ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
上 下
347 / 2,518

第347話 ゴーストタウン攻防戦6ラウンド(言い争い)

しおりを挟む
 俺がマナポーションでお腹がタプタプになっている頃、リストを眺めていたメンバーが面白いスキルを発見していた。

【聖拳】

 素手という限定的な攻撃ではあるが、うちのメンバーは全員格闘スキルを習得しており、全員がLv十なのでいざという時のために全員で覚えることになった。

 そういえば、こういったアクティブスキル? といえばいいのだろうか。こういったスキルにもLvがありLvが上がると威力が上がるようだ。なので覚えた次の瞬間にLv十まで上げている。

 これで活躍するのはシェリルとネルあたりだろうか。シュリだと盾で防御しながらの戦闘になるので、素手だと距離的に戦い辛いのでソードメイスを使う方が戦いやすいだろう。

 他には特に有効そうなスキルがなかったので、チェックしたメンバーもがっくりしていた。その時に年少組でスカルレギオンに近付けず、エレノアやサーシャ、ソフィー、ケイティ、メルフィがモヤモヤしていたらしい。

 足止めでもできる武器がないかリストをあさっていた時に、銃の欄にショットガンを発見してこれならいいんじゃないかと思い、後で俺に相談してきたのだ。

 確かに足止めするなら最適な武器ではあるな。ということで俺もショットガンは好きなので、ちょっといじってみることにした。ベースとなるのは南アフリカ産の【RDIストライカー12】をベースにすることに決まった。

 いつも通りクリエイトゴーレムでパーツを作っていくのだが、今回の銃身や弾の射出に関する部分には、六四チタン合金と呼ばれる、チタンにアルミ六パーセントとバナジウム四パーセントが含まれている合金を使用している。

 重さは、銅の約半分位といってわかるだろうか? それなのにかなり頑丈なので、今回はこれを使用してみる事に決めたのだ。他の素材には炭素繊維強化プラスチックを使用して作成することになった。ここらへんは全部DPで召喚している地球の素材だ。

 うん、見た目は多少可愛いフォルムになったが、悪くない造形だ! 我ながらセンスがいいな! ドラムマガジンで弾丸は12発か。

 ドラムマガジンはDPで呼び出した物でかまわないけど、弾丸はピースやロックオンと同じ魔石の粉を使用した物で、俺は魔導火薬と呼んでいる。それと今回はバックショットを使うので、弾丸の中にいれるペレットは聖銀で約十個程詰める形だ。

 銃身で弾丸に付与させるのは、土属性で衝撃を強くする事で足止めを目的としている。弾速はロックオンやピースと比べるとはるかに遅いが、弾速は秒速一〇〇〇メートルは超えるため、空気の衝撃も加わる形だ。今回の目的には最適だろう。

 銃本体は俺が作ったけど、弾丸のペレットや魔導火薬は妻たちが手分けをして作っている。弾丸の外身はDPで出してますけどね!

 みんなで協力して一〇〇〇個程弾丸を作り、RDIストライカー12、こいつの名前はストッパーと名付けよう。それ六丁作ってエレノアやサーシャ、ソフィー、ケイティ、メルフィ、そして俺の分だ。幼女三人とレミーも加わり、年少組全員で飛び跳ねて喜んでいた。

 ストッパーの試し打ちをするためにシュリに準備してもらい、普段あまり使う事のない大盾を持ってもらい受けてもらう事にした。全身を盾の後ろに隠してもらい試射が始まる。

 ドンッ!

 シュリは踏ん張れるように構えていたため、吹っ飛ぶことは無かったがかなりの衝撃だったようだ。聖銀のペレットが平べったく潰れてしまっているので、かなりの衝撃だったのだろう。続けてニ発三発と撃っていくと、五発目を撃ったところでシュリからストップの声がかかる。

「すいません、これ以上は手が痺れてきそうですので、この辺で止めてもらっていいですか?」

「ごめん、調子に乗りすぎた。でもその盾を持ってれば平気なら、ちょっと俺も体験してみたいな、その盾かしてくれ」

 シュリから盾を借りて体を盾の後ろに隠し、踏ん張る体制をとりストッパーを撃ち込んでもらう。

「うぐっ! こりゃきついな、1発くらっただけで手が痺れてるよ。神たちによって威力が、ダメージがほとんど出ないにしても、これをくらえばさすがに止められるよな。

 あのノーライフキングもここまで威力があれば笑ってられまい! 衝撃だけならロックオンより高いからな! 今日はゆっくり体を休めて明日に備えよう! この砦内だけどみんな自由に過ごしてくれ!」

 俺はストレッチをするために訓練場へ来た。ついでにガルドも連れてきている。連れてきた理由は、ホットヨガ的な感じでストレッチがしたかったので、訓練場を温めてもらいそこでストレッチをした。妻たちも半数位が興味を持ったので、俺と一緒にストレッチに参加していた。

