ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
上 下
277 / 2,518

第277話 ご褒美

しおりを挟む
「へっ!?」

 何かよくわからないけどダンジョンバトルが終わった。何の面白みもないダンジョンバトルだった。これはチビ神に文句を言わなきゃいけないな!

『あれ? あんたダンジョンバトル時の特殊コマンドについて知らないの? それを使って配下の魔物の視界を共有できるコマンドとかがあるのよ?』

 くそチビ神が! そういう事は早く言えよ! 強制的にダンジョンバトルに参加させた上に、制限をかけたのに何の情報もおろしてこなかった糞駄女神が!!

『あんたって私たちよりスキルの使い方が上手いから失念してたわ。でもあんたの魔物たちまぁまぁ面白かったわよ。まさか別にダンジョン作って、Lvを上げて参加させるとはね、DP以外にもLv上げる方法があるのを失念してたわよ。

 時間がないから大したことができないと思ってたのに。それにしても圧勝も圧勝、相手のダンマスがかわいそうになる位に一方的だったわ。特殊コマンドについては私が悪いから、今回の勝利のご褒美としてユニークスキルとユニークモンスターのどれかニ・三個くらい解放してあげるわ』

 おー三個開放してもらえるのか! ってユニークモンスターは解放するつもりないから……ユニークスキルを解放してもらうにしても、クリエイトゴーレム以外知らないのにどうやって解放してもらうんだよ!

『いちいちスキル名と効果を説明するのは面倒なのよね。一〇〇個近くあるんだからね。何かこういった魔法があったらいいなっていうのない? それに近い魔法を教える事ができるわよ』

 あーそれなら一つ気になってた魔法があるわ。転移とか移動みたいな魔法ってないのか?

『え? そんなのあるわけないじゃん』

 そなの? 俺を地球からチビ神の所に移動させた方法や、チビ神からこの世界に飛ばされた時に、似たような魔法だかスキルを使ったんじゃないのか?

『あれは違うわよ。移動の魔法みたいなものではあるけど、自分を移動させることはできないのよ。特殊な条件で呼び出したり送り込んだりする事限定の物なのよ。

 詳しい話はわたしにもわからないけどね。召喚も似たようなものだって聞いてるわ。でも、遠くの物を目の前に呼び寄せる魔法はあるわよ。生物は無理だし大きさに制限はあるけどね』

 ん~いまいちよくわからんが、そういうものだと思わないといけないって事か。キャスリングがあったから転移みたいなのもないかなって、期待してたけどやっぱりなかったか、全部の街にある俺の家をつなげれば移動も楽になったのにな。

 他に何かほしいと思った魔法何かあったかな? あったら便利だと思ったのは、結界とか、後は道具じゃない奴隷? 隷属? 魔法みたいなのはあると便利そうだな。

 ドリアードやノームみたいに土や植物に干渉して、成長促進できるような魔法も悪くないか? って、それならドリアード召喚すれば済む話だよな。ユニークスキルで解放する必要ねえな。

『今言った三つもユニークスキルにあるわね。結界は結構応用が利くから便利だって、他の女神が言ってたわね。隷属魔法は相手より強い事が最低条件だけど存在してるわ。最後のは多分樹魔法って呼ばれる土や木の精霊達が使う魔法ね、でも基本的には人間は覚えられないからユニーク扱いになってたはずね』

 ふむふむ、思ったよりあるもんだな。精霊や魔物たちが使う魔法がユニークスキルって事は、じゃぁ死霊魔法とかもあったりするのか?

『そうね、分類すればアンデッドと呼ばれる魔物の上位に位置するエルダーリッチや、さらにその上のノーライフキングはその類の魔法を持ってたはずだわ。あと天使系の魔物でも堕天した者達の中にも、使えるのがいた気がするわ。でも悪魔系の魔物は何故か使えるのはいないのよね』

 お前、意外に物知りなんだな! それにしても、今まで召喚リストにも敵にもいなかったからてっきり存在しないと思ってた、天使や悪魔も魔物として存在してるんだな。

『ふふん、もっと褒めていいのよ! でもね、ところどころでチビっていうんじゃないわよ! きちんと聞こえてるんだからね!』

 うんうん、すごいな。とりあえず、パッと思いつくところではこんなもんか。死霊魔法や樹魔法は代用がききそうだからいいとして、欲しい物はクリエイトゴーレム・結界魔法・隷属魔法あたりかな?

