ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
上 下
449 / 2,518

第449話 属性刀の完成

しおりを挟む
「「「「本当にディストピアについてる」」」」

 スカルズの四人は、階段を上ってディストピアの街が目に入るとそんな風につぶやいている。

「スカルズのみんなには、呼び方は寝台列車でいいかな? あれはホームに置いておいて、自由に使えるようにしておくから、レッドドラゴンの狩りに行く時なんかに使ってくれればいいよ」

 ケモ耳三人娘も連れて、家の食堂へ向かう。

「まだ朝食を食べてないから、シルキーたちに食事の準備の伝言をお願い。後ティータイムに摘まめるような、お菓子も一緒に準備してもらって」

 指示を出してから、スカルズの四人とケモ耳三人娘を連れ、お目付け役の三幼女を連れて食堂へ向かっていく。俺が突くころには、すでに食事は用意されており、いつでも食べれる状態だった。

「ブラウニーさんたちの食事は、美味しいですね。毎日食べられるシュウさんが羨ましいですね」

「ん? レッドドラゴンの定期討伐に参加してくれるんなら、普通にブラウニーたちの食事を毎日食べれるぞ? 今日みんなに集まってもらったのは、スカルズの四人と君たち三人で力を合わせて、一緒に狩ってほしいと考えているんだ。

 相性もあるだろうから、お話しでもしてのんびりと決めるといい。この後に時間を設けるからゆっくりとね。実力が気になるなら、地下の訓練場も使えるようにしておくよ」

 昨日は同じ列車に乗ったが、話さずすぐに寝てしまったようなので、改めて話す時間を設けた。

「一ついいですか?」

 ケモ耳三人娘のリーダーから質問が出る。

「なんだい?」

「シュウさんは、本当に私たちがレッドドラゴンに勝てると思ってますか?」

「思ってなかったら、さすがに打診したりしないよ。それでももしもの時があるから、初回はついていく予定だし、そこで無理そうだったら、みんなで強くなればいいじゃん? 実際に俺たちが勝てたってことは、勝てない相手ではないってことだよ。

 スカルズのみんなも含めてだけど、俺たちが戦闘するようになったのって、そこまで時間が経ってないんだよ。そんな俺たちより長く冒険者を続けている君たちなら、条件がそろえば倒せないわけないさ」

「え? 小さい頃から特別な訓練を受けていたわけではないのですか?」

「俺たちは効率的にレベルやスキルを上げているからね、強く見えるだけだよ。気が進まないなら断ってもらってもかまわないよ。後はみんなで話してみて決めるといい。

 俺が話しても、プレッシャーにしかならないから、一つのパーティーになるなら、メンバーで話すのがいいでしょ? ブラウニーたちに、お菓子も準備させているから、ゆっくり話してもらっても大丈夫だぞ」

 七人を置いて次の目的地に向かう。

「じっちゃん! 生きてるか?」

「またお前さんか、刀は置いてあるから早く仕上げちまいな」

「それもやるんだけど、今回は、この素材を使ってスカルズの装備を強化してもらいたいんだ」

「こりゃ、前に話していたレッドドラゴンの素材か? これを使って自分たちじゃなくて、スカルズの装備を強化するのか?」

「そうだよ、定期的にレッドドラゴンがダンジョンに生まれてくるから、それを倒せるようになってもらえればって思ってな。だから装備を整えてやろうかとな。元シングル冒険者のケモ耳三人娘も参加してくれるなら、その装備もじっさまに頼むからよろしくな。素材はケチらずにやってくれよ!」

「どういう風に強化すればいいんだ?」

「できれば、鱗は加工してスケイルメイルみたいに並べて、鱗の効果の耐熱・耐炎効果を乗せたいからよろしく。武器も何かできれば準備してほしいな。一応用意したドラゴンキラー付きの武器三本はあるけど、他のメンバーにも切れ味のいい装備があればな」

「なんだと? ドラゴンキラー付きの武器だと? ちょっと見せろ!」

 ドワーフのじっちゃんに肩をつかまれ、めっちゃ距離が詰まった俺はそっちのけはないから、ひげ面を近付けるな! 慌てて武器を出していく。

「これが伝説のキラー系のスキルの付いている武器か。良くわからない機能がついているな、ってことはこれがキラー系、ドラゴンキラーの機能を付与してるのか? 意味が分からない物を付与させることはできないな」

