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第23話 久々の一人でクエスト
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拠点も確保できたが、DPはまだ貯まってないため、することが今のところなかったりする。
暇な時間を怠惰に過ごしてもいいかと思わなくもないが、カエデにせっかく武器を作ってもらったので試しておきたいところだ。
クエストでも受けて、奴隷の購入用に少しお金でも貯めるか? シルキーたちの補佐的ポジションでも数名購入するつもりなのだ。もし手に入るようなら戦闘用の奴隷もほしいところである。
ヘイトを稼げるタンク的ポジションと魔法を中心としたアタッカーと弓を使った遠距離攻撃とデバッファー、パーティーで一番重要なヒーラー兼バッファーを購入したいところではあるが、後衛職は高いらしいので見込みの高い奴隷で戦闘を希望する者を強くしてもいいかと思っている。
スキルはDPで宝珠を出して覚えられるので、本人のやる気と適性がマッチすれば候補として入れてもいいかなと考えている。
何にしても基本的な戦闘スキルがないうちにスキルを覚えても無駄なので、DPで低級ダンジョンでも作って戦闘訓練させるのもいいかもしれない。
カエデを誘ってクエストにでも行くかな。
「私、今日は鍛冶場に籠るよ。昨日ちょっと作りかけた装備があるから仕上げちゃいたいんだ。無理しない程度に簡単なクエストで試し切りしてきなよ」
「ん~そうするわ、ミリーさんにでもいいクエスト見繕ってもらうか」
今日の予定を頭の中で組み立てながら冒険者ギルドへ向っていた。昼飯忘れた。
こういう時は満腹亭で聞いてみるのがいい! 拠点からギルドへの通り道に満腹亭があるのでおばちゃんの顔を見がてら聞いてみよう。
「おばちゃん、おはよう!」
「あら、シュウじゃない、今朝ご飯食べに降りてこないと思って、間違って部屋に起こしにいったわよ。昨日でチェックアウトしたの忘れててね。何しに来たんだい?」
「お昼忘れたことに気付いて、おばちゃんの顔をみにきたついでに、昼食を準備してもらえないかと思って寄ったんです」
「お昼忘れたのかね、うちの主人も間違えてシュウに作ったサンドイッチがあるからちょうどいいさね。そういえば宿に泊まってないってことはどっかに家でも借りたのかい?」
おばちゃんは、世間話をしながらコックのおっちゃんに間違って作ったサンドイッチを持ってくるように言っていた。
「一緒にパーティー組んでたカエデって娘覚えてる?あいつと一緒に金を出して古い大きな倉庫を買ったんだよ。今はそこに住んでるんだ。カエデが大工ができるって言ってたから家の方は任せてあるんだ。
家作るにもお金がかかるから、とりあえず役に立たない俺は冒険者ギルドにいってクエスト受けてお金稼ぎですよ」
以前カエデと話していた拠点を手に入れた時の設定に少し手を加えておばちゃんに話していく。
「冒険者がパーティーで自分たちの家を買って、そこを拠点に活動するって話はよく聞くけど、男女が一緒の家ってあまり聞かないわね。男所帯なら奴隷を買って料理や下世話をさせたりするってきくけどね。準備できたよ」
「まぁ同じ家といっても部屋も分けるわけですし、カエデは工房を持ちたいって言ってたから拠点に併設して作る予定なんだ。一応、食事や拠点の維持と戦闘用に奴隷を買おうかと思ってはいますね」
「奴隷をどう使おうか文句は言われないけど、望んで奴隷になってる人なんていないから犯罪奴隷じゃなかったらひどい扱いしないでやっておくれよ」
「あ~奴隷だからとか言って不遇にするつもりはないですよ。大変なこともあるかもしれないけど、食事や寝る場所はしっかりするつもりです。カエデと話し合って決めたのでそこらへんは問題ないかな。おばちゃん弁当ありがとね、これお代ね」
いつものように500フランを取り出して机の上に置いておばちゃんにお礼を言い冒険者ギルドへ向う。
朝の冒険者ギルドは混んでいる。日帰りのクエストを受けるにも数日かかるクエも朝受けないといいクエストがなくなってしまうためだ。
ちなみにクエストが更新されるの、朝六時の鐘が鳴った時に張り出される為、早い冒険者たちはその前からギルドに集まってくるのだ。
ただ今7時30分、冒険者ギルドの中には100人前後いるのではないかと思うほどの密集具合だった。人口4万人の街に冒険者が何人くらいいるのが普通なんだろな?
