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第269話 戦争開始
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ただいま戦争二日目、状況は圧倒的有利だと思う。
一日目の終了時
グレッグ軍ドワーフ部隊参加人数二〇四人、ケガ人十五人、戦線離脱者〇人。
ギャロップ軍参加人数一九八七人、ケガ人四九二人、死亡者二〇三人、戦線離脱者合計四四三人。
ギャロップ軍は初日で全軍の一割が戦死、ケガ人の約半数が戦線復帰不可能な傷を負っていた。残りのケガ人の半数もドワーフの圧倒的な戦闘を見て心が折れているものが多い。初日だけで三割の人間が戦争続行が厳しくなっている。
本当の戦争であれば人員の三割が戦闘不能になれば、全滅といってもおかしくない被害である。だがこの世界の不思議なところは、それだけの被害が出ても戦争が終わらないのだ。レベルという概念があるため、戦力が簡単にひっくり返ることがあるからだ。
今回戦争続行が厳しくなった兵士たちは、レベルで見ると下に位置付けられている兵士たちだ。おそらく初日は、様子見だったのだろう。明日は上位の兵士たちが出てくるだろう。戦争が続行されるという事は、勝てる見込みがあるってことだからな。
初日は圧勝していたが、それでも俺から見ているとドワーフたちは、明らかに手加減していたように見える。これは二日目に対する布石だったんだろうな。
俺から見た戦闘内容は、
よくわからない口上戦が行われた後、正面からの衝突になった。大盾重装甲のドワーフが距離をつめて敵陣に噛みついていた。敵陣から魔法攻撃が飛んできていたが、ドワーフたちにはただ一度も届いていなかった。
火の玉が飛んでくれば砂嵐でかき消して、土の槍が飛んでくれば武器でたたき落されていた。水や氷なども問題なく防いでいた。敵陣に食いついてからフレンドリーファイアがあるので、魔法が飛んでくることがなくなった。
接近戦になればドワーフたちの独壇場だった。まずは前衛の大盾によるチャージが行われて、相手の前衛がガタガタになったところにロリショタドワーフたちが躍り出て、切り伏せたり叩き潰したりしていたが、ステータスから見た破壊力から考えると大したことが無かったのだ。
本気でやれば数メートルは吹っ飛ばすことができる力があるのに、一メートル程吹っ飛んだ程度なのだ。斬撃に関しては胴体が二つに分かれるくらいの技量があるにもかかわらず、腕一本足一本しか切り落とせていないかったのだ。
それでも二日目の戦闘をしようと思うギャロップの指揮官は、頭がおかしいと思うんだ。それも全体の平均レベルやステータスが分かるからそう判断できるんだけどな。何も知らなければ、兵士の上位陣を出せば勝てると思えるんだろうな。
上位陣のレベルは、ドワーフたちにせまるものがあるのだ。それで同数がいれば、そりゃ勝てると思うよな。でもさ、ステータスと装備を考えてみるとさ、初日とたいして変わらない結果になると思うんだよな。
同レベルのドワーフと肉弾戦しようとは正気の沙汰じゃないよな。力と体力が倍以上ある化け物と正面から戦う気にはなれないな。俺には能力向上のスキルや付与魔法があるから、リンドと喧嘩ができたんだけどな。
さて二日目だ。昨日と何一つ変わらない戦闘が開始された。
やはり相手方のレベルが高くなっただけあるな、魔法の規模が大きくなっていた。それでも複数人で発動されていたサンドストームとストーンウォールの防御を超えられる魔法は無かった。接近してしまえば昨日と同じ……ではなかったな。
手加減をせずに戦闘を開始したため、人がゴミのようにポンポン吹っ飛んでいるのだ。ステータスに任せた力任せの攻撃に耐えられる兵士がいるわけもなく、敵陣が食い破られている。
昨日の惨事よりさらにひどい事になっていた。腕は叩き潰され、足は千切れて、内臓が腹からはみ出ていた。敵兵士たちは混乱して転倒した仲間を踏みつぶして殺してしまったりしている。それにしてもグロい。大盾ドワーフたちは何も感じていないのか、作業のように淡々と敵兵を処理していた。
遊撃に回っているロリショタドワーフたちは、さらに苛烈に敵を押し殺していた。逃げ出そうとした兵士たちを死角から吹き飛ばして、四肢のどこかを欠損させていた。逃げる事ができない状態にして、戦場に放置だ。踏みつぶされて死ぬか、追撃をくらって死ぬか、運よく生き残るか。
さてここまで説明したらわかるだろうけど、戦争は二日目で終了。敵兵の戦死者一四七八人残った兵士も大半が四肢の一部を欠損して生活すら困難になっている兵士たちだ。
ドワーフ部隊は十五人がケガをしていた。内一人は仲間を守るために、無理な体勢で攻撃を受け止めてしまい隙を作り、追撃で腕を切り落とされてしまったらしい。名誉の負傷といって豪快に笑っていたが、好きなモノづくりができなくなってしまい、陰で暗い顔をしていたのは印象的だった。
もちろんグレッグのために戦争に参加してもらったのだ、それに報いないわけにはいかないよな。俺はやけ酒を飲んでいた片腕を亡くしたドワーフに最高に美味い酒といって、ポーションを混ぜた酒を飲ませたら、驚くほどの勢いで腕が生えてきた。
ただ激痛が走るはずなのに、このドワーフは美味い美味いと酒を飲んで、痛みを感じている様子を見せていなかった。
次の日に起きた時に、大声で「なんじゃこりゃー」と叫んで宿に泊まっていた半数のドワーフにボコボコに殴られていた。それなのに元気なのはドワーフという種族だからだろうか?
戦争も終わりグレッグの領主代行がギャロップから金を巻き上げると、意気込んでいたので後は任せる事にした。護衛として鬼人たちの中でも、上位の者を十人程つけて交渉に当たらせている。
戦後処理は全部任せてディストピアに帰還だ! 帰ったら盛大な宴をやると言ったら、だらだら準備していたドワーフたちが、ありえないほどの早さで帰り支度を済ませていた。本当に酒が好きな種族だこと。ただみんなには楽しんでもらいたいな。
一日目の終了時
グレッグ軍ドワーフ部隊参加人数二〇四人、ケガ人十五人、戦線離脱者〇人。
ギャロップ軍参加人数一九八七人、ケガ人四九二人、死亡者二〇三人、戦線離脱者合計四四三人。
ギャロップ軍は初日で全軍の一割が戦死、ケガ人の約半数が戦線復帰不可能な傷を負っていた。残りのケガ人の半数もドワーフの圧倒的な戦闘を見て心が折れているものが多い。初日だけで三割の人間が戦争続行が厳しくなっている。
本当の戦争であれば人員の三割が戦闘不能になれば、全滅といってもおかしくない被害である。だがこの世界の不思議なところは、それだけの被害が出ても戦争が終わらないのだ。レベルという概念があるため、戦力が簡単にひっくり返ることがあるからだ。
今回戦争続行が厳しくなった兵士たちは、レベルで見ると下に位置付けられている兵士たちだ。おそらく初日は、様子見だったのだろう。明日は上位の兵士たちが出てくるだろう。戦争が続行されるという事は、勝てる見込みがあるってことだからな。
初日は圧勝していたが、それでも俺から見ているとドワーフたちは、明らかに手加減していたように見える。これは二日目に対する布石だったんだろうな。
俺から見た戦闘内容は、
よくわからない口上戦が行われた後、正面からの衝突になった。大盾重装甲のドワーフが距離をつめて敵陣に噛みついていた。敵陣から魔法攻撃が飛んできていたが、ドワーフたちにはただ一度も届いていなかった。
火の玉が飛んでくれば砂嵐でかき消して、土の槍が飛んでくれば武器でたたき落されていた。水や氷なども問題なく防いでいた。敵陣に食いついてからフレンドリーファイアがあるので、魔法が飛んでくることがなくなった。
接近戦になればドワーフたちの独壇場だった。まずは前衛の大盾によるチャージが行われて、相手の前衛がガタガタになったところにロリショタドワーフたちが躍り出て、切り伏せたり叩き潰したりしていたが、ステータスから見た破壊力から考えると大したことが無かったのだ。
本気でやれば数メートルは吹っ飛ばすことができる力があるのに、一メートル程吹っ飛んだ程度なのだ。斬撃に関しては胴体が二つに分かれるくらいの技量があるにもかかわらず、腕一本足一本しか切り落とせていないかったのだ。
それでも二日目の戦闘をしようと思うギャロップの指揮官は、頭がおかしいと思うんだ。それも全体の平均レベルやステータスが分かるからそう判断できるんだけどな。何も知らなければ、兵士の上位陣を出せば勝てると思えるんだろうな。
上位陣のレベルは、ドワーフたちにせまるものがあるのだ。それで同数がいれば、そりゃ勝てると思うよな。でもさ、ステータスと装備を考えてみるとさ、初日とたいして変わらない結果になると思うんだよな。
同レベルのドワーフと肉弾戦しようとは正気の沙汰じゃないよな。力と体力が倍以上ある化け物と正面から戦う気にはなれないな。俺には能力向上のスキルや付与魔法があるから、リンドと喧嘩ができたんだけどな。
さて二日目だ。昨日と何一つ変わらない戦闘が開始された。
やはり相手方のレベルが高くなっただけあるな、魔法の規模が大きくなっていた。それでも複数人で発動されていたサンドストームとストーンウォールの防御を超えられる魔法は無かった。接近してしまえば昨日と同じ……ではなかったな。
手加減をせずに戦闘を開始したため、人がゴミのようにポンポン吹っ飛んでいるのだ。ステータスに任せた力任せの攻撃に耐えられる兵士がいるわけもなく、敵陣が食い破られている。
昨日の惨事よりさらにひどい事になっていた。腕は叩き潰され、足は千切れて、内臓が腹からはみ出ていた。敵兵士たちは混乱して転倒した仲間を踏みつぶして殺してしまったりしている。それにしてもグロい。大盾ドワーフたちは何も感じていないのか、作業のように淡々と敵兵を処理していた。
遊撃に回っているロリショタドワーフたちは、さらに苛烈に敵を押し殺していた。逃げ出そうとした兵士たちを死角から吹き飛ばして、四肢のどこかを欠損させていた。逃げる事ができない状態にして、戦場に放置だ。踏みつぶされて死ぬか、追撃をくらって死ぬか、運よく生き残るか。
さてここまで説明したらわかるだろうけど、戦争は二日目で終了。敵兵の戦死者一四七八人残った兵士も大半が四肢の一部を欠損して生活すら困難になっている兵士たちだ。
ドワーフ部隊は十五人がケガをしていた。内一人は仲間を守るために、無理な体勢で攻撃を受け止めてしまい隙を作り、追撃で腕を切り落とされてしまったらしい。名誉の負傷といって豪快に笑っていたが、好きなモノづくりができなくなってしまい、陰で暗い顔をしていたのは印象的だった。
もちろんグレッグのために戦争に参加してもらったのだ、それに報いないわけにはいかないよな。俺はやけ酒を飲んでいた片腕を亡くしたドワーフに最高に美味い酒といって、ポーションを混ぜた酒を飲ませたら、驚くほどの勢いで腕が生えてきた。
ただ激痛が走るはずなのに、このドワーフは美味い美味いと酒を飲んで、痛みを感じている様子を見せていなかった。
次の日に起きた時に、大声で「なんじゃこりゃー」と叫んで宿に泊まっていた半数のドワーフにボコボコに殴られていた。それなのに元気なのはドワーフという種族だからだろうか?
戦争も終わりグレッグの領主代行がギャロップから金を巻き上げると、意気込んでいたので後は任せる事にした。護衛として鬼人たちの中でも、上位の者を十人程つけて交渉に当たらせている。
戦後処理は全部任せてディストピアに帰還だ! 帰ったら盛大な宴をやると言ったら、だらだら準備していたドワーフたちが、ありえないほどの早さで帰り支度を済ませていた。本当に酒が好きな種族だこと。ただみんなには楽しんでもらいたいな。
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