ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
上 下
352 / 2,518

第352話 ゴーストタウン城作成!

しおりを挟む
「ご主人様、これをアレンジしたようなお城にしようと思います」

 見せられた写真は、俺の中で『角ばってるな』という印象だった。四角形や六角形、八角形を色々くっつくけた城だろうか? そもそもこの表現が正しいか分からないけど俺にはそう感じたのだ。

 ピーチたちが見せてきたのは、チェコにあるフルボカー城というお城の写真だった。

 色をもう少しこの街の色に合わせればしっくりきそうだった。出入り口にもなる建物なので砦っぽくもあり、お城っぽくもありマッチしているな。

「さぁ決まったならこれを元にデザインを決めていこうか。召喚してから一切使ってなかった、無駄にハイスペックなノートパソコンで、CADを使ってそれっぽく設計しようか。多少無理のある形でもクリエイトゴーレムで魔核を使用しておけば、丈夫にもなるし問題ないから使いやすそうに設計しよう」

 『お~!!』と掛け声をかけた年少組を微笑ましく見守って作業に入る。

 何で俺がCADを使えるかといえば【CADの宝珠】があったため、スキルとして入手してからLv十まで上げたおかげだ。そもそも、CADを入れた無駄にハイスペックなノートパソコンを手に入れた理由が、CADの宝珠があったためなのだ。

 今となっては、運三セットが今の状況を見越して与えてくれたのでは? と思うくらいだ。

 ちなみに今の状況は、ノートパソコンとニ〇〇型有機ELディスプレイをつなげて、一階の出入り口に使う予定の検問所的な何かを設計してから、フルボカー城の様な外見にしていく形になった。

 一階は全部検問所とか取引として使える空間にしている。ニ階は別の入り口からしか入れないようにして、一階とニ階以上をきれいに分けている。

 ドラ〇エの王城みたいになってきたように感じる。一階はそれでもいいか! ニ階以上がこの街の顔になるわけで……むしろ地下に検問所を作ってしまおうか? そうすれば、お城の入り口が一階に来るな。

 みんなに提案してみると、壁を壊されて逃走されることはなくなるのでいいですね! との反応だった。壊してまで逃走をはかる人間がいるのか? 元の世界でそんなことできるのは、爆弾マニアくらいだろうか?

 そもそも壁を破壊してっていう発想すらなかったからな。この世界ではそれをできる人間が、かなりいるわけだからそういう風になるか?

 馬車が通ったりするわけだから、大きな通路がないとだめだよな、ってことはこんな感じでいいか。あ! よく考えたらDPで作ってから破棄すれば、クリエイトゴーレムで加工できるんじゃないか。

 妻たちが話し合っている間に、近場に建てる予定だった、ゴーストタウンの総合ギルド本部みたいなので実験しよう。あの建物なら簡単に設計できるし、だだっ広いフロアを五から六階で建てて、必要に応じて自分たちで仕切りをしていけばいいと考えてたから、ちょうどいいな。

「ポチポチポチっとな、はい完成! で、そのまま破棄! さてやりますか、【クリエイトゴーレム】」

 外観に模様ができるように魔法をかけると使用することができたので、DPで作った建物でも破棄することによって、クリエイトゴーレムでいじれることが判明する。以前から無自覚にやっていたが、今日改めて判明した。

 俺の様子をながめていた三幼女が近寄ってきて、何をしているか聞いてきた。一連の実験の話をしてもいまいち理解できなかった様子なので、今までできなかったことができるようになったと伝えると、『ご主人様、すごーーい!』とほめられてしまった。恥ずかしいからやめてくれ。

 俺たちが騒いでいると気になったのか、他の妻たちが近付いてきた。寄ってきた妻たちに今の事を話すと、『それはいいですね』とライムがリアクションし、『デフォルトのお城にどんなものがあるか確認しましょう』と言われたので確認作業にはいる。

 そこで俺は、フルボカー城なる城がリストにあったのを見つけてしまった。どういう基準でリストに載るんだろうな?

「みんな、フルボカー城がリストにあったからこれを元にいじれば問題なさそうだよ」

 ここでハイスペックノートパソコンとCADの宝珠はお役御免になってしまった。

 ゴーストタウン城は基本、領主の館というよりは行政府の役割が強いので、それにあった城の作りに変えていく。ただ一角にはきちんと専用の鍛冶場を用意して、直接外につながる扉は用意せずに、空調だけしっかりととのえておいた。これで逃げ出すことはできまい! しっかり働いてくれよ!

