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第299話 新しいスキルの習得
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スキー場でスカーレットに怒られてから食堂へ連行された俺は、妻たちに質問攻めにあっていた。食事中なのに食事をそっちのけに質問しだした妻たちに、スカーレットがさらに怒り出してしまった。
うちは食事中におしゃべりする事はタブーではないが、食事をないがしろして会話を始めればシルキーに怒られてもおかしくない。こうしてみると、家事全般やってくれてこういうことで怒るから、何かお母さんっぽいな。見た目はチンマイから違和感が半端ないけどな。
俺がやっていたスノボーの質問は食事後にするように念を押されたので、みんなは俺のスノボーしていた姿の話をしながら食事をしていた。
ただ聞こえてくる内容はかっこよかったっていうのもあるが、大半があんな板でどうしてあれほど動けるのかが分かっておらずに興味を示していたようだったのだ。
元の世界で雪が降る国では当たり前にみんなが知っている、スキースノボーで雪の上をすべるスポーツだ。でもこの世界で雪といえば、寒いうえに馬車を走れなくしたり、畑で作物を育てられなくなったりする悪魔の如き代物だ。それを使った移動方法というか遊びがあること自体が驚きなのだろう。
食事も終わりシルキーたちが食後のお茶を準備してくれた。それが到着すると次々に質問が飛んできた。
「この世界ではないと思うけど、あれは冬にやるスポーツでスノボーって俺たちが呼んでいる。遊びだな。ただ滑って遊んだりもするけど、競技で飛んだり回転したりいろんな技を決めて点数を競い合ったりもするんだよね」
やはり妻たちは雪を使ったスポーツなんてものがあることに驚いていた。ただそれがスポーツや遊びと知るとやはり自分たちもやりたくなるのであろう。やり方を教えてほしいとねだられるが今は夜なので初心者には、夜の滑走は危ないということにして明日教えることにした。
いくら身体能力が高くなったり色々な耐性が高くなっていたりしたとしても、六時間近く雪と戯れていれば体の芯まで冷えてくるのは、普通の肉体と変わらないんだな。その事を実感した。
フレデリクで奴隷兵に使ったDPで強化したスタングレネード型のサーモリック爆弾を使った際に三〇〇〇度を超える熱には耐えたのに、普通に雪と戯れて体の芯まで冷えるんだから本当にこの世界は不思議なことが多いな。
一晩明けて朝食が終わると嫁に連行されてスキー場? ゲレンデに来ていた。あれ? 嫁だけにしては数が多いな、四十人はいる。全員がスノボーウェアに着替えていて帽子もかぶってゴーグルもしていたため、年少組のメンバーしかわからないのだ。
「なんか人数が多い気がするんだけど、どういうことだ?」
「ご主人様、最近新人組のこと忘れていませんか?」
新人組? あっ! リーファスを派遣してたメンバーたちか、すっかり存在を忘れていたな。今までどんな仕事してたんだ? 顔もあまり思い出せないから、会ってても認識できてない可能性があるな。
「その顔は、忘れていましたね。彼女たちはディストピアのためにいつも頑張ってくれてるんですよ、それなのに蔑ろにして、いつも頑張ってくれている彼女たちにご褒美とはいわないけど、遊んでもらおうと思って呼びました。
ちなみに彼女たちは私たたやグリエル、ダリア、老ドワーフ達の指示で街に尽くしてくれているのにダメとはいいませんよね?」
そんな言われ方したらダメとは言えないよな、ダメというつもりはないけどさ。
「もちろん遊んでもらって構わないよ。リーファスの時から頑張ってもらってるのに忘れててごめんな、しばらくはディストピアも落ち着いているから、ゆっくり休暇を取ってもらってもいいと思うけどピーチどうだ?」
「そうですね、ドワーフのおじいちゃんたちも落ち着いたといって工房に入り浸ってるらしいので、しばらくは彼女たちの仕事はないと思います。後、食事の質を上げてあげたいのですがいいですか?」
「え? それって俺の許可いるのか?」
「ずっと頑張ってくれている彼女たちだから、ブラウニー達の食事にしてあげたいんですよね」
「そんな事も俺の許可必要か?」
「一応ご主人様の配下なので許可なしに派遣することは良くないと思ったので」
「そういう扱いなんだ。俺の妻なんだからブラウニーたちが嫌がる事をさせないなら自由にしていいよ。ってか頑張ってくれているみたいだから、俺たちと同じ食堂でもいいんじゃねえか? 改装してから食堂広くしたしシルキーたちの料理も基本的に余るから一緒に食べてもらってもよくね?」
「ご主人様がいいのなら、なんの問題もありませんね」
「じゃぁ決定、四大精霊の誰かに言って家も近くに準備してもらってくれ。さてこの話はここまで、せっかく遊ぶんだからとことん遊びつくそう。スキー場といえばお昼はカレーライスだから、シルキーたちに色々準備してもらおう。ついでに宿泊施設とレストランも作っておこう! もちろん温泉付きでな!」
