ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
上 下
381 / 2,518

第381話 バトル開始

しおりを挟む
「王国の奴隷兵と違って、ずいぶん贅沢をしているようだな。他にも装備もいい物をつけているようだし、あいつらからしたら羨ましいだろうな。国によってこんなに格差があるものなのか?」

「ふん、何か勘違いしているようだな。俺たちは奴隷兵ではない、奴隷兵はどこでも同じ扱いだ。俺たちは王族を守るために集められたエリートなのだよ」

「その割には、奴隷の首輪をつけているようだけど? あっ! 裏切らないようにっていう皇帝の保険か!」

「そんなわけがあるか! 俺たちは、自分で望んでこの首輪をつけているんだ! 皇帝に忠誠を誓うために! 絶対に裏切らないと誓いを立てるために! つけているんだよ。

 それにこれは奴隷の首輪ではない! 忠誠の首輪というもので、忠誠を誓っている相手を定めてつけることによって、ステータスにブーストがかかるんだよ! いったぁああ! 何すんだよ筋肉だるま! いでぇええ!」

 威張ってた一番弱いらしい奴が、長身の筋肉女性に殴られてる。

「お前はいつも一言多いんだよ。まぁそいつの言っていることは本当だからな、忠誠を誓う事で忠誠対象者に対して制限はかかるけど、かなり強くなるからな、降参するなら今のうちだぞ?」

 へ~そんな首輪があるんだ。近くから不穏な空気が漂ってきた!?!? 周りを見ると、妻たち全員がインペリアルガードの首を凝視している。顔には欲しいと書いてあるような気がする。

 ステータスに現れないブーストか? 能力向上や肉体活性を魔力でブーストした時や、体に付与魔法をかけた時のように見えない数値ってことか? これは結構厄介だな。

「面白そうな話ですね、そうまでして力を手に入れたいのですね。そうしないと強くなれないなんて、残念な方たちです。それってそう思っているだけで実は……皇帝があなたたちを信じていないから、それを使っている可能性を考えてないんですね……ふふふっ♪」

 おっと、ピーチが挑発している!? そういう君も未だにその首輪が欲しいって、顔に書いてあるんだがそこらへんどうなんだ?

「その首輪は、ご主人様にメロメロな私たちが使うべき装備ですので、力づくで奪わせて頂きましょう!」

 ん!? メロメロって今時使わないよ! 何かのアニメかマンガの影響か?

「儂の三分の一も生きていない小娘共がよく言いよるわ。雑談は止めて剣で決着をつけようではないか」

 初めに一番強い火魔法を使ってきた、ローブの人間は老人だったようだ。リーダーが剣と盾、その他に二人同じ装備がいて、長身の筋肉女が大剣で、同じように両手武器の斧槍に大槌で合わせて三人、威張っている一番弱いと言われた奴が短剣の二刀流で、そのほかにレイピアとカタールのような武器で三人、爺さん魔法使いも三人……合わせて十二人か。

 バランスはいいと思うけど、遠距離の弓使いがいないな。俺たちも人数に比べれば、かなり少ない方なのだが、全員が魔法を使えるという事もあって、あまり重要視していないのも事実だ。

 警戒を緩めないようにしながら、戦いたそうな表情でウズウズしているみんなに問いかける。

「みんな、どうしたい?」

「許していただけるなら、一対一で戦わせてあげたいですね」

「ん~、フォローする前提での一対一なら許可しよう。明らかに不利になるのなら、援護するのであればいいよ。こんなことで怪我するのは、許さないからな!」

「お前たち、俺たちを馬鹿にするのか? そんなおこちゃまな女共が俺に勝てるって? 身の程を教えてやるよ!」

「お前はうるさいから黙っておけ! 一対一をするメンバーは任せるけど、前提として相手には、連携を取らせるなよ! 連携を崩せずに複数で攻撃してくるなら、同じ数以上であたるように! 俺と従魔、姉御組は、いつでも介入できるように待機する」

「「「「「ありがとうございます」」」」」

 妻たちが声を揃えて言ってくる。

「では皆さん、タンク系はシュリ・リリー・シャルロット、重戦士系はアリス・ケイティ・クシュリナ、軽戦士系はマリー・ライラ・マリア、魔法系はライム・ジュリエット・レミーで相手してください。他のメンバーはフォローに回ってください」

