285 / 2,518
第285話 秋の味覚?
しおりを挟む
月見が終わってから一週間が経過した。この一週間で驚くほど変わったのは、やっぱりクイーンハニービーだろう。あいつ自体が変わったわけじゃないが、あいつが巣を作り出してからたった一週間しか経っていないのに、すでに直径十メートル程の巣が三個も完成しているのだ。
ハニービーに至っては恐らく一万匹は越えているだろう、俺の支配下のクイーンハニービーの子であるためもれなく俺の支配下にある。ドリアードの指示を聞いてせっせと蜜を集めたり受粉に協力していた。三十センチメートルもある蜂が受粉の手伝いができるのか謎だったが、活躍しているんだから問題ないんだろう。
ドリアードの話ではおそらく二ヶ月ほどすれば、俺に献上するための極上の巣蜜ができるそうだ。ハチミツだけじゃなく巣ごとの献上を予定しているようだ。しぼってハチミツだけにしてもいいしな。
献上されたら初めに食べてあげないと拗ねるらしいので、巣蜜をしっかり感じられて美味しい食べ方をシルキーたちに研究してもらっておこう。
アリスとライムの結界の魔道具の研究が順調に進んでいるようだった。始めは質量のない物を防ぐための結界に四苦八苦していたのだが、質量の無い物で言えば火や風も同質であることに気付いたライムが、ガルドとメイに魔法での結界についていくつか質問していた。
そこからヒントを得て何とか、最下級のレイスの侵入を遅らせる事ができる結界の魔道具を完成させていた。
だけどこの先の結界の強度や性質を強くするのが大変だといっていた。何せ質量の無い物を防ぐという頭でわかっても、物理的な話になるとつじつまが合わなくなってしまうため、システムの破綻が起きてしまうようなのだ。魔法なのに物理的ななんちゃらがあるのは不思議な感じだ。
実際にユニークスキルの結界を使った際に感じた事は、物理的というか質量のある物ほど防ぎやすく感じたのは事実だ。おそらくイメージの差なのだろう。
普通の魔法はスキルLvでも魔法をいくつか覚えられるが、イメージ次第でいろいろできることは実証されている。オリジナルマジックとでも呼べばいいのだろうか? 俺の使っている雷魔法のスタンガンや、魔法でスタングレネードを再現した魔法もオリジナルと呼べるものだ。
それに対して質量のない火や風は結界で防ぎにくかった。俺に限らず魔法の攻撃を防ぐためには打ち消す方法で対抗するのだ。火や風なら水壁や土壁など質量のある物で防ぐのだ。
どのくらいで結界の魔道具が完成するか分からないが気長にまとう。どうせ急ぐほどの事でもないしな、気長に頑張ってもらいたいところだ。それに行けるようになったとしても、俺が狙っているノーライフキングが倒せるとも限らないしな。
アンデッド属性に有効な武器や魔法をそろえておかないとな。レイスみたいなスピリチュアル系の魔物にも、対抗できるように準備しておかないと苦労するだろうな。
いくらそういう敵に強いスキルや魔法を覚えている者を集めているとはいえ、そこを狩場として使う聖国って意外にすごいんじゃないか? ただ対人間に弱いだけで、別にこの世界の平均で言えば弱いわけじゃないか?
スピリチュアル系の魔物にダメージを与える武器って、基本的に魔法が付与されている武器らしいんだけど、付与魔法ではダメージが与えられないらしいんだよな。どうやって聖国の騎士たちがダメージを与えていたかといえば、聖水と呼ばれる物を武器にふりかけてから攻撃をしていたそうだ。
その作り方は? といえば、知っている者はいなかった。最悪作ることができなくても、DPで召喚できるリストの中にダメージの与えられる武器があるから問題ないだろう。
一応、リストに聖水がないか調べたがそれらしきものは無かった。まだ召喚できないか、単に聖国が勝手につけた名称で、ほかにきちんとした名前がついているのだろう、聖水が手に入ればよかったんだけどな。
手に入らないものはしょうがないから考えない事にしよう! もっと実りのあることをするべきだ。実りといえば、ダンジョン農園の森の区画で色々な秋の味覚が取れるようだ。あれ? 今って秋だっけ? って、ダンジョンの中だから季節なんて関係ないか。
何がとれるか聞くと、栗とか松茸とかキノコとかサンマとかブドウとか……おろ? サンマとブドウは森の物ではないけど美味いからいいよな!
栗があるならモンブランとか食べたいよな。作った事ないからどういう風に作るか知らないんだよね。まぁいっぱい拾っておけば、シルキーたちが何とかしてくれるよな! さて、思い立ったが吉日! さっそく取りに行こう。
今日は絶対にダンジョン農園や家の敷地から出ない事を条件に、一人での行動を許可されている。一人とはいえ従魔たちが監視についているが、いつもより自由なのである!
