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第288話 実験開始
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滋養強壮剤というよりは栄養剤の方が近い気がするが、それを言ってしまえばただのフルーツオレでしかない飲み物を持って砦へと交渉へ出かける。初めからゼ〇やユ〇ケルを作るのには無理があったので、効果が出るならこれをベースにポーションにできれば問題ないよな。
一応感染症の可能性もあったので、ある程度間切りをされた所に発症した患者が集められているようだ。その集まっている場所に行く前に、砦で一番高級な宿に部屋が空いているか確認を取りに行く。といっても、俺が経営していることになっている宿屋なので、ある程度の融通が聞くのだ。
高いだけあってほとんどの部屋が埋まっていなかった。ただいくつか埋まっていた部屋の人達には、次回取引に来た際無料で泊まれる券を渡して、今回は一ランク下の宿に移動してもらう事にした。もちろん無料だし、前払いしていたお金は返している。
準備が整ったので発症した人たちが集められている場所に向かうと、若干異臭がした。確か壊血病になると歯茎から血が出たり異臭がしたりするって話だから、なおさら壊血病かそれに似た何かだと考えれるな。
とりあえず趣旨を説明して協力してもいい人を募ると、十二人の内八人が今回の実験に参加してくれるとの事で、その人間の所属している商隊の人たちも一緒に一番高い宿へ連れて行き、しばらく経過観察をすることになった。
商隊の人間たちもきちんと商売をしなくてはならないので、優先権を与えて取引をしやすくしている。余談だが、その商隊はその権利をめいいっぱい使って、自分の街に戻り大金を稼いだようだ。
とりあえず、経過観察をしなければならないので、四時間おきくらいに様子を見させてもらう事を了承してもらう。一日三回食事の時に例の飲み物を飲んでもらう事にした。
結果が出るまでどのくらい時間がかかるか分からないけど治ってくれるといいな。さてさてしばらく時間がかかるので今度はポーションにするための作業に入る。
といっても俺以外のメンバーは、ポーション作りをしたことが無いのでそこから開始となる。ポーションを作るには製薬と錬金術が必要になってくるので、そこらへんの話をする必要があるようだ。
ちなみに製薬で作る物はHP回復薬・MP回復薬・解毒薬をひとくくりにして、傷薬と呼ばれている。この製薬で作られた傷薬は、ある程度時間をかけて治療していく形になる。
HP回復薬は傷や打撲、品質が高くなれば内臓や骨折などの負傷も直すことができるようになるようだ。MP回復薬は品質によって回復量が違うが持続的に魔力を回復してくれるものだ。解毒薬は名の通り毒を解する薬である。ただこれだけは一つひとつ毒に対応した薬が必要になってくるため色々と大変とのことだ。
これに対して魔法薬、ポーションと呼ばれるものは、即時に回復するものをさす。傷薬を魔力を使った錬金術で昇華させすぐに効果が出るようにしているのだ。
HPポーションやMPポーションは言わなくても効果が分かるだろうが、解毒薬だけは存在していない。解毒薬ではなく万能ポーションと呼ばれ、品質によって対応する毒が増えていくかたちである。
作り方を説明するなら製薬で薬を作ってから錬金術で昇華させるのが流れになるが、製薬で作った薬が一定の品質を超えないと、錬金術の昇華の作業に使えないうえに、製薬のスキルと魔力もある程度余裕がある人でないと出来ないためポーションの数はそう多くない。
俺たちの場合なら俺が作れるし、DPでも呼び出せるので気にせず使っていたのだ。
ただ製薬で作った傷薬と錬金術だけでポーションができるわけじゃないのだ。昇華に使う触媒として色々な素材が必要になってくる。ランクや薬の種類によって使うものが変わってくるため色々と大変なのだ。
三人+コバルトに簡単な説明をしてまずは、製薬で傷薬を作ることにした。薬草を乾燥させきれいにすりつぶしてムラが無いようにしっかりと潰すように指導する。葉脈に関しては太い部分に関してはすりつぶし切れないものもあるので、最後にふるいにかけて邪魔な部分を排除するのだ。
ふるいをかけた薬草を数種類混ぜ合わせた物に、少しずつ真水を加えていき練り上げる事で軟膏に近い状態にして完成となる。傷薬の作り方を教えていると質問が飛んできた。
「ポーションって少ないとはいえ、それなりに数があるんですよね? なのになんでお金のある人たちは買い占めたりしないんですかね? お金持ちなら収納の腕輪もそれなりにありますよね?」
「そりゃあるだろうな、でもさポーションをたくさん買い込んで収納の腕輪を使うよりは、ヒーラーを雇うなり仲間に入ってもらった方が安上がりだし、非常用のポーション以外の部分をドロップ品の持ち帰りにつかえば儲けも増えるしな。
そういった理由で、おそらくだけどポーションを買い込む人は少ないと思うよ。まぁ中には金にものを言わせて買い込んで、無茶な狩りをする貴族とかもいるかもしれないけどね」
なんとなく納得したような表情をして薬草の処理を再開する。俺の場合はお金とか関係なしにみんなに魔法を覚えさせることができたからな。そのうえ妻たち全員に収納の腕輪に収納の鞄を渡して、予備のポーションも入れてたからな。この世界の基準で考えたら過保護もいいとこだな。
三日ほど製薬をしながら音楽を聴いたりDVDでアニメを流したりしていた。
発症した人たちの様子はというと、八人中三人が回復傾向を見せ残りの五人も症状が明らかに軽くなっていた。
