ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
上 下
428 / 2,518

第428話 Sランクの魔物

しおりを挟む
 目の前には、暴れているレッドドラゴンがいる。Sランクの最強の一角と名高い龍種の魔物だ。他にも悪魔と天使が、龍種の他に最強の一角と呼ばれている。

 この三種族を比べると、龍種は体のサイズと力等に評定がある。

 それに対する悪魔は、龍種以上のタフネスがあり自然回復が異常に高い。数々の魔法を使いこなし闇魔法が闇精霊のように得意であり、人間をさらい家畜のように扱う事があるそうだ。

 最後に天使は、高い魔力と種族特性の神聖魔法を使うそうだ。

 全部がSランク以上の魔物であり、Aランク中位の魔物であれば殴り合っても、勝てるくらいの身体能力は有している。Aランク上位と言われるのは、身体能力がSランクとさほど変わらないが、特殊能力がなかったりするものがほとんどである。

 どこにも例外はいるのだ。そのいい例がフェンリルだろう。あいつは純粋な身体能力だけでSランクの称号を得ているのだ。風の加護があるとは言っても攻撃に転用できるような魔力操作を持ち合わせていない。

 ノーライフキングは死霊魔法という厄介な特性上、本体そのものの強さは考えられずに、Sランク指定される魔物である。

 魔物のランクの話はさておき、レッドドラゴンの退治だ。

「レイリー頼むぞ! キリエと魔法組はしっかり援護してやってくれよ」

 再度レイリーにヘイトを稼ぎをお願いして俺は、足狙いだ。翼の付け根は簡単に切れたんだ尾根じゃなきゃ何とかなるだろう。

 カエデも同じ考えなようで、俺と一緒に後ろ足攻撃に回るようだ。打撃の得意なミリーとリンドは、ダメージを与えるために隙を見て、攻撃しやすい所を叩くようだ。近接型の妻たちも後ろ足攻撃に参加するようだ。

「みんな、尻尾には注意するようにね。あれの攻撃は下手な噛みつきより厄介だからね」

 ドラゴンにも当てはまるか分からないが、ワニの危険性という問題で一番初めにあがってくるのは、鋭い牙とかみついた後の身体を回転させるデスロールという行為だが、実はそれ以外にも脅威となる攻撃が尻尾なのである。

 サイズにもよるが尻尾をしなるように振り回わされ、それが人間に当たると屈強な男性でも、肋骨が数本折れるほどの脅威なのだ。

 レイリーがタゲをとっているので、俺は回り込むようにレッドドラゴンの左側に回り込む。

 レッドドラゴンは、無属性のブレスではなく普通に魔法を使ってきた。魔力が高いせいのか、一つひとつの魔法の規模が、恐ろしい事になっている。

 普通のファイアバレットが、俺たちの使うファイアボールと大して変わらないのだ。ファイアバレットは俺たちが使うと銃弾より多少大きい程度で、ファイアボールは平均するとバスケットボール位の大きさで、着弾と同時に爆発するのだ。

 ファイアバレットの特徴としては、弾速が早い事があげられる。爆発しない貫通力のあるファイアボールサイズの弾丸が、高速でレイリーを襲っている。

 魔法組のヴェールや、フォートレスがかかった盾で、魔法をしのいでいる。他にもバフで炎耐性の上がる魔法がかけられているのだろう、余裕があるようだ。

 チャンスを見つけたので、全身と大薙刀に雷付与を行い一気に距離を詰めて、左足を切り付けていく。足は太く、どれだけ切っているか分からない。鱗が硬く速さだけでは、あまり切る事ができなかった。

 雷付与では斬撃がききにくいようだ、本当は武器の性能だけで、龍の鱗を突破できるこの大薙刀がすごいのだが、その事には気付けずにいる。

 本来の龍討伐は、打撃武器で鱗を剥いでむき出しにして、皮膚を切ってダメージを与えていくそうだ。鱗ごとまとめて切っている武器は、異常なのである。

 Sランクの冒険者ともなれば、ダンジョン産のレアな武器を持っている事が多いので、同じような事をできる冒険者はいるのだ。

 他にもダンジョン産の武器には、特効がついている物もあり、何とかキラーといった形で、特定の魔物に強くなる武器がざいする。

 その中にはドラゴンに強くなる、ドラゴンキラーが付与されている武器もまれに存在する。その武器であれば、今の俺たちよりダメージを与えられるだろう。

 スピードより切れ味をあげるべきか? 風付与で切れ味をあげて切ってみると、すんなり刃が入って切り裂くことができた。

「みんな、切る時は風付与の方が効果が高い。無理せずにチャンスを狙って切るように」

 左の後ろ脚は、俺がそれなりに切りつけたので鱗も剥げており、妻たちの攻撃も通じているようだ。俺は懸念していた尻尾が、どうにかできないか狙いをつけてみる事にした。

 体を動かすたびにブンブンふられている尻尾は、空気を切り裂くかの如く音を発している。当たったら痛いでは済まないよな。これを切り落とせれば、だいぶ変わってくるよな。通常攻撃の噛み付きや引っ掻きも危ないんだけどな。