入れ替わりがあったとして400人いたら人口の1パーセントか……多いのか? 少ないのか? 考えてみたが基準が分からないのに、多い少ないなんて分からないじゃないか! 考えるだけ無駄だったか。
Dランクのクエストボードを眺めてよさそうなクエストがないか物色を始める。
何でDランクのボードかって? それはカエデと一緒にクエストをこなしてたときにポイントが貯まったようで、Dランクに昇格できたのだ。
討伐系のクエストがあるといいんだけどな、ソロだからDよりE付近の討伐クエの方が安全かな~、オーク肉ならシルキーたちのお土産にもなるし、試し切りにはちょうどいい相手な気がするな。
情報を得るためにカウンターへ向かう。もちろん猫耳ミリーさんのところへ!
「おはようございますミリーさん。少しいいですか?」
「シュウ君、おはよう。この時間にギルドに来るの久しぶりじゃない? 聞きたいことって何かな?」
「この時間は初めてかもしれないですね。常時クエストの討伐系をこなしてからギルドに来てましたからね。それで、武器を新しくしたので試し切りもかねてオークの討伐でもしようかと思いまして、最近数が増えてきたとかないですかね?」
「オークが増えている確証はないですが、最近討伐依頼のクエが複数処理されてたわ。話を聞くと、亜人の森の入り口から5キロメートルは入らないと出てこなかったオークたちが最近は2~3キロメートル位のところで出てくるみたいよ」
「ん~普通に考えて数が増えて森の奥から出てきたか、苗床がいなくて外に出てきた可能性か。3キロメートル付近を中心に探索して様子を見てみようかな?」
「無理はしないでくださいね。そのあたりを探索するなら『水晶花』を五個以上採取してきてくれると助かるわ。錬金術ギルドからちょっと品不足で依頼が入ったんだけど、報酬が安いからわざわざ受けようとする人がいなくてね。無くなると冒険者ギルドにも影響が出てくるから気が向いたら採取してきてほしいです」
「水晶花って以前も採ってきたあれですか? 何に使ってるか知らないけど、困るんですか……見つけたら採取してきますね」
「シュウ君ありがと! 一応クエスト受理しておくね。半指名依頼的な扱いでちょっと冒険者ギルドとして色つけれるから! 採取できなくても何の問題もないから気楽にね」
「今回もミリーさんにのせられた感じですね、行ってきます」
ミリーに見送られて、ギルドを後にする。街の外に出ても森に着くまで特に変わったこともなく到着する。
以前ゴブリンのコロニーを潰した時に掌握したエリアを索敵しながら進んでいく。なぜここを使っているかというと、森に迷わない様にってこともあるが以前コロニーのあったところに7匹ほどのオークの反応があるため様子を見に向かっている所なのだ。
かなり浅い位置にオークがいたな。
木の陰からオークたちの様子をうかがうと、何やら木を倒し整地しているような印象である。コロニーができたら建物も建てるっていうから、その前段階だったりするのかな? ゴブリンでもこの位置にできたら大騒ぎをしそうだったのに、オークだったらかなり危険ってことだよな。
今回は運よく上位種や強化種はいないようなので問題なく蹂躙できる質と量なはずだ。
といっても、分断できるなら分断して安全に対処するんだけどね!
十分くらい様子を見ていると、3匹と4匹に別かれて木をそれぞれ違うとこに運ぼうとしていた。3匹の方にばれない様についていき隙をうかがう。
1匹は、確実に不意打ちで仕留めて混乱している最中にもう1匹を仕留めて、最後に一対一で圧倒する。これが今回のシナリオだ。
3匹の後ろに忍び寄り、首を後ろから一気に突き命を刈り取る。一番後ろにいたオークが殺されたことに残りのオークが気付き、取り乱すことなく2匹は連携を取り始めた。
「うげ……マジかよ、一瞬も混乱する事無く戦闘に移るとか勘弁しろよ」
態勢を整えたオーク達は左右から挟むように位置を変えてくる。
何で左右に……相手の行動が読み取れず俺は困惑している。一撃で倒すことができる相手に分かれて挟み打ち? どっちかが殺されてる間に背後をとるとか?
所詮オーク、色々考えても解るわけがない。俺は雷を全身に付与して片方のオークをきり飛ばす。薙刀の流れを利用してもう1匹のオークの方へ振り向くと……オークが動かず固まっていた。
俺は、オークたちが圧倒的強者の存在に気付き動けなくなっていることを理解していなかった。それにしては、よく立て直して俺に攻撃をしてきたものだ。
立て直される前に切り飛ばしとどめを刺す。
オークのドロップ品を拾っていく。
ちなみにオークの討伐部位は豚鼻でオーク肉も1キログラム位の塊を九割以上の確率で落とすのだ。同じ部位ではなく、毎回違う部位がドロップするのだ。ドロップ品と討伐部位を収納の腕輪にしまっていく。
この収容の腕輪は、カエデの持っているランクの高いものではなく、Eランクで300キログラム位まで収容できる腕輪で、カエデが昔使っていたおさがりを借りた形だ。
アイテムを拾っていると、索敵の範囲内に敵の反応が入ってくる。
あわてて武器を構えて相対する。
4匹のオークが半円で囲むように距離をつめてきていた。ゴブリンと違いオークは体がデカいため威圧感があるな。ゴブリンの身長が一メートル位、オークは二メートルを超え幅もあるため並ばれると腰が若干ひける。
向かい合った以上、倒すべき相手。今度は雷付与ではなく、能力向上スキルに魔力を込めて能力を向上させる。
準備が整った俺は、4匹のオークに薙刀が届く位置まで一気に距離をつめ、柄尻を持ち遠心力を利用しての大なぎ払いをする。綺麗に4匹の豚の頭がずり落ちる。
思っていたよりあっさりと終わってしまった。討伐部位とドロップ品を回収して、今回の目標である水晶花を採るために、さらに奥へ進んでいく。
索敵を使用しながら2キロメートル程進んでいくが、魔物に出くわす事もなくいつもより静かな森の中を水晶花を求めて進んでいく。
水晶花は、綺麗な水場の近くに咲く花で湧水のでるところに咲くことが多い。森に入ってからから4キロメートル位進んだところに川を見つけ、上流へ向って進んでいく。
この森の中にはいくつもの湧水が出ている池があり、そこから川が流れているため上流へ向かっていくと湧水の池にたどり着けるのだ。
池にたどり着くと、七輪の水晶花を見つけることができた。
クエストもクリアできた事なので、いったん休憩をとることにした。満腹亭の特製サンドイッチは相変わらず美味い、シルキーたちはこれを再現することができないかな?
どうでもいいことを考えながら休憩をとっていた。
暇な時間を怠惰に過ごしてもいいかと思わなくもないが、カエデにせっかく武器を作ってもらったので試しておきたいところだ。
クエストでも受けて、奴隷の購入用に少しお金でも貯めるか? シルキーたちの補佐的ポジションでも数名購入するつもりなのだ。もし手に入るようなら戦闘用の奴隷もほしいところである。
ヘイトを稼げるタンク的ポジションと魔法を中心としたアタッカーと弓を使った遠距離攻撃とデバッファー、パーティーで一番重要なヒーラー兼バッファーを購入したいところではあるが、後衛職は高いらしいので見込みの高い奴隷で戦闘を希望する者を強くしてもいいかと思っている。
スキルはDPで宝珠を出して覚えられるので、本人のやる気と適性がマッチすれば候補として入れてもいいかなと考えている。
何にしても基本的な戦闘スキルがないうちにスキルを覚えても無駄なので、DPで低級ダンジョンでも作って戦闘訓練させるのもいいかもしれない。
カエデを誘ってクエストにでも行くかな。
「私、今日は鍛冶場に籠るよ。昨日ちょっと作りかけた装備があるから仕上げちゃいたいんだ。無理しない程度に簡単なクエストで試し切りしてきなよ」
「ん~そうするわ、ミリーさんにでもいいクエスト見繕ってもらうか」
今日の予定を頭の中で組み立てながら冒険者ギルドへ向っていた。昼飯忘れた。
こういう時は満腹亭で聞いてみるのがいい! 拠点からギルドへの通り道に満腹亭があるのでおばちゃんの顔を見がてら聞いてみよう。
「おばちゃん、おはよう!」
「あら、シュウじゃない、今朝ご飯食べに降りてこないと思って、間違って部屋に起こしにいったわよ。昨日でチェックアウトしたの忘れててね。何しに来たんだい?」
「お昼忘れたことに気付いて、おばちゃんの顔をみにきたついでに、昼食を準備してもらえないかと思って寄ったんです」
「お昼忘れたのかね、うちの主人も間違えてシュウに作ったサンドイッチがあるからちょうどいいさね。そういえば宿に泊まってないってことはどっかに家でも借りたのかい?」
おばちゃんは、世間話をしながらコックのおっちゃんに間違って作ったサンドイッチを持ってくるように言っていた。
「一緒にパーティー組んでたカエデって娘覚えてる?あいつと一緒に金を出して古い大きな倉庫を買ったんだよ。今はそこに住んでるんだ。カエデが大工ができるって言ってたから家の方は任せてあるんだ。
家作るにもお金がかかるから、とりあえず役に立たない俺は冒険者ギルドにいってクエスト受けてお金稼ぎですよ」
以前カエデと話していた拠点を手に入れた時の設定に少し手を加えておばちゃんに話していく。
「冒険者がパーティーで自分たちの家を買って、そこを拠点に活動するって話はよく聞くけど、男女が一緒の家ってあまり聞かないわね。男所帯なら奴隷を買って料理や下世話をさせたりするってきくけどね。準備できたよ」
「まぁ同じ家といっても部屋も分けるわけですし、カエデは工房を持ちたいって言ってたから拠点に併設して作る予定なんだ。一応、食事や拠点の維持と戦闘用に奴隷を買おうかと思ってはいますね」
「奴隷をどう使おうか文句は言われないけど、望んで奴隷になってる人なんていないから犯罪奴隷じゃなかったらひどい扱いしないでやっておくれよ」
「あ~奴隷だからとか言って不遇にするつもりはないですよ。大変なこともあるかもしれないけど、食事や寝る場所はしっかりするつもりです。カエデと話し合って決めたのでそこらへんは問題ないかな。おばちゃん弁当ありがとね、これお代ね」
いつものように500フランを取り出して机の上に置いておばちゃんにお礼を言い冒険者ギルドへ向う。
朝の冒険者ギルドは混んでいる。日帰りのクエストを受けるにも数日かかるクエも朝受けないといいクエストがなくなってしまうためだ。
ちなみにクエストが更新されるの、朝六時の鐘が鳴った時に張り出される為、早い冒険者たちはその前からギルドに集まってくるのだ。
ただ今7時30分、冒険者ギルドの中には100人前後いるのではないかと思うほどの密集具合だった。人口4万人の街に冒険者が何人くらいいるのが普通なんだろな?
入れ替わりがあったとして400人いたら人口の1パーセントか……多いのか? 少ないのか? 考えてみたが基準が分からないのに、多い少ないなんて分からないじゃないか! 考えるだけ無駄だったか。
Dランクのクエストボードを眺めてよさそうなクエストがないか物色を始める。
何でDランクのボードかって? それはカエデと一緒にクエストをこなしてたときにポイントが貯まったようで、Dランクに昇格できたのだ。
討伐系のクエストがあるといいんだけどな、ソロだからDよりE付近の討伐クエの方が安全かな~、オーク肉ならシルキーたちのお土産にもなるし、試し切りにはちょうどいい相手な気がするな。
情報を得るためにカウンターへ向かう。もちろん猫耳ミリーさんのところへ!
「おはようございますミリーさん。少しいいですか?」
「シュウ君、おはよう。この時間にギルドに来るの久しぶりじゃない? 聞きたいことって何かな?」
「この時間は初めてかもしれないですね。常時クエストの討伐系をこなしてからギルドに来てましたからね。それで、武器を新しくしたので試し切りもかねてオークの討伐でもしようかと思いまして、最近数が増えてきたとかないですかね?」
「オークが増えている確証はないですが、最近討伐依頼のクエが複数処理されてたわ。話を聞くと、亜人の森の入り口から5キロメートルは入らないと出てこなかったオークたちが最近は2~3キロメートル位のところで出てくるみたいよ」
「ん~普通に考えて数が増えて森の奥から出てきたか、苗床がいなくて外に出てきた可能性か。3キロメートル付近を中心に探索して様子を見てみようかな?」
「無理はしないでくださいね。そのあたりを探索するなら『水晶花』を五個以上採取してきてくれると助かるわ。錬金術ギルドからちょっと品不足で依頼が入ったんだけど、報酬が安いからわざわざ受けようとする人がいなくてね。無くなると冒険者ギルドにも影響が出てくるから気が向いたら採取してきてほしいです」
「水晶花って以前も採ってきたあれですか? 何に使ってるか知らないけど、困るんですか……見つけたら採取してきますね」
「シュウ君ありがと! 一応クエスト受理しておくね。半指名依頼的な扱いでちょっと冒険者ギルドとして色つけれるから! 採取できなくても何の問題もないから気楽にね」
「今回もミリーさんにのせられた感じですね、行ってきます」
ミリーに見送られて、ギルドを後にする。街の外に出ても森に着くまで特に変わったこともなく到着する。
以前ゴブリンのコロニーを潰した時に掌握したエリアを索敵しながら進んでいく。なぜここを使っているかというと、森に迷わない様にってこともあるが以前コロニーのあったところに7匹ほどのオークの反応があるため様子を見に向かっている所なのだ。
かなり浅い位置にオークがいたな。
木の陰からオークたちの様子をうかがうと、何やら木を倒し整地しているような印象である。コロニーができたら建物も建てるっていうから、その前段階だったりするのかな? ゴブリンでもこの位置にできたら大騒ぎをしそうだったのに、オークだったらかなり危険ってことだよな。
今回は運よく上位種や強化種はいないようなので問題なく蹂躙できる質と量なはずだ。
といっても、分断できるなら分断して安全に対処するんだけどね!
十分くらい様子を見ていると、3匹と4匹に別かれて木をそれぞれ違うとこに運ぼうとしていた。3匹の方にばれない様についていき隙をうかがう。
1匹は、確実に不意打ちで仕留めて混乱している最中にもう1匹を仕留めて、最後に一対一で圧倒する。これが今回のシナリオだ。
3匹の後ろに忍び寄り、首を後ろから一気に突き命を刈り取る。一番後ろにいたオークが殺されたことに残りのオークが気付き、取り乱すことなく2匹は連携を取り始めた。
「うげ……マジかよ、一瞬も混乱する事無く戦闘に移るとか勘弁しろよ」
態勢を整えたオーク達は左右から挟むように位置を変えてくる。
何で左右に……相手の行動が読み取れず俺は困惑している。一撃で倒すことができる相手に分かれて挟み打ち? どっちかが殺されてる間に背後をとるとか?
所詮オーク、色々考えても解るわけがない。俺は雷を全身に付与して片方のオークをきり飛ばす。薙刀の流れを利用してもう1匹のオークの方へ振り向くと……オークが動かず固まっていた。
俺は、オークたちが圧倒的強者の存在に気付き動けなくなっていることを理解していなかった。それにしては、よく立て直して俺に攻撃をしてきたものだ。
立て直される前に切り飛ばしとどめを刺す。
オークのドロップ品を拾っていく。
ちなみにオークの討伐部位は豚鼻でオーク肉も1キログラム位の塊を九割以上の確率で落とすのだ。同じ部位ではなく、毎回違う部位がドロップするのだ。ドロップ品と討伐部位を収納の腕輪にしまっていく。
この収容の腕輪は、カエデの持っているランクの高いものではなく、Eランクで300キログラム位まで収容できる腕輪で、カエデが昔使っていたおさがりを借りた形だ。
アイテムを拾っていると、索敵の範囲内に敵の反応が入ってくる。
あわてて武器を構えて相対する。
4匹のオークが半円で囲むように距離をつめてきていた。ゴブリンと違いオークは体がデカいため威圧感があるな。ゴブリンの身長が一メートル位、オークは二メートルを超え幅もあるため並ばれると腰が若干ひける。
向かい合った以上、倒すべき相手。今度は雷付与ではなく、能力向上スキルに魔力を込めて能力を向上させる。
準備が整った俺は、4匹のオークに薙刀が届く位置まで一気に距離をつめ、柄尻を持ち遠心力を利用しての大なぎ払いをする。綺麗に4匹の豚の頭がずり落ちる。
思っていたよりあっさりと終わってしまった。討伐部位とドロップ品を回収して、今回の目標である水晶花を採るために、さらに奥へ進んでいく。
索敵を使用しながら2キロメートル程進んでいくが、魔物に出くわす事もなくいつもより静かな森の中を水晶花を求めて進んでいく。
水晶花は、綺麗な水場の近くに咲く花で湧水のでるところに咲くことが多い。森に入ってからから4キロメートル位進んだところに川を見つけ、上流へ向って進んでいく。
この森の中にはいくつもの湧水が出ている池があり、そこから川が流れているため上流へ向かっていくと湧水の池にたどり着けるのだ。
池にたどり着くと、七輪の水晶花を見つけることができた。
クエストもクリアできた事なので、いったん休憩をとることにした。満腹亭の特製サンドイッチは相変わらず美味い、シルキーたちはこれを再現することができないかな?
どうでもいいことを考えながら休憩をとっていた。
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