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第356話 ゴーストタウン始動
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ゴーストタウンを制圧してからニヶ月半、移住が始まって一ヶ月ほどが経過した。
厳しい審査を抜けてきた人たちだけあって、移住してきた人たちは、今の所トラブルを起こす人間はいなかった。
スパイとしてゴーストタウンに入ってきている人たちには、ダンジョンのスキルによる監視の中で色々してもらっている。おかげで協力者のメンバーも発見できたので首尾は上々だろう。
今回ゴーストタウンの監視をしているのは、司法関係のために召喚した精霊たちに行ってもらっている。今回はフェアリーを召喚してお願いしていた。
初めは悪戯ばっかりして話にならなかったが、お菓子やスイーツで釣ってみたら、しっかりと監視をしてくれるようになった。まぁ悪戯していたのが久々に人間のいる所に来たので、はしゃいでしまったという事だったらしい。
近々、一般の人間? 商人や旅行者、冒険者をゴーストタウンに入れるようにするので、ここからトラブルが一気に増えてくるだろうと考えている。ここの住人に聖国で虐げられていた、獣人たちを集めて作った街からも移住してきている者たちがいたのだ。
色々支援してはいるけど、あそこだけで生活を完結させるのに、苦痛がある獣人だっているのだろうから普通だろう。俺の場合は、日本だったら家と近くのスーパーにゲームショップ、本屋があれば十分だったから1つの町で収まったんだけどな。
俺としては、獣人がこの街に来ているのはありがたい。かなり非道だと思われるが、トラブルに巻き込まれる可能性が高いから、こちらとしては不穏分子をあぶりだせるからな。
ちなみに力がすべての帝国からも、複数の獣人が来ているのでマークしている。ノーライフキングのダンジョンを奪取したおかげで、マップ先生のマーカーの性能が上がって色分けが可能になったので、早速使用している。
ディストピアも大きくなってきたので、グリエルとガリア、老ドワーフたちの行政のトップと新人組にタブレットを渡している。これは娘たちに渡しているタブレットのマップ先生の機能と、パソコンとしての機能を入れているタイプだ。
どこでもパソコンの情報を見れるようになり、グリエルとガリアのニ人はかなり喜んでいたな。
そういえば、グリエルからお願いがあったのが、ディストピアの隣にある樹海と外の出入り口に使っている砦を、ゴーストタウン内に移設できないかと言われたのだ。
確かに管理する側からすればそっちの方が便利だな。落ち着いたら、お城の下にあの砦の機能を移設しよう。砦の中にある施設は、お城の周りに移設すれば問題ないかな? うん、今度計画をたててみるか。
さぁ今日は、一般開放といっていいのかな? 俺的にはそんな気分だ。そして、住人以外の初めての人間が入る前にすでにトラブルが起こっていた、早いよ!
内容はわかりやすい、トラブルがあるとすればお前たちが一番初めだろうとは、思っていたがまさかその通りになるとはな。
貴族が並んでいる人間を力尽くでどかして、一番に入ろうとしていたのだ。もちろんディストピアにもゴーストタウンにも、貴族優先のルールなどないのだ。挙句の果てに止めに入った兵士に剣を向ける愚行を犯したので、俺たちが出張って鎮圧して牢屋にぶち込んでおいた。
わざわざ俺が出向く理由は、実際にディストピア、グレッグ、ミューズを支配しており、実質ヴローツマインも支配している俺であれば、たかが一都市の領主なんかよりも立場が上だからという感じだ。
フェピーに言わせればジャルジャンも、ヴローツマインからは竜騎士を派遣してもらっているため、立場的には下に当たるからまわりまわって言えば、ジャルジャンもディストピアの支配下にあると言っても、過言じゃないとかなんとか。
終いには中立都市国家とでも名乗った方がいいのでは? なんていわれたことがあった。
牢屋にぶち込まれた貴族は『私にこんな事をして王国が黙ってないぞ!!』などと騒ぎ立てたが、たかが貴族の息子一匹にあの国が動くわけがない。ましてや敵対すれば今度は自分の命だけでなく、親族の命すら奪われかねないので国王は放置するにきまってるさ。
他にも貴族はちらほらいて、礼儀正しく並んでるのに、お前はなんでそんな愚行を犯したのやら?
