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第20話 家を建てた
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シュウ達が購入した土地は、北がメイン道路に面しており、プライベートエリアはできる限り周りから見えない様にしておきたいので、世界樹に向かってコの字に家を建てるか。プライベートエリアが内側になるようにして、外側を奴隷たちや応対エリアとしよう。
西側に食堂、北西に休憩室、そこから東に茶会をする広間があり、玄関と2階への階段がある。建物の東側は奴隷の生活エリアで、風呂と大部屋が2部屋ある。
2階は客室としての形だけ整えている部屋になっている。
設計が終わりDPを消費して倉庫の中に一気に建築する。
四大精霊やシルキーたちの召喚に使うDPと、建築に使ったDPを合わせると所持していたDPの95パーセント以上を消費した。
「あ~大分DP使っちゃったな。時間が経てばまた増えるし、しばらくは控えればいいか」
「それにしても、ダンマスって本当にすごいのね。一瞬でこんなにすごい建物立てちゃうんだから。ノームやドリアードたちの過ごす地下は作らなかったの?」
「きちんと作ったよ。そこの世界樹の苗って言っていいのか分からないけど、あの根元に入口があるよ。意外に違和感なく設置できたから自分でもびっくりしてる」
「ほんとだ、普通にダンジョンの入り口みたいに見えるのに全然違和感がないね」
カエデは世界樹に近づいて地下の入り口をしげしげと見ながらつぶやいていたが、次第に興味を失い東側に見える自分の工房をみやり、涎が垂れそうなくらいだらしない顔をしてフラフラと歩いていく。
工房の中に入ると、家を建てるときに使ったDPの6割を占めた特注の炉が圧倒的な存在感を放っている。それにひけを取らない位の存在感が炉の傍にいた。
「ようこそいらっしゃいました、わが主よ。召喚していただき感謝いたします。その上、私が宿るための炉まで用意してくださり感謝の極みであります」
「あ~そういう話し方するのか、うん、まあいいや。炉もお前もカエデのために召喚したんだからカエデの役に立ってくれればそれでいいよ」
「御意に、全霊をもって尽くさせていただきます」
「だってさ、カエデ。仲良くしてやってくれよ」
「了解! 私に上級精霊のイフリートが仕えてくれるのね! よろしく! そだ、どうせなら名前つけてもいい?」
「ん? 俺はかまわないと思うけど、イフリートがどう思うかかな? そこらへんどうなのかな?」
「主に仕えし方に名前をいただけるのであれば、光栄の極みです」
「ってことみたいだからカエデ、いい名前つけてあげろよ」
「がってん承知の助!」
カエデの言い放った言葉に唖然としていると、
「イフリートだから、イフリーちゃん? イフちゃん? それじゃ微妙すぎるよね」
カエデがしばらく候補となる名前をブツブツ言っている横で俺はイフリートに質問していた。
「なな、イフリート。ちょっと聞きたいことがあるんだけどいいかい?」
「何なりと聞いてくださいませ、主殿」
「四大精霊たちは、どんなことができるんだい? 後、人間の管理といっても奴隷なんだけど管理してもらいたいって言ったら素直にしてくれるのかな?」
「我ら四大精霊は天変地異を起こすとかでなければ、大体のことはできると思ってください。我であれば、火にまつわる精霊なので、主殿が考えられているように、カエデ様の手伝いをして炉の性能を上げることもできます。
結界などを張ってその中を暖かくしたりできます。攻撃的なことであれば、この街の半分であれば火の海にすることも問題なくできます。他の四大精霊たちも似たり寄ったりの事はできます」
街の半分を火の海って、天変地異とは言わないけど、災害レベルだな。
イフリートは一息ついて
「我ら四大精霊に人間の管理ができるかと聞かれれば、もちろんできます。我らを召喚してくださった主殿の命令であれば、みな喜んで引き受けると思います。質問に対する答えでしたが……」
イフリートが俺の顔を伺うような様子で見ている。
「あ~ごめん、思った以上に戦闘力が高そうでびっくりしていたんだよ。俺よりはるかに強いのに、なんで俺に従ってるんだろうとね」
