ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
上 下
452 / 2,518

第452話 壁ってこうやって作るんだっけ?

しおりを挟む
 壁を作成し始めて、五分。DPによる掌握をしているので、目撃者がいない事を確認して、壁の作成は終了。他にも内側には堀を作っている。今のとこを水は流れていないが、そのうち流したいな。どこかに大量な湧き水とかないかな?

 ちなみに堀の深さは三メートル、幅は五メートル程ある。

 この世界でレベルが三〇を超えてくる人間なら、楽々飛び越えれる距離ではあるけど、金属系の装備を身に着けている者たちなら、レベルが五十は超えてこないと、越えるのは厳しいだろう。フルプレートになればおそらくレベル八十は超えてこないと、無理ではないだろうか?

 特に深い意味がある数値ではないが、何かあった時に、何もなく素通りされるよりはましだろう。近くの領主たちが暴走したときへの対策みたいなものだ。

 壁を作るのは五分でできたが、これからが問題だ。作った壁を破棄して、クリエイトゴーレムで上書きしてから、魔核をセットしていく。

 土や岩はクリエイトゴーレムを使っても、ある一定の距離を超えると一気に魔力の伝導率が下がるので、一定の距離で魔核を埋めていかないといけないのだ。自動修復や耐久力アップなどにかかる魔力は、低ランクの素材なので少なくて済むから、汎用としてはかなり使いやすいのだ。

 さて今回使用するのはランクEの魔石を、だいたい二五〇メートル間隔で埋めていく。大体半径が十五キロメートルなので、直径が三十キロメートルだから、予備も含めて三〇〇個もあれば、足りるだろう。

 九十キロメートル位あるってことか……移動時間より、魔核を設置する時間の方がかかるな。俺以外にこういった既存の物に、そのままクリエイトゴーレムをかけられないようだ。

 何が原因か分からないが、例えば丸い水晶にクリエイトゴーレムをかけると、なぜか俺以外のメンバーだと丸い水晶が歪んでしまう。まぁイメージの差ってことかな? 綾乃は問題なくできるので、その内みんなもできるかね?

 俺はせっせと壁に魔核を埋め込んでいく。乗り降りがめんどくせえ! 走っているのがウォーホースなので、速さ的な話で言えば車より早く走り、十秒くらいで次の目的地に到着してしまう。

 そこで一分ほどの作業を黙々と繰り返す。さすがに半分くらいまで来たところで、精神が病んできた気がしたので、休憩をとる事にした。

 晴れ過ぎて太陽がウザかったので、日除けのテントだけ張って、その下で昼食をとる事にした。

 昼の準備をしてくるのを忘れたので、バーベキューをすることにした。ダンジョン農園で取れた野菜、肉、魚介は常に持ち歩いているので、簡単な処理だけすれば、問題なく美味しいご飯が食べれる。

 特に注目してもらいたいものは、この特性バーベキューセットだ! 何のことやらと思われているだろうが、これは俺が試行錯誤して作成した物だ。

 ミスリル合金を使った網に、炭火と同じような効果がある魔核を作成して、スイッチを入れるとずっとその温度で、燃え続けてくれるのだ。多少の温度調整も可能なのである。

 これを作った時は、ドワーフたちには大喜びされたが、グリエルやガリアに自慢しにいったら、呆れられてしまった。妻たちもあきらめたような表情をしていたな。

 げせん、美味い飯を食べられるのだから、情熱を燃やしたっていいじゃないか! ドワーフのじっさまたちは、すぐに作ってくれと注文してきたぞ!

 食事が終わったので食休みとして、ニコを呼びよせてから枕にして、少しゆっくりとすることにした。

 三十分位で起こしてくれといったのに、起こされたのは一時間後だった。あまりにも疲れている様子だったので、少し長めに休んでもらったとの事だ。気力も回復したので、午後の作業を開始する。滞りなく壁と門の設置が終了する。

 初めの計画では、門の近くに詰め所をと言っていたが、貨物列車の設置が可能になったので、毎日出勤してこれるようにするつもりだ。家族から離れて、週に1回とか月に1回帰れるとかではなく、毎日家に帰れるのだから、多少きつくても頑張ってくれそうな気がする。

