ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
上 下
345 / 2,518

第345話 ゴーストタウン攻防戦5ラウンド

しおりを挟む
 部屋の中心には地面に足の埋まっているスカルレギオンがいた。悲惨な光景ではあるが、次の瞬間に足を引き抜き地面に上ってきた。声帯もなければ肺もないのにどうやってか、怒号を上げている。

「ゾンビ系はともかく、スケルトン系ってどうやって声出してるんだろうな」

 素朴な疑問を口にすると、

「ご主人様! そんなことを考えるのは後ですよ! みんな行きますよ、シュリ! あいつの相手は任せますからね!」

 ピーチに怒られてしまった。さっき油断しないって言ったのに緊張感のない奴だな俺って。

 気を引き締めてスカルレギオンを見ながら走る。途中でドンドン沸いてくる雑魚を無視して突っ走る。

 先制の一撃はシュリのソードメイスによる一撃だ。ゾンビ系もそうなのだがアンデッド系には、刃物より鈍器の方が有効らしくシュリは装備を交換していた。

 俺も棍の長いタイプに変えようかと思ったが、俺の大薙刀は切り裂くというより押し切るタイプなので、クレイモアのような大剣と同じ武器の性質なので、武器の変更はしていない。

 横殴りのシュリの攻撃を難なくはじき、隙ができたメイスを持っている側の脇腹を狙い、スカルレギオンの質の高そうな剣。見た感じカットラスを大きくしたような剣を振りぬこうとしていた。

 シュリは体をひねり盾できっちりと受け止めるが、体勢が不安定であったためか、堪え切れずに地面を削りながらはじかれた。

 追撃をかけようとしていた本体の死角から突っ込んできた、リンドのウォーハンマーが当たる寸前に気配を察したのか、死角を確認しないままその場所から離脱されて、リンドはキレイに空振りをした。

 体勢を立て直したシュリが離脱した本体に向かって、シールドチャージで突っ込んでいく。それに気付いた本体も同じくシールドチャージで対抗してきた。

 ステータスの差もあり、シュリは予想通り押し返されてしまったが体勢は崩れていない。そのままチェインを発動して強引に引っ張りながら盾に押し当てていく。

 止まったところに今度は、ミリーの棍棒による連突きが放たれた。身動きがとり辛い状況にもかかわらず、半分は交わして見せ残りのほとんどは空いている剣ではじかれた。まともに当たったのはニ発というところだろうか?

 シュリが距離をとろうと下がると、そのまま強引に距離を縮めてきた本体は、剣をしたから一気に切り上げた。

 受け止めたシュリにダメージはないが、体が浮き上がってしまう。本体はそのまま後衛に突っ込もうとしていたため、リンドが慌てて間に入るが同じように打ち上げられてしまう。

 俺は雷属性を全身に付与してスピード重視で進攻を止めるために、本体と同じように一気に切り上げる攻撃をした。回避は間に合わないと判断した本体は盾で受け止めた。俺の思惑通り体が浮き上がり進攻を止めることができた。

 空中に浮かんでいる本体を、シュリとリンドがチェインで強引に引き寄せて固定させた。それに合わせて後衛陣から魔法と矢が飛んできている。火魔法と聖銀の矢が、本体に突き刺さり悲鳴をあげた。

 体は骨だけど焼かれ、矢は頭に突き刺さったが魔物として存在を消滅させることはできなかった。スケルトン系の弱点は頭ではなく、骨のどこかに埋まっている魔石なので、頭が取れても問題なく動き続けるのだ。だけど、ダメージを食らわないわけではないので、有効打にはなっているようだ。

 急にチェインで固定していたニ人の足が滑り出し、本体に引き寄せられていく。シュリとリンドが使ったチェインを逆に利用して引き寄せていたのだ。

 慌ててニ人がチェインを解除するが、体勢を崩してしまったリンドへ本体が足を進めていた。俺は魔法が飛んできていたので、距離をとったのがあだとなり間に合わない。無意識のうちにピースを取り出し撃っていた。

 ダメージは全くなかったが、入ってた弾がアダマンタイト製の重く硬い弾丸であったため動きを止めさせることに成功した。秒間ニ十発の秒速ニニ〇〇メートルの速度で当たれば嫌でも止まるか。骨なので半分以上は当たらずに、通り抜けてるけどな。

「リンド離れて!」

 リンドに声をかけながら俺は、弾をリロードした。ダメージを与えられなくても、止められることが分かったのだ、使わない手はないだろう。

 本体は憎々しく俺の方を見ている。スケルトン系の目ってどこにあるんだろうな?なんて考えていたら後ろから蹴られてしまった。俺の心読むのは止めてくださいピーチさん!

