ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
上 下
326 / 2,518

第326話 謎の雲! 調査開始

しおりを挟む
 朝起きると、抱えているのはニコだったのは変わりがないのだが、七色のスライムたちが俺に乗っていたり、乗ろうとしたりした状態で引っ付いていた。寝ている間寝返りもうてずに、体が固まっているのか若干体だキシキシ言っている感じがする。

 上に乗っているスライムたちを掴んでは投げ、掴んでは投げているとなんかの遊びだと勘違いしたスライムたちが、もっともっとと言わんばかりにせがんでくるのでしばらく付き合ってあげる事にした。

 しばらく付き合ってあげてると、ちょうど重なったニ匹のスライムが楽しそうにウネウネしていたので、残りのスライムたちも同じ所に投げてあげると、みんな満足したようで遊びが終わりになった。

 スライムたちがこの後どうするのかを観察していると、扉の前に到着すると一列になって三匹が並んだ。その上にニ匹、その上に一匹乗ってピラミッドみたいになった。そしたらその上にニコが飛び乗ってから、触手を伸ばしてドアノブを回して扉をあけて出ていった。

 なんで触手を長く伸ばして扉をあけなかったのだろうか? スライムなりのコミュニケーションなのだろうか? 知性は高いのだがクイーンハニービーみたいに、言いたい事が完全にわかるような感じではないのだ。

 そもそもスライムとは全く知性のないアメーバみたいな存在なのだ、その生態は知られていないのでわからないことのほうが多い。このスライムたちはニコから生まれてきたので、意思疎通ができているような気がする。

 スライムの事をのんびりと考えていると、朝食の声がかかった。今日は上下スエットの様な服で寝ていたので、着替えようと思ったがめんどくさいのでそのまま食堂に行く。

 ここに集まっているメンバーは俺以外全員ぴっちりときれいな服を着ていた。ミリーに「まったく……」と言われたけど気にしない! 後でちょっと甘えさせてもらえば、そんなことも忘れてくれるのでいいだろう。

 いつもと違う様子が見られたのは、部屋の隅の方にスライム型ゴーレム達が鎮座していることだろうか。俺の言ったことをしっかり守って食堂に来てくれたんだな。

 よくよく見ると、ニコたちみたいにご飯をねだってる姿が見られるのだが、お前らはさすがに飯は食えんだろう。と思ったが、どうやら餌を食べている風を装って、収納の腕輪にしまっているようだ。器用な事をするもんだなと感心しながら朝食を開始した。

 今日は純和風の食事が食べたかったので、ごはんにみそ汁、鮭の塩焼き、漬物に卵焼きに和え物、実家にいた時でもここまで豪華な和の朝食はなかったので、こっちに来てから食べれるようになったんだよな。この朝食もおいしいんだけど、おふくろの味が恋しくなるよな。といってもあの味は再現できないからな。

 さて、朝食が終わるとシルキーの指示に従ってブラウニーたちがあわただしく動き出した。朝食の余りを一食分ずつくらいに分けてラップで包んでいる。包まれた物を部屋の隅で待機していたスライム型ゴーレムが近寄って受け取っていた。しっかり仕事をしてくれるみたいで良かった。

 ダメな子が旅立つ親の心境だろうか? 若干涙がほろりと流れてしまったのには、自分でもびっくりした。

 そろそろ鬼人族が雲の中心に向かっていく頃だろう。初めから見逃さないように見ておかないとな。遅くいって説明を受ける方も、する方も大変なのでさっさと監視室に向かうか。

 今日はフルメンバーで状況を確認していく予定なので、あの空間に人がぎっしりだな。とりあえず大きく改装しよう! ハリウッド映画の何とか指令室みたいに、たくさんのモニターを設置して便利に使えるようにしよう。後は、自分たちで食べるお菓子は準備しておかないと、スプリガンの皆さんが泣きそうになるので、シルキーたちに準備してもらっている。

 まずしなきゃいけない事は、監視室の改装をする事をスプリガンのみんなに伝えないとな。

「という事で改装してこの部屋を大きくします!」

「ご主人様、何が『という事』なのか分からないのですが、勝手に自分で話を完結するのはやめてくれませんか? 改装してもらえるのは嬉しいのですが」

「ん? 嬉しいなら色々考えるの意味なくね? 部屋が広くなって綺麗になるんだよ。あ、ごめん。理由は簡単なんだ、俺たちが全員入るとここ狭いでしょ? これを機にみんなの使いやすいに改装しようと思っててね、どんな感じにすると使いやすいか、ドンドン意見を出してほしいんだけどいいかな」