 ピーチの指示は、タンクにはタンク、重戦士には両手武器使い? 同じタイプ(アリスは剣と盾と両手剣両方のスタイルがあるけど)であたる。軽戦士の手数で攻める同じタイプ、魔法使いには魔法使いを当てるようだ。

 シュリとアリスとライムの相手は、長い時間耐えれないであろう。シュリ相手には、いくらブーストがかかっているとはいえ、ステータスに大きなひらきがあるのだ、敵に勝ち目はまずないだろう。

 アリスとライムは、シュリ程目立つ様な事は無いが、それでも妻たちの中では強い方なのだ。リンドを抜けば、トップ三はこの三人だろう。

 不安要素があると言えば、戦闘における経験値によるものだろう。

 初めに動いたのは、シュリを含むタンク系のメンバーだ。

 示し合わせたかのように、部屋の壁に大穴をあけて外に飛び出したのだ。外に出てすぐに体を反転して、三人揃ってチェインを発動し、外に引っ張り出したのだ。そのままの勢いで外に投げつけて、他のメンバーに援軍へ行けないようにしていた。

 シュリはリーダー格の人間と戦うようだ。どうなるか気になるな。と言う事で、城をダンマスのスキルで全く同じデザインで作り替えた。

 前はダンジョン内やダンジョンにしようとしている所に人がいたら、ダンマスのスキルでもいじれなかったのだが、いつの間にか人がいてもいじれるようになっていたので、最大限利用しようと考えた。

 シュリたちも外に出たとはいえ、ダンジョンの一部と認識される位置で戦いを始めたので、後でリプレイをすることができるので存分に戦ってもらいたい。

 姉御組は俺を守る様に立っているので、手の空いている従魔を遊撃として戦いを見守らせている。こら三幼女! スライムが近くに来たからって遊ぶんじゃない! と思ったらハクにギャーギャー鳴かれて怒られていた。しょんぼりしているけど今は緊張感を持ちなさい!

 次に動いたのは魔法組だった。ライムがダンジョンに変わったのを察知したようで、結構魔力を込めた魔法を準備し始めた。ん~どんな魔法を使うつもりなのかな!?

 俺は慌ててライムたち魔法組と、観戦メンバーの間に土魔法で壁を作った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

救国の大聖女は生まれ変わって【薬剤師】になりました ~聖女の力には限界があるけど、万能薬ならもっとたくさんの人を救えますよね?~

日之影ソラ
恋愛
千年前、大聖女として多くの人々を救った一人の女性がいた。国を蝕む病と一人で戦った彼女は、僅かニ十歳でその生涯を終えてしまう。その原因は、聖女の力を使い過ぎたこと。聖女の力には、使うことで自身の命を削るというリスクがあった。それを知ってからも、彼女は聖女としての使命を果たすべく、人々のために祈り続けた。そして、命が終わる瞬間、彼女は後悔した。もっと多くの人を救えたはずなのに……と。 そんな彼女は、ユリアとして千年後の世界で新たな生を受ける。今度こそ、より多くの人を救いたい。その一心で、彼女は薬剤師になった。万能薬を作ることで、かつて救えなかった人たちの笑顔を守ろうとした。 優しい王子に、元気で真面目な後輩。宮廷での環境にも恵まれ、一歩ずつ万能薬という目標に進んでいく。 しかし、新たな聖女が誕生してしまったことで、彼女の人生は大きく変化する。

【完結】10引き裂かれた公爵令息への愛は永遠に、、、

華蓮
恋愛
ムールナイト公爵家のカンナとカウジライト公爵家のマロンは愛し合ってた。 小さい頃から気が合い、早いうちに婚約者になった。

鮮明な月

BL
鮮明な月のようなあの人のことを、幼い頃からひたすらに思い続けていた。叶わないと知りながら、それでもただひたすらに密やかに思い続ける源川仁聖。叶わないのは当然だ、鮮明な月のようなあの人は、自分と同じ男性なのだから。 彼を思いながら、他の人間で代用し続ける矛盾に耐えきれなくなっていく。そんな時ふと鮮明な月のような彼に、手が届きそうな気がした。 第九章以降は鮮明な月の後日談 月のような彼に源川仁聖の手が届いてからの物語。 基本的にはエッチ多目だと思われます。 読む際にはご注意下さい。第九章以降は主人公達以外の他キャラ主体が元気なため誰が主人公やねんなところもあります。すみません。

転移魔法に失敗したら大変な事に巻き込まれたようです。

ミカヅキグマ
ファンタジー
 魔導師のヴァージニアは転移魔法に失敗して見知らぬ島に来てしまった。  地図にも載っていないその島には何やら怪しげな遺跡がポツンと建っていた。ヴァージニアはただでさえ転移魔法の失敗で落ち込んでいるのに、うっかりその遺跡に閉じ込められてしまう。彼女が出口を探すために仕方なく遺跡の奥に進んで行くと、なんとそこには一人の幼い少年がいた。何故こんな所に少年が? 彼は一体何者なのだろうか?  ヴァージニアは少年の正体が世界を揺るがす出来事に発展するとは露程も思っていなかったのだった……。 ※台詞が多めです。現在(2021年11月)投稿している辺りだと地の文が増えてきています。 ※最終話の後に登場人物紹介がありますので、少しのネタバレならOKという方はどうぞご覧下さい。 ネタバレ ※ヴァージニア(主人公)が抱く疑問は地竜とキャサリンが登場すると解けていきます。(伏線回収) さらにネタバレ ※何度もループしている世界の話ですが、主人公達は前の世界の記憶を持っていません。しかし違和感などは覚えています。(あんまりループ要素はないです) さらにさらにネタバレ? ※少年の正体は早い段階で出てるじゃないかと思っている方……、それじゃないんです。別にあるんです。

没落した元名門貴族の令嬢は、馬鹿にしてきた人たちを見返すため王子の騎士を目指します!

日之影ソラ
ファンタジー
 かつては騎士の名門と呼ばれたブレイブ公爵家は、代々王族の専属護衛を任されていた。 しかし数世代前から優秀な騎士が生まれず、ついに専属護衛の任を解かれてしまう。それ以降も目立った活躍はなく、貴族としての地位や立場は薄れて行く。  ブレイブ家の長女として生まれたミスティアは、才能がないながらも剣士として研鑽をつみ、騎士となった父の背中を見て育った。彼女は父を尊敬していたが、周囲の目は冷ややかであり、落ちぶれた騎士の一族と馬鹿にされてしまう。  そんなある日、父が戦場で命を落としてしまった。残されたのは母も病に倒れ、ついにはミスティア一人になってしまう。土地、お金、人、多くを失ってしまったミスティアは、亡き両親の想いを受け継ぎ、再びブレイブ家を最高の騎士の名家にするため、第一王子の護衛騎士になることを決意する。 こちらの作品の連載版です。 https://ncode.syosetu.com/n8177jc/

悪魔だと呼ばれる強面騎士団長様に勢いで結婚を申し込んでしまった私の結婚生活

束原ミヤコ
恋愛
ラーチェル・クリスタニアは、男運がない。 初恋の幼馴染みは、もう一人の幼馴染みと結婚をしてしまい、傷心のまま婚約をした相手は、結婚間近に浮気が発覚して破談になってしまった。 ある日の舞踏会で、ラーチェルは幼馴染みのナターシャに小馬鹿にされて、酒を飲み、ふらついてぶつかった相手に、勢いで結婚を申し込んだ。 それは悪魔の騎士団長と呼ばれる、オルフェレウス・レノクスだった。

優秀な姉の添え物でしかない私を必要としてくれたのは、優しい勇者様でした ~病弱だった少女は異世界で恩返しの旅に出る~

日之影ソラ
ファンタジー
前世では病弱で、生涯のほとんどを病室で過ごした少女がいた。彼女は死を迎える直前、神様に願った。 もしも来世があるのなら、今度は私が誰かを支えられるような人間になりたい。見知らぬ誰かの優しさが、病に苦しむ自分を支えてくれたように。 そして彼女は貴族の令嬢ミモザとして生まれ変わった。非凡な姉と比べられ、常に見下されながらも、自分にやれることを精一杯取り組み、他人を支えることに人生をかけた。 誰かのために生きたい。その想いに嘘はない。けれど……本当にこれでいいのか? そんな疑問に答えをくれたのは、平和な時代に生まれた勇者様だった。

欲情しないと仰いましたので白い結婚でお願いします

ユユ
恋愛
他国の王太子の第三妃として望まれたはずが、 王太子からは拒絶されてしまった。 欲情しない? ならば白い結婚で。 同伴公務も拒否します。 だけど王太子が何故か付き纏い出す。 * 作り話です * 暇つぶしにどうぞ

処理中です...