「はい? 召喚されたモノが召喚者に従わないなんて事あるわけないです。奴隷とは違いますが、絶対の上位者として君臨するのが召喚者です」
「そういうものなのか。さっき結界がうんたら言ってたけど感知結界や防御結界みたいなものはできるのかい?」
「一応できますが、我が得意なのは攻撃であり分類すると反射や反撃結界になります。感知結界であればシルフ、防御結界であればノームやウンディーネの方が得意分野になります。お役に立てなくて申し訳ございません」
「気にしないで、得手不得手はあるわけだしね。イフリートにやってもらいたいのは、カエデの守護と手伝いだからそっちをお願い。結界の方は他の精霊に頼んでみるよ」
1人と1体の会話が終わったころに
「決めた! 今日からあなたは、ガルドね! よろしく!」
イフリートの方をビシッと指をさして決めポーズをとっている。
それに対してイフリートは、片膝をつき忠誠でも誓うような姿勢で、
「お名前ありがたく頂戴いたします」
工房でのイベントは終わったので次へ出発。
「おぉ、思ってたよりいい風呂ができているじゃないか。洗い場にシャワーが2個、湯船が2つにサウナの扉、とりあえずかけ流しだしいつでも入れるな。うんうん、いい感じだ」
「ねぇシュウ、この管みたいなのやこの付け根の金属は何?」
「カエデは知らないのも当たり前か、右の所を回して管の先穴が開いてる方を、自分に向けない様にしてそこにあるボタン押してみな」
言っている意味がよく分かってない様子だが、言葉を思い返してシャワーをいじっていると、お湯がシャワーから出てきた。
「え? これ温かい! お湯なの? すごいすごい」
初めて経験したシャワーに感動してはしゃいでるカエデを見てシュウが声をかける。
「カエデ、これで驚いてたら体がもたないぞ」
「そうなの? そういえば何で湯船が2つあるの? 男と女用? 私ならシュウと一緒でいいの……イタイイタイ、分かったから頭つかむのはやめて!」
アイアンクローの力を抜いて2つ並んでいる湯船にカエデを連れていく。
「よく見てみろ、サウナの扉がある側の湯船は水風呂でその隣がお湯の入ってる湯船だ」
「ほんとだ冷たい! 何で水風呂なんて用意するの? 意味わかんないんだけど! サウナってなに?」
「よく聞いてくれた、サウナっていうのはな、部屋の中を熱くしてその中でじっくりと汗をかくんだよ。その後火照った体を水風呂に浸かって冷ますんだ。それが癖になってすごい気持ちいんだよ!
サウナが作れることが分かって、速攻設計に組み込んだんだよ。向こうの世界にいた時は、よく入りに行ってたんだ。この世界でも入れるようになってよかった!」
「熱い部屋に入ってわざわざ汗かいて、水風呂に入るの? なんでそんなことするの? 馬鹿なの? 死ぬの?」
「カエデが何でそのネタ知ってるか分からないけど、カエデにはその良さがわからないか、向こうの世界でも良さがわからない人はいたもんな」
サウナが不発に終わったシュウは、がっくりと肩を落とし次の目的地へ向かう。
自分の部屋は、畳部屋とフローリングのエリアがあるだけで今のところ見る場所がないので覗いただけでキッチンへ向かう。
キッチンに付いたシュウたちが見たのは、キッチンの使い方がわからなくて困っているシルキーたちだった。
「「「「あ! ご主人様。調理場の使い方がわかりません。こんな私たちでも見捨てないでください! 何でもしますから! お願いします」」」」
悲壮感漂うシルキーたちの様子を苦笑しながら見て声をかける。
「大丈夫だよ、これから使い方を覚えて美味しい食事を作ってくれればいいよ。使い方教えなきゃわからないよね。色々なものがあるけど、とりあえず一通り説明しようか」
「ご主人様、自ら教えてくださるのですか?」
「使い方がわかるのは俺だけだしね。後、ここに慣れたらDPでレシピとか調味料を出すから、料理や味のバリエーションを増やしてもらいたいな」
「お教えいただける上に、レシピや調味料まで出していただけるなんて! 家精霊冥利につきます」
「あぁ、うん。あんまり気張らないでいいからゆっくり慣れてってね」