 それに門さえ守っていれば、外から盗賊が入ってくる事はほぼ無いからな。ディストピアからきているアンソニや、その部下たちにはマップ先生を見れるタブレットを渡すつもりだ。限定的でメギドを中心に隣町までを、表示できるようにしてある。

「シュウ様、もう壁の設置が終わりましたか?」

「おわったよ。門は扉式とあれ何ていうか分かんないけど、格子状の奴が上から落とせるタイプ2つ準備してきたよ。

 扉は細かい細工は無しで、アダマンタイトの板を扉として設置してきた。もちろん閂もアダマンタイト製だし、格子の方もアダマンタイト製だな。あれなら扉を壊すより、壁を壊して侵入する方が楽だろうね」

「ありがとうございます。後は壁を上って侵入してくる敵の対処ですか……」

「それはこれを渡すから役立ててくれ、一応部下の数に合わせて五個と、同じ範囲が監視できる監視セット準備するから、それを活用してくれ。それと、門までの地下通路を掘ってレールを通すつもりだ」

 このマップ先生を使った監視網って、DPで掌握している前提だけど、地球の監視網に比べると性能高いよな。機械を使うとハッキングの危険性もあるけど、これは誤魔化しがきくアイテムって、ほとんどないからな。今の所、王国の奴隷兵が使っていた装備くらいだからな。

「ありがとうございます。これがあれば、それとなく指示する事が出来ますね。レールってことは貨物車を走らせてくださるってことですか? それなら門番の負担は減らせますね」

「毎日出勤できるようにするつもりだ。人を乗せる事が中心だから貨物車じゃなくて、客車になるのかな? そこらへんはどうでもいいか。毎日出勤して、門まで行く形になるかな」

 いくつか話しをして、自分の部屋に戻っていく。これでここですることは無くなったので、今日の夜にでもディストピアに帰ろう。土木組の勉強も見なきゃいけないからな。妻のみんなも覚えたいようで、戻ったら自分の仕事の確認をして、勉強会に参加するようだ。

 頭の中でちょこちょこと、今後の計画を立てていく。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

救国の大聖女は生まれ変わって【薬剤師】になりました ~聖女の力には限界があるけど、万能薬ならもっとたくさんの人を救えますよね?~

日之影ソラ
恋愛
千年前、大聖女として多くの人々を救った一人の女性がいた。国を蝕む病と一人で戦った彼女は、僅かニ十歳でその生涯を終えてしまう。その原因は、聖女の力を使い過ぎたこと。聖女の力には、使うことで自身の命を削るというリスクがあった。それを知ってからも、彼女は聖女としての使命を果たすべく、人々のために祈り続けた。そして、命が終わる瞬間、彼女は後悔した。もっと多くの人を救えたはずなのに……と。 そんな彼女は、ユリアとして千年後の世界で新たな生を受ける。今度こそ、より多くの人を救いたい。その一心で、彼女は薬剤師になった。万能薬を作ることで、かつて救えなかった人たちの笑顔を守ろうとした。 優しい王子に、元気で真面目な後輩。宮廷での環境にも恵まれ、一歩ずつ万能薬という目標に進んでいく。 しかし、新たな聖女が誕生してしまったことで、彼女の人生は大きく変化する。

【完結】10引き裂かれた公爵令息への愛は永遠に、、、

華蓮
恋愛
ムールナイト公爵家のカンナとカウジライト公爵家のマロンは愛し合ってた。 小さい頃から気が合い、早いうちに婚約者になった。

鮮明な月

BL
鮮明な月のようなあの人のことを、幼い頃からひたすらに思い続けていた。叶わないと知りながら、それでもただひたすらに密やかに思い続ける源川仁聖。叶わないのは当然だ、鮮明な月のようなあの人は、自分と同じ男性なのだから。 彼を思いながら、他の人間で代用し続ける矛盾に耐えきれなくなっていく。そんな時ふと鮮明な月のような彼に、手が届きそうな気がした。 第九章以降は鮮明な月の後日談 月のような彼に源川仁聖の手が届いてからの物語。 基本的にはエッチ多目だと思われます。 読む際にはご注意下さい。第九章以降は主人公達以外の他キャラ主体が元気なため誰が主人公やねんなところもあります。すみません。