 今の所攻め切れていない以上何か手立てを考えないといけないな。どうつながってるか知らないが、腕の一本や足の一本をとることができれば、こっちが圧倒的に有利になるはずだ。

 本体と対峙しているメンバーで、ツーマンセルを組みお互いをフォローしあえる体制を整えた。一人が攻撃する時はもう一人が防御するようにしたのだ。相手の方が明らかに強いのだから、こちらは連携で何とかするしかない。必然とそういう方法をとらざるを得ないよね。

 ここからは持久戦だった。まわりに湧いてくる雑魚は本体と戦っているメンバー以外に排除してもらい、余裕があれば本体の攻撃にも参加してもらっている。

 戦い始めてニ時間が経った頃、リリーとチェルシーが攻めていた時の事だ。急に本体の動きが変わった。白かった本体の骨が赤く染まり、動きが早くなったのだ!

 元から俺たちより早く動いていた本体が、さらに加速をしたのだ。予想外の負傷をしてしまっていた。リリーは攻撃を盾で受け止めたが、左腕が攻撃の威力を受けきれずに骨折してしまったし、チェルシーは左太ももと左肩を深く切られてしまっていた。

 その光景を見ていた俺は、頭に血が上ってしまい全魔力を食いつぶす勢いで、肉体活性と体の動きを早くする雷付与を行って突貫していた。

 一刻もリリーとチェルシーから本体を引き離さなくてはいけないと思い、武器を振るっていた。

 初めは上段からの振り下ろしだったか? 勢いと体重の乗った攻撃だったが本体は盾で受け止めていた。今までとは違い、若干だが体勢が崩れたのだ。

 そのタイミングを逃さないように、俺の攻撃が続く。時には武器の重さと遠心力を使い、大ぶりで重い一撃を放ったり、剣の間合いの内側に入りゼロ距離で柄で足を払ったり、火付与を行った拳でそのまま殴りつけたりと手を止めずに攻撃し続けた。

 本体にもダメージをかなり与えたが、俺の魔力が先に尽きてしまいそこで俺の意識が途切れた。

 目が覚めて俺が生きているという事は、勝ったのだろう。俺の意識が飛んだ後は聞いた話だが、それほど時間がかからずに戦闘は終わったらしい。

 俺が与えたダメージで本体は、ほぼ瀕死となっていた。そこへシェリルが突っ込んできて、思いっ切り殴りつけたら倒れてドロップ品に変わったようだ。思いっ切り殴ったといっても浸透勁を使っており、骨にも効果があったためダメージを与えられたようだ。

 俺が気絶している間に、リリーとチェルシーの治療は済んでおり傷痕は残らなかったようだ。よかったよかった。

 それにしても、ゲームによくあるHPの残りが少なくなると狂暴化するあれが、現実にあるとはな……ったくガン〇ムじゃねえんだから、赤くなって早くなるとかやめてほしいわ! トラ〇ザムじゃあるまいし!

 どうせなら最初っから赤い状態で早く動けよ! 俺は赤〇彗星派なんだよ! 親父の世代のアニメで親父のコレクションの中にあったやつだ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

月が導く異世界道中extra

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  こちらは月が導く異世界道中番外編になります。

彼女をイケメンに取られた俺が異世界帰り

あおアンドあお
ファンタジー
俺...光野朔夜(こうのさくや)には、大好きな彼女がいた。 しかし親の都合で遠くへと転校してしまった。 だが今は遠くの人と通信が出来る手段は多々ある。 その通信手段を使い、彼女と毎日連絡を取り合っていた。 ―――そんな恋愛関係が続くこと、数ヶ月。 いつものように朝食を食べていると、母が母友から聞いたという話を 俺に教えてきた。 ―――それは俺の彼女...海川恵美(うみかわめぐみ)の浮気情報だった。 「――――は!?」 俺は思わず、嘘だろうという声が口から洩れてしまう。 あいつが浮気してをいたなんて信じたくなかった。 だが残念ながら、母友の集まりで流れる情報はガセがない事で 有名だった。 恵美の浮気にショックを受けた俺は、未練が残らないようにと、 あいつとの連絡手段の全て絶ち切った。 恵美の浮気を聞かされ、一体どれだけの月日が流れただろうか? 時が経てば、少しずつあいつの事を忘れていくものだと思っていた。 ―――だが、現実は厳しかった。 幾ら時が過ぎろうとも、未だに恵美の裏切りを忘れる事なんて 出来ずにいた。 ......そんな日々が幾ばくか過ぎ去った、とある日。 ―――――俺はトラックに跳ねられてしまった。 今度こそ良い人生を願いつつ、薄れゆく意識と共にまぶたを閉じていく。 ......が、その瞬間、 突如と聞こえてくる大きな声にて、俺の消え入った意識は無理やり 引き戻されてしまう。 俺は目を開け、声の聞こえた方向を見ると、そこには美しい女性が 立っていた。 その女性にここはどこだと訊ねてみると、ニコッとした微笑みで こう告げてくる。 ―――ここは天国に近い場所、天界です。 そしてその女性は俺の顔を見て、続け様にこう言った。 ―――ようこそ、天界に勇者様。 ...と。 どうやら俺は、この女性...女神メリアーナの管轄する異世界に蔓延る 魔族の王、魔王を打ち倒す勇者として選ばれたらしい。 んなもん、無理無理と最初は断った。 だが、俺はふと考える。 「勇者となって使命に没頭すれば、恵美の事を忘れられるのでは!?」 そう思った俺は、女神様の嘆願を快く受諾する。 こうして俺は魔王の討伐の為、異世界へと旅立って行く。 ―――それから、五年と数ヶ月後が流れた。 幾度の艱難辛苦を乗り越えた俺は、女神様の願いであった魔王の討伐に 見事成功し、女神様からの恩恵...『勇者』の力を保持したまま元の世界へと 帰還するのだった。 ※小説家になろう様とツギクル様でも掲載中です。

