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第51話 初獣道の森
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屋敷に戻ってきて、みんなに声をかけ準備ができていることを確認する。猫たちの世話と屋敷の留守は四大精霊とドリアードたちに任せることにした。俺たちがいない間は、誰もここに入れない様に四重の結界を張ってもらう予定だ。
今回は、俺・カエデ・娘たち全員・レイリーの他に、ニコ・ハク・ギン・クロの従魔たち+リビングアーマー(ミスリル)を二体連れて行く。Bランク以上のクエストだが、シュウにとってはみんなで初めての遠足の様なイベントとして考えていた。
獣道の森には、おいしい肉をドロップする魔物もいるとのことで、BBQができるかもしれないとわくわくしている。魔獣の住む森の中でBBQのような、においの広がる食事をするのは本来であれば自殺行為に近いのだが、そんなことも考えずに楽しむことだけを考えていた。
準備ができたので、全員馬車に乗り獣道の森へと出発する。馬車で一時間ほど進むと獣道の森が見えてきた。みんなにそろそろ準備をするように声をかけるが、一人足りないことに気付いた。
年少組の馬車の中のメンバーが少なかったのだ。どこ行ったか尋ねようとする前に、誰がいなかったのかが判明する。
クロの背中にしがみついて乗っているシェリルが、「はやーい、もっともっと!」と楽しそうな声を上げて横を通り過ぎて行ったのだ。
「シェリル、そろそろ準備しろよ~クロもお遊びはいったん止めろよ」
「は~い、クロちゃん馬車に戻って」
「アオーン」
クロよ、お前は俺の従魔じゃなかったのか? 俺の言葉には返事もしないのに何故!
しばらくして、獣道の森へ到着した。馬車で入るにはさすがに道がなく、無理なので馬車を収納の腕輪にしまってもらう。ここからは徒歩での行動になった。
「ライラ・マリー・ソフィーを中心に索敵、隊列を組んで襲撃に備えろ。タンクはいつでもタゲ取りできるように注意をはらえ」
娘たちが索敵に入るのと同時にカエデが俺に近付いてきた。
「ねぇ、シュウの索敵があれば、あの娘たちにやらせる必要ないんじゃない?」
「確かに俺が全部やれば娘たちより効率よくできるだろうけど、それじゃあトレーニングにならないじゃん。俺も索敵するし、ハクやギンやクロの索敵の能力高いぞ種族特性か、嗅覚上昇があるから索敵以上に敵を見つけるのがうまいんだよな。こいつらにも不意打ちされそうになったら助けるようにいってあるから大丈夫だろう」
カエデは俺の意見を聞いて納得したように頷いた。そのまま森の奥へと進んでいく。
一時間も歩かないうちに五回の襲撃で総数二十四匹の魔物が襲ってきた。亜人の森ではここまでエンカウント率は高くなかったが、獣道の森ではこれが普通なのだろうか? ここにきて初めて森へ入った弊害が出てしまった。とりあえず、カエデに聞いてみることに。
「ん~そうね、私もここに来るのは初めてだから何とも言えないけど、森みたいな魔物が生息している場所でも、コロニーがないのに一時間で二十四匹は多いと思うわね。獣系の魔物だから反応する範囲が広い可能性は捨てきれないけど、それでも二十四匹は多いんじゃないかしら?」
やっぱり二十四匹は多い可能性が高いか、ボヤいているとレイリーが声をかけてきた。
「主殿、以前年少組の引率でこの森に来た際には、ここまで遭遇率は高くありませんでした。森の中に六時間ほどいて、採取系のクエストをこなしましたが、その時でおそらく五十匹前後の魔物に遭遇したと思われます。それを考えると、森の異常が魔物の異常発生の可能性が高い可能性があります」