 思い思いに過ごし、眠りについた。

 決戦の朝、朝食も済んでみんなでストレッチをしている。装備の点検は昨日もしたが今日も行っている。装備には問題ないな、ストッパーのドラムマガジンの入れ替えを確認したりドラムマガジンの個数を確認したりしている。

 一人十個、合計一ニ〇発の六人分なので七ニ〇発は撃てることになる。装備のサイズを考えれば、収納の腕輪がなければこんなに所持できなかっただろう。

 一昨日も進んだ道を同じように進んでいく、大部屋にはやはりノーライフキングはいなかった。マップ先生で分かってはいたけどな。

 念のために他に作成していた大部屋を確認しに行くが、横穴とかを掘って隠れている感じはなかった。やっぱりゴーストタウンの中か、まずは探すところからか。ノーライフキングは死霊魔法を持っているから、どこから仕掛けてくるか分からないな。

「今日の相手は分かっていると思うけど、ノーライフキングだよ。ゾンビレギオンやスカルレギオンを従えていたのだから、あいつらより弱い事はないと思う。

 正直スカルレギオンもあそこまで苦戦するとは思ってなかったし、腐ってもSランクの魔物ってことだね。そのために昨日アンデッド特攻の武器と、ストッパーを準備したんだからね。もし形勢が不利になったら逃げる事だけ頭に入れておいてね。じゃぁ行こうか!」

 ゴーストタウンを進んでいくと、広場の中心に仁王立ちしているノーライフキングがいた……お前何してんの?

「お前ら! スカルレギオンを倒したら、俺を追ってここに攻めてくるのが普通だろ! それなのに昨日攻めてくるわけでもなく、俺のこのやり場のない怒りはどうすればいいんだよ!」

「いや、今俺たちに向かって怒ってるじゃん。それにそっちが追撃をかけなかったから、俺たちは休憩をとっただけだし! もし連戦をさせるつもりなら、あの大部屋にとどまっておけよ! バーカ!」

「うっせうっせ! それになんだよあの扉! 仕掛け見つけるのに五時間もかかったわボケが!」

「そこがおかしいんだよな、大部屋の内側からは開かないようになっていたはずなのに、どうやって開けたんだ?」

「バーカ、俺を誰だと思ってるんだよ! ノーライフキングだぞ! その特性くらいは知ってるだろ? 死霊魔法と魔法をかけた死霊と情報共有ができんだよ! なめんな!」

 程度の低い言い争いがしばらく続き、妻たちが冷たい目をして俺の事を見ていた……が俺は気付かない!

「それにお前なんなんだよ! そんなに可愛い娘ばかり侍らせやがって! DTのまま死んだ俺に謝れ!」

 可愛いと言われた嫁達が少し照れているが、それにも俺は気付かない!

「全員、俺の妻だ! いいだろ? 全員俺のだから手を出すんじゃねえぞ!」

「ムカーッ!! 死ねやクソが!!」

「お前が死ねよ! DTが!」

 低次元の言い争いが終わり戦闘が開始される。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

私のことなど、ご放念くださいませ!

風見ゆうみ
恋愛
私の住む世界では、貴族は犬を飼うことが当たり前で、賢い犬がいる家に一目置くというしきたりがある。 幼い頃から犬と念話ができる私は、どんな暴れ犬でも良い子になると、国内では評判が良かった。 伯爵位を持つ夫、ノウルと大型犬のリリと共に新婚生活を始めようとしていたある日、剣の腕を買われた夫が出兵することになった。 旅立つ日の朝、彼は私にこう言った。 「オレは浮気をする人は嫌いだ。寂しいからといって絶対に浮気はしないでほしい」 1年後、私の国は敗戦したが、ノウル様は無事に戻って来た。 でも、彼の横には公爵令嬢が立っていた。その公爵令嬢は勝利国の王太子の妻として捧げられる予定の人。でも、彼女のお腹の中にはノウル様との子供がいるのだと言う。 ノウルは公爵令嬢を愛人にし、私との結婚生活を続けると言う。王家は私にノウル様が公爵令嬢を身ごもらせた責任を取らせると言い出し、公爵令嬢の代わりに冷酷で有名な王太子の嫁にいけという。 良いわよ、行きますとも! 私がいなくなれば、困るのはあなたたちですけどね! ※R15は保険です。誤字脱字、気を付けているつもりですが、やはりございます。教えていただけますと幸いです。