この事からおそらく原因は壊血病、もしくは壊血病に似た何かであることは決定だろう。ただ何が原因になっているのかが分からないため根本的な改善にはならないだろう。にしても砦でしか発症している人間がいないのが不自然だよな。
一応感染症の可能性もあったので、ある程度間切りをされた所に発症した患者が集められているようだ。その集まっている場所に行く前に、砦で一番高級な宿に部屋が空いているか確認を取りに行く。といっても、俺が経営していることになっている宿屋なので、ある程度の融通が聞くのだ。
高いだけあってほとんどの部屋が埋まっていなかった。ただいくつか埋まっていた部屋の人達には、次回取引に来た際無料で泊まれる券を渡して、今回は一ランク下の宿に移動してもらう事にした。もちろん無料だし、前払いしていたお金は返している。
準備が整ったので発症した人たちが集められている場所に向かうと、若干異臭がした。確か壊血病になると歯茎から血が出たり異臭がしたりするって話だから、なおさら壊血病かそれに似た何かだと考えれるな。
とりあえず趣旨を説明して協力してもいい人を募ると、十二人の内八人が今回の実験に参加してくれるとの事で、その人間の所属している商隊の人たちも一緒に一番高い宿へ連れて行き、しばらく経過観察をすることになった。
商隊の人間たちもきちんと商売をしなくてはならないので、優先権を与えて取引をしやすくしている。余談だが、その商隊はその権利をめいいっぱい使って、自分の街に戻り大金を稼いだようだ。
とりあえず、経過観察をしなければならないので、四時間おきくらいに様子を見させてもらう事を了承してもらう。一日三回食事の時に例の飲み物を飲んでもらう事にした。
結果が出るまでどのくらい時間がかかるか分からないけど治ってくれるといいな。さてさてしばらく時間がかかるので今度はポーションにするための作業に入る。
といっても俺以外のメンバーは、ポーション作りをしたことが無いのでそこから開始となる。ポーションを作るには製薬と錬金術が必要になってくるので、そこらへんの話をする必要があるようだ。
ちなみに製薬で作る物はHP回復薬・MP回復薬・解毒薬をひとくくりにして、傷薬と呼ばれている。この製薬で作られた傷薬は、ある程度時間をかけて治療していく形になる。
HP回復薬は傷や打撲、品質が高くなれば内臓や骨折などの負傷も直すことができるようになるようだ。MP回復薬は品質によって回復量が違うが持続的に魔力を回復してくれるものだ。解毒薬は名の通り毒を解する薬である。ただこれだけは一つひとつ毒に対応した薬が必要になってくるため色々と大変とのことだ。
これに対して魔法薬、ポーションと呼ばれるものは、即時に回復するものをさす。傷薬を魔力を使った錬金術で昇華させすぐに効果が出るようにしているのだ。
HPポーションやMPポーションは言わなくても効果が分かるだろうが、解毒薬だけは存在していない。解毒薬ではなく万能ポーションと呼ばれ、品質によって対応する毒が増えていくかたちである。
作り方を説明するなら製薬で薬を作ってから錬金術で昇華させるのが流れになるが、製薬で作った薬が一定の品質を超えないと、錬金術の昇華の作業に使えないうえに、製薬のスキルと魔力もある程度余裕がある人でないと出来ないためポーションの数はそう多くない。
俺たちの場合なら俺が作れるし、DPでも呼び出せるので気にせず使っていたのだ。
ただ製薬で作った傷薬と錬金術だけでポーションができるわけじゃないのだ。昇華に使う触媒として色々な素材が必要になってくる。ランクや薬の種類によって使うものが変わってくるため色々と大変なのだ。
三人+コバルトに簡単な説明をしてまずは、製薬で傷薬を作ることにした。薬草を乾燥させきれいにすりつぶしてムラが無いようにしっかりと潰すように指導する。葉脈に関しては太い部分に関してはすりつぶし切れないものもあるので、最後にふるいにかけて邪魔な部分を排除するのだ。
ふるいをかけた薬草を数種類混ぜ合わせた物に、少しずつ真水を加えていき練り上げる事で軟膏に近い状態にして完成となる。傷薬の作り方を教えていると質問が飛んできた。
「ポーションって少ないとはいえ、それなりに数があるんですよね? なのになんでお金のある人たちは買い占めたりしないんですかね? お金持ちなら収納の腕輪もそれなりにありますよね?」
「そりゃあるだろうな、でもさポーションをたくさん買い込んで収納の腕輪を使うよりは、ヒーラーを雇うなり仲間に入ってもらった方が安上がりだし、非常用のポーション以外の部分をドロップ品の持ち帰りにつかえば儲けも増えるしな。
そういった理由で、おそらくだけどポーションを買い込む人は少ないと思うよ。まぁ中には金にものを言わせて買い込んで、無茶な狩りをする貴族とかもいるかもしれないけどね」
なんとなく納得したような表情をして薬草の処理を再開する。俺の場合はお金とか関係なしにみんなに魔法を覚えさせることができたからな。そのうえ妻たち全員に収納の腕輪に収納の鞄を渡して、予備のポーションも入れてたからな。この世界の基準で考えたら過保護もいいとこだな。
三日ほど製薬をしながら音楽を聴いたりDVDでアニメを流したりしていた。
発症した人たちの様子はというと、八人中三人が回復傾向を見せ残りの五人も症状が明らかに軽くなっていた。
この事からおそらく原因は壊血病、もしくは壊血病に似た何かであることは決定だろう。ただ何が原因になっているのかが分からないため根本的な改善にはならないだろう。にしても砦でしか発症している人間がいないのが不自然だよな。
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