それにしても、自分の町のディストピアも自由に歩けないのは正直不便だな。心配なのもわかるけど、もっと信用してほしいところだな。
森につくと足元に栗がいっぱい落ちていた。集中して一ヵ所に落ち過ぎだよな。二十メートル四方に軽くこんもりするくらい栗が重なってるところもあるし、その範囲から出るとほとんど落ちてないってことはこの周囲の木が栗の木なのだろう。
いっぱいとろうと思ったが、栗の周りの針が地味に痛くて素手で拾えないんだけど! 俺の体って強くなってるはずなのに、めちゃくちゃ痛いんですけど! これって何ですかね? 俺はこの時点で自力で何とかするのを諦めて、俺の監視役で着いてきていたスライムたちに栗を集めてもらう事にした。
さすがスライム、たかが針なんかでは動きを止める事もなく二十m四方にあった栗を十分ほどで全部取りつくしてくれていた。きちんと針のついた皮を剥いであの茶色い皮のついたクリの状態にしてくれていた。本当に優秀な奴らだ、今度好きなものを食べさせてあげよう。
でも俺、こいつらが何が好きかわからんかった。シルキーたちなら何か知っているだろうから、アドバイスをもらってご褒美を上げる事にしよう。
さて、集めた栗はキッチンに届けてから、モンブランにしてもらうようにお願いする。今日のおやつか夕食に出てくることだろう、楽しみにしておこう!
ハニービーに至っては恐らく一万匹は越えているだろう、俺の支配下のクイーンハニービーの子であるためもれなく俺の支配下にある。ドリアードの指示を聞いてせっせと蜜を集めたり受粉に協力していた。三十センチメートルもある蜂が受粉の手伝いができるのか謎だったが、活躍しているんだから問題ないんだろう。
ドリアードの話ではおそらく二ヶ月ほどすれば、俺に献上するための極上の巣蜜ができるそうだ。ハチミツだけじゃなく巣ごとの献上を予定しているようだ。しぼってハチミツだけにしてもいいしな。
献上されたら初めに食べてあげないと拗ねるらしいので、巣蜜をしっかり感じられて美味しい食べ方をシルキーたちに研究してもらっておこう。
アリスとライムの結界の魔道具の研究が順調に進んでいるようだった。始めは質量のない物を防ぐための結界に四苦八苦していたのだが、質量の無い物で言えば火や風も同質であることに気付いたライムが、ガルドとメイに魔法での結界についていくつか質問していた。
そこからヒントを得て何とか、最下級のレイスの侵入を遅らせる事ができる結界の魔道具を完成させていた。
だけどこの先の結界の強度や性質を強くするのが大変だといっていた。何せ質量の無い物を防ぐという頭でわかっても、物理的な話になるとつじつまが合わなくなってしまうため、システムの破綻が起きてしまうようなのだ。魔法なのに物理的ななんちゃらがあるのは不思議な感じだ。
実際にユニークスキルの結界を使った際に感じた事は、物理的というか質量のある物ほど防ぎやすく感じたのは事実だ。おそらくイメージの差なのだろう。
普通の魔法はスキルLvでも魔法をいくつか覚えられるが、イメージ次第でいろいろできることは実証されている。オリジナルマジックとでも呼べばいいのだろうか? 俺の使っている雷魔法のスタンガンや、魔法でスタングレネードを再現した魔法もオリジナルと呼べるものだ。
それに対して質量のない火や風は結界で防ぎにくかった。俺に限らず魔法の攻撃を防ぐためには打ち消す方法で対抗するのだ。火や風なら水壁や土壁など質量のある物で防ぐのだ。
どのくらいで結界の魔道具が完成するか分からないが気長にまとう。どうせ急ぐほどの事でもないしな、気長に頑張ってもらいたいところだ。それに行けるようになったとしても、俺が狙っているノーライフキングが倒せるとも限らないしな。
アンデッド属性に有効な武器や魔法をそろえておかないとな。レイスみたいなスピリチュアル系の魔物にも、対抗できるように準備しておかないと苦労するだろうな。
いくらそういう敵に強いスキルや魔法を覚えている者を集めているとはいえ、そこを狩場として使う聖国って意外にすごいんじゃないか? ただ対人間に弱いだけで、別にこの世界の平均で言えば弱いわけじゃないか?
スピリチュアル系の魔物にダメージを与える武器って、基本的に魔法が付与されている武器らしいんだけど、付与魔法ではダメージが与えられないらしいんだよな。どうやって聖国の騎士たちがダメージを与えていたかといえば、聖水と呼ばれる物を武器にふりかけてから攻撃をしていたそうだ。
その作り方は? といえば、知っている者はいなかった。最悪作ることができなくても、DPで召喚できるリストの中にダメージの与えられる武器があるから問題ないだろう。
一応、リストに聖水がないか調べたがそれらしきものは無かった。まだ召喚できないか、単に聖国が勝手につけた名称で、ほかにきちんとした名前がついているのだろう、聖水が手に入ればよかったんだけどな。
手に入らないものはしょうがないから考えない事にしよう! もっと実りのあることをするべきだ。実りといえば、ダンジョン農園の森の区画で色々な秋の味覚が取れるようだ。あれ? 今って秋だっけ? って、ダンジョンの中だから季節なんて関係ないか。
何がとれるか聞くと、栗とか松茸とかキノコとかサンマとかブドウとか……おろ? サンマとブドウは森の物ではないけど美味いからいいよな!
