初めての作品にお付き合い下さい。

転生したら倉庫キャラ♀でした。

ともQ
ファンタジー
最高に楽しいオフ会をしよう。 ゲーム内いつものギルドメンバーとの会話中、そんな僕の一言からオフ会の開催が決定された。 どうしても気になってしまうのは中の人、出会う相手は男性?女性? ドキドキしながら迎えたオフ会の当日、そのささやかな夢は未曾有の大天災、隕石の落下により地球が消滅したため無念にも中止となる。 死んで目を覚ますと、僕はMMORPG "オンリー・テイル" の世界に転生していた。   「なんでメインキャラじゃなくて倉庫キャラなの?!」 鍛え上げたキャラクターとは《性別すらも正反対》完全な初期状態からのスタート。 加えて、オンリー・テイルでは不人気と名高い《ユニーク職》、パーティーには完全不向き最凶最悪ジョブ《触術師》であった。 ギルドメンバーも転生していることを祈り、倉庫に貯めまくったレアアイテムとお金、最強ゲーム知識をフルバーストしこの世界を旅することを決意する。 道中、同じプレイヤーの猫耳魔法少女を仲間に入れて冒険ライフ、その旅路はのちに《英雄の軌跡》と称される。 今、オフ会のリベンジを果たすため "オンリー・テイル" の攻略が始まった。

処理中です...