しばらく他愛のない話をした後に、キッチンに備えてある調理器具や材料を保存しておく機械等の説明をしていく。説明の間、シルキーたちはどこから出したのかメモ帳を手に一字一句間違いなく書き込んでいた。その姿にシュウも苦笑いしかでなかった。
西側に食堂、北西に休憩室、そこから東に茶会をする広間があり、玄関と2階への階段がある。建物の東側は奴隷の生活エリアで、風呂と大部屋が2部屋ある。
2階は客室としての形だけ整えている部屋になっている。
設計が終わりDPを消費して倉庫の中に一気に建築する。
四大精霊やシルキーたちの召喚に使うDPと、建築に使ったDPを合わせると所持していたDPの95パーセント以上を消費した。
「あ~大分DP使っちゃったな。時間が経てばまた増えるし、しばらくは控えればいいか」
「それにしても、ダンマスって本当にすごいのね。一瞬でこんなにすごい建物立てちゃうんだから。ノームやドリアードたちの過ごす地下は作らなかったの?」
「きちんと作ったよ。そこの世界樹の苗って言っていいのか分からないけど、あの根元に入口があるよ。意外に違和感なく設置できたから自分でもびっくりしてる」
「ほんとだ、普通にダンジョンの入り口みたいに見えるのに全然違和感がないね」
カエデは世界樹に近づいて地下の入り口をしげしげと見ながらつぶやいていたが、次第に興味を失い東側に見える自分の工房をみやり、涎が垂れそうなくらいだらしない顔をしてフラフラと歩いていく。
工房の中に入ると、家を建てるときに使ったDPの6割を占めた特注の炉が圧倒的な存在感を放っている。それにひけを取らない位の存在感が炉の傍にいた。
「ようこそいらっしゃいました、わが主よ。召喚していただき感謝いたします。その上、私が宿るための炉まで用意してくださり感謝の極みであります」
「あ~そういう話し方するのか、うん、まあいいや。炉もお前もカエデのために召喚したんだからカエデの役に立ってくれればそれでいいよ」
「御意に、全霊をもって尽くさせていただきます」
「だってさ、カエデ。仲良くしてやってくれよ」
「了解! 私に上級精霊のイフリートが仕えてくれるのね! よろしく! そだ、どうせなら名前つけてもいい?」
「ん? 俺はかまわないと思うけど、イフリートがどう思うかかな? そこらへんどうなのかな?」
「主に仕えし方に名前をいただけるのであれば、光栄の極みです」
「ってことみたいだからカエデ、いい名前つけてあげろよ」
「がってん承知の助!」
カエデの言い放った言葉に唖然としていると、
「イフリートだから、イフリーちゃん? イフちゃん? それじゃ微妙すぎるよね」
カエデがしばらく候補となる名前をブツブツ言っている横で俺はイフリートに質問していた。
「なな、イフリート。ちょっと聞きたいことがあるんだけどいいかい?」
「何なりと聞いてくださいませ、主殿」
「四大精霊たちは、どんなことができるんだい? 後、人間の管理といっても奴隷なんだけど管理してもらいたいって言ったら素直にしてくれるのかな?」
「我ら四大精霊は天変地異を起こすとかでなければ、大体のことはできると思ってください。我であれば、火にまつわる精霊なので、主殿が考えられているように、カエデ様の手伝いをして炉の性能を上げることもできます。
結界などを張ってその中を暖かくしたりできます。攻撃的なことであれば、この街の半分であれば火の海にすることも問題なくできます。他の四大精霊たちも似たり寄ったりの事はできます」
街の半分を火の海って、天変地異とは言わないけど、災害レベルだな。
イフリートは一息ついて
「我ら四大精霊に人間の管理ができるかと聞かれれば、もちろんできます。我らを召喚してくださった主殿の命令であれば、みな喜んで引き受けると思います。質問に対する答えでしたが……」
イフリートが俺の顔を伺うような様子で見ている。
「あ~ごめん、思った以上に戦闘力が高そうでびっくりしていたんだよ。俺よりはるかに強いのに、なんで俺に従ってるんだろうとね」
「はい? 召喚されたモノが召喚者に従わないなんて事あるわけないです。奴隷とは違いますが、絶対の上位者として君臨するのが召喚者です」
「そういうものなのか。さっき結界がうんたら言ってたけど感知結界や防御結界みたいなものはできるのかい?」