たいして上手でもなかった俺が、みんなにスノボーのやり方を教えていく。始めは基本となるスケーティングをみんなに練習してもらう。ステーティングとは、前足をボードに固定してから後ろ足は固定しないでけって進む方法だ。これでまずは雪の上をすべる感覚を養ってもらう。
しばらく練習していると全員問題なくできるようになったので、ステップアップしていく。両足を固定してまずは踵側のエッジをたてながら、ゆっくりと滑る練習と減速する方法を体に覚えさせる。
次に後ろを向いてつま先側のエッジをたてながらさっきと同じことをしてもらう。身体能力が高いせいか全員が問題なくできるようになっていた。
今度は本格的に滑っていく事になる。ドリフトターンの仕方を簡単に説明してから、エッジをたてながらゆっくりスタートを切らせてから徐々にスピードを上げてドリフトターンを実演する。
体重移動が大切だという事を伝えてはいたが、やっぱりというか八割くらいの娘たちが尻もちをついたり前に倒れてしまったりしていた。
転んでも楽しいようでかなり喜んでいる様子だ。ニ十分も練習すればコツをつかんで滑れるようになっていたので、次にカービングターンを教えていく。ドリフトターンができるようになっていたので問題なく習得していた。
ここまでかかった時間は約一時間、はやくね? 運動神経いい人はすぐ覚える人もいるっているって聞いたけど、全員俺が初めてスノボーした時より早く滑れるようになっていた。
一部はそれだけじゃなくて、ちょっとしたコブを利用してエアを決めていたりしていた。その中でシュリはプレスをしてボードの戻る力の反動を使ってジャンプしていた。あれ? あの方法であんなにジャンプできたっけ?
練習からニ時間で初級者コースを抜けて中級者コースへ向かった。やっぱり身体能力が高いとはいえ上達が早すぎないか?
何かを感じたのでステータスの確認をしてみると全員に『雪中行軍』というスキルがはえていた。なるほどな、これの効果でスノボーの上達が早かったのだろう。
中級者コースを抜けて、すぐに俺が昨日滑っていたコースに全員が向かおうとするが、今から行くと昼食が遅くなってしまうので、レストランに行って食事をとる事にした。
シルキーたちは俺の希望にこたえて、いつもの手の込んだカレーではなく、ちょっとチープなカレーを作ってくれた。だがチープなのは見た目だけで、味は絶品だった。トッピングに唐揚げやカツなども用意してくれていた。さすがだ!
食事を食べ終わって少し休憩したら、みんなが思い思いにリフトに乗ってゲレンデに散って行った。それに続いて俺も滑りに行った。
うちは食事中におしゃべりする事はタブーではないが、食事をないがしろして会話を始めればシルキーに怒られてもおかしくない。こうしてみると、家事全般やってくれてこういうことで怒るから、何かお母さんっぽいな。見た目はチンマイから違和感が半端ないけどな。
俺がやっていたスノボーの質問は食事後にするように念を押されたので、みんなは俺のスノボーしていた姿の話をしながら食事をしていた。
ただ聞こえてくる内容はかっこよかったっていうのもあるが、大半があんな板でどうしてあれほど動けるのかが分かっておらずに興味を示していたようだったのだ。
元の世界で雪が降る国では当たり前にみんなが知っている、スキースノボーで雪の上をすべるスポーツだ。でもこの世界で雪といえば、寒いうえに馬車を走れなくしたり、畑で作物を育てられなくなったりする悪魔の如き代物だ。それを使った移動方法というか遊びがあること自体が驚きなのだろう。
食事も終わりシルキーたちが食後のお茶を準備してくれた。それが到着すると次々に質問が飛んできた。
「この世界ではないと思うけど、あれは冬にやるスポーツでスノボーって俺たちが呼んでいる。遊びだな。ただ滑って遊んだりもするけど、競技で飛んだり回転したりいろんな技を決めて点数を競い合ったりもするんだよね」
やはり妻たちは雪を使ったスポーツなんてものがあることに驚いていた。ただそれがスポーツや遊びと知るとやはり自分たちもやりたくなるのであろう。やり方を教えてほしいとねだられるが今は夜なので初心者には、夜の滑走は危ないということにして明日教えることにした。
いくら身体能力が高くなったり色々な耐性が高くなっていたりしたとしても、六時間近く雪と戯れていれば体の芯まで冷えてくるのは、普通の肉体と変わらないんだな。その事を実感した。
フレデリクで奴隷兵に使ったDPで強化したスタングレネード型のサーモリック爆弾を使った際に三〇〇〇度を超える熱には耐えたのに、普通に雪と戯れて体の芯まで冷えるんだから本当にこの世界は不思議なことが多いな。
一晩明けて朝食が終わると嫁に連行されてスキー場? ゲレンデに来ていた。あれ? 嫁だけにしては数が多いな、四十人はいる。全員がスノボーウェアに着替えていて帽子もかぶってゴーグルもしていたため、年少組のメンバーしかわからないのだ。