「ギルドの講習会でそんな内容があったな。ダンジョンや魔物の多い場所では、スタンピードが起こることがあるだったっけ? その理由として異常繁殖があげられるみたいなことを言ってたな。今はスタンピードになる前の状態って可能性があるのか?」
「確かに言われてみれば、状況的にスタンピードになる可能性は高いわね。シュウの配下の者が支配下にないモノを倒せばDPが手に入るんだっけ? それなら、この森の魔物の一部にDPと経験値になってもらえばいいんじゃないかしら?」
「あ~それありだな。それなりの時間ここにいるつもりで準備してもらったから、今日明日位のベースになる場所を探して、そこを中心に狩りをしようか。ベースが決まったら娘たちにはいつもの三組に分かれてもらって、ベースではシルキーたちに野営の準備をしてもらおう。
美味い料理が食べれるとモチベーションも上がるからな。ベースの周辺は一応DPを使って掌握して、リビングアーマーに護衛をしてもらおう。俺とカエデ、ニコ、ハク、ギン、クロでもう一組作って次の野営地を探索するか。俺とカエデがウォーホースに乗って移動すれば移動範囲が広がるしそれでいくか」
みんなに移動のペースを上げるように伝える。ある程度奥へ行ってからベースを作らないと魔物の討伐数が稼げないからな。危険は増えるがこのメンバーなら問題ないだろう。野営の時は、寝ずの番ができるリビングアーマーとニコがいるから何の問題もないだろう。
それに、野営とは言葉だけでDPでプチダンジョンを作る予定だ。DP的に問題はないが使い終わったら入口を塞ぐ予定だからあまり豪華な空間を作る予定はないけどね。
三時間ほど進んで、ひらけた空間に出た。池の様なものもあり魔物が寄り付きそうな絶好の狩りスポットではないだろうか?
「よーし、ここの外れにプチダンジョン作るから少し待ってくれ」
みんなに声をかけて、一番近い掌握場所から一直線に俺のいる場所まで掌握する。掌握したところにダンジョンの入り口を設置して空間を作成した。食堂兼キッチンと寝る場所、浴槽を作成する。ここは温泉ではなく広めの浴槽を設置した。
水は召喚するのにもDPはたいしてかからないので、そこにオプションで少し熱めにして配置すれば、あら不思議お風呂が完成してしまう。とはいっても、今入れるとぬるくなってしまうだけなのでお風呂に入る前に入れるようにすれば完璧だろう。
案内をしていると、ピーチが近づいてきて声をかけてきた。
「あの、ご主人様? 野営はされないのですか?」
「え? せっかくダンジョン作ったけど? 駄目だった?」
「いえ、そういうわけではないのですが、てっきり森の中でテントとかを建ててするものだと思ってまして、びっくりしてしまったというか何というか……森の中なのに安全な場所で休める状況が素晴らしいと言いますか……」
「今回はスタンピードの可能性も高いわけだから、休憩できるときはしっかりできるようにしたいと考えた結果こういう形にしてみた。夜は入口にリビングアーマーを置いておけば、侵入してくるヤツもいないから安心して休めるだろ。レイリー、訓練として夜の戦闘もやるのも悪くないと俺は考えてるけどどうかな?」
「そうですね、夜戦の訓練は後々いい経験になると思いますよ。視界の悪い中、仲間との連携、攻撃の難しさを知るのも大切なことだと思います。この経験があればさらに立派な冒険者になれると思います」
「やっぱり、経験を積ませるって意味ではいい教材になりそうだな。俺も少しは経験を積みたいから夜戦はやりたいところなんだよな。ニコ、ハク、ギン、クロを護衛につけておけば許可してくれるよな? そろそろ昼飯にしよう。だいぶ遅くなったけどシルキーたちが準備してくれてるから食べに行こう」
最近、俺の単独行動は娘たちによって却下されている。「ご主人様に何かあれば私たちも全員後を追います」と言われてしまっては、死ぬつもりはないが本当に何かあったらと思うと従わざるを得ないね。娘たちが最低でも二人以上つかないと屋敷の外に出られなくなった。
