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第69話 馬鹿たちの結末
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「あなたたちって森の中で煮炊きするの?」
「人数が人数なので煮炊きできるようにしています。外から来たらわかると思いますが、匂いもほとんどなかったですよね? そういった特殊加工のできる仲間がいるので高級品です。俺たちは毛皮をたくさん集めただけですけどね」
「確かに料理の匂いはしませんでしたね。それとは別に、私たちにも分けてもらいたいのですが、可能でしょうか? 対価を払えば食べさせてもらえたりしますか?」
「材料はたくさん持ってきているので分けるのは問題ないのですが、対価を考えるのは難しいかと」
「ですよね。パッといくらって言ってもらえたら楽でしたのですが、主食のパンと乾燥肉はあるのでスープだけでも頂けると嬉しいのですが」
「じゃぁ、スープ一杯五〇〇フランでどうですか? スープだけですがこの値段でいかがですか?」
「そんなに安くていいんですか? わがままなお願いなのは重々承知ですが一人二杯は頂ければと思うのですが、かのうですか?」
「ピーチ、食材的には問題ないか?」
「ご主人様、問題ありません。夜だけ皆様の分を作ったとしても、三週間は問題なくスープを作れますね」
「そんなにもってきてたのか。夜だけでよければこれからもどうですか? それと相談があるのですが、聞いてもらえるなら食事の代金はいらないです」
「もしかして、あいつらの件ですか?」
「そうですね、俺にとってこの娘たちの安全が第一ですから」
「大切にしてるんですね、装備品もかなりのものですし。初めに言っておきますが、もうここのメンバーで話し合っていて、トラブルを起こすようなら処理するつもりです。フェンリルを前にして足を引っ張られたくないので、ここに放置するか処分するかはあいつらの出方次第ですね」
「そこまで話が進んでるとは、こちらからは俺とカエデ、レイリーが動けるようにしておきます」
「もともと処理する予定だったのに、それで食事をタダにしてもらうのは気が引けるな」
リリスが口にすると、集まっているメンバーが全員頷いていた。
「安全を確保できるなら食事位安いものですよ。できれば娘たちにこんな事で人殺しをさせたくないので、それを了承してもらえればいいです。それでも気になるなら、持ってきた食材を提供してもらえればいいですよ」
「そこらへんが妥協点かな? 食材の一部を提供して今回の件には娘さんたちをかかわらせない、ってところを落としどころにしようか」
「助かります。食事はこの中でお願いしますね。見張りも交代でこなしながら食べる方向でお願いしますね。外に持ち出すとあいつらがもっとうるさくなりそうなので」
全員が苦笑して俺のいう事に頷いた。
テントの外では、クズどもが「今日はどいつにするかな?」「2人まとめてやるのもいいな」「味気ない食事は嫌だが夜が楽しめるのは最高だぜ」などとほざいていた。
シングル冒険者の三人は声をそろえて「処分決定」と、もうクズどもが助かる道はなくなった。
そんなときに、クズどもの一人が「俺らもいれろや」と、勝手に俺たちのテントの中に入ってきた。
「おぃ、てめえらだけ何、うまそうなもん食ってんだ? 俺らにも寄越せよ」
「対価が払えるなら食わせてやるよ。スープ一杯で金貨一枚な」
各パーティーのリーダーたちに目配せをすると、俺の意図を組んでくれたのか、メンバー分の金貨を取り出して俺に渡してくれた。
「まいど~」
「「「「ごちそうになるよ」」」」
今のやり取りをめにして憎々しげにこちらを見ている、クズが
「金貨一枚は高すぎんだろ! せめて銀貨一枚にしろ!」
「対価が払えないなら食うな」
悔しそうな顔をして、「今夜は楽しませてもらうぜ」と言ってテントを出て行った。
「今夜が命日とも知らずにおめでたい奴らだ」
お金を返していると、リリスがぽつりとつぶやいた。
食事も終わり、クズどもの処理の手順を確認しはじめた。
以下の通りだ。
一、処理するメンバーが隠れて待機。
二、リーダーがクズどもを呼び出し全員に警告をする。
三、問題がなくなれば何もしない。
四、反発したり、襲い掛かってきたりしたらその場で処理。
以上、簡潔にまとまった。
シングル三名、Aランク七名、俺、カエデ、レイリーの合わせて十三名。Bランクパーティーでも下位、Cランク程度の四組に対するには過剰戦力だろう。確実に処理するための布陣だ、逃げることすら許すつもりはないらしい。
待機していると、リリスがクズども四パーティーを引き連れてきた。手筈通り警告を発した。
「お前たちの行動や言動は目に余る、改善する気はないのか?」
「俺たちの何がいけないっていうんだ? 奴隷のメイドたちは俺らを満足するための道具だろ? あの小僧もわかってるよな。ギャハハハ」
「それ以上口を開くな、お前らはフェンリル討伐の足かせになる。他のメンバーも危険に陥れるだろう。だから今からお前らを処分する。リーダーとしての決定だ」
「はぁ? いくらシングル様とはいえ二十四人も相手にして勝てるわけないだろ? 現実を見ろよ。それより俺たちがいい思いさせてやるからよ。女の喜びを教えてやるんだ、感謝しろよ」
「お前らのようなクズがいるから冒険者の品位が下がるんだよ。それに現実をわかっていないのはお前らだ。私一人でもなんとでもなるが、リーダーの決定といっただろ? 一人だけでやるわけがない。みんなもう隠れる必要ないぞ。処理を始めよう」
「てめえら、こんなことしていいと思ってるのか? ギルドに訴えてやる」
「自分に不利になれば、手のひらを反すように強いものの威を借ろうとする。残念だが今回の件を生きてギルドに訴えてもどうにもならないぞ。私が最後通告をしたときに聞いていればよかったのに、下種な事を言うんだからな。
今回の様な緊急クエストでは、成功確率が著しく下がると判断された原因に対して、実力で排除してもいいと決まっているんだ。こういったときのリーダーは、シングル以上の冒険者がなると決まっていて、そういった権限も与えられているのだよ。無知な自分と下半身ばかり成長した自分を呪って死んでいけ」
リリスの掛け声で蹂躙が始まった。二十秒もしないうちにクズどもが死んだ。
自分の手で二人殺したのに何も思わなかった。この世界のルールに慣れてしまったのか、殺したのがクズだったからなのかわからないが、何も感じなかった。
楽しく会話する気分でもなく、かといってちょうどいい話題があるわけでもなく、深い穴をアントが土魔法で掘ってクズどもの死体を放り込んでいく。会話をすることなく作業を終わらせテントへと戻っていく。そのまま全員がテントの中に入るとリリスが声を出した。
「クズどもを殺したのは何とも思わないが、緊急クエストをただのクエストと勘違いしている馬鹿が多いな。放置すると問題が大きくなるから緊急クエストなのにな。
害悪は早めに取り除けて良かった、フェンリルの討伐は文字通りの死闘になるだろうけど全員で生きて戻ろう。今日の見張りはAランクパーティーの君たち三チームに任せていいか?」
「俺らは問題ないぜ。そっちは?」
各リーダーは問題ないと頷いていた。
「すいません、これだけ大きなテントを建てたので空いてる場所を使いませんか? あまり広範囲に広がっても見張りがめんどくさいですよね?」
「うちらとしては、とても助かる申し出だけどいいのか?」
「あのクズどもがいなくなったので問題ないかと、朝食の準備とかするので多少朝方うるさくなっても問題ないのでしたらいいですよ、なぁピーチ」
「はい、身の安全を守ってもらえたので問題ないです。それと朝食用にパンを出しておいてくだされば、フレンチトーストを作りますがいかがしますか?」
「「「「フレンチトースト?」」」」
俺たち以外はみんなハテナマークが浮かんでいた。
「まぁ騙されたと思ってパンを出しておいてください。日持ちのする固焼きパンだと思いますが、柔らかくなりますので食べやすくなりますよ」
こんなところで嘘はつかれないと思い全員がパンを出して娘たちに預けた。Aランクのリーダーたちは順番を話し合っていた。一番目と三番目を長め二番目は中起きなので、短く時間設定をしているようだった。
俺はピーチに軽い夜食と暖かい飲み物を用意するように耳打ちした。
それにしても、日持ちのする固焼きのパンってしょっぱいけど、どうやってフレンチトーストにするんだろうか?
