ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第339話 お前! ここにいたのか!

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「とりあえず、一定の距離まで近付かなければレギオンによる召喚はなさそうだから、ここに来ているやつらを倒したらいったん休憩しよう。近くに休める部屋を作るから、そこでローテーションでお風呂にでも入ろう。

 入り口は人造ゴーレムと精霊たちに任せておけば問題ないけど、予備で俺らの内半分もいれば大丈夫だろ。そろそろ昼も食べたいから、シルキーたちに食事運んでもらおうか」

 俺が予定をたてていると、それに従ってみんなが行動を起こしていく。敵を倒しに行く者、部屋の準備をする者、食事の手配をする者に分かれていた。俺は、敵を倒しに行こうかな。もう少し体を動かしておきたいからな。

「ご主人様。敵倒し終わったよ! 魔石がニ十個くらい出てた!」

 いつも元気な三幼女の一人、ネルが集めた魔石を持ってきて俺に見せてくれた。

「やっぱり普通の魔物としての、スケルトンやゾンビもいたんだな。そんな奴らがまとまって行動してるんだから、何かしらの力が加わってるんだろうな。やはりレギオンニ体以外にも未知の魔物がいるのかな? ディストピアの隣にこんなのがいたなんてな。嫌になっちまうな」

 魔石を持ってきてくれたネルの頭をなでながら魔石を受け取ると、なでられている頭の感触が気持ちいのか、俺の手に背伸びをしてこすりつけてきた。この感じ久しぶりだな。

 ちょっと微笑ましくなっていると、イリアとシェリルも俺を見上げてジーッとみている。これはなでてほしいってことだろうな、しょうがない娘たちだな!

 片付けらしい片付けは、魔石を集めるだけだったので時間はかからずに休憩になった。

 まずは、体や服にしみついたにおいを落とすためにまずはお風呂だな! 先に入っていいと言われたけど、ここはつまから入ってもらうのが普通だろう。姉御組と年中組、俺は後半に入ることになった。年長組は年少組のお守りみたいな形になるのは悪いけど、お願いすると快く引き受けてくれた。

 交代して入浴が済む頃になると食事が到着する。食事を持ってきたのは、収納の腕輪を持っている新人組のメンバーだった。食事を運んでくるだけで十四人のメンバーを寄越すというのはやりすぎじゃないかシルキーたちよ。

 そういえば、この娘たちもガルドやノーマンの訓練を受けていたし、ステータスを見れば問題ないレベルだから手伝ってもらうか。

 今日も食事が上手い! シルキーのご飯は、俺の今の気持ちを考えているかの如く、ガッツリ行けるけどしつこくないサッパリとした味わいの物が多かった。

 試作していたお酢の王様とも一部で呼ばれている、富〇酢を再現した物を使っており酸味が食欲を加速させていく! お酢一つでこんなに味が変わるもんなんだな。シルキーたちに感謝をしながら食事を食べ進めていく。

「新人組、っていつまでも新人って呼ぶわけにもいかないよな。何か自分たちのチームというか、冒険者としての名前とかあるのかな?」

 新人組全体のリーダーっぽい娘が控えめに答えてきた。

「ご主人様から新人組と呼ばれていたので、私たちが新人組一、向こうが新人組ニって名乗ってます・・・」

「そっか、自分たちで名乗りたいチーム名とかある?」

「いえ、今までそんなことも考えたことなかったので」

「これから増えるかもわからないけど便宜上、アルファチーム・ベータチームって名付けようか。今スグじゃなくてもいいから、自分たちでチーム名を決めたら教えてくれ」

 全員がそろって返事をした。そういえば俺たちにもそういったチーム名ないよな、今度なんか考えてみるか。

「アルファチームもベータチームも一緒に食事を食べてたから分かると思うけど、今結構面倒くさい状況なんだ。ある一定以上の戦闘能力のあるチームがいると助かるから、みんなにも協力してほしいんだ」

「私たちの実力を評価してくださるのはうれしいのですが、先輩方に比べるとかなり戦闘能力は落ちます。実際にどういった事をするのか、教えてもらってもよろしいですか? それが命令で死ねというなら喜んで死にますが、無駄死にはできればしたくありませんので、話を聞ければと思います」

「えっと、命令でも喜んで死ぬのは止めてほしいな。そもそも君たちはもう俺の奴隷じゃないよね? それなら命令に従う必要もないんだけどな……それは一旦おいておこう。

 今回お願いしたいと思っていることは、人造ゴーレムと協力してレギオンニ体が生み出す、BからEランクの魔物の数減らしを手伝ってほしいんだよ。本体は俺たちが対応するから、見つけ出すまでの手伝いが欲しいんだ。できるだけ体力も温存しておきたいからね。どうかな?」

 相談する時間が欲しいとの事でニチームが集まって相談を始めた。十分くらいで結論が出たようだ。

「Bランクが相手ですと、そこまで長時間戦えないですが、それでも大丈夫ですか?」

「人造ゴーレムもいるし、撤退するのは問題なくできるから大丈夫だよ。そういえば君たちの装備って、今どんな感じなのかな?」

 新人組の装備内容を聞いていると、思ったより質が良くないようでどうしてか聞いてみると、元奴隷だったこともあり買いたいものがあっても、高いと遠慮してしまっているようだった。

 長い事頑張ってもらってるから、老ドワーフの試作品だけど品質の高い武具をプレゼントすることにした。ピーチからも是非との事だったので、少し自重さんにはどこかに行ってもらい、その間にアダマンコーティングを武器と一部の防具に施した。

 装備をもらった新人組は顔が引きつっていた。そんなにこの装備って微妙かな?

 シュウには自重するつもりはなかったが、自分が老ドワーフの作った武具にアダマンコーティングを施した物が、どれだけの価値があるのかわかっていなかったので、喜んでもらえなくて変な顔をされたと思っていた。

 シングルの冒険者でも、コネがあっても手に入れられないようなものを、プレゼントで気軽に渡されれば顔が引きつっても新人組は何も悪くないだろう。

 準備が整ったので、再度本体を探すためにゴーストタウンを進んでいく、前と同じあたりまで進むと雑魚が生み出され始めた。今回は中心に行くために倒さずに一気に突っ込んで、ある程度広い場所まで進んで一旦迎撃する形をとった。

 人数が増えたので倒すペースの方が若干早くなっているので、何とか移動するのは問題がなかった。だからと言って本体が見つかるわけでもないんだけどね。街の中心付近まで何とかたどり着くと、今までには聞いたことのない、カタカタカタッっと高い音が聞こえた。

『私の墓所に土足で入った挙句に墓荒らしまでした盗っ人共、スケルトンが出た所で帰ればいいものを、いくら心の広い私でも、ここまで来たからには殺すしかないな』

「エルダーリッチ?」

 リンドがボソッとつぶやいた。

『フンッ、私をあんな奴らと一緒にするでない。私はアンデッドを統べる王、ノーライフキングである!』

 このゴーストタウンに三体目のSランクの魔物が出てきた。レギオンは本体自体もそれなりに強いが、あいつらの強さは群を成しての強さなのにたいして、ノーライフキングは正真正銘の単体によるSランクなのだ。

 生物の枠を超えた魔物であるため、スタングレネードやサーモリック爆弾は、ダメージがあっても決め手にはならないだろう。さてどう倒したものだか?

 にしても、あれだけ探したりしたけどこんな近くにいたとはな! とりあえずこれだけは言っておく!

「お前! ここにいたのか! ここにいたなら初めから教えとけよ、ボケが!」
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