転移魔法に失敗したら大変な事に巻き込まれたようです。

ミカヅキグマ
ファンタジー
 魔導師のヴァージニアは転移魔法に失敗して見知らぬ島に来てしまった。  地図にも載っていないその島には何やら怪しげな遺跡がポツンと建っていた。ヴァージニアはただでさえ転移魔法の失敗で落ち込んでいるのに、うっかりその遺跡に閉じ込められてしまう。彼女が出口を探すために仕方なく遺跡の奥に進んで行くと、なんとそこには一人の幼い少年がいた。何故こんな所に少年が? 彼は一体何者なのだろうか?  ヴァージニアは少年の正体が世界を揺るがす出来事に発展するとは露程も思っていなかったのだった……。 ※台詞が多めです。現在(2021年11月)投稿している辺りだと地の文が増えてきています。 ※最終話の後に登場人物紹介がありますので、少しのネタバレならOKという方はどうぞご覧下さい。 ネタバレ ※ヴァージニア(主人公)が抱く疑問は地竜とキャサリンが登場すると解けていきます。(伏線回収) さらにネタバレ ※何度もループしている世界の話ですが、主人公達は前の世界の記憶を持っていません。しかし違和感などは覚えています。(あんまりループ要素はないです) さらにさらにネタバレ? ※少年の正体は早い段階で出てるじゃないかと思っている方……、それじゃないんです。別にあるんです。

没落した元名門貴族の令嬢は、馬鹿にしてきた人たちを見返すため王子の騎士を目指します!

日之影ソラ
ファンタジー
 かつては騎士の名門と呼ばれたブレイブ公爵家は、代々王族の専属護衛を任されていた。 しかし数世代前から優秀な騎士が生まれず、ついに専属護衛の任を解かれてしまう。それ以降も目立った活躍はなく、貴族としての地位や立場は薄れて行く。  ブレイブ家の長女として生まれたミスティアは、才能がないながらも剣士として研鑽をつみ、騎士となった父の背中を見て育った。彼女は父を尊敬していたが、周囲の目は冷ややかであり、落ちぶれた騎士の一族と馬鹿にされてしまう。  そんなある日、父が戦場で命を落としてしまった。残されたのは母も病に倒れ、ついにはミスティア一人になってしまう。土地、お金、人、多くを失ってしまったミスティアは、亡き両親の想いを受け継ぎ、再びブレイブ家を最高の騎士の名家にするため、第一王子の護衛騎士になることを決意する。 こちらの作品の連載版です。 https://ncode.syosetu.com/n8177jc/

悪魔だと呼ばれる強面騎士団長様に勢いで結婚を申し込んでしまった私の結婚生活

束原ミヤコ
恋愛
ラーチェル・クリスタニアは、男運がない。 初恋の幼馴染みは、もう一人の幼馴染みと結婚をしてしまい、傷心のまま婚約をした相手は、結婚間近に浮気が発覚して破談になってしまった。 ある日の舞踏会で、ラーチェルは幼馴染みのナターシャに小馬鹿にされて、酒を飲み、ふらついてぶつかった相手に、勢いで結婚を申し込んだ。 それは悪魔の騎士団長と呼ばれる、オルフェレウス・レノクスだった。

優秀な姉の添え物でしかない私を必要としてくれたのは、優しい勇者様でした ~病弱だった少女は異世界で恩返しの旅に出る~

日之影ソラ
ファンタジー
前世では病弱で、生涯のほとんどを病室で過ごした少女がいた。彼女は死を迎える直前、神様に願った。 もしも来世があるのなら、今度は私が誰かを支えられるような人間になりたい。見知らぬ誰かの優しさが、病に苦しむ自分を支えてくれたように。 そして彼女は貴族の令嬢ミモザとして生まれ変わった。非凡な姉と比べられ、常に見下されながらも、自分にやれることを精一杯取り組み、他人を支えることに人生をかけた。 誰かのために生きたい。その想いに嘘はない。けれど……本当にこれでいいのか? そんな疑問に答えをくれたのは、平和な時代に生まれた勇者様だった。

欲情しないと仰いましたので白い結婚でお願いします

ユユ
恋愛
他国の王太子の第三妃として望まれたはずが、 王太子からは拒絶されてしまった。 欲情しない? ならば白い結婚で。 同伴公務も拒否します。 だけど王太子が何故か付き纏い出す。 * 作り話です * 暇つぶしにどうぞ

処理中です...