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Chapter-01『覚醒する蒼の神姫、交錯する運命』
第六章:目覚めよ蒼の神姫、その名はウィスタリア・セイレーン/01
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第六章:目覚めよ蒼の神姫、その名はウィスタリア・セイレーン
「これは、一体……?」
「遥さん、なの……?」
目が眩むほどの閃光が収まった瞬間、戒斗とアンジェの目の前にあった背中はもう、今までの間宮遥のものではなく。蒼と白の、見たこともない戦士の姿に変わっていた。
――――装甲。
彼女の身体を包み込む蒼と白のそれは、そうとしか喩えられないものだった。
肩や大腿部を派手に露出しているが、しかし不思議なぐらいに打たれ弱さというか、脆さを感じない。身体を包み込む蒼と白の綺麗な神姫装甲も、右手のブレスの輝きも……それなりに露出しているはずの姿だというのに、寧ろ頼もしさすら感じてしまうほどに力強い印象を二人に与えていた。
「……まさか、怪物を倒して回っているっていう、あの噂の…………?」
そんな遥の変わり果てた姿を見て、真っ先に戒斗が思い当たったのはそれだった。
怪物騒動の裏で、密かに怪物を倒して回っているという、そんな可憐な乙女が存在するという噂話。とんでもない眉唾モノの、単なる都市伝説だと思っていた存在は――――きっと、彼女のことだったのだ。
根拠はない。だが間違いないと戒斗は確信していた。変身した彼女の気高い後ろ姿を目の当たりにして、戒斗は不思議と確信を得ていたのだ。彼女こそが、あの怪物たちを倒し、人知れず人々を守っていた……そんな高潔な存在なのだと。
「これが、私の本当の姿……ウィスタリア・セイレーン。神姫という名の戦士。それが、この姿になった私の名前らしいです」
背後で戸惑う二人に、遥は振り向かないままで語り掛ける。青く長い髪を風に靡かせながら、まるで水面のように静かな声音で。
「遥さんが、神姫……」
「ウィスタリア・セイレーン……?」
聞き慣れない名前だ。聞き慣れているはずがない。戒斗もアンジェも、知るはずがないのだ。異形の怪人と人知れず戦っている、超常の戦士の名前なんて。
「お二人は下がっていてください。……大丈夫、奴は私が倒しますから」
静かながらも、しかし強い意志を秘めた声音で戒斗たちに告げると。遥はそのコバルトブルーの双眸で、目の前のスパイダーをキッと鋭く睨み付ける。
「フシュルルルル……!?」
睨まれたスパイダーは、神姫に変身した彼女を目の当たりにして戸惑っていて。何歩か後ろに後ずさりをしながら遥を指差し、そして呻き声を上げている。
明らかに、スパイダー・バンディットは彼女を恐れていた。水に愛されし無慈悲な蒼の戦士、神姫ウィスタリア・セイレーンに変身した間宮遥を……スパイダーは、露骨なまでに恐れていた。
「貴方はやはり、あの時に取り逃がしてしまった片割れ。……絶対に、逃がさない」
そんな風に自分を恐れるスパイダーに一歩、また一歩と近づきながら、遥は怒りを滲ませた低い声で呟き。そうすれば、バッと右手を真横に掲げた。
すると、何もない虚空だったはずの空間がキィィン、という甲高い音とともに歪み。とすれば次の瞬間にはもう、彼女の右手は細身な長剣の柄を握り締めていた。
――――聖剣ウィスタリア・エッジ。
彼女の神姫装甲と同じく、蒼と白の装飾が為された細い長剣。そんな剣を虚空より召喚した遥は、その柄を握り締め。一歩ずつ歩み寄りながら、じりじりと後ずさるスパイダー・バンディットに相対した。
「ハッ……!!」
遥は右手に握り締めたウィスタリア・エッジを片手で構え、呼吸を整え静かに気を練り。そして、戦慄するスパイダー・バンディットと睨み合う。
「もう逃がさない、貴方を赦しはしない――――!!」
「これは、一体……?」
「遥さん、なの……?」
目が眩むほどの閃光が収まった瞬間、戒斗とアンジェの目の前にあった背中はもう、今までの間宮遥のものではなく。蒼と白の、見たこともない戦士の姿に変わっていた。
――――装甲。
彼女の身体を包み込む蒼と白のそれは、そうとしか喩えられないものだった。
肩や大腿部を派手に露出しているが、しかし不思議なぐらいに打たれ弱さというか、脆さを感じない。身体を包み込む蒼と白の綺麗な神姫装甲も、右手のブレスの輝きも……それなりに露出しているはずの姿だというのに、寧ろ頼もしさすら感じてしまうほどに力強い印象を二人に与えていた。
「……まさか、怪物を倒して回っているっていう、あの噂の…………?」
そんな遥の変わり果てた姿を見て、真っ先に戒斗が思い当たったのはそれだった。
怪物騒動の裏で、密かに怪物を倒して回っているという、そんな可憐な乙女が存在するという噂話。とんでもない眉唾モノの、単なる都市伝説だと思っていた存在は――――きっと、彼女のことだったのだ。
根拠はない。だが間違いないと戒斗は確信していた。変身した彼女の気高い後ろ姿を目の当たりにして、戒斗は不思議と確信を得ていたのだ。彼女こそが、あの怪物たちを倒し、人知れず人々を守っていた……そんな高潔な存在なのだと。
「これが、私の本当の姿……ウィスタリア・セイレーン。神姫という名の戦士。それが、この姿になった私の名前らしいです」
背後で戸惑う二人に、遥は振り向かないままで語り掛ける。青く長い髪を風に靡かせながら、まるで水面のように静かな声音で。
「遥さんが、神姫……」
「ウィスタリア・セイレーン……?」
聞き慣れない名前だ。聞き慣れているはずがない。戒斗もアンジェも、知るはずがないのだ。異形の怪人と人知れず戦っている、超常の戦士の名前なんて。
「お二人は下がっていてください。……大丈夫、奴は私が倒しますから」
静かながらも、しかし強い意志を秘めた声音で戒斗たちに告げると。遥はそのコバルトブルーの双眸で、目の前のスパイダーをキッと鋭く睨み付ける。
「フシュルルルル……!?」
睨まれたスパイダーは、神姫に変身した彼女を目の当たりにして戸惑っていて。何歩か後ろに後ずさりをしながら遥を指差し、そして呻き声を上げている。
明らかに、スパイダー・バンディットは彼女を恐れていた。水に愛されし無慈悲な蒼の戦士、神姫ウィスタリア・セイレーンに変身した間宮遥を……スパイダーは、露骨なまでに恐れていた。
「貴方はやはり、あの時に取り逃がしてしまった片割れ。……絶対に、逃がさない」
そんな風に自分を恐れるスパイダーに一歩、また一歩と近づきながら、遥は怒りを滲ませた低い声で呟き。そうすれば、バッと右手を真横に掲げた。
すると、何もない虚空だったはずの空間がキィィン、という甲高い音とともに歪み。とすれば次の瞬間にはもう、彼女の右手は細身な長剣の柄を握り締めていた。
――――聖剣ウィスタリア・エッジ。
彼女の神姫装甲と同じく、蒼と白の装飾が為された細い長剣。そんな剣を虚空より召喚した遥は、その柄を握り締め。一歩ずつ歩み寄りながら、じりじりと後ずさるスパイダー・バンディットに相対した。
「ハッ……!!」
遥は右手に握り締めたウィスタリア・エッジを片手で構え、呼吸を整え静かに気を練り。そして、戦慄するスパイダー・バンディットと睨み合う。
「もう逃がさない、貴方を赦しはしない――――!!」
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