117 / 2,518
第117話 準備完了
しおりを挟む
やらなきゃいけない事をキリキリ進めていこう。
とは言ったものの、何をしなければならないのだろう?
・樹海の中に街を作るので、そこまでのエリア掌握、土地のエリア掌握、土地を物理的に上げる。
・フレデリクの家とリーファスの家を移動させるための土地選び。
・奴隷一家3家族の意見の聴取と対応。
・冒険者ギルドへの下水の管理委託。
・農業ギルドへの水田の使用法などのレクチャー。
・商業ギルドへの米の販売普及のための知識供与。
基本的にはこんなところだろうか? 細々としたものはたくさんあるだろうが、ここら辺をおさえておけば、次の領主が無能で税金をゴリ上げしない限りは街の人間も困ることは無いだろう。
あまり時間がある気がしないので、ちゃっちゃと要件を済ませていこう。
まず初めに、奴隷一家三家族の考えを聞いてみよう。家の主の三人の父親を呼び出す。
「急に集まってもらってありがとう。今日は皆さんにいう事があってここにきてもらいました。先日のケープマインの鉱山の指名依頼を受けて鉱山に向かった際に、国王直轄の兵士に襲撃を受けました。理由は分かりませんが、その兵士たちを撃退したことにより、おそらく国家反逆罪になる可能性がでてきました」
一呼吸いれて、
「そこで俺たちは、この国を出ることにしました。行先は今のところ秘密です。一緒についてくるのであれば道中でお教えしますが、この街に残る選択をするのであれば教える事は出来ません。なので、一緒に来るか来ないかを決めていただきたいです」
三人を見ながら、言葉が浸透していくのを待つ。
「時間はあまりないと思いますが、家族の皆さんとしっかり話し合ってほしいです。出発の時期が何時になるかわかりませんが、その時までに返答がなかった場合は強制的にこの街に置いていきます。その際には今使われている家と多少のお金、奴隷からの解放をお約束します」
俺から話を聞いた三人は呆然とした様子で目をぱちくりさせていた。指名依頼へ行って国王の兵に襲われて、撃退したら国家反逆罪になってしまったと言われれば仕方がないだろう。
理不尽ではあるが、王権制であれば、王に逆らえば死刑なんていうのも珍しくないわけだ。時間はあまりないがゆっくり考えてもらおう。
さぁ次だ。農業に強いレミーとジュリエットを連れて農業ギルドへ向う。懐には、付いて行きたいと駄々をこねたツィード君とシルクちゃんが、ちっちゃなサイズになって入っている。
ここですることは稲の栽培方法を職員に覚えてもらい、俺たちがいなくても水田で作物を育てられるようになってもらう予定だ。
あんまり公にできない事情があるので、ギルドマスターに口止めをして状況を説明した後に、俺の提案を受け入れてくれるならレクチャーをしていこう。もし受け入れてくれないのであれば、農家に直接話を通して水田を有効活用するしかないだろう。
「という事でギルドマスターに来てもらったのだけど、俺の提案は受けてもらえるでしょうか?」
「ちょっと待ってくれ……冒険者ギルドの指名依頼をしに行ったら、襲撃を受けて撃退した者たちが王直属の兵士だったというのか? その兵士の言によると、国家反逆罪にされる可能性が高いだと……なんという事だ」
ガッチリとしているが若干頭の薄くなっているギルドマスターが、乱暴に頭を掻きむしりながら唸っている。そんなに搔きむしったらはげるよ?
しばらく悩んだ末に、
「すまないが、君の言っていることが本当なのであれば私は協力することはできない。君には塀を作ってもらったり、水路を作ってもらったりした恩がある。恩を仇で返したくないので、すべて見なかったこと聞かなかったことにさせてもらいたい。あなたがこれからどんな道を行くのか分かりませんが、幸運のあらんことを」
ここは駄目だったか、塀を作った時に知り合った農家に行って話をするか。
記憶を頼りに農家の家を訪ねた。もちろんお土産のお菓子を持参してだ。もちろんDPで出したこの世界では作られていないものだ。といっても、ポテトチップスなんだけどね。袋から出して、この世界にある湿気に強い容器の中にたくさん入れて持って来たのだ。
農家の人は、俺の話を聞くやいなや近くの農家さん達を集めてくれた。集まってもらった農家の人たちに、水田の使い方、稲の栽培法をレクチャーし一応紙に書いた説明書もつけておく。
ただ俺たちも全部を知っているわけではないので、試行錯誤してほしいと伝える。最後に種籾を大量にお渡しして健闘を祈った。
「ふ~次は、商業ギルドかな? 思ったより大変だったな。でも農家の人たちは熱心でたすかったよ」
「そうですね、ご主人様。時間はあまりないと思いますが、思い入れのある街とのことですのでできる限りの事をいたしましょう」
ジュリエットの返事を聞きながら、気合を入れなおして商業ギルドへと向かう。
商業ギルドでは、主に米の食べ方の普及と販売だろう。農家に教えてきたので、数年のうちにある程度の収穫が見込める事と、さらに収穫を多くするために人力の水田の作り方と、魔法での作り方を教えておこう。商人ギルドから農業ギルドへってことにすれば、あのおっさんも何とかするだろう。
それもこれも受け入れてもらえないとどうにもならんのだが、金になる事なら引き受けてくれるだろう。
「という事で、どうですかね?」
「苦労されたんですね。まぁ私たちには問題ないですね。食事が豊かになるのであれば、むしろ協力すべきだと考えてます。農業ギルドは単体で力を持っていませんので、踏ん切りがつかなかったところはあると思いますが、我々商業ギルドはお金を握っていますからね。多少強くも出れるってものです」
快く許諾してもらい、水田の作り方をレクチャーし、稲からの脱穀、精米などの方法と道具等の使い方や作り方を説明し、精米したお米を炊いたりおかゆにしたりと幾通りかの食べ方を紹介してギルドを後にした。
最後に冒険者ギルドか、おそらく今回の指名依頼も全く知らずに、俺に依頼してきたのだろう。街の下に空洞を作れるだけの魔法を使えて、戦闘力のある集団ってことで選ばれたはずだ。もし関係していたのならスライムの餌にでもしてやるけどな。
冒険者ギルドに着くとミリーが俺の事を待ち構えていた。腕をつかまれギルドマスターの部屋まで連行された。
「ケープタウンではそういう事があったんです。まさかと思いますがかかわっていませんよね?」
鉱山で起こったことをすべて話し、ギルドマスターに質問する。
「今回の事は本当に何も知らなかったんだ、許してほしい。まさか国が落盤事故を起こして、王都の冒険者ギルドからここに連絡をよこしたのはそういった裏事情があったのか? もしかしたら王都の冒険者ギルドも知らなかった可能性が高いか?」
「マスター、今考えるべきはそこではありませんよ! 立て続けに指名依頼で不利な状況におとしいれてしまった償いをするべきです」
「ミリーさん、償いは必要ないですよ。もうこの国にはいられなくなるわけですから、償いをしてもらったところでどうにもならないので。ただギルドマスターには、一つだけ魔法を受け入れてもらっていいですか? 呪いとかそういった類のものではないので、後遺症はありません。真実が知りたいだけなのです」
「隠してることは一切ない、身の潔白を証明できるのであれば、なんでも受け入れよう」
懐にいたツィード君にチャームをかけてもらい、同じ質問をしたが本当に知らなかったようだ。
「今回、冒険者ギルドは白でしたので問題ないでしょう。下水の管理お願いしますね。しっかりと領主になる人間から、管理費の名目で金をとるようにしてくださいね。では失礼しました」
「シュウ君まって! あなたたちはどこへ行くの?」
「この国の外ですよ。正確な場所は情報がもれると困るので、教えることはできませんが、少なくともこの国よりも安全だと思う場所へ向かいます」
「ギルドマスター、私はギルドが信用できなくなりましたので、職員を辞めさせてもらいます。シュウ君、私も一緒にその場所へ連れて行ってもらえませんか?」
「ちょっとミリー君! やめるってどういうk『あなたは黙っててください。私はシュウ君と話をしているんです』」
「ついてくるとなると、身の保証もできませんし、後にはひき返せなくなりますよ?」
「シュウ君、初めて会った時の事覚えてるかな? 私嬉しかったんだ。それなのに私たちは、そんな君に失礼な事ばかりしてきたの。償わせてほしいの」
「ミリーさんに償っていただく必要は無いですが……その様子だと、駄目だと言っても意地でついてきそうですね。分かりました、この腕輪をお貸しします。その中に入る分の荷物をもって、家に来てください。では今度こそ失礼します」
ストックとして召喚しといた収納の腕輪をミリーへと渡す。
家に帰る間に樹海のエリア掌握をしていく。かなり広いため今のDPで全域を掌握はできないので、中心と言われている樹海の山の麓まで掌握し。山の近くに発見したことにするダンジョンの設置予定場所を考え、そのダンジョンの入口を街の最南としてリーファスの街の大きさ程のエリアを掌握する。
DPを使って地面をそのまま十メートル程盛り上げて、とりあえず完成。一番端は崖ではなく急勾配の坂みたいな形にしてある。その他の設定は現地に着いてからしよう。
家に到着すると娘たちの準備は終わっていた。
とは言ったものの、何をしなければならないのだろう?
・樹海の中に街を作るので、そこまでのエリア掌握、土地のエリア掌握、土地を物理的に上げる。
・フレデリクの家とリーファスの家を移動させるための土地選び。
・奴隷一家3家族の意見の聴取と対応。
・冒険者ギルドへの下水の管理委託。
・農業ギルドへの水田の使用法などのレクチャー。
・商業ギルドへの米の販売普及のための知識供与。
基本的にはこんなところだろうか? 細々としたものはたくさんあるだろうが、ここら辺をおさえておけば、次の領主が無能で税金をゴリ上げしない限りは街の人間も困ることは無いだろう。
あまり時間がある気がしないので、ちゃっちゃと要件を済ませていこう。
まず初めに、奴隷一家三家族の考えを聞いてみよう。家の主の三人の父親を呼び出す。
「急に集まってもらってありがとう。今日は皆さんにいう事があってここにきてもらいました。先日のケープマインの鉱山の指名依頼を受けて鉱山に向かった際に、国王直轄の兵士に襲撃を受けました。理由は分かりませんが、その兵士たちを撃退したことにより、おそらく国家反逆罪になる可能性がでてきました」
一呼吸いれて、
「そこで俺たちは、この国を出ることにしました。行先は今のところ秘密です。一緒についてくるのであれば道中でお教えしますが、この街に残る選択をするのであれば教える事は出来ません。なので、一緒に来るか来ないかを決めていただきたいです」
三人を見ながら、言葉が浸透していくのを待つ。
「時間はあまりないと思いますが、家族の皆さんとしっかり話し合ってほしいです。出発の時期が何時になるかわかりませんが、その時までに返答がなかった場合は強制的にこの街に置いていきます。その際には今使われている家と多少のお金、奴隷からの解放をお約束します」
俺から話を聞いた三人は呆然とした様子で目をぱちくりさせていた。指名依頼へ行って国王の兵に襲われて、撃退したら国家反逆罪になってしまったと言われれば仕方がないだろう。
理不尽ではあるが、王権制であれば、王に逆らえば死刑なんていうのも珍しくないわけだ。時間はあまりないがゆっくり考えてもらおう。
さぁ次だ。農業に強いレミーとジュリエットを連れて農業ギルドへ向う。懐には、付いて行きたいと駄々をこねたツィード君とシルクちゃんが、ちっちゃなサイズになって入っている。
ここですることは稲の栽培方法を職員に覚えてもらい、俺たちがいなくても水田で作物を育てられるようになってもらう予定だ。
あんまり公にできない事情があるので、ギルドマスターに口止めをして状況を説明した後に、俺の提案を受け入れてくれるならレクチャーをしていこう。もし受け入れてくれないのであれば、農家に直接話を通して水田を有効活用するしかないだろう。
「という事でギルドマスターに来てもらったのだけど、俺の提案は受けてもらえるでしょうか?」
「ちょっと待ってくれ……冒険者ギルドの指名依頼をしに行ったら、襲撃を受けて撃退した者たちが王直属の兵士だったというのか? その兵士の言によると、国家反逆罪にされる可能性が高いだと……なんという事だ」
ガッチリとしているが若干頭の薄くなっているギルドマスターが、乱暴に頭を掻きむしりながら唸っている。そんなに搔きむしったらはげるよ?
しばらく悩んだ末に、
「すまないが、君の言っていることが本当なのであれば私は協力することはできない。君には塀を作ってもらったり、水路を作ってもらったりした恩がある。恩を仇で返したくないので、すべて見なかったこと聞かなかったことにさせてもらいたい。あなたがこれからどんな道を行くのか分かりませんが、幸運のあらんことを」
ここは駄目だったか、塀を作った時に知り合った農家に行って話をするか。
記憶を頼りに農家の家を訪ねた。もちろんお土産のお菓子を持参してだ。もちろんDPで出したこの世界では作られていないものだ。といっても、ポテトチップスなんだけどね。袋から出して、この世界にある湿気に強い容器の中にたくさん入れて持って来たのだ。
農家の人は、俺の話を聞くやいなや近くの農家さん達を集めてくれた。集まってもらった農家の人たちに、水田の使い方、稲の栽培法をレクチャーし一応紙に書いた説明書もつけておく。
ただ俺たちも全部を知っているわけではないので、試行錯誤してほしいと伝える。最後に種籾を大量にお渡しして健闘を祈った。
「ふ~次は、商業ギルドかな? 思ったより大変だったな。でも農家の人たちは熱心でたすかったよ」
「そうですね、ご主人様。時間はあまりないと思いますが、思い入れのある街とのことですのでできる限りの事をいたしましょう」
ジュリエットの返事を聞きながら、気合を入れなおして商業ギルドへと向かう。
商業ギルドでは、主に米の食べ方の普及と販売だろう。農家に教えてきたので、数年のうちにある程度の収穫が見込める事と、さらに収穫を多くするために人力の水田の作り方と、魔法での作り方を教えておこう。商人ギルドから農業ギルドへってことにすれば、あのおっさんも何とかするだろう。
それもこれも受け入れてもらえないとどうにもならんのだが、金になる事なら引き受けてくれるだろう。
「という事で、どうですかね?」
「苦労されたんですね。まぁ私たちには問題ないですね。食事が豊かになるのであれば、むしろ協力すべきだと考えてます。農業ギルドは単体で力を持っていませんので、踏ん切りがつかなかったところはあると思いますが、我々商業ギルドはお金を握っていますからね。多少強くも出れるってものです」
快く許諾してもらい、水田の作り方をレクチャーし、稲からの脱穀、精米などの方法と道具等の使い方や作り方を説明し、精米したお米を炊いたりおかゆにしたりと幾通りかの食べ方を紹介してギルドを後にした。
最後に冒険者ギルドか、おそらく今回の指名依頼も全く知らずに、俺に依頼してきたのだろう。街の下に空洞を作れるだけの魔法を使えて、戦闘力のある集団ってことで選ばれたはずだ。もし関係していたのならスライムの餌にでもしてやるけどな。
冒険者ギルドに着くとミリーが俺の事を待ち構えていた。腕をつかまれギルドマスターの部屋まで連行された。
「ケープタウンではそういう事があったんです。まさかと思いますがかかわっていませんよね?」
鉱山で起こったことをすべて話し、ギルドマスターに質問する。
「今回の事は本当に何も知らなかったんだ、許してほしい。まさか国が落盤事故を起こして、王都の冒険者ギルドからここに連絡をよこしたのはそういった裏事情があったのか? もしかしたら王都の冒険者ギルドも知らなかった可能性が高いか?」
「マスター、今考えるべきはそこではありませんよ! 立て続けに指名依頼で不利な状況におとしいれてしまった償いをするべきです」
「ミリーさん、償いは必要ないですよ。もうこの国にはいられなくなるわけですから、償いをしてもらったところでどうにもならないので。ただギルドマスターには、一つだけ魔法を受け入れてもらっていいですか? 呪いとかそういった類のものではないので、後遺症はありません。真実が知りたいだけなのです」
「隠してることは一切ない、身の潔白を証明できるのであれば、なんでも受け入れよう」
懐にいたツィード君にチャームをかけてもらい、同じ質問をしたが本当に知らなかったようだ。
「今回、冒険者ギルドは白でしたので問題ないでしょう。下水の管理お願いしますね。しっかりと領主になる人間から、管理費の名目で金をとるようにしてくださいね。では失礼しました」
「シュウ君まって! あなたたちはどこへ行くの?」
「この国の外ですよ。正確な場所は情報がもれると困るので、教えることはできませんが、少なくともこの国よりも安全だと思う場所へ向かいます」
「ギルドマスター、私はギルドが信用できなくなりましたので、職員を辞めさせてもらいます。シュウ君、私も一緒にその場所へ連れて行ってもらえませんか?」
「ちょっとミリー君! やめるってどういうk『あなたは黙っててください。私はシュウ君と話をしているんです』」
「ついてくるとなると、身の保証もできませんし、後にはひき返せなくなりますよ?」
「シュウ君、初めて会った時の事覚えてるかな? 私嬉しかったんだ。それなのに私たちは、そんな君に失礼な事ばかりしてきたの。償わせてほしいの」
「ミリーさんに償っていただく必要は無いですが……その様子だと、駄目だと言っても意地でついてきそうですね。分かりました、この腕輪をお貸しします。その中に入る分の荷物をもって、家に来てください。では今度こそ失礼します」
ストックとして召喚しといた収納の腕輪をミリーへと渡す。
家に帰る間に樹海のエリア掌握をしていく。かなり広いため今のDPで全域を掌握はできないので、中心と言われている樹海の山の麓まで掌握し。山の近くに発見したことにするダンジョンの設置予定場所を考え、そのダンジョンの入口を街の最南としてリーファスの街の大きさ程のエリアを掌握する。
DPを使って地面をそのまま十メートル程盛り上げて、とりあえず完成。一番端は崖ではなく急勾配の坂みたいな形にしてある。その他の設定は現地に着いてからしよう。
家に到着すると娘たちの準備は終わっていた。
0
お気に入りに追加
449
あなたにおすすめの小説
救国の大聖女は生まれ変わって【薬剤師】になりました ~聖女の力には限界があるけど、万能薬ならもっとたくさんの人を救えますよね?~
日之影ソラ
恋愛
千年前、大聖女として多くの人々を救った一人の女性がいた。国を蝕む病と一人で戦った彼女は、僅かニ十歳でその生涯を終えてしまう。その原因は、聖女の力を使い過ぎたこと。聖女の力には、使うことで自身の命を削るというリスクがあった。それを知ってからも、彼女は聖女としての使命を果たすべく、人々のために祈り続けた。そして、命が終わる瞬間、彼女は後悔した。もっと多くの人を救えたはずなのに……と。
そんな彼女は、ユリアとして千年後の世界で新たな生を受ける。今度こそ、より多くの人を救いたい。その一心で、彼女は薬剤師になった。万能薬を作ることで、かつて救えなかった人たちの笑顔を守ろうとした。
優しい王子に、元気で真面目な後輩。宮廷での環境にも恵まれ、一歩ずつ万能薬という目標に進んでいく。
しかし、新たな聖女が誕生してしまったことで、彼女の人生は大きく変化する。
鮮明な月
碧
BL
鮮明な月のようなあの人のことを、幼い頃からひたすらに思い続けていた。叶わないと知りながら、それでもただひたすらに密やかに思い続ける源川仁聖。叶わないのは当然だ、鮮明な月のようなあの人は、自分と同じ男性なのだから。
彼を思いながら、他の人間で代用し続ける矛盾に耐えきれなくなっていく。そんな時ふと鮮明な月のような彼に、手が届きそうな気がした。
第九章以降は鮮明な月の後日談
月のような彼に源川仁聖の手が届いてからの物語。
基本的にはエッチ多目だと思われます。
読む際にはご注意下さい。第九章以降は主人公達以外の他キャラ主体が元気なため誰が主人公やねんなところもあります。すみません。
転移魔法に失敗したら大変な事に巻き込まれたようです。
ミカヅキグマ
ファンタジー
魔導師のヴァージニアは転移魔法に失敗して見知らぬ島に来てしまった。
地図にも載っていないその島には何やら怪しげな遺跡がポツンと建っていた。ヴァージニアはただでさえ転移魔法の失敗で落ち込んでいるのに、うっかりその遺跡に閉じ込められてしまう。彼女が出口を探すために仕方なく遺跡の奥に進んで行くと、なんとそこには一人の幼い少年がいた。何故こんな所に少年が? 彼は一体何者なのだろうか?
ヴァージニアは少年の正体が世界を揺るがす出来事に発展するとは露程も思っていなかったのだった……。
※台詞が多めです。現在(2021年11月)投稿している辺りだと地の文が増えてきています。
※最終話の後に登場人物紹介がありますので、少しのネタバレならOKという方はどうぞご覧下さい。
ネタバレ
※ヴァージニア(主人公)が抱く疑問は地竜とキャサリンが登場すると解けていきます。(伏線回収)
さらにネタバレ
※何度もループしている世界の話ですが、主人公達は前の世界の記憶を持っていません。しかし違和感などは覚えています。(あんまりループ要素はないです)
さらにさらにネタバレ?
※少年の正体は早い段階で出てるじゃないかと思っている方……、それじゃないんです。別にあるんです。
没落した元名門貴族の令嬢は、馬鹿にしてきた人たちを見返すため王子の騎士を目指します!
日之影ソラ
ファンタジー
かつては騎士の名門と呼ばれたブレイブ公爵家は、代々王族の専属護衛を任されていた。
しかし数世代前から優秀な騎士が生まれず、ついに専属護衛の任を解かれてしまう。それ以降も目立った活躍はなく、貴族としての地位や立場は薄れて行く。
ブレイブ家の長女として生まれたミスティアは、才能がないながらも剣士として研鑽をつみ、騎士となった父の背中を見て育った。彼女は父を尊敬していたが、周囲の目は冷ややかであり、落ちぶれた騎士の一族と馬鹿にされてしまう。
そんなある日、父が戦場で命を落としてしまった。残されたのは母も病に倒れ、ついにはミスティア一人になってしまう。土地、お金、人、多くを失ってしまったミスティアは、亡き両親の想いを受け継ぎ、再びブレイブ家を最高の騎士の名家にするため、第一王子の護衛騎士になることを決意する。
こちらの作品の連載版です。
https://ncode.syosetu.com/n8177jc/
悪魔だと呼ばれる強面騎士団長様に勢いで結婚を申し込んでしまった私の結婚生活
束原ミヤコ
恋愛
ラーチェル・クリスタニアは、男運がない。
初恋の幼馴染みは、もう一人の幼馴染みと結婚をしてしまい、傷心のまま婚約をした相手は、結婚間近に浮気が発覚して破談になってしまった。
ある日の舞踏会で、ラーチェルは幼馴染みのナターシャに小馬鹿にされて、酒を飲み、ふらついてぶつかった相手に、勢いで結婚を申し込んだ。
それは悪魔の騎士団長と呼ばれる、オルフェレウス・レノクスだった。
優秀な姉の添え物でしかない私を必要としてくれたのは、優しい勇者様でした ~病弱だった少女は異世界で恩返しの旅に出る~
日之影ソラ
ファンタジー
前世では病弱で、生涯のほとんどを病室で過ごした少女がいた。彼女は死を迎える直前、神様に願った。
もしも来世があるのなら、今度は私が誰かを支えられるような人間になりたい。見知らぬ誰かの優しさが、病に苦しむ自分を支えてくれたように。
そして彼女は貴族の令嬢ミモザとして生まれ変わった。非凡な姉と比べられ、常に見下されながらも、自分にやれることを精一杯取り組み、他人を支えることに人生をかけた。
誰かのために生きたい。その想いに嘘はない。けれど……本当にこれでいいのか?
そんな疑問に答えをくれたのは、平和な時代に生まれた勇者様だった。
欲情しないと仰いましたので白い結婚でお願いします
ユユ
恋愛
他国の王太子の第三妃として望まれたはずが、
王太子からは拒絶されてしまった。
欲情しない?
ならば白い結婚で。
同伴公務も拒否します。
だけど王太子が何故か付き纏い出す。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる