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第42話 テンプレに遭遇
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シュウ達は、空いてきた冒険者ギルドの中を進んでミリーのいる受付を目指した。
「ミリーさん、冒険者登録をしてもらいたい娘たちがいるんですがいいですか?」
「え? もしかしてこの娘たち全員?」
「はい、ここにいる娘たち二十二人と、こっちの人もお願いします」
「後ろの娘たちは分かるけど、この前にいる娘たちもですか?」
「そうですね。まぁ歳を考えると早いですが、それなりに訓練はしているので大丈夫だと思います。この娘たちの引率にこのレイリーもつける予定なので問題ないですよ」
「そういう事ですか、年齢制限はありませんから拒否はできないんですけどね。登録をしますが、準備しないとカードが足りないので少しお待ちください」
ミリーが奥へ入っていく。しばらくすると、他のギルド職員を二名連れてきた。
「お待たせしました。人数が多いので応援を呼んできました。では、順々に登録していくので並んでください」
娘たちがミリーの指示を聞いて、三列に並んで登録を始める。
半分程登録が終わった頃に冒険者ギルドの扉が荒々しく開かれた。五人組の見て分かるほどの粗暴な輩が入ってきた。
「おいおい、ここはいつから子供が集まる場所になったんだ? 小便臭いガキ共邪魔だどけ」
取り巻きの様な四人は、ゲラゲラ笑って娘たちを品定めするような目で見ている。
「ロイドさん! 冒険者に年齢制限はありませんよ。そういう言い方はやめてください」
「ふん、ミリーか。子供がいるからそういっただけだ。それに小便臭いガキだって事実だろ、邪魔なもんは邪魔だしな!」
「向こうの受付が空いてるから、どうぞそちらへ行ってください」
「つか、何でこいつらが冒険者登録なんてしてんだ? 娼館でも行って腰でもふっとけば俺も行ってやるぞ」
「おぃ木偶、お前の頭の中はゲスなことしか考えられんのか?」
「おいおいおい、Cランクのこのロイド様に楯突こうってのか? 冒険者のルールってのを教えてやろうか?」
「いえいえ、ミリーさんに教えてもらってるので大丈夫です。一つ、冒険者はその地位を使って一般人を脅してはいけない。一つ、冒険者としてのマナーある行動をすること。一つ、冒険者同士での争いには、冒険者ギルドは一切関与しない。って聞いてますよ」
「そういう事じゃねえよ! 先輩冒険者に向かって礼儀がなってねえんだよ、礼儀ってものを教えてやるからついてこい!」
「は? 遠慮するに決まってるじゃないですか。薄汚いあなたたちに着いていく理由なんてないですよ? あなたバカなんですか? あ~バカだから考えもなしにつっかかってきてるのか」
ミリーや他の受付たち、娘たちがクスクス笑っている。
笑われていることが分かったロイドの額に漫画みたいに血管が浮かんでいる。
「馬鹿にしてるのか? 覚悟できてるんだろうな、ぶっ殺すぞ!」
「おっと失礼、馬鹿にされてることに気付きましたか? これは驚きです」
ブチッ
何かが切れた音がした。
「ここまで言ったんだ、もう後にはひけねえぞ。ちょっとツラかせやボッコボコにしてやるから覚悟しとけよ」
「だから、嫌って言ってるでしょ? そんなこともわからないのか? 馬鹿なの? 死ぬの?」
限界を迎えたロイドが俺に向かって、持っていた大斧を振りかぶり攻撃を仕掛けてきた。
俺はそれをのんびり見ていると、一番近くにいたシュリが前に出てロイドとの距離を詰め柄をつかんだ。それからロイドの大斧は動くことが叶わなかった。
「くそ、女! 放しやがれ! 俺の武器に触るな!」
「ご主人様が言った通りですね。あなたはやはり馬鹿ですね。再度攻撃されるとわかっていて放すわけないじゃないですか。それにご主人様を害する輩を私たちが放置するわけないです。シェリル、手は空いてますか?」
「は~い、シェリル登録終わったから暇だよ!」
「このおじさんと遊んでみますか? メインの武器は持ってきてませんがそれでも十分倒せると思いますよ」
「え? シェリルがやっていいの? ご主人様にいいとこ見せたい!」
何か勝手に話が進んでるけどシェリルで大丈夫だろうか? ステータス的には全く問題ないとおもうのだが経験がないからな。
娘たち全員の能力向上スキルがLv六になっている。宝珠で覚えさせたのではなくダンジョンで訓練してたら勝手に覚えていたのだ。Lv一、二だったのだが、DPを使ってコッソリと強化していたのだ。
「俺様を置いて勝手に話を進めるな! 俺がこんなガキに負けるわけねえだろ! 戯言も大概にしろよ!」
「シェリル、ガキじゃないもん! 悪いおじちゃんはシェリルが退治するもん」
ガキと言われたシェリルがプンスカ怒っている姿は、ほほえましく可愛くもある。でも本人は本当に怒っているようだった。
「俺はガキだからって容赦しねえz、ブハッ! 人が話してるときにいきなり攻撃してくるとか、頭どうかしてるんじゃねえのか!?」
「おじちゃん何言ってるの? 先に攻撃してきたのはおじちゃんじゃん。ってことは、おじちゃんは頭がどうかしているんだね!」
「クソガキが死にさらせ!」
七歳の子供に向かって繰り出す攻撃ではなかった。遠巻きに見ていた他の冒険者たちや受付の人たちから悲鳴が聞こえた。
大振りの攻撃はシェリルにとって、かわしやすい攻撃だったようであっさりと避けていた。大振りをしてからぶったロイドは、体勢を崩して転がりそうになっていた。
その隙を見たシェリルが距離を詰めて、殴りやすい位置にわき腹があったので思いっきり殴っていた。
『浸透勁』
え? シェリルがスキルの発動をしていた。攻撃を食らったロイドは白い眼をむいて泡を吹いていた。
「え? ロイドさん、嘘ですよね? こんな子供の攻撃で何してるんすか?」
取り巻きの四人がロイドに近付いて様子を確認していた。
「てめえら! こんなことしてただで済むと思うなよ!」
「おじちゃんたち何言ってるの? おじちゃんたちが初めにご主人様を攻撃したんだよ。それに街中で武器を抜くのはご法度なのに抜いたのはいけない事だよ? そんなこともわからないのですか? 八歳のシェリルでもわかるのに、やっぱり馬鹿なんですか?」
「お前たちだって街中で攻撃してるじゃねえか!」
「シェリルは正当防衛です~それに短剣は持ってるけど抜いてないです~」
「屁理屈はいらねえんだよ、お前らやるぞ!」
取り巻きAが他の取り巻きに攻撃をするように命令すると一斉に襲ってきたが、年長組に取り押さえられていた。
「ミリーさん、こういう場合ってどうしたらいいですかね? この先こいつがいるとこの娘たちが害される気がするのですが、何とかなりませんか?」
「そうですね、街中で武器を抜いた挙句に殺そうとまでしていたので、Cランク冒険者だから犯罪奴隷になるんじゃないかな? それに他にもトラブルをよく起こしてたから、他にも余罪が出て来るかも。シェリルちゃんだっけ? 七歳なのにちょっと強すぎない? それに攻撃スキル使ってませんでした?」
「やっぱり攻撃スキル使ってましたよね。俺も初めて知りましたよ、あんなスキル使えるなんて……」
「ご主人様、シェリルは私たちの中で一人だけ体術の攻撃スキルが使えるようになったんですよ。綿が水を吸収するように体術を覚えてました」
ピーチからそんな報告を受けた。できればもっと早く言ってほしかったな。
「そういえば、この娘たちってシュウ君の奴隷なんですか?」
奴隷という言葉を聞いてムッとするが、部外者に俺の意見を押し付けるわけにはいかなかったけど、
「ミリーさん、この娘たちは大切な家族です!」
少し口調が強くなっていた。
「え? 何か、ごめんね。どうみてもロイドさんたちが悪いので、シュウ君たちが罪に問われることは無いので安心してください。そろそろ衛兵たちが来ると思うけど、それまで抑えてもらっていいかな?」
「オーケー、みんなもうちょっと抑えてて」
「承知しました」
衛兵が来てロイドたちを受け渡しする。ミリーがここで起きた事を説明してくれたので、俺たちから聴取されることはなかった。
