ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
上 下
199 / 2,518

第199話 ご褒美と罰ゲーム決定?

しおりを挟む
「あ~疲れた!」

 三時間走り回った俺はその場に倒れ込む。近くでは幼女達が喜んでいた。今回はこの三人にしてやられたな。攻撃仕掛けられるとは思ってなかったし、罠を反対に仕掛けられるとも思ってなかったよ。

 最後の木は恐らくもともと準備してたんだろうな、素手の攻撃に慣れてる二人の力をもってすれば木の一本や二本は簡単に折れるだろうしな。

「三人ともよく逃げ切ったね。捕まえれると思ってたよ」

「私たちも一人だったら逃げれるとは思ってなかった。でもシェリルちゃんとネルちゃんが一緒に逃げようって誘ってくれたから、三人で色々考えたんだよ! それにしても楽しかったね!」

 満面の笑みで三人で抱き合っている。本当に連携がうまかったな、嫌なタイミングでいやらしい妨害の攻撃が入ったもんな。しばらくすると、娘たちが全員集まってきた。

「ご主人様、お疲れさまでした。お飲み物もってきました。少しだけ冷やしたミルクティーです。冷たすぎると運動した後の体にはよくないと思いましたので、気持ち冷やしてある程度です」

 ピーチの心遣いが嬉しい。キンキンに冷えた飲み物がほしくなるが、ここはそこまで冷えていない飲み物がいいだろう。それでも、一気に飲み干してしまってはあまり意味がない気はするが。

「捕まえれなかったみんな、後でご褒美ね。残念ながら捕まってしまった娘たちは罰ゲームです。それは後にしてご飯食べよう。動きすぎてお腹すいちゃった。今日の昼は何かな~」

「スカーレットさんたちが河原でお昼の準備してますよ。お昼は鉄板を使った各種料理だそうです。何が食べれるかは言ってからのお楽しみとの事でした」

 ダンジョン農園の中にある河原へみんなでゆっくり歩いていく。最後まで見つからなかった娘たちはシュリ以外は、どうやらうまく隠れていたらしい。

 シュリに関しては身体能力が高いためスキルを使わなくても聴力がある程度いいらしい。俺の走っている音を聞きながら後ろから一定の距離離れてずっとついてきたようだった。マジか! 全然気付けなかったよ。

 河原に到着すると、一畳ほどある鉄板が十枚準備されていた。日よけのテントを建てたその下にセットされていた。

「「「「いらっしゃいませ! ご主人様!」」」」

 シルキーたちの声の後にブラウニーたちが声をそろえて出迎えてくれた。どこかの飲食店のような対応だ。俺の席は川に足をつけられる位置に置かれていた。足を冷やしてくださいと言わんばかりに、椅子がセットされている。水がひんやり冷たくて気持ちいな。

「ご主人様、今日のメニューは鉄板焼き各種になります。お好み焼き、もんじゃ焼き、各種お肉や野菜、焼きそば、海鮮系その他もろもろ準備しております。飲み物も各種準備していますので楽しんでください。みんなも遠慮なく注文してくださいね」

 娘たちは九個の鉄板をめぐり色々食べるようなシステムだったが、俺は残りの一枚で専用に焼いてくれるようだ。ちなみに俺の場合は好きなものではなく、シルキーたちが順番で料理を出してくれるようだ。俺だけ特別みたいだな。

「まずは前菜として、さっぱりと食べれるローストビーフ風ステーキのおろしポン酢掛けです」

 なぜローストビーフではなく、風のステーキなのだろうか? 鉄板焼きにこだわりたかったのだろうか? でもさっぱりしててうまい! 食べやすいな。

 次に出てきたのは、焼き夏野菜、バターの臭いが強く食欲をそそる。これはポン酢にくぐらせて食べるようだ。二品連続ポン酢か。でもさっぱりしてて食べやすいな。バターとポン酢の組み合わせは悪くないからな。

 三品目は、ガッツリとしたステーキが出てきた。ニンニクのきいた食欲の中枢をガツンと叩くような暴力的なにおいだ。しかも、どこかのレストランで見られるようなパフォーマンス付きでの調理だった。ステーキに付けるものとして四種類準備されている。

 一つ目は塩、二つ目はワサビと醤油、三つ目は玉ねぎとニンニクの醤油ベースのソース、四つ目はトマトとウスターソースを肉汁で伸ばして調味料で味付けしたソースだ。

 さっぱりが続いたので、三つ目と四つ目のソースは攻撃力が高かった。濃い味を楽しんだ後に、飲み物で口をリセットして、さっぱりと食べたお肉もうまかった。

 四品目五品目は、お好み焼きと焼きそばだ。今までの三品はちょっとずつ出てきてそこまでおなかにたまっていない。お好み焼きも一枚まるまるではなく半分ほどで焼きそばも量は多くなかった。何だろ? 祭りとかで食べるようなのとは違い、二ランクくらい美味しいんじゃないかと思う味だった。

 六品目は、イセエビの半身やホタテのバター醤油焼き、カニの甲羅に足の身を大量に入れて上からバーナーで焼き色を付けたもの等が出てきた。かなりお腹いっぱいになってきているはずなのにまだ食える。

