154 / 2,518
第154話 死海都市ディストピア
しおりを挟む
俺たちは今、ジャルジャンの家の地下に作った会議室に集合している。お題は!
「今日はみんなに聞いてもらいたいことがあります! そろそろ、作っている街の名前を決めたいと思います! 新しく住人が入ってきますので名前を決めようと考えています。みんなに意見を聞きたいと思います!」
「シェリルはご主人様が決めればいいと思うの! だってご主人様が作ったようなものだし、私に聞いても街の名前なんて思いつかないの!」
シェリルは早くも戦線離脱してしまった。8歳になったシェリルには早かったか。でもイリアを一緒に連れてクロとギンのとこに行くのは止めて、イリアも人にするとシェリルと、たいして変わらないって話だったな。
エルフは40歳と人間の10歳が同じくらいの精神年齢と肉体年齢だが、40~50歳までは人と同じ成長を遂げる種族らしい。なので、シェリルと同じ成長速度で成長してくれるようでよかった。
でもそこから四五〇年位は肉体はほとんど成長しないようだ。五〇〇歳から一〇〇〇歳までゆっくり歳をとっていくらしい。まぁらしいというのは、寿命でなくなるエルフがほとんどいないからである。
エルフの死因第一位は自殺、第二位は戦死や狩りの最中の死との事。初めは長生きしすぎて心が死んだりして自殺するのかと思ったが、そういう人たちも多いが三割ほどらしい。残りの七割は、エルフとして綺麗でいられる時期が長いため、性奴隷としての価値が高くそういう用途で使い続けられ死んでしまうらしい。
奴隷の首輪では自殺することはできないはずなのに、性奴隷には自殺する者が多いという。初めは何でろうと思っていたが、ツィード君がいうには性奴隷として扱われたことがある奴隷は、自殺することができるようになる術式で組まれているとの事だった。
多分この首輪作った人たちの中に、女性がいたんだと思うって言っていた。なる程と思った。
いけない、話がそれた。
「シェリルとイリアは自由にさせておこう、あの娘たちは自由に育ってほしいからね。でも悪いことしたら叱ってあげてくれよみんな。さて、話を戻してどういった名前にしようか?」
「私たちというか、街の名前を新しく決める事なんて、貴族でもほとんどない経験だと思います。なのでいきなり言われても」
ピーチの発言にみんなうんうんと頷いている。俺も納得せざるを得ないな。
「それもそうか、子供とかの名前ならともかく街の名前なんて、決めたことある人の方が少ないよな。じゃぁ、あそこをどういう風にしたいとか、そういうの聞いてみようか。
こういうのは俺からだよな。といっても、何かを思ってあの街を作ってるわけじゃないんだよな。ただ、俺が自由で過ごせる場所がほしかっただけなんだよね、街一つ作っておきながら動機がこれっていうのもおかしいかな?」
娘たちからは「ご主人様は私たちのために」とか「私たちがいなければもっと自由に」とかマイナス思考におちいってる娘たちも出てきている。
「みんな、俺はみんなの事を迷惑に思ったことは無いよ。君たちがいてくれるから、俺は頑張れるんだ。俺の素性を知ってもなお付いてきてくれる君たちを、大切に思ってても迷惑に思ったことは無いから安心してほしい」
「私からも一ついいでしょうか? 私は、シュウ様に買っていただき幸せです。新たに仕える事の出来る人に巡り合えた上に、孫娘と一緒に買っていただけたんです。リリーも返しきれないほどの恩を感じています。いえ、リリーだけではないでしょう。
ここにいる娘たちだけではなく、あなたに付いてきた全員が恩を感じていると思います。だから迷惑に思っていないか、足かせになっていないか心配なのです。シュウ様にそういうことを言いたいわけではない、という事だけは解ってください……上手く言葉にできなくてすいません」
「何となく言いたいことは解ったよ。他に何か言いたいことある人いるかな?」
マリーから、世界で一番死に近い世界で一番幸せな場所と言った後に、死の世界にある理想郷? とソフィーが首をかしげて発言する。理想郷と聞くとみんなが首をうんうんと振っている。
「理想郷か……でもユートピアとはかなり違うしな……かといてディストピアも意味が違うな。でも暗黒の中の理想郷って意味ではディストピアも悪くないか?」
クロとギンをモフモフしていたシェリルとイリアが「ユートピア?」「ディストピア?」と首をかしげて俺に質問してきた。
「そうだな、きちんとした意味は俺も解らないけど、みんなが自分らしく幸せに生きられる場所って意味で理想郷ユートピアかなってね。でも街のまわりは死の森の樹海って呼ばれている所でしょ? だからユートピアとは反対の意味でディストピアって使ってみたんだ。だから深い意味は無いんだけどね」
「シェリルは、ディストピアっていい響きだと思うの! 意味はよくわからないけど、私たちにはユートピアでも、他の人たちにとっては魔境に近い場所なんだよね? そのディストピアってのもいいんじゃないかなって思うの」
娘たちは次々に頷いていく。ユートピアも悪くないけど、ディストピアは何というか悪くないよねと口々に話しているのが聞こえる。
俺の発言というのもあるかもしれないが、みんな聞いた響きでそれを称賛しているような傾向があるので、嫌ということはないだろう。とりあえず俺たちは今作っている街をディストピアと呼ぶ事にした。
死の樹海にできた理想都市ということで死海都市ディストピアと名付ける事になった。
ようやく俺たちの街の名前が決まったな。後はどれだけの人が集まってくるかな?