後で知ったことだが、ロイドたちにはやはり余罪があり強姦・強盗・殺人等々、そんな奴がよくCランク冒険者になれたな。
娘たち全員の登録が済んだので、ミリーにお礼を言って自由行動にした。年少組にはレイリーが付いて行く事になっている。おじいちゃんが孫の面倒を見ているような微笑ましい光景だった。
俺とカエデはそのまま拠点に戻った
「ミリーさん、冒険者登録をしてもらいたい娘たちがいるんですがいいですか?」
「え? もしかしてこの娘たち全員?」
「はい、ここにいる娘たち二十二人と、こっちの人もお願いします」
「後ろの娘たちは分かるけど、この前にいる娘たちもですか?」
「そうですね。まぁ歳を考えると早いですが、それなりに訓練はしているので大丈夫だと思います。この娘たちの引率にこのレイリーもつける予定なので問題ないですよ」
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「おいおい、ここはいつから子供が集まる場所になったんだ? 小便臭いガキ共邪魔だどけ」
取り巻きの様な四人は、ゲラゲラ笑って娘たちを品定めするような目で見ている。
「ロイドさん! 冒険者に年齢制限はありませんよ。そういう言い方はやめてください」
「ふん、ミリーか。子供がいるからそういっただけだ。それに小便臭いガキだって事実だろ、邪魔なもんは邪魔だしな!」
「向こうの受付が空いてるから、どうぞそちらへ行ってください」
「つか、何でこいつらが冒険者登録なんてしてんだ? 娼館でも行って腰でもふっとけば俺も行ってやるぞ」
「おぃ木偶、お前の頭の中はゲスなことしか考えられんのか?」
「おいおいおい、Cランクのこのロイド様に楯突こうってのか? 冒険者のルールってのを教えてやろうか?」
「いえいえ、ミリーさんに教えてもらってるので大丈夫です。一つ、冒険者はその地位を使って一般人を脅してはいけない。一つ、冒険者としてのマナーある行動をすること。一つ、冒険者同士での争いには、冒険者ギルドは一切関与しない。って聞いてますよ」
「そういう事じゃねえよ! 先輩冒険者に向かって礼儀がなってねえんだよ、礼儀ってものを教えてやるからついてこい!」
「は? 遠慮するに決まってるじゃないですか。薄汚いあなたたちに着いていく理由なんてないですよ? あなたバカなんですか? あ~バカだから考えもなしにつっかかってきてるのか」
ミリーや他の受付たち、娘たちがクスクス笑っている。
笑われていることが分かったロイドの額に漫画みたいに血管が浮かんでいる。
「馬鹿にしてるのか? 覚悟できてるんだろうな、ぶっ殺すぞ!」
「おっと失礼、馬鹿にされてることに気付きましたか? これは驚きです」
ブチッ
何かが切れた音がした。
「ここまで言ったんだ、もう後にはひけねえぞ。ちょっとツラかせやボッコボコにしてやるから覚悟しとけよ」
「だから、嫌って言ってるでしょ? そんなこともわからないのか? 馬鹿なの? 死ぬの?」
限界を迎えたロイドが俺に向かって、持っていた大斧を振りかぶり攻撃を仕掛けてきた。
俺はそれをのんびり見ていると、一番近くにいたシュリが前に出てロイドとの距離を詰め柄をつかんだ。それからロイドの大斧は動くことが叶わなかった。
「くそ、女! 放しやがれ! 俺の武器に触るな!」
「ご主人様が言った通りですね。あなたはやはり馬鹿ですね。再度攻撃されるとわかっていて放すわけないじゃないですか。それにご主人様を害する輩を私たちが放置するわけないです。シェリル、手は空いてますか?」
「は~い、シェリル登録終わったから暇だよ!」
「このおじさんと遊んでみますか? メインの武器は持ってきてませんがそれでも十分倒せると思いますよ」
「え? シェリルがやっていいの? ご主人様にいいとこ見せたい!」
何か勝手に話が進んでるけどシェリルで大丈夫だろうか? ステータス的には全く問題ないとおもうのだが経験がないからな。
娘たち全員の能力向上スキルがLv六になっている。宝珠で覚えさせたのではなくダンジョンで訓練してたら勝手に覚えていたのだ。Lv一、二だったのだが、DPを使ってコッソリと強化していたのだ。