 ちなみにここに用意した火炉は、カエデのとこに用意した物の三ランクほど下の物だ。カエデの火炉は四精火炉と呼ばれる、人が作れる中で一番高価なものと言われているものだ。

 条件は簡単で四大精霊のイフリートが住む事ができる事が条件で、条件を満たしたうえでイフリートと契約できなければ準備できないものなのである。

 それに対してここに準備したものは、火の下級精霊の宿る火炉の下精火炉と呼ばれるものだ。何となく想像できると思うが、四精⇒上精⇒中精⇒下精の順でランク付けされている。

 文献では火の神の宿る神火炉と呼ばれるものもあるそうだが、実物を確認できたものはいないとの事だ。チビ神なら知ってそうだな。

 色々配置が決められていき、それらしいお城が完成した!

 う~~ん、フルボカー城をモデルにしたが、面影がほとんどなくなっていた。辛うじて外観の一部に似ている所があるような気がする? というくらいのものになっていた。

「お城は完成したから、中に入って細かいところを修正していこうか! ってことで、破棄っと」

 十九世紀のお城をモデルにしたはずなのに、デザイナーズマンション的な奇抜の部分も多くあって、外観と内観の違いに自分で設計したのにビビったよ。

 部屋に入ったはずなのに、吹き抜けになって部屋の内側で階段でつながってたり、部屋の中心に螺旋階段が設置されていて六階まで登って行けたりとか、無駄に変な機能を組み込んでみたのだ。

 使いやすいかはともかく置いておいて、妻たちが召喚リストの中にライブラリーがあることを発見して、面白そうと追加したものなので遊び心があっていいよね!

 なんて言われるか知らないが、城は完成したことをグリエルに連絡しておく。このまま街の整備をして行く事も合わせて連絡している。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

救国の大聖女は生まれ変わって【薬剤師】になりました ~聖女の力には限界があるけど、万能薬ならもっとたくさんの人を救えますよね?~

日之影ソラ
恋愛
千年前、大聖女として多くの人々を救った一人の女性がいた。国を蝕む病と一人で戦った彼女は、僅かニ十歳でその生涯を終えてしまう。その原因は、聖女の力を使い過ぎたこと。聖女の力には、使うことで自身の命を削るというリスクがあった。それを知ってからも、彼女は聖女としての使命を果たすべく、人々のために祈り続けた。そして、命が終わる瞬間、彼女は後悔した。もっと多くの人を救えたはずなのに……と。 そんな彼女は、ユリアとして千年後の世界で新たな生を受ける。今度こそ、より多くの人を救いたい。その一心で、彼女は薬剤師になった。万能薬を作ることで、かつて救えなかった人たちの笑顔を守ろうとした。 優しい王子に、元気で真面目な後輩。宮廷での環境にも恵まれ、一歩ずつ万能薬という目標に進んでいく。 しかし、新たな聖女が誕生してしまったことで、彼女の人生は大きく変化する。

【完結】10引き裂かれた公爵令息への愛は永遠に、、、

華蓮
恋愛
ムールナイト公爵家のカンナとカウジライト公爵家のマロンは愛し合ってた。 小さい頃から気が合い、早いうちに婚約者になった。

鮮明な月

BL
鮮明な月のようなあの人のことを、幼い頃からひたすらに思い続けていた。叶わないと知りながら、それでもただひたすらに密やかに思い続ける源川仁聖。叶わないのは当然だ、鮮明な月のようなあの人は、自分と同じ男性なのだから。 彼を思いながら、他の人間で代用し続ける矛盾に耐えきれなくなっていく。そんな時ふと鮮明な月のような彼に、手が届きそうな気がした。 第九章以降は鮮明な月の後日談 月のような彼に源川仁聖の手が届いてからの物語。 基本的にはエッチ多目だと思われます。 読む際にはご注意下さい。第九章以降は主人公達以外の他キャラ主体が元気なため誰が主人公やねんなところもあります。すみません。

転移魔法に失敗したら大変な事に巻き込まれたようです。

ミカヅキグマ
ファンタジー
 魔導師のヴァージニアは転移魔法に失敗して見知らぬ島に来てしまった。  地図にも載っていないその島には何やら怪しげな遺跡がポツンと建っていた。ヴァージニアはただでさえ転移魔法の失敗で落ち込んでいるのに、うっかりその遺跡に閉じ込められてしまう。彼女が出口を探すために仕方なく遺跡の奥に進んで行くと、なんとそこには一人の幼い少年がいた。何故こんな所に少年が? 彼は一体何者なのだろうか?  ヴァージニアは少年の正体が世界を揺るがす出来事に発展するとは露程も思っていなかったのだった……。 ※台詞が多めです。現在(2021年11月)投稿している辺りだと地の文が増えてきています。 ※最終話の後に登場人物紹介がありますので、少しのネタバレならOKという方はどうぞご覧下さい。 ネタバレ ※ヴァージニア(主人公)が抱く疑問は地竜とキャサリンが登場すると解けていきます。(伏線回収) さらにネタバレ ※何度もループしている世界の話ですが、主人公達は前の世界の記憶を持っていません。しかし違和感などは覚えています。(あんまりループ要素はないです) さらにさらにネタバレ? ※少年の正体は早い段階で出てるじゃないかと思っている方……、それじゃないんです。別にあるんです。

没落した元名門貴族の令嬢は、馬鹿にしてきた人たちを見返すため王子の騎士を目指します!

日之影ソラ
ファンタジー
 かつては騎士の名門と呼ばれたブレイブ公爵家は、代々王族の専属護衛を任されていた。 しかし数世代前から優秀な騎士が生まれず、ついに専属護衛の任を解かれてしまう。それ以降も目立った活躍はなく、貴族としての地位や立場は薄れて行く。  ブレイブ家の長女として生まれたミスティアは、才能がないながらも剣士として研鑽をつみ、騎士となった父の背中を見て育った。彼女は父を尊敬していたが、周囲の目は冷ややかであり、落ちぶれた騎士の一族と馬鹿にされてしまう。  そんなある日、父が戦場で命を落としてしまった。残されたのは母も病に倒れ、ついにはミスティア一人になってしまう。土地、お金、人、多くを失ってしまったミスティアは、亡き両親の想いを受け継ぎ、再びブレイブ家を最高の騎士の名家にするため、第一王子の護衛騎士になることを決意する。 こちらの作品の連載版です。 https://ncode.syosetu.com/n8177jc/

悪魔だと呼ばれる強面騎士団長様に勢いで結婚を申し込んでしまった私の結婚生活

束原ミヤコ
恋愛
ラーチェル・クリスタニアは、男運がない。 初恋の幼馴染みは、もう一人の幼馴染みと結婚をしてしまい、傷心のまま婚約をした相手は、結婚間近に浮気が発覚して破談になってしまった。 ある日の舞踏会で、ラーチェルは幼馴染みのナターシャに小馬鹿にされて、酒を飲み、ふらついてぶつかった相手に、勢いで結婚を申し込んだ。 それは悪魔の騎士団長と呼ばれる、オルフェレウス・レノクスだった。

優秀な姉の添え物でしかない私を必要としてくれたのは、優しい勇者様でした ~病弱だった少女は異世界で恩返しの旅に出る~

日之影ソラ
ファンタジー
前世では病弱で、生涯のほとんどを病室で過ごした少女がいた。彼女は死を迎える直前、神様に願った。 もしも来世があるのなら、今度は私が誰かを支えられるような人間になりたい。見知らぬ誰かの優しさが、病に苦しむ自分を支えてくれたように。 そして彼女は貴族の令嬢ミモザとして生まれ変わった。非凡な姉と比べられ、常に見下されながらも、自分にやれることを精一杯取り組み、他人を支えることに人生をかけた。 誰かのために生きたい。その想いに嘘はない。けれど……本当にこれでいいのか? そんな疑問に答えをくれたのは、平和な時代に生まれた勇者様だった。

欲情しないと仰いましたので白い結婚でお願いします

ユユ
恋愛
他国の王太子の第三妃として望まれたはずが、 王太子からは拒絶されてしまった。 欲情しない? ならば白い結婚で。 同伴公務も拒否します。 だけど王太子が何故か付き纏い出す。 * 作り話です * 暇つぶしにどうぞ

処理中です...