ヒロイン? 玉の輿? 興味ありませんわ! お嬢様はお仕事がしたい様です。

彩世幻夜
ファンタジー
「働きもせずぐうたら三昧なんてつまんないわ!」 お嬢様はご不満の様です。 海に面した豊かな国。その港から船で一泊二日の距離にある少々大きな離島を領地に持つとある伯爵家。 名前こそ辺境伯だが、両親も現当主の祖父母夫妻も王都から戻って来ない。 使用人と領民しか居ない田舎の島ですくすく育った精霊姫に、『玉の輿』と羨まれる様な縁談が持ち込まれるが……。 王道中の王道の俺様王子様と地元民のイケメンと。そして隠された王子と。 乙女ゲームのヒロインとして生まれながら、その役を拒否するお嬢様が選ぶのは果たして誰だ? ※5/4完結しました。

貧弱の英雄

カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。 貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。 自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる―― ※修正要請のコメントは対処後に削除します。

親友に彼女を寝取られて死のうとしてたら、異世界の森に飛ばされました。~集団転移からはぐれたけど、最高のエルフ嫁が出来たので平気です~

くろの
ファンタジー
毎日更新! 葛西鷗外(かさい おうがい)20歳。 職業 : 引きこもりニート。 親友に彼女を寝取られ、絶賛死に場所探し中の彼は突然深い森の中で目覚める。 異常な状況過ぎて、なんだ夢かと意気揚々とサバイバルを満喫する主人公。 しかもそこは魔法のある異世界で、更に大興奮で魔法を使いまくる。 だが、段々と本当に異世界に来てしまった事を自覚し青ざめる。 そんな時、突然全裸エルフの美少女と出会い―― 果たして死にたがりの彼は救われるのか。森に転移してしまったのは彼だけなのか。 サバイバル、魔法無双、復讐、甘々のヒロインと、要素だけはてんこ盛りの作品です。

はぁ?とりあえず寝てていい?

夕凪
ファンタジー
嫌いな両親と同級生から逃げて、アメリカ留学をした帰り道。帰国中の飛行機が事故を起こし、日本の女子高生だった私は墜落死した。特に未練もなかったが、強いて言えば、大好きなもふもふと一緒に暮らしたかった。しかし何故か、剣と魔法の異世界で、貴族の子として転生していた。しかも男の子で。今世の両親はとてもやさしくいい人たちで、さらには前世にはいなかった兄弟がいた。せっかくだから思いっきり、もふもふと戯れたい!惰眠を貪りたい!のんびり自由に生きたい!そう思っていたが、5歳の時に行われる判定の儀という、魔法属性を調べた日を境に、幸せな日常が崩れ去っていった・・・。その後、名を変え別の人物として、相棒のもふもふと共に旅に出る。相棒のもふもふであるズィーリオスの為の旅が、次第に自分自身の未来に深く関わっていき、仲間と共に逃れられない運命の荒波に飲み込まれていく。 ※第二章は全体的に説明回が多いです。 <<<小説家になろうにて先行投稿しています>>>

秘密の聖女(?)異世界でパティスリーを始めます!

中野莉央
ファンタジー
将来の夢はケーキ屋さん。そんな、どこにでもいるような学生は交通事故で死んだ後、異世界の子爵令嬢セリナとして生まれ変わっていた。学園卒業時に婚約者だった侯爵家の子息から婚約破棄を言い渡され、伯爵令嬢フローラに婚約者を奪われる形となったセリナはその後、諸事情で双子の猫耳メイドとパティスリー経営をはじめる事になり、不動産屋、魔道具屋、熊獣人、銀狼獣人の冒険者などと関わっていく。 ※パティスリーの開店準備が始まるのが71話から。パティスリー開店が122話からになります。また、後宮、寵姫、国王などの要素も出てきます。(以前、書いた『婚約破棄された悪役令嬢は決意する「そうだ、パティシエになろう……!」』というチート系短編小説がきっかけで書きはじめた小説なので若干、かぶってる部分もありますが基本的に設定や展開は違う物になっています)※「小説家になろう」でも投稿しています。

あなたの思い違いではありませんの?

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
複数の物語の登場人物が、一つの世界に混在しているなんて?! 「カレンデュラ・デルフィニューム! 貴様との婚約を破棄する」 お決まりの婚約破棄を叫ぶ王太子ローランドは、その晩、ただの王子に降格された。聖女ビオラの腰を抱き寄せるが、彼女は隙を見て逃げ出す。 婚約者ではないカレンデュラに一刀両断され、ローランド王子はうろたえた。近くにいたご令嬢に「お前か」と叫ぶも人違い、目立つ赤いドレスのご令嬢に絡むも、またもや否定される。呆れ返る周囲の貴族の冷たい視線の中で、当事者四人はお互いを認識した。  転生組と転移組、四人はそれぞれに前世の知識を持っている。全員が違う物語の世界だと思い込んだリクニス国の命運はいかに?!  ハッピーエンド確定、すれ違いと勘違い、複数の物語が交錯する。 【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2024/08/13……エブリスタ ファンタジー 1位 2024/08/13……アルファポリス 女性向けHOT 36位 2024/08/12……連載開始

【完結】私だけが知らない

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

処理中です...