「あと、盾も大楯と俺の使ってるカイトシールドくらいのサイズの盾を準備してくれ。鱗や骨を気にせず使っていいからよろしく」

「小僧ちょっとまて、鱗を加工するのはいいが、準備した物にお前さんの得意のアダマンコーティング頼むぞ、あれなら効果を落とさずに耐久力を上げられるからな!」

「じっちゃん、分かったよ。俺は刀……大太刀を仕上げるか」

 この老ドワーフの工房には俺もよく来ているので、最高級の物を準備している。特に研ぎ機に関しては、最先端の物を準備した。何せアダマンタイト繊維を使った研ぎ機を準備しているのだ。

 毛のようにぎっしり詰めた物や、繊維を編み込んだ布状の物を、研ぎ機に着けたタイプや、つるつるのアダマンタイト等々準備をしている。

 毛の様な所で荒砥をして、布状の物で中砥をして、最後につるつるのアダマンタイトで仕上げ砥を行う感じだ。鉄や鋼鉄でこの研ぎ機を使うと一瞬で使い物にならなくなるほど削れてしまう。今回はオリハルコンも使っているので、このくらいの研ぎ機を使わないと、研ぎ機の方がイカれてしまうのだ。

 軽快な研ぎ音をたてながら削っていく。作り方は似ているが素材が違うので、波紋とかが出るのかと思っていたが、玉鋼から作ったような波紋がしっかりと出ていた。あれって鋼で作るから出る的な事を聞いたことがあるけど、どうなんだろうな? どっちでも綺麗に波紋が出たんだからいいよな!

 オリハルコンとミスリルの合金は悪くない性能だな。一応アダマンコーティングをして……はっ!? 完成した刀に何も付与していないから、クリエイトゴーレム使えるんじゃね? そしたらちょっとランクの高い魔核をつけて、修復機能に属性付与のスキルでもつけておけば、武器と体で別々の付与が出来たりしないか?

 目論見は完璧に成功したが、付与魔法ではなく魔法剣みたいになった。そのまま切るより効果は高いし、複数の属性を使えるので色んな敵に対応できるな。この発想は今までなかった。武器事態にクリエイトゴーレムをかけたのって、初めてアダマンタイトを加工して、片手剣を作った時だけじゃないっけ?

「じっちゃん、最高の出来の大太刀が完成したぜ!」

「どれ見せてみろ……お前さんにはあきれてものが言えないわ」

「じっちゃんだって、魔核に書き込む事が出来るようになれば、同じようなもの作れるさ」

「簡単に言ってくれるな。ドワーフである以上これを知っちまったら、目指さないわけにはいかないな! すぐに超えてやるから待っておけ」

 不敵な笑みで俺に言ってくる。こういう風になったら間違いなく、俺を超えてくるな。それはそれで楽しみだ。どんな風に作るんだろうな?

「とりあえず、スカルズのみんなの装備よろしくね」

「任せておけ!」

 やる事だけやって工房を後にする。

 さてすることが終わってしまったので何をしようかな?
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい

一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。 しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。 家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。 そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。 そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。 ……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──

勇者に幼馴染で婚約者の彼女を寝取られたら、勇者のパーティーが仲間になった。~ただの村人だった青年は、魔術師、聖女、剣聖を仲間にして旅に出る~

霜月雹花
ファンタジー
田舎で住む少年ロイドには、幼馴染で婚約者のルネが居た。しかし、いつもの様に農作業をしていると、ルネから呼び出しを受けて付いて行くとルネの両親と勇者が居て、ルネは勇者と一緒になると告げられた。村人達もルネが勇者と一緒になれば村が有名になると思い上がり、ロイドを村から追い出した。。  ロイドはそんなルネや村人達の行動に心が折れ、村から近い湖で一人泣いていると、勇者の仲間である3人の女性がロイドの所へとやって来て、ロイドに向かって「一緒に旅に出ないか」と持ち掛けられた。  これは、勇者に幼馴染で婚約者を寝取られた少年が、勇者の仲間から誘われ、時に人助けをしたり、時に冒険をする。そんなお話である

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。 その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。 代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。 それを見た柊茜は 「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」 【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。 追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん….... 主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します

エラーから始まる異世界生活

KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。 本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。 高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。 冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。 その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。 某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。 実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。 勇者として活躍するのかしないのか? 能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。 多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。 初めての作品にお付き合い下さい。

処理中です...