栗があるならモンブランとか食べたいよな。作った事ないからどういう風に作るか知らないんだよね。まぁいっぱい拾っておけば、シルキーたちが何とかしてくれるよな! さて、思い立ったが吉日! さっそく取りに行こう。
今日は絶対にダンジョン農園や家の敷地から出ない事を条件に、一人での行動を許可されている。一人とはいえ従魔たちが監視についているが、いつもより自由なのである!
それにしても、自分の町のディストピアも自由に歩けないのは正直不便だな。心配なのもわかるけど、もっと信用してほしいところだな。
森につくと足元に栗がいっぱい落ちていた。集中して一ヵ所に落ち過ぎだよな。二十メートル四方に軽くこんもりするくらい栗が重なってるところもあるし、その範囲から出るとほとんど落ちてないってことはこの周囲の木が栗の木なのだろう。
いっぱいとろうと思ったが、栗の周りの針が地味に痛くて素手で拾えないんだけど! 俺の体って強くなってるはずなのに、めちゃくちゃ痛いんですけど! これって何ですかね? 俺はこの時点で自力で何とかするのを諦めて、俺の監視役で着いてきていたスライムたちに栗を集めてもらう事にした。
さすがスライム、たかが針なんかでは動きを止める事もなく二十m四方にあった栗を十分ほどで全部取りつくしてくれていた。きちんと針のついた皮を剥いであの茶色い皮のついたクリの状態にしてくれていた。本当に優秀な奴らだ、今度好きなものを食べさせてあげよう。
でも俺、こいつらが何が好きかわからんかった。シルキーたちなら何か知っているだろうから、アドバイスをもらってご褒美を上げる事にしよう。
さて、集めた栗はキッチンに届けてから、モンブランにしてもらうようにお願いする。今日のおやつか夕食に出てくることだろう、楽しみにしておこう!
0
お気に入りに追加
449
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
勇者に幼馴染で婚約者の彼女を寝取られたら、勇者のパーティーが仲間になった。~ただの村人だった青年は、魔術師、聖女、剣聖を仲間にして旅に出る~
霜月雹花
ファンタジー
田舎で住む少年ロイドには、幼馴染で婚約者のルネが居た。しかし、いつもの様に農作業をしていると、ルネから呼び出しを受けて付いて行くとルネの両親と勇者が居て、ルネは勇者と一緒になると告げられた。村人達もルネが勇者と一緒になれば村が有名になると思い上がり、ロイドを村から追い出した。。
ロイドはそんなルネや村人達の行動に心が折れ、村から近い湖で一人泣いていると、勇者の仲間である3人の女性がロイドの所へとやって来て、ロイドに向かって「一緒に旅に出ないか」と持ち掛けられた。
これは、勇者に幼馴染で婚約者を寝取られた少年が、勇者の仲間から誘われ、時に人助けをしたり、時に冒険をする。そんなお話である
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
エラーから始まる異世界生活
KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。
本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。
高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。
冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。
その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。
某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。
実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。
勇者として活躍するのかしないのか?
能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。
多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。
初めての作品にお付き合い下さい。
転生したら倉庫キャラ♀でした。
ともQ
ファンタジー
最高に楽しいオフ会をしよう。
ゲーム内いつものギルドメンバーとの会話中、そんな僕の一言からオフ会の開催が決定された。
どうしても気になってしまうのは中の人、出会う相手は男性?女性? ドキドキしながら迎えたオフ会の当日、そのささやかな夢は未曾有の大天災、隕石の落下により地球が消滅したため無念にも中止となる。
死んで目を覚ますと、僕はMMORPG "オンリー・テイル" の世界に転生していた。
「なんでメインキャラじゃなくて倉庫キャラなの?!」
鍛え上げたキャラクターとは《性別すらも正反対》完全な初期状態からのスタート。
加えて、オンリー・テイルでは不人気と名高い《ユニーク職》、パーティーには完全不向き最凶最悪ジョブ《触術師》であった。
ギルドメンバーも転生していることを祈り、倉庫に貯めまくったレアアイテムとお金、最強ゲーム知識をフルバーストしこの世界を旅することを決意する。
道中、同じプレイヤーの猫耳魔法少女を仲間に入れて冒険ライフ、その旅路はのちに《英雄の軌跡》と称される。
今、オフ会のリベンジを果たすため "オンリー・テイル" の攻略が始まった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる