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第75話 何もない日
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勢いで冒険者ギルドに決別するようなセリフを吐いてから、ギルドを後にしていた。みんなになんて説明しようかな……反省はしてないけど、生活がある程度変わるわけだから、娘たちにあきれられたりしないかな?
「なんか勢いでやっちゃったけど、娘たちをないがしろにされたようなこと言われて、カッとなっちまったな……反省も後悔もしてないけど、みんなになんて言おうかな……」
俺の独り言を聞いていたピーチが、不思議な顔をしてこちらを見て口を開いた。
「ご主人様が何を悩んでらっしゃるの解りませんが、私はありのままを伝えればいいと思いますよ。実際、私たちのことを思って怒ってくださったのですから喜ぶと思います。その場面を見ていた私も惚れ直してしまいました」
惚れ直す? もともと惚れてたってことか? というか俺はそんな風に思われるくらい、魅力的な人間ではないと思うのだが……好みは人それぞれか?
「冒険者活動しなくてもうちの場合は何も問題ないわけで、レベル上げるのも戦闘訓練も自前のダンジョンがある恵まれた環境だしな。ダンジョン農園の中に、農園の他に牧場、海があるから自給自足すらできるんだよな……いや、DPがあるんだから召喚すればまかなうことができるんだよな」
とりあえず、家に帰ってみんなに説明するか。
なんやかんやしているうちに家についた。森に行っている間も娘達のシルキー仕込みの飯に、快適な睡眠器具のおかげであまり野営をしている感じがしなかったからな。久しぶりの感じがしないんだよな……一週間くらいたっているはずなのにな。
「ただいま~」
俺が帰ってくるのが分かるのか、娘たちが全員並んでいた……
「おかえりなさいませ、ご主人様」
そろった声で俺を出迎えられた。相変わらずこの空気には慣れないが、いくら止めるようにお願いしても止めることがなく今まで続いている。メイドの嗜みと言われたこともあった……嗜みってこういう使い方であってたっけ?
久しぶりな感じはしないけど、帰ってきたせいか何かほっとするな。
「今日くらいはゆっくりすればいいのに……でも、出迎えてくれる人がいるって嬉しいよね。一人暮らしじゃこうはいかないもんな」
「そうね、私も家を出てから一人で行動することが多かったから、自分の家に帰ってきて出迎えてもらえるのって嬉しいわね!」
「そだ、みんなに聞いてもらいたいことがあるから食堂へ集合」
みんなにそう告げて、食堂へと誘導する。
食堂につき冒険者ギルドであったことをみんなに話す。途中でピーチが後付けするような形で詳細な説明を加えていた。
話を聞き終えたみんなは、揃って目をキラキラさせて俺の方を見ている。君たちその目はやめてほしい、尊敬したような目で見られると、むずがゆくなるから止めてくれ。
誰からも否定の声は上がらなかった。冒険者の活動はしなくなったが、ダンジョンは自前で持っているので戦闘訓練に関しては特に問題にならないし、ダンジョン農園や牧場での世話をしたり、メイドの動きに磨きをかけたり、することはたくさんあるようで飽きとは無縁のようだった。
休みの日もちょっと街の様子を見に行って、はやりなどを見てきたり買い食いをして美味しいところがあったら、味を盗むことに精を出しているようだった。娘たちが服を買わないのは、全部支給しているからである。
ここだけは譲れないのだ! 可愛い娘たちには可愛い恰好を! とはいっても、メイド服かシンプルなワンピース姿が多いのだが。
ズボン姿は冒険者風の装備と農業や牧畜の作業着以外で、娘たちは基本的に着ようとしなかったが、娘たちは俺がホットパンツの様な足が出る姿も好きだということを、どこかで嗅ぎつけて召喚をねだってきたときにはさすがに驚いた。
話も終わり解散すると、年長組と年中組はダンジョンへ行くようだが格好を見る限り戦闘訓練やレベル上げ用のダンジョンではなく、農園や牧場の方に行くようだ。年少組は、食堂の後片付けをしてからスカーレットの指導のもとメイドの特訓をするらしい。
メイドの特訓ってなんだ? 教育や訓練なら何となく分かるが、スカーレットに特訓と胸を張って言われたのだ。ちなみにスカーレットはチビ神と違って、若干山になっているので絶壁ではない。
することのなくなった俺は、ダンジョン農園へ足を運ぶことにした。ダンジョンの中なのにサンサンと降り注ぐ太陽の下で、年長組の娘たちはドリアード二人とノームのノーマンに畑仕事や植林について色々教わっていた。
植物ごとに相性のいい土があったり気候があったり、と様々な要因についてレクチャーしているようだった。覚えきれるのだろうか?
しばらく、ノーマンたちのレクチャーに耳を傾けていたが、チンプンカンプンなのでここを退散することにした。
次に向かったのは、年中組の娘たちがいると聞いた牧場の方へ足を運んでみた。かなりの数の家畜がいる。ここを主に担当する人材がいないが、シルキーたちの謎技術で問題なく回っているようだ。
今日担当のミドリに世話の仕方を確認しながら作業をしている。ここにいる家畜は目が届く範囲で、鶏・豚・牛・鹿・イノシシが見える。
鹿やイノシシには違う種類がいるのかわからないが、鶏・豚・牛に関しては、違う品種が数種類いるようだ。ミドリに色々聞いてみると意外なことが判明した。ここはまだ試験運用中なので、繁殖させたり食用にしたりはしていないとのこと。
でも、食用にできるように餌には気を配っているとのこと。安定して育てられるようになったら繁殖をさせて、うまくいけば食用専門に育てるつもりだとのこと。今ここで口に入れられるものとしてあるのは、タマゴと牛乳だけとのことだ。
娘たちは嫌がる様子も見せずに、家畜たちを全力で可愛がっていた。水浴びをさせたり、体を洗ってあげたりしてコミュニケーションをとっていた。
ん~、家畜エリアと海エリアは専門の人材がいないんだよな。奴隷を新しく買って信用できるまでだと時間がかなりかかるな、ここは召喚に頼ろう。今度よさそうな精霊を探して、召喚して二つのエリアに専門で配置しよう。
そのまま海エリアに足を運んでみる。ここは生け簀を作っており、餌あげは魔核を使ったゴーレムで適宜餌を上げているとようだ。俺が作ったゴーレムだから問題があれば、随時魔核をいじればいいだけなので、今のところ問題は見られていないのでこのままでいいだろう。
今日ここにきた目的は、釣りをしてみようと思ってここに来たのだ。釣り竿は、DPで出したナノカーボン製の無駄に高いやつだ! リールもルアーもかなり高い物を選んでいる。釣りのことはよくわからないけど、DPはあるのでいいものを購入してみたのだ。
結論、ルアー……疑似餌? を使った釣りは素人には難しかった。俺にはわからなかったが、生きているように動かすことによって魚に食いつかせるらしいのだ。
それに、高いルアーだからといって食いつきがいいわけではないようだ。魚に合わせたルアーが必要で、この世界の魚が元の世界のルアーに食いつくかも分からないのだ。
まったく釣れなかったが時間を潰すのには役に立ったようだ。また今度釣りにこよう。今度は本物の餌を使っての浮き釣りみたいなのをしてみよう。
「なんか勢いでやっちゃったけど、娘たちをないがしろにされたようなこと言われて、カッとなっちまったな……反省も後悔もしてないけど、みんなになんて言おうかな……」
俺の独り言を聞いていたピーチが、不思議な顔をしてこちらを見て口を開いた。
「ご主人様が何を悩んでらっしゃるの解りませんが、私はありのままを伝えればいいと思いますよ。実際、私たちのことを思って怒ってくださったのですから喜ぶと思います。その場面を見ていた私も惚れ直してしまいました」
惚れ直す? もともと惚れてたってことか? というか俺はそんな風に思われるくらい、魅力的な人間ではないと思うのだが……好みは人それぞれか?
「冒険者活動しなくてもうちの場合は何も問題ないわけで、レベル上げるのも戦闘訓練も自前のダンジョンがある恵まれた環境だしな。ダンジョン農園の中に、農園の他に牧場、海があるから自給自足すらできるんだよな……いや、DPがあるんだから召喚すればまかなうことができるんだよな」
とりあえず、家に帰ってみんなに説明するか。
なんやかんやしているうちに家についた。森に行っている間も娘達のシルキー仕込みの飯に、快適な睡眠器具のおかげであまり野営をしている感じがしなかったからな。久しぶりの感じがしないんだよな……一週間くらいたっているはずなのにな。
「ただいま~」
俺が帰ってくるのが分かるのか、娘たちが全員並んでいた……
「おかえりなさいませ、ご主人様」
そろった声で俺を出迎えられた。相変わらずこの空気には慣れないが、いくら止めるようにお願いしても止めることがなく今まで続いている。メイドの嗜みと言われたこともあった……嗜みってこういう使い方であってたっけ?
久しぶりな感じはしないけど、帰ってきたせいか何かほっとするな。
「今日くらいはゆっくりすればいいのに……でも、出迎えてくれる人がいるって嬉しいよね。一人暮らしじゃこうはいかないもんな」
「そうね、私も家を出てから一人で行動することが多かったから、自分の家に帰ってきて出迎えてもらえるのって嬉しいわね!」
「そだ、みんなに聞いてもらいたいことがあるから食堂へ集合」
みんなにそう告げて、食堂へと誘導する。
食堂につき冒険者ギルドであったことをみんなに話す。途中でピーチが後付けするような形で詳細な説明を加えていた。
話を聞き終えたみんなは、揃って目をキラキラさせて俺の方を見ている。君たちその目はやめてほしい、尊敬したような目で見られると、むずがゆくなるから止めてくれ。
誰からも否定の声は上がらなかった。冒険者の活動はしなくなったが、ダンジョンは自前で持っているので戦闘訓練に関しては特に問題にならないし、ダンジョン農園や牧場での世話をしたり、メイドの動きに磨きをかけたり、することはたくさんあるようで飽きとは無縁のようだった。
休みの日もちょっと街の様子を見に行って、はやりなどを見てきたり買い食いをして美味しいところがあったら、味を盗むことに精を出しているようだった。娘たちが服を買わないのは、全部支給しているからである。
ここだけは譲れないのだ! 可愛い娘たちには可愛い恰好を! とはいっても、メイド服かシンプルなワンピース姿が多いのだが。
ズボン姿は冒険者風の装備と農業や牧畜の作業着以外で、娘たちは基本的に着ようとしなかったが、娘たちは俺がホットパンツの様な足が出る姿も好きだということを、どこかで嗅ぎつけて召喚をねだってきたときにはさすがに驚いた。
話も終わり解散すると、年長組と年中組はダンジョンへ行くようだが格好を見る限り戦闘訓練やレベル上げ用のダンジョンではなく、農園や牧場の方に行くようだ。年少組は、食堂の後片付けをしてからスカーレットの指導のもとメイドの特訓をするらしい。
メイドの特訓ってなんだ? 教育や訓練なら何となく分かるが、スカーレットに特訓と胸を張って言われたのだ。ちなみにスカーレットはチビ神と違って、若干山になっているので絶壁ではない。
することのなくなった俺は、ダンジョン農園へ足を運ぶことにした。ダンジョンの中なのにサンサンと降り注ぐ太陽の下で、年長組の娘たちはドリアード二人とノームのノーマンに畑仕事や植林について色々教わっていた。
植物ごとに相性のいい土があったり気候があったり、と様々な要因についてレクチャーしているようだった。覚えきれるのだろうか?
しばらく、ノーマンたちのレクチャーに耳を傾けていたが、チンプンカンプンなのでここを退散することにした。
次に向かったのは、年中組の娘たちがいると聞いた牧場の方へ足を運んでみた。かなりの数の家畜がいる。ここを主に担当する人材がいないが、シルキーたちの謎技術で問題なく回っているようだ。
今日担当のミドリに世話の仕方を確認しながら作業をしている。ここにいる家畜は目が届く範囲で、鶏・豚・牛・鹿・イノシシが見える。
鹿やイノシシには違う種類がいるのかわからないが、鶏・豚・牛に関しては、違う品種が数種類いるようだ。ミドリに色々聞いてみると意外なことが判明した。ここはまだ試験運用中なので、繁殖させたり食用にしたりはしていないとのこと。
でも、食用にできるように餌には気を配っているとのこと。安定して育てられるようになったら繁殖をさせて、うまくいけば食用専門に育てるつもりだとのこと。今ここで口に入れられるものとしてあるのは、タマゴと牛乳だけとのことだ。
娘たちは嫌がる様子も見せずに、家畜たちを全力で可愛がっていた。水浴びをさせたり、体を洗ってあげたりしてコミュニケーションをとっていた。
ん~、家畜エリアと海エリアは専門の人材がいないんだよな。奴隷を新しく買って信用できるまでだと時間がかなりかかるな、ここは召喚に頼ろう。今度よさそうな精霊を探して、召喚して二つのエリアに専門で配置しよう。
そのまま海エリアに足を運んでみる。ここは生け簀を作っており、餌あげは魔核を使ったゴーレムで適宜餌を上げているとようだ。俺が作ったゴーレムだから問題があれば、随時魔核をいじればいいだけなので、今のところ問題は見られていないのでこのままでいいだろう。
今日ここにきた目的は、釣りをしてみようと思ってここに来たのだ。釣り竿は、DPで出したナノカーボン製の無駄に高いやつだ! リールもルアーもかなり高い物を選んでいる。釣りのことはよくわからないけど、DPはあるのでいいものを購入してみたのだ。
結論、ルアー……疑似餌? を使った釣りは素人には難しかった。俺にはわからなかったが、生きているように動かすことによって魚に食いつかせるらしいのだ。
それに、高いルアーだからといって食いつきがいいわけではないようだ。魚に合わせたルアーが必要で、この世界の魚が元の世界のルアーに食いつくかも分からないのだ。
まったく釣れなかったが時間を潰すのには役に立ったようだ。また今度釣りにこよう。今度は本物の餌を使っての浮き釣りみたいなのをしてみよう。
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