「一応できますが、我が得意なのは攻撃であり分類すると反射や反撃結界になります。感知結界であればシルフ、防御結界であればノームやウンディーネの方が得意分野になります。お役に立てなくて申し訳ございません」
「気にしないで、得手不得手はあるわけだしね。イフリートにやってもらいたいのは、カエデの守護と手伝いだからそっちをお願い。結界の方は他の精霊に頼んでみるよ」
1人と1体の会話が終わったころに
「決めた! 今日からあなたは、ガルドね! よろしく!」
イフリートの方をビシッと指をさして決めポーズをとっている。
それに対してイフリートは、片膝をつき忠誠でも誓うような姿勢で、
「お名前ありがたく頂戴いたします」
工房でのイベントは終わったので次へ出発。
「おぉ、思ってたよりいい風呂ができているじゃないか。洗い場にシャワーが2個、湯船が2つにサウナの扉、とりあえずかけ流しだしいつでも入れるな。うんうん、いい感じだ」
「ねぇシュウ、この管みたいなのやこの付け根の金属は何?」
「カエデは知らないのも当たり前か、右の所を回して管の先穴が開いてる方を、自分に向けない様にしてそこにあるボタン押してみな」
言っている意味がよく分かってない様子だが、言葉を思い返してシャワーをいじっていると、お湯がシャワーから出てきた。
「え? これ温かい! お湯なの? すごいすごい」
初めて経験したシャワーに感動してはしゃいでるカエデを見てシュウが声をかける。
「カエデ、これで驚いてたら体がもたないぞ」
「そうなの? そういえば何で湯船が2つあるの? 男と女用? 私ならシュウと一緒でいいの……イタイイタイ、分かったから頭つかむのはやめて!」
アイアンクローの力を抜いて2つ並んでいる湯船にカエデを連れていく。
「よく見てみろ、サウナの扉がある側の湯船は水風呂でその隣がお湯の入ってる湯船だ」
「ほんとだ冷たい! 何で水風呂なんて用意するの? 意味わかんないんだけど! サウナってなに?」
「よく聞いてくれた、サウナっていうのはな、部屋の中を熱くしてその中でじっくりと汗をかくんだよ。その後火照った体を水風呂に浸かって冷ますんだ。それが癖になってすごい気持ちいんだよ!
サウナが作れることが分かって、速攻設計に組み込んだんだよ。向こうの世界にいた時は、よく入りに行ってたんだ。この世界でも入れるようになってよかった!」
「熱い部屋に入ってわざわざ汗かいて、水風呂に入るの? なんでそんなことするの? 馬鹿なの? 死ぬの?」
「カエデが何でそのネタ知ってるか分からないけど、カエデにはその良さがわからないか、向こうの世界でも良さがわからない人はいたもんな」
サウナが不発に終わったシュウは、がっくりと肩を落とし次の目的地へ向かう。
自分の部屋は、畳部屋とフローリングのエリアがあるだけで今のところ見る場所がないので覗いただけでキッチンへ向かう。
キッチンに付いたシュウたちが見たのは、キッチンの使い方がわからなくて困っているシルキーたちだった。
「「「「あ! ご主人様。調理場の使い方がわかりません。こんな私たちでも見捨てないでください! 何でもしますから! お願いします」」」」
悲壮感漂うシルキーたちの様子を苦笑しながら見て声をかける。
「大丈夫だよ、これから使い方を覚えて美味しい食事を作ってくれればいいよ。使い方教えなきゃわからないよね。色々なものがあるけど、とりあえず一通り説明しようか」
「ご主人様、自ら教えてくださるのですか?」
「使い方がわかるのは俺だけだしね。後、ここに慣れたらDPでレシピとか調味料を出すから、料理や味のバリエーションを増やしてもらいたいな」
「お教えいただける上に、レシピや調味料まで出していただけるなんて! 家精霊冥利につきます」
「あぁ、うん。あんまり気張らないでいいからゆっくり慣れてってね」
しばらく他愛のない話をした後に、キッチンに備えてある調理器具や材料を保存しておく機械等の説明をしていく。説明の間、シルキーたちはどこから出したのかメモ帳を手に一字一句間違いなく書き込んでいた。その姿にシュウも苦笑いしかでなかった。
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