「なんか人数が多い気がするんだけど、どういうことだ?」
「ご主人様、最近新人組のこと忘れていませんか?」
新人組? あっ! リーファスを派遣してたメンバーたちか、すっかり存在を忘れていたな。今までどんな仕事してたんだ? 顔もあまり思い出せないから、会ってても認識できてない可能性があるな。
「その顔は、忘れていましたね。彼女たちはディストピアのためにいつも頑張ってくれてるんですよ、それなのに蔑ろにして、いつも頑張ってくれている彼女たちにご褒美とはいわないけど、遊んでもらおうと思って呼びました。
ちなみに彼女たちは私たたやグリエル、ダリア、老ドワーフ達の指示で街に尽くしてくれているのにダメとはいいませんよね?」
そんな言われ方したらダメとは言えないよな、ダメというつもりはないけどさ。
「もちろん遊んでもらって構わないよ。リーファスの時から頑張ってもらってるのに忘れててごめんな、しばらくはディストピアも落ち着いているから、ゆっくり休暇を取ってもらってもいいと思うけどピーチどうだ?」
「そうですね、ドワーフのおじいちゃんたちも落ち着いたといって工房に入り浸ってるらしいので、しばらくは彼女たちの仕事はないと思います。後、食事の質を上げてあげたいのですがいいですか?」
「え? それって俺の許可いるのか?」
「ずっと頑張ってくれている彼女たちだから、ブラウニー達の食事にしてあげたいんですよね」
「そんな事も俺の許可必要か?」
「一応ご主人様の配下なので許可なしに派遣することは良くないと思ったので」
「そういう扱いなんだ。俺の妻なんだからブラウニーたちが嫌がる事をさせないなら自由にしていいよ。ってか頑張ってくれているみたいだから、俺たちと同じ食堂でもいいんじゃねえか? 改装してから食堂広くしたしシルキーたちの料理も基本的に余るから一緒に食べてもらってもよくね?」
「ご主人様がいいのなら、なんの問題もありませんね」
「じゃぁ決定、四大精霊の誰かに言って家も近くに準備してもらってくれ。さてこの話はここまで、せっかく遊ぶんだからとことん遊びつくそう。スキー場といえばお昼はカレーライスだから、シルキーたちに色々準備してもらおう。ついでに宿泊施設とレストランも作っておこう! もちろん温泉付きでな!」
たいして上手でもなかった俺が、みんなにスノボーのやり方を教えていく。始めは基本となるスケーティングをみんなに練習してもらう。ステーティングとは、前足をボードに固定してから後ろ足は固定しないでけって進む方法だ。これでまずは雪の上をすべる感覚を養ってもらう。
しばらく練習していると全員問題なくできるようになったので、ステップアップしていく。両足を固定してまずは踵側のエッジをたてながら、ゆっくりと滑る練習と減速する方法を体に覚えさせる。
次に後ろを向いてつま先側のエッジをたてながらさっきと同じことをしてもらう。身体能力が高いせいか全員が問題なくできるようになっていた。
今度は本格的に滑っていく事になる。ドリフトターンの仕方を簡単に説明してから、エッジをたてながらゆっくりスタートを切らせてから徐々にスピードを上げてドリフトターンを実演する。
体重移動が大切だという事を伝えてはいたが、やっぱりというか八割くらいの娘たちが尻もちをついたり前に倒れてしまったりしていた。
転んでも楽しいようでかなり喜んでいる様子だ。ニ十分も練習すればコツをつかんで滑れるようになっていたので、次にカービングターンを教えていく。ドリフトターンができるようになっていたので問題なく習得していた。
ここまでかかった時間は約一時間、はやくね? 運動神経いい人はすぐ覚える人もいるっているって聞いたけど、全員俺が初めてスノボーした時より早く滑れるようになっていた。
一部はそれだけじゃなくて、ちょっとしたコブを利用してエアを決めていたりしていた。その中でシュリはプレスをしてボードの戻る力の反動を使ってジャンプしていた。あれ? あの方法であんなにジャンプできたっけ?
練習からニ時間で初級者コースを抜けて中級者コースへ向かった。やっぱり身体能力が高いとはいえ上達が早すぎないか?
何かを感じたのでステータスの確認をしてみると全員に『雪中行軍』というスキルがはえていた。なるほどな、これの効果でスノボーの上達が早かったのだろう。
中級者コースを抜けて、すぐに俺が昨日滑っていたコースに全員が向かおうとするが、今から行くと昼食が遅くなってしまうので、レストランに行って食事をとる事にした。
シルキーたちは俺の希望にこたえて、いつもの手の込んだカレーではなく、ちょっとチープなカレーを作ってくれた。だがチープなのは見た目だけで、味は絶品だった。トッピングに唐揚げやカツなども用意してくれていた。さすがだ!
食事を食べ終わって少し休憩したら、みんなが思い思いにリフトに乗ってゲレンデに散って行った。それに続いて俺も滑りに行った。
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