貴族は領主の俺にも剣を向ける命令を出していたので、見せしめも兼ねて処刑する事が決定した。一緒にいた騎士たちはそのまま奴隷落ちにして、一緒に来ていた者は王国に送り返した。もちろん伝言を持って行ってもらうためだ。親と国王に!
次にトラブルが起きたのは、ダンジョンの中だった。朝の貴族のバカ息子以来トラブルがなかったので、のんびりおやつを食べていたところ、フェアリー達から緊急連絡が入り、ダンジョン内で冒険者が冒険者を襲っているとの事だった。本当ならダンジョン内のトラブルは極力関与しないつもりだったが……
ただのトラブルのトラブルではなく、女の冒険者のパーティーに男の冒険者のパーティーが襲い掛かっているとの事だった。録画機能で確認しても男たちの方が不意打ちで襲ったようで、どこかの部屋に連れていかれたらしい。
連れて行っている時に『この街には娼婦なんかがいねえから丁度いいな』等と言っていたそうだ。これで俺たちが動かない理由が無くなったのだ。
その報告を受けた妻たちが全員殺気立って、装備を整えていた。ゴーストタウンのダンジョンには管理区域と称したエリアがあり、ダンジョンに直接入れる裏道を準備していたのが役に立った。
フェアリーから連絡をもらって十五分ほどで現場に着いた。
「ヒヒッ! 早く逃げないと裸になっちゃうよ~」
「あんまりケガさせんなよ! 俺は初物が好きだからその娘とっておけよ」
「兄貴! さすがにあれは子供すぎないか?」
同じ男として嫌悪感のある発言が聞こえてきた。
「兄貴! 誰か近づいてきやすで!」
「ちょっとお前見てこい」
見てこいと言われた冒険者が通路に出てきて、俺たちと目が合う。
「うっひょー! 兄貴兄貴! キレイどころの娘たちがそろってるパーティーでっせ! しかも獣人のかわいこちゃんもいるぜ!」
「なんだと? 今行く!」
次に通路に現れたのは兄貴と呼ばれた身長ニメートル程はあろう大男だった。俺たちを品定めするかのようにジロジロ見ている。
「迷子かな? それなら出口を教えるからついてきなよ」
お前ら、まだ一日しかたってないダンジョンでそのセリフはないわ。
「奥にいる女性パーティーを開放しなさい!」
ピーチが強く言い放つと、兄貴の表情が一変した。その後すぐに戦闘態勢に入るあたり、常習犯なんだろうな、慈悲はない!
「お前たち、男は殺しても構わん女たちはできる限り生け捕りだ! 手足の一・ニ本は落としても構わねえぞ!」
俺の妻を生け捕り? 手足の一・ニ本は落としてもいいだと? 武器を収納の腕輪から取り出して、切り刻もうとした時に気付いた。俺よりもさらに黒い殺気を放っている者たちがいた。者たち……言葉の通り複数いたんだよ。人って自分より怒っている人間がいると冷静になるんだな。
まず飛び出したのは、三幼女を抜いた年少組のメンバーだ。手にはストッパーが握られている……ちょっと待った! いきなりそれを使うのか!?
次の瞬間五発の発砲音と、壁まで吹っ飛ばされた兄貴の姿があった。よく見ると右腕と左足が途中で千切れかけていた。外傷まで負ってしまうという事はレベルが足りてないんだろうな。
一応レベルはニ一ニもあるのだが、俺たちの前では無意味だった。銃器のダメージが入らなくなるのって、どのくらいからだろうな? なんてこと考えてる場合じゃなかった。
飛び出してきた男たちのパーティーのメンバー七人は、全員壁にたたきつけられて伸びている。俺が変な事を考えている間に戦闘が終わっていた。そしてまだ奥に五人ほど残っているようだ。ピーチにお願いして倒した七人を縛ってもらった。
さて残りの馬鹿どもを捕えに行きますか。
厳しい審査を抜けてきた人たちだけあって、移住してきた人たちは、今の所トラブルを起こす人間はいなかった。
スパイとしてゴーストタウンに入ってきている人たちには、ダンジョンのスキルによる監視の中で色々してもらっている。おかげで協力者のメンバーも発見できたので首尾は上々だろう。
今回ゴーストタウンの監視をしているのは、司法関係のために召喚した精霊たちに行ってもらっている。今回はフェアリーを召喚してお願いしていた。
初めは悪戯ばっかりして話にならなかったが、お菓子やスイーツで釣ってみたら、しっかりと監視をしてくれるようになった。まぁ悪戯していたのが久々に人間のいる所に来たので、はしゃいでしまったという事だったらしい。
近々、一般の人間? 商人や旅行者、冒険者をゴーストタウンに入れるようにするので、ここからトラブルが一気に増えてくるだろうと考えている。ここの住人に聖国で虐げられていた、獣人たちを集めて作った街からも移住してきている者たちがいたのだ。
色々支援してはいるけど、あそこだけで生活を完結させるのに、苦痛がある獣人だっているのだろうから普通だろう。俺の場合は、日本だったら家と近くのスーパーにゲームショップ、本屋があれば十分だったから1つの町で収まったんだけどな。
俺としては、獣人がこの街に来ているのはありがたい。かなり非道だと思われるが、トラブルに巻き込まれる可能性が高いから、こちらとしては不穏分子をあぶりだせるからな。
ちなみに力がすべての帝国からも、複数の獣人が来ているのでマークしている。ノーライフキングのダンジョンを奪取したおかげで、マップ先生のマーカーの性能が上がって色分けが可能になったので、早速使用している。
ディストピアも大きくなってきたので、グリエルとガリア、老ドワーフたちの行政のトップと新人組にタブレットを渡している。これは娘たちに渡しているタブレットのマップ先生の機能と、パソコンとしての機能を入れているタイプだ。
どこでもパソコンの情報を見れるようになり、グリエルとガリアのニ人はかなり喜んでいたな。
そういえば、グリエルからお願いがあったのが、ディストピアの隣にある樹海と外の出入り口に使っている砦を、ゴーストタウン内に移設できないかと言われたのだ。
確かに管理する側からすればそっちの方が便利だな。落ち着いたら、お城の下にあの砦の機能を移設しよう。砦の中にある施設は、お城の周りに移設すれば問題ないかな? うん、今度計画をたててみるか。
さぁ今日は、一般開放といっていいのかな? 俺的にはそんな気分だ。そして、住人以外の初めての人間が入る前にすでにトラブルが起こっていた、早いよ!
内容はわかりやすい、トラブルがあるとすればお前たちが一番初めだろうとは、思っていたがまさかその通りになるとはな。
貴族が並んでいる人間を力尽くでどかして、一番に入ろうとしていたのだ。もちろんディストピアにもゴーストタウンにも、貴族優先のルールなどないのだ。挙句の果てに止めに入った兵士に剣を向ける愚行を犯したので、俺たちが出張って鎮圧して牢屋にぶち込んでおいた。
わざわざ俺が出向く理由は、実際にディストピア、グレッグ、ミューズを支配しており、実質ヴローツマインも支配している俺であれば、たかが一都市の領主なんかよりも立場が上だからという感じだ。
フェピーに言わせればジャルジャンも、ヴローツマインからは竜騎士を派遣してもらっているため、立場的には下に当たるからまわりまわって言えば、ジャルジャンもディストピアの支配下にあると言っても、過言じゃないとかなんとか。
終いには中立都市国家とでも名乗った方がいいのでは? なんていわれたことがあった。
牢屋にぶち込まれた貴族は『私にこんな事をして王国が黙ってないぞ!!』などと騒ぎ立てたが、たかが貴族の息子一匹にあの国が動くわけがない。ましてや敵対すれば今度は自分の命だけでなく、親族の命すら奪われかねないので国王は放置するにきまってるさ。
他にも貴族はちらほらいて、礼儀正しく並んでるのに、お前はなんでそんな愚行を犯したのやら?
貴族は領主の俺にも剣を向ける命令を出していたので、見せしめも兼ねて処刑する事が決定した。一緒にいた騎士たちはそのまま奴隷落ちにして、一緒に来ていた者は王国に送り返した。もちろん伝言を持って行ってもらうためだ。親と国王に!
次にトラブルが起きたのは、ダンジョンの中だった。朝の貴族のバカ息子以来トラブルがなかったので、のんびりおやつを食べていたところ、フェアリー達から緊急連絡が入り、ダンジョン内で冒険者が冒険者を襲っているとの事だった。本当ならダンジョン内のトラブルは極力関与しないつもりだったが……
ただのトラブルのトラブルではなく、女の冒険者のパーティーに男の冒険者のパーティーが襲い掛かっているとの事だった。録画機能で確認しても男たちの方が不意打ちで襲ったようで、どこかの部屋に連れていかれたらしい。
連れて行っている時に『この街には娼婦なんかがいねえから丁度いいな』等と言っていたそうだ。これで俺たちが動かない理由が無くなったのだ。
その報告を受けた妻たちが全員殺気立って、装備を整えていた。ゴーストタウンのダンジョンには管理区域と称したエリアがあり、ダンジョンに直接入れる裏道を準備していたのが役に立った。
フェアリーから連絡をもらって十五分ほどで現場に着いた。
「ヒヒッ! 早く逃げないと裸になっちゃうよ~」
「あんまりケガさせんなよ! 俺は初物が好きだからその娘とっておけよ」
「兄貴! さすがにあれは子供すぎないか?」
同じ男として嫌悪感のある発言が聞こえてきた。
「兄貴! 誰か近づいてきやすで!」
「ちょっとお前見てこい」
見てこいと言われた冒険者が通路に出てきて、俺たちと目が合う。
「うっひょー! 兄貴兄貴! キレイどころの娘たちがそろってるパーティーでっせ! しかも獣人のかわいこちゃんもいるぜ!」
「なんだと? 今行く!」
次に通路に現れたのは兄貴と呼ばれた身長ニメートル程はあろう大男だった。俺たちを品定めするかのようにジロジロ見ている。
「迷子かな? それなら出口を教えるからついてきなよ」
お前ら、まだ一日しかたってないダンジョンでそのセリフはないわ。
「奥にいる女性パーティーを開放しなさい!」
ピーチが強く言い放つと、兄貴の表情が一変した。その後すぐに戦闘態勢に入るあたり、常習犯なんだろうな、慈悲はない!
「お前たち、男は殺しても構わん女たちはできる限り生け捕りだ! 手足の一・ニ本は落としても構わねえぞ!」
俺の妻を生け捕り? 手足の一・ニ本は落としてもいいだと? 武器を収納の腕輪から取り出して、切り刻もうとした時に気付いた。俺よりもさらに黒い殺気を放っている者たちがいた。者たち……言葉の通り複数いたんだよ。人って自分より怒っている人間がいると冷静になるんだな。
まず飛び出したのは、三幼女を抜いた年少組のメンバーだ。手にはストッパーが握られている……ちょっと待った! いきなりそれを使うのか!?
次の瞬間五発の発砲音と、壁まで吹っ飛ばされた兄貴の姿があった。よく見ると右腕と左足が途中で千切れかけていた。外傷まで負ってしまうという事はレベルが足りてないんだろうな。
一応レベルはニ一ニもあるのだが、俺たちの前では無意味だった。銃器のダメージが入らなくなるのって、どのくらいからだろうな? なんてこと考えてる場合じゃなかった。
飛び出してきた男たちのパーティーのメンバー七人は、全員壁にたたきつけられて伸びている。俺が変な事を考えている間に戦闘が終わっていた。そしてまだ奥に五人ほど残っているようだ。ピーチにお願いして倒した七人を縛ってもらった。
さて残りの馬鹿どもを捕えに行きますか。
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