 一狩り行こうぜのゲームみたいに、尻尾とか切って剥ぎ取りとかしたいわ! 倒すとドロップ品になっちゃうからできないけどな。

 尻尾に攻撃が通じるかだよな。武器に風付与をして、機動力はギンで稼ぐか? 武器も含め全身を単一の付与することは、そこまで難しくないのだが、武器と体を別々の付与をすると異常に難易度が上がり、失敗することがあるので、こういったぎりぎりの戦闘では複数の付与は厳しい。

「ギン、こっちにこい!」

 俺の前までギンが来ると、伏せて俺が背中に乗りやすくしてくれる。ギンにまたがり尻尾を狙う足になってくれ、と指示を出しておく。

 レッドドラゴンは無属性のブレスは吐いた後に、大きな隙ができるのでそれ以外のブレスや魔法を多用している。

 ブレスのタイミングに合わせて、ギンに尻尾へ向かうように指示を出し、上げられた尻尾の下をくぐって風付与をした大薙刀で切り付ける。尻尾下側は体と違い、薄い鱗に覆われていたため切り裂けたが、結構な抵抗がああり、雷付与では切れなかったかもしれないな。

 二メートル程あるレッドドラゴンの尻尾の二割は切れたと思う。真ん中にある尻尾の骨はどんなものか? 俺の予想では、ワニと同じようにたくさんの骨があり、つながっている筋肉を断てれば尻尾を切り離せると考えている。

 妻たちも俺が鱗を剥いだ足を、的確に攻撃してしっかりと肉を削いでいる。

 後半戦も頑張っていこうか!
しおりを挟む
感想 316

あなたにおすすめの小説

サバイバル能力に全振りした男の半端仙人道

コアラ太
ファンタジー
年齢(3000歳)特技(逃げ足)趣味(採取)。半仙人やってます。  主人公は都会の生活に疲れて脱サラし、山暮らしを始めた。  こじんまりとした生活の中で、自然に触れていくと、瞑想にハマり始める。  そんなある日、森の中で見知らぬ老人から声をかけられたことがきっかけとなり、その老人に弟子入りすることになった。  修行する中で、仙人の道へ足を踏み入れるが、師匠から仙人にはなれないと言われてしまった。それでも良いやと気楽に修行を続け、正式な仙人にはなれずとも。足掛け程度は認められることになる。    それから何年も何年も何年も過ぎ、いつものように没頭していた瞑想を終えて目開けると、視界に映るのは密林。仕方なく周辺を探索していると、二足歩行の獣に捕まってしまう。言葉の通じないモフモフ達の言語から覚えなければ……。  不死になれなかった半端な仙人が起こす珍道中。  記憶力の無い男が、日記を探して旅をする。     メサメサメサ   メサ      メサ メサ          メサ メサ          メサ   メサメサメサメサメサ  メ サ  メ  サ  サ  メ サ  メ  サ  サ  サ メ  サ  メ   サ  ササ  他サイトにも掲載しています。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

「残念でした~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~ん笑」と女神に言われ異世界転生させられましたが、転移先がレベルアップの実の宝庫でした

御浦祥太
ファンタジー
どこにでもいる高校生、朝比奈結人《あさひなゆいと》は修学旅行で京都を訪れた際に、突然清水寺から落下してしまう。不思議な空間にワープした結人は女神を名乗る女性に会い、自分がこれから異世界転生することを告げられる。 異世界と聞いて結人は、何かチートのような特別なスキルがもらえるのか女神に尋ねるが、返ってきたのは「残念でした~~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~~ん(笑)」という強烈な言葉だった。 女神の言葉に落胆しつつも異世界に転生させられる結人。 ――しかし、彼は知らなかった。 転移先がまさかの禁断のレベルアップの実の群生地であり、その実を食べることで自身のレベルが世界最高となることを――

性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。

狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。 街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。 彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い

平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。 ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。 かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜

月風レイ
ファンタジー
 グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。  それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。  と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。  洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。  カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。

処理中です...