 俺がそういうと、今まで使いにくいと思っていた点をどんどん出してくれたので、予想より短時間で改装がすんでよかった。

 鬼人族との機材が再接続が完了した。もうすでに突入していたと思っていたが、鬼人族も今準備できたようで雲の中心に向かっている最中だった。ウォーホースにまたがって移動しているが、進むスピードは大分遅い。

 話を聞くといざという時に、反転できるようにウォーホースに乗っているようだ。周りの状況を確認して進んでいくためにも、ゆっくりと行動しているそうだ。そういわれれば当たり前な事だよな。状況を確認してもらうために送り出したんだからな。

 出発する前に一つだけ報告があったんだった。雲の位置が五十キロメートル程移動していたとの事だった。偶然なのか鬼人たちを避けるように北に向かって移動していたため、雲の中心への突入が遅れていたようだ。

 突入してしばらくたったが、昨日の雲の端から中心に向かって観察した時と変わらない状況だった。風も強くなく雨も強くない。風が無いのになんで雲が渦巻いているのか謎だが、渦巻いているんだからしょうがないよな。本当に中心には何があるんだろうか? ラ〇ュタでもあるのかな?

 鬼人族が半分ほど進んだところで異変があったようだ。映像ではわからなかったが、現地にいる鬼人族は何かを感じているようだ。通信にで伝えられた内容は『体の動きが少し阻害されている感じがします』との事だった。重くなったのかな? それともデバフ的な効果? 重力魔法? 中心に行くと何が起こるんだろうか?
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。 その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。 代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。 それを見た柊茜は 「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」 【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。 追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん….... 主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

平凡すぎる、と追放された俺。実は大量スキル獲得可のチート能力『無限変化』の使い手でした。俺が抜けてパーティが瓦解したから今更戻れ?お断りです

たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
★ファンタジーカップ参加作品です。  応援していただけたら執筆の励みになります。 《俺、貸します!》 これはパーティーを追放された男が、その実力で上り詰め、唯一無二の『レンタル冒険者』として無双を極める話である。(新形式のざまぁもあるよ) ここから、直接ざまぁに入ります。スカッとしたい方は是非! 「君みたいな平均的な冒険者は不要だ」 この一言で、パーティーリーダーに追放を言い渡されたヨシュア。 しかしその実、彼は平均を装っていただけだった。 レベル35と見せかけているが、本当は350。 水属性魔法しか使えないと見せかけ、全属性魔法使い。 あまりに圧倒的な実力があったため、パーティーの中での力量バランスを考え、あえて影からのサポートに徹していたのだ。 それどころか攻撃力・防御力、メンバー関係の調整まで全て、彼が一手に担っていた。 リーダーのあまりに不足している実力を、ヨシュアのサポートにより埋めてきたのである。 その事実を伝えるも、リーダーには取り合ってもらえず。 あえなく、追放されてしまう。 しかし、それにより制限の消えたヨシュア。 一人で無双をしていたところ、その実力を美少女魔導士に見抜かれ、『レンタル冒険者』としてスカウトされる。 その内容は、パーティーや個人などに借りられていき、場面に応じた役割を果たすというものだった。 まさに、ヨシュアにとっての天職であった。 自分を正当に認めてくれ、力を発揮できる環境だ。 生まれつき与えられていたギフト【無限変化】による全武器、全スキルへの適性を活かして、様々な場所や状況に完璧な適応を見せるヨシュア。 目立ちたくないという思いとは裏腹に、引っ張りだこ。 元パーティーメンバーも彼のもとに帰ってきたいと言うなど、美少女たちに溺愛される。 そうしつつ、かつて前例のない、『レンタル』無双を開始するのであった。 一方、ヨシュアを追放したパーティーリーダーはと言えば、クエストの失敗、メンバーの離脱など、どんどん破滅へと追い込まれていく。 ヨシュアのスーパーサポートに頼りきっていたこと、その真の強さに気づき、戻ってこいと声をかけるが……。 そのときには、もう遅いのであった。

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い

平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。 ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。 かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。

処理中です...