ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第303話 面倒な事を増やすな!

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 さて約束を破った教皇をどうしてくれよう?

「みんなはどうするのがいいと思う?」

「この前、工房の見習いが作った最下級ランクのポーションが大量にあるから、今度はお風呂みたいにつけてみたらどう?」

 リンドが悪い笑みを浮かべてそう答えてきた。

「ポーション攻めか、前回もそれをしたから違う方法で攻めたいんだよな。でも今の所ポーション以外で苦しむ事が無かったんだよな。始祖バンパイアじゃない奴等には効いたのに光魔法の回復もあいつには効果なかったし、今回もポーション攻めでいこっかな?」

 多分あいつに出来る事が少ないのも、俺のテンションが上がらない理由の一つだろう。いじめて喜ぶ人間ではないが、できる事が無いっていうのはなんていうかね、ガッカリ感があると思うんだ。

 とりあえず今回あのアホが自分で来たのか、送り出されてきたのかしっかり確認しないとな。どっちにしても教皇とその周辺の奴等はしばくけど、送り出したのであればかなりきついお灸をすえる事になるだけだ。

「じゃぁ準備したら、あのバンパイアにお仕置きしに行きますか」

「ご主人様、大分テンション低いですね。やる気がないのでしたら私たちがやりますのでいいですよ?」

「そうしたいのは山々なんだけど、さすがに任せっきりはね。みんなと旅行できると思えば一時の苦痛もどっかに行くかな? 気持ちを切り替えていこっか」

 無理やりやる気を出すために理由をこじつけて出発することにした。まぁ嫁達との馬車旅が嫌いではないので、道中を楽しむことにするか。

 今日は三幼女が前からやってみたいと言っていたゲームをすることになった。一人で探検したり穴を掘って洞窟を見つけて探索したり、掘った石や土、木材を使って家を建てたり自由にゲームの世界を楽しむゲームのマ〇ンク〇フトだ。

 どこで知ったのかは分からないが、サーバーのPCを準備してDPでタブレットでも操作できる改造した特注品を準備した。なんたるDPの無駄使い!

「ご主人様! お願いをかなえてくれてありがと! みんなで楽しむの!」

 妻たちは、三から五人位のチームを組んで初心者らしく、どうやるのか手探り状態でワイワイ言いながら遊んでいる。

 何も装備してない状態から始まって自分で作業台を作り、素手で木や土、石をとって加工をして道具を作って行くのだ。どうやって作るか分からない状態からの開始だったので、簡単なヒントを出して道具の作り方を教えていく。

 現実と差はあるが、鉄のインゴットを作るのに鉄鉱石をとってきてかまど(炉の代わり)に火を入れて加工することで手に入れられるのだ。金属系のインゴットはこういった方法で入手できる。他にも羊から毛を刈り取って木材や何やらを合わせてベッドを作ったり、動物を殺してから肉にしてかまどで焼いて食べたりと思いのほかに遊び要素の高いゲームなのだ。

 トロッコもレールに動力をいれれば坂も登れるし配置次第では永遠に走り続ける事もできるのだ。後はゲームの中で歴史的建造物を再現してみたり、テーマパークを作ってみたりいろいろすることができるのだ。MODを導入すればさらに出来る事が広がるが、さすがにDPで導入できなかったのでノーマルなタイプをやっている。

 年齢別に行動に大きな特徴があった。

 年少組は冒険第一である程度の食料を確保したら、穴を掘って坑道を見つけて探検を始めたのだ。拠点を決めて荷物がたまれば戻って加工したりして、ドンドン装備を強化しておくに進んでくのだ。たまに木材がなくなって取りに行く姿もあったけどな。

 年中組は自分たちの家を建てて周りを開墾して自分達が住みやすいようにいろいろ調整していた。畑を耕す人まわりの木を切ったり整地をしたりする人、道具を作る素材集めに行く人に分かれたりして自分の役割をこなしていた。中には牛や豚、鳥を連れてきて家畜として飼う場所づくりをしている人もいた。

 年長組はディストピアにある自分たちの家を再現しようとして四苦八苦している様子が見られる。素材集めも色からこだわりいろんな木材を採取してみたりしているが、基本的に作る事に専念しているため食料がなくなって、空腹でダメージをくらってしまい死んでしまう姿が度々見られた。

 いろんな楽しみ方してるようでよかった。俺はみんなの所を回って一緒に遊んだが、やっぱりこのゲームの醍醐味は宝石掘りだと俺は思っている。別に何に使うわけでもないのに集めたくなるのがゲーマーの性だよな。露天掘りをして根こそぎ宝石をとるのが俺のスタイルである。でも毎回露天掘りした跡に落ちて死ぬのはご愛敬であろう。

 そんなこんなで聖都に到着。俺たちの外見は門番にしっかりと伝えられていたようでフリーパスで中に入れた。前回は攻める事ばっかり考えてて街を見る余裕が無かったが、建物自体はヨーロッパの様式に近いのだろうか? 色も薄めの色で統一されていて綺麗に見える気がする。

 街の雰囲気は若干活気に欠けている印象だ。一番城壁に近い区画はそうでもないが、内側に近付けば近づくほど活気が減っている気がする。内側に行けばお金持ちが増えるのでそう感じる可能性もあるが、そういった類の活気のなさではないかな? 自分たちの代わりに働かしていた獣人がいなくなったからだろうか?

 貴族街は相変わらず半壊全壊した建物の残骸が散らかっていた。城も三割くらい壊したから補修や建て替えが追いついていないんだろうな。貴族や重役もあの時にある程度物理的に首を切っちまったからたてかえる人間もいないか?

 そんな街並みを見ながらお城へ入っていく。門番が八人程いてその中の半分の四人が新人だったらしく、俺たちの行く手を阻んだが先輩にあたる門番が慌てて四人を蹴飛ばして道を開けてくれた。

 城に入るのにまでフリーパス、こんな状況なのにあのバンパイアが、俺の不興を買うために勇者を送り込む気がしないな。教皇の座に就きたい誰かが陰で仕組んだとかそういう事だろうか?

 そういえば、召喚された勇者ってこの世界にかなりの数いるはずなんだけど、マップ先生で三大国の街を全部調べても十人位しかいないんだよね。ダンマスがいそうな場所も街にはそう多くは無いし、街から離れた所にダンジョンを構えて待っているのかな?

 さて、面倒だけど教皇に事情聴取に行くか。
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