過保護が辛く感じるよ。従魔たちはステータス的に娘たち(シュリを除く)より上だからその四匹が護衛につくなら許可をくれるだろう。
今回は、俺・カエデ・娘たち全員・レイリーの他に、ニコ・ハク・ギン・クロの従魔たち+リビングアーマー(ミスリル)を二体連れて行く。Bランク以上のクエストだが、シュウにとってはみんなで初めての遠足の様なイベントとして考えていた。
獣道の森には、おいしい肉をドロップする魔物もいるとのことで、BBQができるかもしれないとわくわくしている。魔獣の住む森の中でBBQのような、においの広がる食事をするのは本来であれば自殺行為に近いのだが、そんなことも考えずに楽しむことだけを考えていた。
準備ができたので、全員馬車に乗り獣道の森へと出発する。馬車で一時間ほど進むと獣道の森が見えてきた。みんなにそろそろ準備をするように声をかけるが、一人足りないことに気付いた。
年少組の馬車の中のメンバーが少なかったのだ。どこ行ったか尋ねようとする前に、誰がいなかったのかが判明する。
クロの背中にしがみついて乗っているシェリルが、「はやーい、もっともっと!」と楽しそうな声を上げて横を通り過ぎて行ったのだ。
「シェリル、そろそろ準備しろよ~クロもお遊びはいったん止めろよ」
「は~い、クロちゃん馬車に戻って」
「アオーン」
クロよ、お前は俺の従魔じゃなかったのか? 俺の言葉には返事もしないのに何故!
しばらくして、獣道の森へ到着した。馬車で入るにはさすがに道がなく、無理なので馬車を収納の腕輪にしまってもらう。ここからは徒歩での行動になった。
「ライラ・マリー・ソフィーを中心に索敵、隊列を組んで襲撃に備えろ。タンクはいつでもタゲ取りできるように注意をはらえ」
娘たちが索敵に入るのと同時にカエデが俺に近付いてきた。
「ねぇ、シュウの索敵があれば、あの娘たちにやらせる必要ないんじゃない?」
「確かに俺が全部やれば娘たちより効率よくできるだろうけど、それじゃあトレーニングにならないじゃん。俺も索敵するし、ハクやギンやクロの索敵の能力高いぞ種族特性か、嗅覚上昇があるから索敵以上に敵を見つけるのがうまいんだよな。こいつらにも不意打ちされそうになったら助けるようにいってあるから大丈夫だろう」
カエデは俺の意見を聞いて納得したように頷いた。そのまま森の奥へと進んでいく。
一時間も歩かないうちに五回の襲撃で総数二十四匹の魔物が襲ってきた。亜人の森ではここまでエンカウント率は高くなかったが、獣道の森ではこれが普通なのだろうか? ここにきて初めて森へ入った弊害が出てしまった。とりあえず、カエデに聞いてみることに。
「ん~そうね、私もここに来るのは初めてだから何とも言えないけど、森みたいな魔物が生息している場所でも、コロニーがないのに一時間で二十四匹は多いと思うわね。獣系の魔物だから反応する範囲が広い可能性は捨てきれないけど、それでも二十四匹は多いんじゃないかしら?」
やっぱり二十四匹は多い可能性が高いか、ボヤいているとレイリーが声をかけてきた。
「主殿、以前年少組の引率でこの森に来た際には、ここまで遭遇率は高くありませんでした。森の中に六時間ほどいて、採取系のクエストをこなしましたが、その時でおそらく五十匹前後の魔物に遭遇したと思われます。それを考えると、森の異常が魔物の異常発生の可能性が高い可能性があります」
「ギルドの講習会でそんな内容があったな。ダンジョンや魔物の多い場所では、スタンピードが起こることがあるだったっけ? その理由として異常繁殖があげられるみたいなことを言ってたな。今はスタンピードになる前の状態って可能性があるのか?」
「確かに言われてみれば、状況的にスタンピードになる可能性は高いわね。シュウの配下の者が支配下にないモノを倒せばDPが手に入るんだっけ? それなら、この森の魔物の一部にDPと経験値になってもらえばいいんじゃないかしら?」
「あ~それありだな。それなりの時間ここにいるつもりで準備してもらったから、今日明日位のベースになる場所を探して、そこを中心に狩りをしようか。ベースが決まったら娘たちにはいつもの三組に分かれてもらって、ベースではシルキーたちに野営の準備をしてもらおう。
美味い料理が食べれるとモチベーションも上がるからな。ベースの周辺は一応DPを使って掌握して、リビングアーマーに護衛をしてもらおう。俺とカエデ、ニコ、ハク、ギン、クロでもう一組作って次の野営地を探索するか。俺とカエデがウォーホースに乗って移動すれば移動範囲が広がるしそれでいくか」
みんなに移動のペースを上げるように伝える。ある程度奥へ行ってからベースを作らないと魔物の討伐数が稼げないからな。危険は増えるがこのメンバーなら問題ないだろう。野営の時は、寝ずの番ができるリビングアーマーとニコがいるから何の問題もないだろう。
それに、野営とは言葉だけでDPでプチダンジョンを作る予定だ。DP的に問題はないが使い終わったら入口を塞ぐ予定だからあまり豪華な空間を作る予定はないけどね。
三時間ほど進んで、ひらけた空間に出た。池の様なものもあり魔物が寄り付きそうな絶好の狩りスポットではないだろうか?
「よーし、ここの外れにプチダンジョン作るから少し待ってくれ」
みんなに声をかけて、一番近い掌握場所から一直線に俺のいる場所まで掌握する。掌握したところにダンジョンの入り口を設置して空間を作成した。食堂兼キッチンと寝る場所、浴槽を作成する。ここは温泉ではなく広めの浴槽を設置した。
水は召喚するのにもDPはたいしてかからないので、そこにオプションで少し熱めにして配置すれば、あら不思議お風呂が完成してしまう。とはいっても、今入れるとぬるくなってしまうだけなのでお風呂に入る前に入れるようにすれば完璧だろう。
案内をしていると、ピーチが近づいてきて声をかけてきた。
「あの、ご主人様? 野営はされないのですか?」
「え? せっかくダンジョン作ったけど? 駄目だった?」
「いえ、そういうわけではないのですが、てっきり森の中でテントとかを建ててするものだと思ってまして、びっくりしてしまったというか何というか……森の中なのに安全な場所で休める状況が素晴らしいと言いますか……」
「今回はスタンピードの可能性も高いわけだから、休憩できるときはしっかりできるようにしたいと考えた結果こういう形にしてみた。夜は入口にリビングアーマーを置いておけば、侵入してくるヤツもいないから安心して休めるだろ。レイリー、訓練として夜の戦闘もやるのも悪くないと俺は考えてるけどどうかな?」
「そうですね、夜戦の訓練は後々いい経験になると思いますよ。視界の悪い中、仲間との連携、攻撃の難しさを知るのも大切なことだと思います。この経験があればさらに立派な冒険者になれると思います」
「やっぱり、経験を積ませるって意味ではいい教材になりそうだな。俺も少しは経験を積みたいから夜戦はやりたいところなんだよな。ニコ、ハク、ギン、クロを護衛につけておけば許可してくれるよな? そろそろ昼飯にしよう。だいぶ遅くなったけどシルキーたちが準備してくれてるから食べに行こう」
最近、俺の単独行動は娘たちによって却下されている。「ご主人様に何かあれば私たちも全員後を追います」と言われてしまっては、死ぬつもりはないが本当に何かあったらと思うと従わざるを得ないね。娘たちが最低でも二人以上つかないと屋敷の外に出られなくなった。
過保護が辛く感じるよ。従魔たちはステータス的に娘たち(シュリを除く)より上だからその四匹が護衛につくなら許可をくれるだろう。
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