あなたのレベル買い取ります! 無能と罵られ最強ギルドを追放されたので、世界で唯一の店を出した ~俺だけの【レベル売買】スキルで稼ぎまくり~

桜井正宗
ファンタジー
 異世界で暮らすただの商人・カイトは『レベル売買』という通常では絶対にありえない、世界で唯一のスキルを所持していた事に気付く。ゆえに最強ギルドに目をつけられ、直ぐにスカウトされ所属していた。  その万能スキルを使いギルドメンバーのレベルを底上げしていき、やがてギルドは世界最強に。しかし、そうなる一方でレベルの十分に上がったメンバーはカイトを必要としなくなった。もともと、カイトは戦闘には不向きなタイプ。やがてギルドマスターから『追放』を言い渡された。  途方に暮れたカイトは彷徨った。  そんな絶望的で理不尽な状況ではあったが、月光のように美しいメイド『ルナ』が救ってくれた。それから程なくし、共に世界で唯一の『レベル売買』店を展開。更に帝国の女騎士と魔法使いのエルフを迎える。  元から商売センスのあったカイトはその才能を遺憾なく発揮していく。すると驚くほど経営が上手くいき、一躍有名人となる。その風の噂を聞いた最強ギルドも「戻ってこい」と必死になるが、もう遅い。  見返すと心に決めたカイトは最強ギルドへの逆襲を開始する――。 【登場人物】(メインキャラ) 主人公 :カイト   / 男 / 商人 ヒロイン:ルナ    / 女 / メイド ヒロイン:ソレイユ  / 女 / 聖騎士 ヒロイン:ミーティア / 女 / ダークエルフ ***忙しい人向けの簡単な流れ*** ◇ギルドを追放されますが、実は最強のスキル持ち ◇メイドと出会い、新しい仲間も増えます ◇自分たちだけのお店を開きます ◇みんな優しいです ◇大儲けしていきます ◇元ギルドへの反撃もしていきます ◇世界一の帝国へ移住します ◇もっと稼ぎまくります

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第二章シャーカ王国編

悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが…… アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。 そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。  実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。  剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。  アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。

異世界転移したら~彼女の"王位争い"を手助けすることになった件~最強スキル《精霊使い》を駆使して無双します~

そらら
ファンタジー
↑「お気に入りに追加」を押してくださいっ!↑ とある大陸にあるローレスト王国 剣術や魔法、そして軍事力にも長けており隙の無い王国として知られていた。 だが王太子の座が決まっておらず、国王の子供たちが次々と勢力を広げていき王位を争っていた。 そんな中、主人公である『タツキ』は異世界に転移してしまう。 「俺は確か家に帰ってたはずなんだけど......ここどこだ?」 タツキは元々理系大学の工学部にいた普通の大学生だが、異世界では《精霊使い》という最強スキルに恵まれる。 異世界に転移してからタツキは冒険者になり、優雅に暮らしていくはずだったが...... ローレスト王国の第三王女である『ソフィア』に異世界転移してから色々助けてもらったので、彼女の"王位争い"を手助けする事にしました。

バランスブレイカー〜ガチャで手に入れたブッ壊れ装備には美少女が宿ってました〜

ふるっかわ
ファンタジー
ガチャで手に入れたアイテムには美少女達が宿っていた!? 主人公のユイトは大人気VRMMO「ナイト&アルケミー」に実装されたぶっ壊れ装備を手に入れた瞬間見た事も無い世界に突如転送される。 転送されたユイトは唯一手元に残った刀に宿った少女サクヤと無くした装備を探す旅に出るがやがて世界を巻き込んだ大事件に巻き込まれて行く… ※感想などいただけると励みになります、稚作ではありますが楽しんでいただければ嬉しいです。 ※こちらの作品は小説家になろう様にも掲載しております。

処理中です...