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第60話 娘たちの決断
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お風呂から上がって、何となく作ってしまった片手剣を手にもって、ちょっとプチダンジョンの外に出てみる。それっぽい型みたいなのを試してみるが、片手剣のスキルは一応とってある程度でまったく使わないので上げていなかった。そのせいか、何かぎこちない。
慣れない武器で強い敵と戦うのは遠慮したかったので、魔物が寄ってくる前にプチダンジョンの中へ退避する。
寝室に行こうとしたところで、カエデに声をかけられた。
「シュウ、その片手剣なに?」
「あークリエイトゴーレムっていう魔法があって、試しに覚えて使ったら作れた剣だよ」
「ちょっと見せて、ふんふん……かなり出来がいい気がするけど何で? それにこれって鉄や鋼鉄じゃないよね、この素材って何?」
「ん~クリエイトゴーレムは、イメージで形を作って魔核で行動プログラムを組んで動かすことができるんだけど、前にやったゲームの片手剣をイメージして作ったらできたんだよね。ちなみに素材は、アダマンタイトだよ」
ガチャンッ
カエデが手に持っていた片手剣を落とした。
「シュウってアダマンタイトを加工できるってこと? ドワーフの誰もが加工に成功したことがないって言われてるあの金属を」
「一応、そういう事になるのかな? 使えるか使えないかは別として加工はできるけど、問題は多いね」
「シュウってやっぱりすごいね、私の惚れ込んだ男だけあるね! でも加工するのってやっぱり大変なんだね、どんな問題があるの?」
「魔力をものすごい使うんだ。このサイズの剣を作るのに、俺の魔力の九割ほどを消費してやっと作れたんだよ。大きいものになれば今の魔力じゃ全然足りなくなるから大変だよ。何回かに分けて加工すれば何とかなるのかな? って感じだよ」
「技術より魔力を使うのね、でもその作り方だとエンチャントってあまりつけられないよね? どんな武器でも完成品には、多くて二個くらいしかつけられないからね。
今確認されてるので、ミスリルを鉱石から素材に加工する時に最大三個、素材から武器に加工する際に最大三個、完成品に最大二個の合計八個が一番多いエンチャントの数だって聞いてるけどね。
オリハルコンとかは加工に労力を割いてしまうためか、六個くらいが限界になってるって話を聞いたことがあるね。鍛冶の技術が上がればもっと多くのエンチャントがつけられたりするのかな?」
「完成品にも二個くらいならエンチャントつけられるんだ。思ったんだけど、エンチャントって鍛冶の技術より魔法のスキルや技術に影響を受けそうな気がするんだけど気のせいかな?」
「そういわれると、金属でも布でも革でもエンチャントって同じものをつけられるよね、それにエンチャントって鍛冶スキルではなかった。どうやって付けてるんだろ?」
「いや、俺に聞くなって。実際にエンチャントを付与しているお前が知らんのに、エンチャント技術のない俺に分かるわけないだろ」
「それもそうね、今度ゆっくり考えてみよっか。あ、みんなが呼びに来たみたいだよ」
話が終わった様子で、ピーチが俺のことを探しに来たようだった。食堂へ戻り話し合いの結果を聞くことにした。
ピーチに呼ばれ食堂に入っていくと、若干暗い顔をした娘たちが座っていた。
話し合いの結果を聞いて流れを聞いたら暗い顔をしている理由に見当がついた。
話し合いの結果は、クエストを中断して街へ戻るというものだった。ここに入ったときは何が何でも続行しそうな様子だったのに、何があったのか気になるところだが、話の流れを説明してくれた。
初めはみんながクエストを続行するつもりでいた。どうやって格上の魔物を倒すかの議論に入っていたが、それまで黙っていたシェリルが「ご主人様がクエストを中断しようと思ってるのに、何で続けようとしてるの?」と質問したところで流れが変わったらしい。
年長年中組は「戦闘をしてもらうために私たちを買った」「戦闘のできない私たちには価値がないから捨てられてしまう」という主張だった。
だがシェリルをはじめとした年少組の数名は「ご主人様は、私たちのことを心配して中断しようとしてる」「優しいご主人様がこんなことで私たちを捨てるはずがない」と大きく主張したらしい。
少し感情的な言い合いになった所にスカーレットが紅茶を持ってきて
「ご主人様はあなたたちのことが大切だから……あなたたちに伝えた後すごく苦悩しているようでした。望まない戦闘を強制してるのではないか、あなたたちの意思で戦闘に参加していることを話しましたが、納得されている様子はうかがえませんでした。
あなたたちのことを大切にしているからこその考えなのですよ。ご主人様とカエデ様、従魔たちの力があればこの森でも戦闘できるでしょう。これを聞いてあなたたちは、どうするべきだと思いますか?」
スカーレットからもたらされた情報は、娘たちも感じている所はあったようだ。シュウから言葉で聞いていなかったので、自分たちは戦闘のために買われたから戦闘できないなら必要としてもらえなくなると、強迫観念に近い気持ちに突き動かされたことを認めるきっかけになった。
戦える力をもらったのに戦えないのは悔しいけど、ご主人様の気持ちを考えると引き返すべきと娘たちの意見が一致することになった。
「冒険者はときに冒険をしなくてはいけないこともあるが、それは今じゃない。この森に異変がおきてるのは確認できた。でも、俺たちの手に負えない魔物が出てきた。無謀な戦闘はする意味がない、撤退する勇気も必要だと思う。
こんなこと言ってるけど本音は、君たちが今の状況で傷付く必要はない。過保護だと思われてもいい、今はいろんな経験をすることが大切だから、街に戻って今回の事を報告しよう。今日は休んで、明日は街へ帰ろう」
娘たちが頷いて、寝る支度を始める。今日は年少組の予定だったが、明日には街に帰ることになったので年長組が一緒に寝ることになった。年中組と一緒で、若干距離をあけていたため、ニコとハクが隙間にはまりホクホク顔である。ニコに顔ないけどな。
翌朝、朝食を食べた後娘達に声をかけて帰り支度をする。支度と言っても、自分の荷物を腕輪に収納してシルキーたちに家具を収納してもらって終わりなんだけどな。後は馬車でも入れるサイズに通路を拡張して、一つ目のベースまで通路をひいてみた。
ウォーホースに馬車をつけて走ってもらった。娘たちは少し落ち込んでいる様子を見せたが、気持ちを切り替えて戦闘の事を話し合っていた。自分たちに足りないものや、強化すべき点等色々なことを話し合っていた。
偉そうなこと言ってるけど、俺ってステータスとスキルで娘たちより強いだけで実は戦闘経験って少ないんだよな。元の世界でも武道を習ってたわけじゃないし、バトルもののアニメや漫画は好きだったけどな。
俺も訓練しないとな、亜人系の魔物で戦闘技術が高いのとかいれば召喚して訓練できるんかな? DPで強引にレベルを上げて召喚できる魔物を強くするのもありか?
色々考えていると、一つ目のベースにたどり着いていた。馬車をしまって、森の外へとみんなで向かって歩いていく。初日とは違い全く魔物に会う事もなく森の外へ出れた。そこからはまた馬車を使い街の帰路へとつく。
慣れない武器で強い敵と戦うのは遠慮したかったので、魔物が寄ってくる前にプチダンジョンの中へ退避する。
寝室に行こうとしたところで、カエデに声をかけられた。
「シュウ、その片手剣なに?」
「あークリエイトゴーレムっていう魔法があって、試しに覚えて使ったら作れた剣だよ」
「ちょっと見せて、ふんふん……かなり出来がいい気がするけど何で? それにこれって鉄や鋼鉄じゃないよね、この素材って何?」
「ん~クリエイトゴーレムは、イメージで形を作って魔核で行動プログラムを組んで動かすことができるんだけど、前にやったゲームの片手剣をイメージして作ったらできたんだよね。ちなみに素材は、アダマンタイトだよ」
ガチャンッ
カエデが手に持っていた片手剣を落とした。
「シュウってアダマンタイトを加工できるってこと? ドワーフの誰もが加工に成功したことがないって言われてるあの金属を」
「一応、そういう事になるのかな? 使えるか使えないかは別として加工はできるけど、問題は多いね」
「シュウってやっぱりすごいね、私の惚れ込んだ男だけあるね! でも加工するのってやっぱり大変なんだね、どんな問題があるの?」
「魔力をものすごい使うんだ。このサイズの剣を作るのに、俺の魔力の九割ほどを消費してやっと作れたんだよ。大きいものになれば今の魔力じゃ全然足りなくなるから大変だよ。何回かに分けて加工すれば何とかなるのかな? って感じだよ」
「技術より魔力を使うのね、でもその作り方だとエンチャントってあまりつけられないよね? どんな武器でも完成品には、多くて二個くらいしかつけられないからね。
今確認されてるので、ミスリルを鉱石から素材に加工する時に最大三個、素材から武器に加工する際に最大三個、完成品に最大二個の合計八個が一番多いエンチャントの数だって聞いてるけどね。
オリハルコンとかは加工に労力を割いてしまうためか、六個くらいが限界になってるって話を聞いたことがあるね。鍛冶の技術が上がればもっと多くのエンチャントがつけられたりするのかな?」
「完成品にも二個くらいならエンチャントつけられるんだ。思ったんだけど、エンチャントって鍛冶の技術より魔法のスキルや技術に影響を受けそうな気がするんだけど気のせいかな?」
「そういわれると、金属でも布でも革でもエンチャントって同じものをつけられるよね、それにエンチャントって鍛冶スキルではなかった。どうやって付けてるんだろ?」
「いや、俺に聞くなって。実際にエンチャントを付与しているお前が知らんのに、エンチャント技術のない俺に分かるわけないだろ」
「それもそうね、今度ゆっくり考えてみよっか。あ、みんなが呼びに来たみたいだよ」
話が終わった様子で、ピーチが俺のことを探しに来たようだった。食堂へ戻り話し合いの結果を聞くことにした。
ピーチに呼ばれ食堂に入っていくと、若干暗い顔をした娘たちが座っていた。
話し合いの結果を聞いて流れを聞いたら暗い顔をしている理由に見当がついた。
話し合いの結果は、クエストを中断して街へ戻るというものだった。ここに入ったときは何が何でも続行しそうな様子だったのに、何があったのか気になるところだが、話の流れを説明してくれた。
初めはみんながクエストを続行するつもりでいた。どうやって格上の魔物を倒すかの議論に入っていたが、それまで黙っていたシェリルが「ご主人様がクエストを中断しようと思ってるのに、何で続けようとしてるの?」と質問したところで流れが変わったらしい。
年長年中組は「戦闘をしてもらうために私たちを買った」「戦闘のできない私たちには価値がないから捨てられてしまう」という主張だった。
だがシェリルをはじめとした年少組の数名は「ご主人様は、私たちのことを心配して中断しようとしてる」「優しいご主人様がこんなことで私たちを捨てるはずがない」と大きく主張したらしい。
少し感情的な言い合いになった所にスカーレットが紅茶を持ってきて
「ご主人様はあなたたちのことが大切だから……あなたたちに伝えた後すごく苦悩しているようでした。望まない戦闘を強制してるのではないか、あなたたちの意思で戦闘に参加していることを話しましたが、納得されている様子はうかがえませんでした。
あなたたちのことを大切にしているからこその考えなのですよ。ご主人様とカエデ様、従魔たちの力があればこの森でも戦闘できるでしょう。これを聞いてあなたたちは、どうするべきだと思いますか?」
スカーレットからもたらされた情報は、娘たちも感じている所はあったようだ。シュウから言葉で聞いていなかったので、自分たちは戦闘のために買われたから戦闘できないなら必要としてもらえなくなると、強迫観念に近い気持ちに突き動かされたことを認めるきっかけになった。
戦える力をもらったのに戦えないのは悔しいけど、ご主人様の気持ちを考えると引き返すべきと娘たちの意見が一致することになった。
「冒険者はときに冒険をしなくてはいけないこともあるが、それは今じゃない。この森に異変がおきてるのは確認できた。でも、俺たちの手に負えない魔物が出てきた。無謀な戦闘はする意味がない、撤退する勇気も必要だと思う。
こんなこと言ってるけど本音は、君たちが今の状況で傷付く必要はない。過保護だと思われてもいい、今はいろんな経験をすることが大切だから、街に戻って今回の事を報告しよう。今日は休んで、明日は街へ帰ろう」
娘たちが頷いて、寝る支度を始める。今日は年少組の予定だったが、明日には街に帰ることになったので年長組が一緒に寝ることになった。年中組と一緒で、若干距離をあけていたため、ニコとハクが隙間にはまりホクホク顔である。ニコに顔ないけどな。
翌朝、朝食を食べた後娘達に声をかけて帰り支度をする。支度と言っても、自分の荷物を腕輪に収納してシルキーたちに家具を収納してもらって終わりなんだけどな。後は馬車でも入れるサイズに通路を拡張して、一つ目のベースまで通路をひいてみた。
ウォーホースに馬車をつけて走ってもらった。娘たちは少し落ち込んでいる様子を見せたが、気持ちを切り替えて戦闘の事を話し合っていた。自分たちに足りないものや、強化すべき点等色々なことを話し合っていた。
偉そうなこと言ってるけど、俺ってステータスとスキルで娘たちより強いだけで実は戦闘経験って少ないんだよな。元の世界でも武道を習ってたわけじゃないし、バトルもののアニメや漫画は好きだったけどな。
俺も訓練しないとな、亜人系の魔物で戦闘技術が高いのとかいれば召喚して訓練できるんかな? DPで強引にレベルを上げて召喚できる魔物を強くするのもありか?
色々考えていると、一つ目のベースにたどり着いていた。馬車をしまって、森の外へとみんなで向かって歩いていく。初日とは違い全く魔物に会う事もなく森の外へ出れた。そこからはまた馬車を使い街の帰路へとつく。
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