「人数が人数なので煮炊きできるようにしています。外から来たらわかると思いますが、匂いもほとんどなかったですよね? そういった特殊加工のできる仲間がいるので高級品です。俺たちは毛皮をたくさん集めただけですけどね」
「確かに料理の匂いはしませんでしたね。それとは別に、私たちにも分けてもらいたいのですが、可能でしょうか? 対価を払えば食べさせてもらえたりしますか?」
「材料はたくさん持ってきているので分けるのは問題ないのですが、対価を考えるのは難しいかと」
「ですよね。パッといくらって言ってもらえたら楽でしたのですが、主食のパンと乾燥肉はあるのでスープだけでも頂けると嬉しいのですが」
「じゃぁ、スープ一杯五〇〇フランでどうですか? スープだけですがこの値段でいかがですか?」
「そんなに安くていいんですか? わがままなお願いなのは重々承知ですが一人二杯は頂ければと思うのですが、かのうですか?」
「ピーチ、食材的には問題ないか?」
「ご主人様、問題ありません。夜だけ皆様の分を作ったとしても、三週間は問題なくスープを作れますね」
「そんなにもってきてたのか。夜だけでよければこれからもどうですか? それと相談があるのですが、聞いてもらえるなら食事の代金はいらないです」
「もしかして、あいつらの件ですか?」
「そうですね、俺にとってこの娘たちの安全が第一ですから」
「大切にしてるんですね、装備品もかなりのものですし。初めに言っておきますが、もうここのメンバーで話し合っていて、トラブルを起こすようなら処理するつもりです。フェンリルを前にして足を引っ張られたくないので、ここに放置するか処分するかはあいつらの出方次第ですね」
「そこまで話が進んでるとは、こちらからは俺とカエデ、レイリーが動けるようにしておきます」
「もともと処理する予定だったのに、それで食事をタダにしてもらうのは気が引けるな」
リリスが口にすると、集まっているメンバーが全員頷いていた。
「安全を確保できるなら食事位安いものですよ。できれば娘たちにこんな事で人殺しをさせたくないので、それを了承してもらえればいいです。それでも気になるなら、持ってきた食材を提供してもらえればいいですよ」
「そこらへんが妥協点かな? 食材の一部を提供して今回の件には娘さんたちをかかわらせない、ってところを落としどころにしようか」
「助かります。食事はこの中でお願いしますね。見張りも交代でこなしながら食べる方向でお願いしますね。外に持ち出すとあいつらがもっとうるさくなりそうなので」
全員が苦笑して俺のいう事に頷いた。
テントの外では、クズどもが「今日はどいつにするかな?」「2人まとめてやるのもいいな」「味気ない食事は嫌だが夜が楽しめるのは最高だぜ」などとほざいていた。
シングル冒険者の三人は声をそろえて「処分決定」と、もうクズどもが助かる道はなくなった。
そんなときに、クズどもの一人が「俺らもいれろや」と、勝手に俺たちのテントの中に入ってきた。
「おぃ、てめえらだけ何、うまそうなもん食ってんだ? 俺らにも寄越せよ」
「対価が払えるなら食わせてやるよ。スープ一杯で金貨一枚な」
各パーティーのリーダーたちに目配せをすると、俺の意図を組んでくれたのか、メンバー分の金貨を取り出して俺に渡してくれた。
「まいど~」
「「「「ごちそうになるよ」」」」
今のやり取りをめにして憎々しげにこちらを見ている、クズが
「金貨一枚は高すぎんだろ! せめて銀貨一枚にしろ!」
「対価が払えないなら食うな」
悔しそうな顔をして、「今夜は楽しませてもらうぜ」と言ってテントを出て行った。
「今夜が命日とも知らずにおめでたい奴らだ」
お金を返していると、リリスがぽつりとつぶやいた。
食事も終わり、クズどもの処理の手順を確認しはじめた。
以下の通りだ。
一、処理するメンバーが隠れて待機。
二、リーダーがクズどもを呼び出し全員に警告をする。
三、問題がなくなれば何もしない。
四、反発したり、襲い掛かってきたりしたらその場で処理。
以上、簡潔にまとまった。
シングル三名、Aランク七名、俺、カエデ、レイリーの合わせて十三名。Bランクパーティーでも下位、Cランク程度の四組に対するには過剰戦力だろう。確実に処理するための布陣だ、逃げることすら許すつもりはないらしい。
待機していると、リリスがクズども四パーティーを引き連れてきた。手筈通り警告を発した。
「お前たちの行動や言動は目に余る、改善する気はないのか?」
「俺たちの何がいけないっていうんだ? 奴隷のメイドたちは俺らを満足するための道具だろ? あの小僧もわかってるよな。ギャハハハ」
「それ以上口を開くな、お前らはフェンリル討伐の足かせになる。他のメンバーも危険に陥れるだろう。だから今からお前らを処分する。リーダーとしての決定だ」
「はぁ? いくらシングル様とはいえ二十四人も相手にして勝てるわけないだろ? 現実を見ろよ。それより俺たちがいい思いさせてやるからよ。女の喜びを教えてやるんだ、感謝しろよ」
「お前らのようなクズがいるから冒険者の品位が下がるんだよ。それに現実をわかっていないのはお前らだ。私一人でもなんとでもなるが、リーダーの決定といっただろ? 一人だけでやるわけがない。みんなもう隠れる必要ないぞ。処理を始めよう」
「てめえら、こんなことしていいと思ってるのか? ギルドに訴えてやる」
「自分に不利になれば、手のひらを反すように強いものの威を借ろうとする。残念だが今回の件を生きてギルドに訴えてもどうにもならないぞ。私が最後通告をしたときに聞いていればよかったのに、下種な事を言うんだからな。
今回の様な緊急クエストでは、成功確率が著しく下がると判断された原因に対して、実力で排除してもいいと決まっているんだ。こういったときのリーダーは、シングル以上の冒険者がなると決まっていて、そういった権限も与えられているのだよ。無知な自分と下半身ばかり成長した自分を呪って死んでいけ」
リリスの掛け声で蹂躙が始まった。二十秒もしないうちにクズどもが死んだ。
自分の手で二人殺したのに何も思わなかった。この世界のルールに慣れてしまったのか、殺したのがクズだったからなのかわからないが、何も感じなかった。
楽しく会話する気分でもなく、かといってちょうどいい話題があるわけでもなく、深い穴をアントが土魔法で掘ってクズどもの死体を放り込んでいく。会話をすることなく作業を終わらせテントへと戻っていく。そのまま全員がテントの中に入るとリリスが声を出した。
「クズどもを殺したのは何とも思わないが、緊急クエストをただのクエストと勘違いしている馬鹿が多いな。放置すると問題が大きくなるから緊急クエストなのにな。
害悪は早めに取り除けて良かった、フェンリルの討伐は文字通りの死闘になるだろうけど全員で生きて戻ろう。今日の見張りはAランクパーティーの君たち三チームに任せていいか?」
「俺らは問題ないぜ。そっちは?」
各リーダーは問題ないと頷いていた。
「すいません、これだけ大きなテントを建てたので空いてる場所を使いませんか? あまり広範囲に広がっても見張りがめんどくさいですよね?」
「うちらとしては、とても助かる申し出だけどいいのか?」
「あのクズどもがいなくなったので問題ないかと、朝食の準備とかするので多少朝方うるさくなっても問題ないのでしたらいいですよ、なぁピーチ」
「はい、身の安全を守ってもらえたので問題ないです。それと朝食用にパンを出しておいてくだされば、フレンチトーストを作りますがいかがしますか?」
「「「「フレンチトースト?」」」」
俺たち以外はみんなハテナマークが浮かんでいた。
「まぁ騙されたと思ってパンを出しておいてください。日持ちのする固焼きパンだと思いますが、柔らかくなりますので食べやすくなりますよ」
こんなところで嘘はつかれないと思い全員がパンを出して娘たちに預けた。Aランクのリーダーたちは順番を話し合っていた。一番目と三番目を長め二番目は中起きなので、短く時間設定をしているようだった。
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