『あなたがクリエイトゴーレムを使うと世界のバランスが崩れる気がするけど、本来ならそこまで人気の高いユニークスキルじゃないからね。隷属魔法も魔導具で代用できるからあまり人気無いのよね。

 ただ結界は魔導具で再現されてないから価値的には高いのよね~まぁ価値的に考えれば合わせても三以下位だと思うから、その三つでも問題ないかしらね』

 お? マジかそれは助かるな。ついでに死霊魔法の話で出てきた、アンデッド系の魔物が出てくるダンジョンとか知らないか?

『あなた、また私に情報をたかるの? さすがにこれ以上教えると問題になるのよね。だから場所は教えられないけど、ヒント位ならあげられるわよ。中立都市ってあなたたちが呼んでいる街の、冒険者ギルドに行ってみなさい。魔物の情報ならある程度あそこで仕入れられるわよ』

 何たる盲点! 魔物と戦う冒険者なら情報もっててもおかしくないよな。この世界なら街と呼ばれるサイズの所には、ほぼ連盟に登録されているギルドが設置されているから情報は探し放題か。

 例外はこの前のジャルジャンみたいな奴だろう、ギルドが勝手をしすぎて街が追い出すケースが例外に当たるようだ。

『さて、今回のダンジョンバトルで勝利したご褒美に三つのユニークスキルを解放しておいたから思う存分つかいなさい』

 今度はもっとしっかりルール決めてからダンジョンバトルを開催しろよ! 今回みたいに既存のダンジョンが使えないなら早めに告知して、ゆっくりダンジョンを作らせてくれ、今回は初めてで明らかにオーバーキル過ぎて相手に悪かったからな。

 チビ神とのやり取りが終わって、召喚リストを見ていると希望していたスキルがリストの一番上に表示されていた。念のため召喚してみると、召喚リストから消えずに残っていた。

 とりあえず隷属魔法はともかくとして、クリエイトゴーレムと結界は妻たち全員に覚えさせるか。結界はどんなことができるかわからないけど、属性魔法によるウォールよりは性能が高いと思うし、防御面としては優秀だと考えてるからな。そこまでじゃなくても何かしら使い道あるだろ。

 妻たちを集めてダンジョンバトルの褒美として、宝珠が召喚できるようになったことを伝えてみんなに覚えてもらった。

 全員が喜んだのだが、年少組は全員がお揃いだという事が嬉しかったようで、みんなで大喜びをしていた。一応隷属魔法に関しては俺しか覚える予定がない事を伝えると、嫁たちはまったく興味がないようで俺の好きにしてもいいとの事だった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

救国の大聖女は生まれ変わって【薬剤師】になりました ~聖女の力には限界があるけど、万能薬ならもっとたくさんの人を救えますよね?~

日之影ソラ
恋愛
千年前、大聖女として多くの人々を救った一人の女性がいた。国を蝕む病と一人で戦った彼女は、僅かニ十歳でその生涯を終えてしまう。その原因は、聖女の力を使い過ぎたこと。聖女の力には、使うことで自身の命を削るというリスクがあった。それを知ってからも、彼女は聖女としての使命を果たすべく、人々のために祈り続けた。そして、命が終わる瞬間、彼女は後悔した。もっと多くの人を救えたはずなのに……と。 そんな彼女は、ユリアとして千年後の世界で新たな生を受ける。今度こそ、より多くの人を救いたい。その一心で、彼女は薬剤師になった。万能薬を作ることで、かつて救えなかった人たちの笑顔を守ろうとした。 優しい王子に、元気で真面目な後輩。宮廷での環境にも恵まれ、一歩ずつ万能薬という目標に進んでいく。 しかし、新たな聖女が誕生してしまったことで、彼女の人生は大きく変化する。

【完結】10引き裂かれた公爵令息への愛は永遠に、、、

華蓮
恋愛
ムールナイト公爵家のカンナとカウジライト公爵家のマロンは愛し合ってた。 小さい頃から気が合い、早いうちに婚約者になった。

鮮明な月

BL
鮮明な月のようなあの人のことを、幼い頃からひたすらに思い続けていた。叶わないと知りながら、それでもただひたすらに密やかに思い続ける源川仁聖。叶わないのは当然だ、鮮明な月のようなあの人は、自分と同じ男性なのだから。 彼を思いながら、他の人間で代用し続ける矛盾に耐えきれなくなっていく。そんな時ふと鮮明な月のような彼に、手が届きそうな気がした。 第九章以降は鮮明な月の後日談 月のような彼に源川仁聖の手が届いてからの物語。 基本的にはエッチ多目だと思われます。 読む際にはご注意下さい。第九章以降は主人公達以外の他キャラ主体が元気なため誰が主人公やねんなところもあります。すみません。

転移魔法に失敗したら大変な事に巻き込まれたようです。

ミカヅキグマ
ファンタジー
 魔導師のヴァージニアは転移魔法に失敗して見知らぬ島に来てしまった。  地図にも載っていないその島には何やら怪しげな遺跡がポツンと建っていた。ヴァージニアはただでさえ転移魔法の失敗で落ち込んでいるのに、うっかりその遺跡に閉じ込められてしまう。彼女が出口を探すために仕方なく遺跡の奥に進んで行くと、なんとそこには一人の幼い少年がいた。何故こんな所に少年が? 彼は一体何者なのだろうか?  ヴァージニアは少年の正体が世界を揺るがす出来事に発展するとは露程も思っていなかったのだった……。 ※台詞が多めです。現在(2021年11月)投稿している辺りだと地の文が増えてきています。 ※最終話の後に登場人物紹介がありますので、少しのネタバレならOKという方はどうぞご覧下さい。 ネタバレ ※ヴァージニア(主人公)が抱く疑問は地竜とキャサリンが登場すると解けていきます。(伏線回収) さらにネタバレ ※何度もループしている世界の話ですが、主人公達は前の世界の記憶を持っていません。しかし違和感などは覚えています。(あんまりループ要素はないです) さらにさらにネタバレ? ※少年の正体は早い段階で出てるじゃないかと思っている方……、それじゃないんです。別にあるんです。

没落した元名門貴族の令嬢は、馬鹿にしてきた人たちを見返すため王子の騎士を目指します!

日之影ソラ
ファンタジー
 かつては騎士の名門と呼ばれたブレイブ公爵家は、代々王族の専属護衛を任されていた。 しかし数世代前から優秀な騎士が生まれず、ついに専属護衛の任を解かれてしまう。それ以降も目立った活躍はなく、貴族としての地位や立場は薄れて行く。  ブレイブ家の長女として生まれたミスティアは、才能がないながらも剣士として研鑽をつみ、騎士となった父の背中を見て育った。彼女は父を尊敬していたが、周囲の目は冷ややかであり、落ちぶれた騎士の一族と馬鹿にされてしまう。  そんなある日、父が戦場で命を落としてしまった。残されたのは母も病に倒れ、ついにはミスティア一人になってしまう。土地、お金、人、多くを失ってしまったミスティアは、亡き両親の想いを受け継ぎ、再びブレイブ家を最高の騎士の名家にするため、第一王子の護衛騎士になることを決意する。 こちらの作品の連載版です。 https://ncode.syosetu.com/n8177jc/

悪魔だと呼ばれる強面騎士団長様に勢いで結婚を申し込んでしまった私の結婚生活

束原ミヤコ
恋愛
ラーチェル・クリスタニアは、男運がない。 初恋の幼馴染みは、もう一人の幼馴染みと結婚をしてしまい、傷心のまま婚約をした相手は、結婚間近に浮気が発覚して破談になってしまった。 ある日の舞踏会で、ラーチェルは幼馴染みのナターシャに小馬鹿にされて、酒を飲み、ふらついてぶつかった相手に、勢いで結婚を申し込んだ。 それは悪魔の騎士団長と呼ばれる、オルフェレウス・レノクスだった。

優秀な姉の添え物でしかない私を必要としてくれたのは、優しい勇者様でした ~病弱だった少女は異世界で恩返しの旅に出る~

日之影ソラ
ファンタジー
前世では病弱で、生涯のほとんどを病室で過ごした少女がいた。彼女は死を迎える直前、神様に願った。 もしも来世があるのなら、今度は私が誰かを支えられるような人間になりたい。見知らぬ誰かの優しさが、病に苦しむ自分を支えてくれたように。 そして彼女は貴族の令嬢ミモザとして生まれ変わった。非凡な姉と比べられ、常に見下されながらも、自分にやれることを精一杯取り組み、他人を支えることに人生をかけた。 誰かのために生きたい。その想いに嘘はない。けれど……本当にこれでいいのか? そんな疑問に答えをくれたのは、平和な時代に生まれた勇者様だった。

欲情しないと仰いましたので白い結婚でお願いします

ユユ
恋愛
他国の王太子の第三妃として望まれたはずが、 王太子からは拒絶されてしまった。 欲情しない? ならば白い結婚で。 同伴公務も拒否します。 だけど王太子が何故か付き纏い出す。 * 作り話です * 暇つぶしにどうぞ

処理中です...