「俺様を置いて勝手に話を進めるな! 俺がこんなガキに負けるわけねえだろ! 戯言も大概にしろよ!」
「シェリル、ガキじゃないもん! 悪いおじちゃんはシェリルが退治するもん」
ガキと言われたシェリルがプンスカ怒っている姿は、ほほえましく可愛くもある。でも本人は本当に怒っているようだった。
「俺はガキだからって容赦しねえz、ブハッ! 人が話してるときにいきなり攻撃してくるとか、頭どうかしてるんじゃねえのか!?」
「おじちゃん何言ってるの? 先に攻撃してきたのはおじちゃんじゃん。ってことは、おじちゃんは頭がどうかしているんだね!」
「クソガキが死にさらせ!」
七歳の子供に向かって繰り出す攻撃ではなかった。遠巻きに見ていた他の冒険者たちや受付の人たちから悲鳴が聞こえた。
大振りの攻撃はシェリルにとって、かわしやすい攻撃だったようであっさりと避けていた。大振りをしてからぶったロイドは、体勢を崩して転がりそうになっていた。
その隙を見たシェリルが距離を詰めて、殴りやすい位置にわき腹があったので思いっきり殴っていた。
『浸透勁』
え? シェリルがスキルの発動をしていた。攻撃を食らったロイドは白い眼をむいて泡を吹いていた。
「え? ロイドさん、嘘ですよね? こんな子供の攻撃で何してるんすか?」
取り巻きの四人がロイドに近付いて様子を確認していた。
「てめえら! こんなことしてただで済むと思うなよ!」
「おじちゃんたち何言ってるの? おじちゃんたちが初めにご主人様を攻撃したんだよ。それに街中で武器を抜くのはご法度なのに抜いたのはいけない事だよ? そんなこともわからないのですか? 八歳のシェリルでもわかるのに、やっぱり馬鹿なんですか?」
「お前たちだって街中で攻撃してるじゃねえか!」
「シェリルは正当防衛です~それに短剣は持ってるけど抜いてないです~」
「屁理屈はいらねえんだよ、お前らやるぞ!」
取り巻きAが他の取り巻きに攻撃をするように命令すると一斉に襲ってきたが、年長組に取り押さえられていた。
「ミリーさん、こういう場合ってどうしたらいいですかね? この先こいつがいるとこの娘たちが害される気がするのですが、何とかなりませんか?」
「そうですね、街中で武器を抜いた挙句に殺そうとまでしていたので、Cランク冒険者だから犯罪奴隷になるんじゃないかな? それに他にもトラブルをよく起こしてたから、他にも余罪が出て来るかも。シェリルちゃんだっけ? 七歳なのにちょっと強すぎない? それに攻撃スキル使ってませんでした?」
「やっぱり攻撃スキル使ってましたよね。俺も初めて知りましたよ、あんなスキル使えるなんて……」
「ご主人様、シェリルは私たちの中で一人だけ体術の攻撃スキルが使えるようになったんですよ。綿が水を吸収するように体術を覚えてました」
ピーチからそんな報告を受けた。できればもっと早く言ってほしかったな。
「そういえば、この娘たちってシュウ君の奴隷なんですか?」
奴隷という言葉を聞いてムッとするが、部外者に俺の意見を押し付けるわけにはいかなかったけど、
「ミリーさん、この娘たちは大切な家族です!」
少し口調が強くなっていた。
「え? 何か、ごめんね。どうみてもロイドさんたちが悪いので、シュウ君たちが罪に問われることは無いので安心してください。そろそろ衛兵たちが来ると思うけど、それまで抑えてもらっていいかな?」
「オーケー、みんなもうちょっと抑えてて」
「承知しました」
衛兵が来てロイドたちを受け渡しする。ミリーがここで起きた事を説明してくれたので、俺たちから聴取されることはなかった。
後で知ったことだが、ロイドたちにはやはり余罪があり強姦・強盗・殺人等々、そんな奴がよくCランク冒険者になれたな。
娘たち全員の登録が済んだので、ミリーにお礼を言って自由行動にした。年少組にはレイリーが付いて行く事になっている。おじいちゃんが孫の面倒を見ているような微笑ましい光景だった。
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