 最後の品は、甘味だった。マイナス三十度の鉄板の上で作られるアイスクリーム。俺が今回リクエストしたのはバニラにチョコチップクッキーの入ったタイプと、ブルーベリー・ラズベリー・ブラックベリーの3種を入れたアイスを準備してもらった。

 飲み物はホットの紅茶だ。うまい! 食い過ぎた気がするけど、そこらへんはシルキーたちの完璧なコントロールで何の問題もなかった。

「あ~美味かった! みんなも食べたかい?」

 シュリ以外のメンバーはもう箸をおいていた。シュリもおなか一杯になったようで、最後の甘味を食べているようだ。

 幼女たちはさすがに疲れたようで、スライムベッドで横になっていた。他の従魔たちは、ブラウニーたちの後ろでほしい物を焼きだしたら騒いで皿に盛ってもらっていた。基本的には肉好きが多いので肉を食っていたようだけどな。

「午後は何しよっかな、恒例のゲーム大会でもしよっか。最近はみんなどんなゲームしてる?」

 この質問の答えは、複数で遊べるゲームの題名が出ている。やっぱりというか始めに教えた一狩り行こうぜが多かった。みんなもう上級を越してG級に行っているようだった。あまりゲームをしている感じがしないが楽しんでいるようだった。ちなみに今やっているのは二作目のやつだ。

 みんな楽しんでくれるなら、サーバー買って自動メンテナンス機能でもつけたオンラインゲームの方を召喚するか? みんなにノートパソコン特別仕様を召喚するのもありなんじゃないだろうか? タブレットを強化してダンマスのスキルで無線使用できるようにできねえかな? ついでにコントローラーもつけちゃうぞ!

 みんなでゲームを楽しんでいると罰ゲームの話になった。

「罰ゲームといったけどきちんと決めてたわけじゃないんだよね。何がいいかな? 今日は疲れたからマッサージをしてもらうとかどう?」

「ご主人様それは勝者へのご褒美だと思います」

「はぁ? なんでマッサージがご褒美なの?」

「私たちはご主人様に仕えるのが役目ですよ? そのご主人様のマッサージができるならご褒美じゃないですか、何言ってるんですか?」

 なに当たり前のことを聞き返してるのですか的な表情で見られた。考え方の違う人にねじ伏せられた感じだ。

「そうなんだ……どうするか」

「イリアがいい罰ゲームを思いついた。逃げ切った私たちのご褒美と捕まった人たちの罰ゲームが一緒にできる。逃げ切ったイリアたちは次のご主人様に付き添い、捕まった人たちは居残り。完璧」

 逃げ切った娘たちは歓声が上がり、捕まった娘たちは血の涙を流しそうな顔をしていた。そんなに同行することが嬉しくて、できないことが悔しいのか?

「今回の罰ゲームとご褒美はそれで問題なさそうなので決定。まだまだ今日は遊ぶぞ! チームに分かれて討伐時間競争でもしよっか!」

 夕食を食べてからもゲーム大会は続き、〇時過ぎてやっと終わった。
しおりを挟む
感想 316

あなたにおすすめの小説

サバイバル能力に全振りした男の半端仙人道

コアラ太
ファンタジー
年齢(3000歳)特技(逃げ足)趣味(採取)。半仙人やってます。  主人公は都会の生活に疲れて脱サラし、山暮らしを始めた。  こじんまりとした生活の中で、自然に触れていくと、瞑想にハマり始める。  そんなある日、森の中で見知らぬ老人から声をかけられたことがきっかけとなり、その老人に弟子入りすることになった。  修行する中で、仙人の道へ足を踏み入れるが、師匠から仙人にはなれないと言われてしまった。それでも良いやと気楽に修行を続け、正式な仙人にはなれずとも。足掛け程度は認められることになる。    それから何年も何年も何年も過ぎ、いつものように没頭していた瞑想を終えて目開けると、視界に映るのは密林。仕方なく周辺を探索していると、二足歩行の獣に捕まってしまう。言葉の通じないモフモフ達の言語から覚えなければ……。  不死になれなかった半端な仙人が起こす珍道中。  記憶力の無い男が、日記を探して旅をする。     メサメサメサ   メサ      メサ メサ          メサ メサ          メサ   メサメサメサメサメサ  メ サ  メ  サ  サ  メ サ  メ  サ  サ  サ メ  サ  メ   サ  ササ  他サイトにも掲載しています。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

「残念でした~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~ん笑」と女神に言われ異世界転生させられましたが、転移先がレベルアップの実の宝庫でした

御浦祥太
ファンタジー
どこにでもいる高校生、朝比奈結人《あさひなゆいと》は修学旅行で京都を訪れた際に、突然清水寺から落下してしまう。不思議な空間にワープした結人は女神を名乗る女性に会い、自分がこれから異世界転生することを告げられる。 異世界と聞いて結人は、何かチートのような特別なスキルがもらえるのか女神に尋ねるが、返ってきたのは「残念でした~~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~~ん(笑)」という強烈な言葉だった。 女神の言葉に落胆しつつも異世界に転生させられる結人。 ――しかし、彼は知らなかった。 転移先がまさかの禁断のレベルアップの実の群生地であり、その実を食べることで自身のレベルが世界最高となることを――

性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。

狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。 街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。 彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い

平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。 ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。 かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜

月風レイ
ファンタジー
 グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。  それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。  と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。  洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。  カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。

処理中です...