「今日はみんなに聞いてもらいたいことがあります! そろそろ、作っている街の名前を決めたいと思います! 新しく住人が入ってきますので名前を決めようと考えています。みんなに意見を聞きたいと思います!」
「シェリルはご主人様が決めればいいと思うの! だってご主人様が作ったようなものだし、私に聞いても街の名前なんて思いつかないの!」
シェリルは早くも戦線離脱してしまった。8歳になったシェリルには早かったか。でもイリアを一緒に連れてクロとギンのとこに行くのは止めて、イリアも人にするとシェリルと、たいして変わらないって話だったな。
エルフは40歳と人間の10歳が同じくらいの精神年齢と肉体年齢だが、40~50歳までは人と同じ成長を遂げる種族らしい。なので、シェリルと同じ成長速度で成長してくれるようでよかった。
でもそこから四五〇年位は肉体はほとんど成長しないようだ。五〇〇歳から一〇〇〇歳までゆっくり歳をとっていくらしい。まぁらしいというのは、寿命でなくなるエルフがほとんどいないからである。
エルフの死因第一位は自殺、第二位は戦死や狩りの最中の死との事。初めは長生きしすぎて心が死んだりして自殺するのかと思ったが、そういう人たちも多いが三割ほどらしい。残りの七割は、エルフとして綺麗でいられる時期が長いため、性奴隷としての価値が高くそういう用途で使い続けられ死んでしまうらしい。
奴隷の首輪では自殺することはできないはずなのに、性奴隷には自殺する者が多いという。初めは何でろうと思っていたが、ツィード君がいうには性奴隷として扱われたことがある奴隷は、自殺することができるようになる術式で組まれているとの事だった。
多分この首輪作った人たちの中に、女性がいたんだと思うって言っていた。なる程と思った。
いけない、話がそれた。
「シェリルとイリアは自由にさせておこう、あの娘たちは自由に育ってほしいからね。でも悪いことしたら叱ってあげてくれよみんな。さて、話を戻してどういった名前にしようか?」
「私たちというか、街の名前を新しく決める事なんて、貴族でもほとんどない経験だと思います。なのでいきなり言われても」
ピーチの発言にみんなうんうんと頷いている。俺も納得せざるを得ないな。
「それもそうか、子供とかの名前ならともかく街の名前なんて、決めたことある人の方が少ないよな。じゃぁ、あそこをどういう風にしたいとか、そういうの聞いてみようか。
こういうのは俺からだよな。といっても、何かを思ってあの街を作ってるわけじゃないんだよな。ただ、俺が自由で過ごせる場所がほしかっただけなんだよね、街一つ作っておきながら動機がこれっていうのもおかしいかな?」
娘たちからは「ご主人様は私たちのために」とか「私たちがいなければもっと自由に」とかマイナス思考におちいってる娘たちも出てきている。
「みんな、俺はみんなの事を迷惑に思ったことは無いよ。君たちがいてくれるから、俺は頑張れるんだ。俺の素性を知ってもなお付いてきてくれる君たちを、大切に思ってても迷惑に思ったことは無いから安心してほしい」
「私からも一ついいでしょうか? 私は、シュウ様に買っていただき幸せです。新たに仕える事の出来る人に巡り合えた上に、孫娘と一緒に買っていただけたんです。リリーも返しきれないほどの恩を感じています。いえ、リリーだけではないでしょう。
ここにいる娘たちだけではなく、あなたに付いてきた全員が恩を感じていると思います。だから迷惑に思っていないか、足かせになっていないか心配なのです。シュウ様にそういうことを言いたいわけではない、という事だけは解ってください……上手く言葉にできなくてすいません」
「何となく言いたいことは解ったよ。他に何か言いたいことある人いるかな?」
マリーから、世界で一番死に近い世界で一番幸せな場所と言った後に、死の世界にある理想郷? とソフィーが首をかしげて発言する。理想郷と聞くとみんなが首をうんうんと振っている。
「理想郷か……でもユートピアとはかなり違うしな……かといてディストピアも意味が違うな。でも暗黒の中の理想郷って意味ではディストピアも悪くないか?」
クロとギンをモフモフしていたシェリルとイリアが「ユートピア?」「ディストピア?」と首をかしげて俺に質問してきた。
「そうだな、きちんとした意味は俺も解らないけど、みんなが自分らしく幸せに生きられる場所って意味で理想郷ユートピアかなってね。でも街のまわりは死の森の樹海って呼ばれている所でしょ? だからユートピアとは反対の意味でディストピアって使ってみたんだ。だから深い意味は無いんだけどね」
「シェリルは、ディストピアっていい響きだと思うの! 意味はよくわからないけど、私たちにはユートピアでも、他の人たちにとっては魔境に近い場所なんだよね? そのディストピアってのもいいんじゃないかなって思うの」
娘たちは次々に頷いていく。ユートピアも悪くないけど、ディストピアは何というか悪くないよねと口々に話しているのが聞こえる。
俺の発言というのもあるかもしれないが、みんな聞いた響きでそれを称賛しているような傾向があるので、嫌ということはないだろう。とりあえず俺たちは今作っている街をディストピアと呼ぶ事にした。
死の樹海にできた理想都市ということで死海都市ディストピアと名付ける事になった。
ようやく俺たちの街の名前が決まったな。後はどれだけの人が集まってくるかな?
0
お気に入りに追加
449
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
勇者に幼馴染で婚約者の彼女を寝取られたら、勇者のパーティーが仲間になった。~ただの村人だった青年は、魔術師、聖女、剣聖を仲間にして旅に出る~
霜月雹花
ファンタジー
田舎で住む少年ロイドには、幼馴染で婚約者のルネが居た。しかし、いつもの様に農作業をしていると、ルネから呼び出しを受けて付いて行くとルネの両親と勇者が居て、ルネは勇者と一緒になると告げられた。村人達もルネが勇者と一緒になれば村が有名になると思い上がり、ロイドを村から追い出した。。
ロイドはそんなルネや村人達の行動に心が折れ、村から近い湖で一人泣いていると、勇者の仲間である3人の女性がロイドの所へとやって来て、ロイドに向かって「一緒に旅に出ないか」と持ち掛けられた。
これは、勇者に幼馴染で婚約者を寝取られた少年が、勇者の仲間から誘われ、時に人助けをしたり、時に冒険をする。そんなお話である
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
エラーから始まる異世界生活
KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。
本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。
高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。
冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。
その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。
某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。
実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。
勇者として活躍するのかしないのか?
能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。
多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。
初めての作品にお付き合い下さい。
転生したら倉庫キャラ♀でした。
ともQ
ファンタジー
最高に楽しいオフ会をしよう。
ゲーム内いつものギルドメンバーとの会話中、そんな僕の一言からオフ会の開催が決定された。
どうしても気になってしまうのは中の人、出会う相手は男性?女性? ドキドキしながら迎えたオフ会の当日、そのささやかな夢は未曾有の大天災、隕石の落下により地球が消滅したため無念にも中止となる。
死んで目を覚ますと、僕はMMORPG "オンリー・テイル" の世界に転生していた。
「なんでメインキャラじゃなくて倉庫キャラなの?!」
鍛え上げたキャラクターとは《性別すらも正反対》完全な初期状態からのスタート。
加えて、オンリー・テイルでは不人気と名高い《ユニーク職》、パーティーには完全不向き最凶最悪ジョブ《触術師》であった。
ギルドメンバーも転生していることを祈り、倉庫に貯めまくったレアアイテムとお金、最強ゲーム知識をフルバーストしこの世界を旅することを決意する。
道中、同じプレイヤーの猫耳魔法少女を仲間に入れて冒険ライフ、その旅路はのちに《英雄の軌跡》と称される。
今、オフ会のリベンジを果たすため "オンリー・テイル" の攻略が始まった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる