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第六章『黒の衝撃/ライトニング・ブレイズ』
Int.26:黒の衝撃/雷撃と焔①
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その日の早朝、昨晩の戦闘に参加したA-311訓練小隊の面々は西條ら教官二人の招集に伴い、朝も早々から校舎のA組教室に集められていた。一人を欠いたまま、失意の中で……。
「朝早くから集まって貰ってすまないね。まずは、昨日はご苦労だったと言っておくよ」
教壇に立つ西條は開口一番にそんな形式じみた挨拶を投げ掛けながら教室の中を見渡し、そしてやはり彼らが何処か沈んでいるのを察すれば小さく溜息をついてしまう。
しかし、彼らの前で己までが沈んでいる姿を見せるワケにはいかない。教官なんてのは随分と貧乏くじの辛すぎる立場だが、しかし仮にも彼らを教え導く立場なのだ。彼ら若者の先達として、無様な姿を見せることはあってはならない……。そう思い西條は内心で意識を切り替えると、口を開いて次の言葉を紡ぎ出した。
「……まどかのことは、本当に残念だった。
だが、沈んでもいられない。辛いところだが、これで戦いが終わったワケじゃないんだ」
「あのー……」
と、西條の言葉の間に滑り込んで恐る恐る手を挙げるのは、誰かと思えば美桜だった。そんな彼女を見て西條が「構わん、言ってくれ」と促せば、美桜は「はい」と頷いて立ち上がり。そして教壇に立つ西條に向かってこんな問いを投げ掛けてきた。
「昨日の襲撃、結局は何処の誰が仕掛けたものなのか、判明したんでしょうか」
「…………」
その問いに、西條は思わず言葉を詰まらせてしまい。そして少しの沈黙の後、黙ったまま悔しげに首を横に振ってみせる。
「そうですか……」
すると、美桜もまた残念そうな顔を浮かべ、そして席に着く。とすればまた教室にどんよりとした重い空気が流れ始めたものだから、西條は「こほん」と一度軽く咳払いをし。それから、中断していた話を再開させた。
「とはいえ、暫くの間は出撃は無い……いや、出来ないと見ていい。ハンター2もあのザマ、そして肝心のコンボイ1も壊滅状態とあっては、少なくとも代わりの部隊が用意できるまでの間の出撃は無理と言っていいだろう」
それは、事実だった。
昨日の戦闘でハンター2はもとより、大型輸送ヘリ・CH-3ES"はやかぜ"を有する輸送小隊コンボイ1が四機撃墜の壊滅的な被害を受けたことは、A-311小隊にとってあまりに痛手だった。瀬戸内海絶対防衛線が押され国防軍に残された余力が少ない今、そう易々と替えの部隊を用意出来るワケもない。
とはいえ、西條が内心でホッとしているのもまた事実だった。少なくともこれで暫くの間、コンボイ1の不在をお題目に彼女らが出撃を強いられずに済むと思えば、不謹慎だが安堵してしまうところもある。
(いっそこのまま、冬の休眠期まで引っ張れれば良いんだけれど)
西條の本音だった。出来ることならば、幻魔が活動を休止する冬場の休眠期までこの調子で出撃不可の状態が続いて欲しい。あまりに不謹慎な話ではあるが、それが西條の抱く率直な本音だった。
だが、そうはならないこともまた、西條は心の何処かで気付いていた。あの倉本少将がこのまま自分たちを放っておくとは思えない。それを分かっているからこそ、西條は新たな手駒を呼び寄せたのだ。彼女らA-311小隊を護る為の手駒、瀬那や一真を護る為の手駒たる特殊部隊、≪ライトニング・ブレイズ≫を……。
「そうだ、君たちに紹介しておかねばならないな」
なんて具合の思考を巡らせている内にハッと西條は思い出すと、話題をガラリと切り替えて。そして閉じられた引き戸の方へチラリと視線をやり「入ってくれ」と扉の向こう側、廊下の方に向かって呼びかける。
すると、扉がガラリと開かれて。そこからぞろぞろと入ってきたのは、皆が皆一様に同じ部隊章を縫い付けたフライト・ジャケットを身に纏う四人と、そしてプラスアルファの一人だった。
数歩下がる西條の横、教卓の前に雅人や愛美、省吾にクレア。それにCPオフィサーのサラまでもがズラリと一挙に並ぶ。入ってきた五人は、その全てが例の≪ライトニング・ブレイズ≫の面々だった。
「既に知っている者も多いとは思うが、改めて紹介しておこう。彼らは第202特殊――――」
と、ズラリと並んだ彼らを西條がざっくりと紹介しておこうと口を開いた直後だった。教室の後方に陣取っていた美弥が「あーーっ!?!?」なんて素っ頓狂な声と共に、信じられないといったような唖然とした表情で立ち上がったのは。
ガタガタッと激しく机を鳴らしながら、大声を出した美弥が立ち上がれば。≪ライトニング・ブレイズ≫の五人を含めた教室中の視線が彼女に注がれる。しかし美弥はそれを気にも止めることなく、「あ、え……!?」なんて具合に教卓の面々に向かって指を差す。やはり、有り得ないモノを見たときのような驚きの表情で。
「どうした美弥、雅人の顔に何か付いているのか?」
美弥がさっきから延々雅人を指差したまま硬直しているものだから、流石に奇妙に思った西條が戸惑いの顔で訊くと、
「お、お兄ちゃん……っ!?!?」
眼を見開く美弥の口から飛び出してきたのは、あまりに意味の分からない一言だった。
「は……?」
とすれば、こんな具合に白井は戸惑い。霧香は無言のままで首を傾げ、美桜は「ど、どういうことなの美弥ちゃん?」と困惑し。国崎は「壬生谷、貴様は何を言っている?」と呆れたのか戸惑っているのかよく分からない口調と語気で言う。
「……どういうことだろ。瀬那、カズマ、分かる?」
続けてエマが傍の二人に小さく耳打ちをして問いかければ「分からぬ……」「分からん……」と瀬那、一真の順でやはり一様に首を傾げた。
「あー……」
なんて具合に教室中が困惑しきっていれば、すると西條は今更思い出したみたいなバツの悪そうな顔をして。それにステラが間髪入れず「ど、どういうことです?」と問いかければ、
「言葉通りの意味さ」
しかしその問いに答えたのは、意外にも渦中の当人――――雅人だった。
雅人はフッと爽やかな笑みを浮かべて一歩前へ踏み出ると、そして休めの格好を取り教室の面々と正対する。A-311小隊一同の視線を一身に浴びながら、しかし身じろぎひとつせず。そうして雅人は口を開き、二の言葉を口にした。自己紹介という形を取って、あまりに衝撃的な一言を。
「自己紹介が遅れたようで申し訳ない。俺は第202特殊機動中隊≪ライトニング・ブレイズ≫中隊長・壬生谷雅人大尉だ、以後見知りおいてくれると嬉しい。
――――それと、久し振りだな。美弥、元気にしてたみたいで何よりだ」
ニッコリと爽やかな好青年っぽい笑顔を見せ、彼は――――壬生谷雅人は自らをそう、堂々たる態度で名乗ってみせた。
「朝早くから集まって貰ってすまないね。まずは、昨日はご苦労だったと言っておくよ」
教壇に立つ西條は開口一番にそんな形式じみた挨拶を投げ掛けながら教室の中を見渡し、そしてやはり彼らが何処か沈んでいるのを察すれば小さく溜息をついてしまう。
しかし、彼らの前で己までが沈んでいる姿を見せるワケにはいかない。教官なんてのは随分と貧乏くじの辛すぎる立場だが、しかし仮にも彼らを教え導く立場なのだ。彼ら若者の先達として、無様な姿を見せることはあってはならない……。そう思い西條は内心で意識を切り替えると、口を開いて次の言葉を紡ぎ出した。
「……まどかのことは、本当に残念だった。
だが、沈んでもいられない。辛いところだが、これで戦いが終わったワケじゃないんだ」
「あのー……」
と、西條の言葉の間に滑り込んで恐る恐る手を挙げるのは、誰かと思えば美桜だった。そんな彼女を見て西條が「構わん、言ってくれ」と促せば、美桜は「はい」と頷いて立ち上がり。そして教壇に立つ西條に向かってこんな問いを投げ掛けてきた。
「昨日の襲撃、結局は何処の誰が仕掛けたものなのか、判明したんでしょうか」
「…………」
その問いに、西條は思わず言葉を詰まらせてしまい。そして少しの沈黙の後、黙ったまま悔しげに首を横に振ってみせる。
「そうですか……」
すると、美桜もまた残念そうな顔を浮かべ、そして席に着く。とすればまた教室にどんよりとした重い空気が流れ始めたものだから、西條は「こほん」と一度軽く咳払いをし。それから、中断していた話を再開させた。
「とはいえ、暫くの間は出撃は無い……いや、出来ないと見ていい。ハンター2もあのザマ、そして肝心のコンボイ1も壊滅状態とあっては、少なくとも代わりの部隊が用意できるまでの間の出撃は無理と言っていいだろう」
それは、事実だった。
昨日の戦闘でハンター2はもとより、大型輸送ヘリ・CH-3ES"はやかぜ"を有する輸送小隊コンボイ1が四機撃墜の壊滅的な被害を受けたことは、A-311小隊にとってあまりに痛手だった。瀬戸内海絶対防衛線が押され国防軍に残された余力が少ない今、そう易々と替えの部隊を用意出来るワケもない。
とはいえ、西條が内心でホッとしているのもまた事実だった。少なくともこれで暫くの間、コンボイ1の不在をお題目に彼女らが出撃を強いられずに済むと思えば、不謹慎だが安堵してしまうところもある。
(いっそこのまま、冬の休眠期まで引っ張れれば良いんだけれど)
西條の本音だった。出来ることならば、幻魔が活動を休止する冬場の休眠期までこの調子で出撃不可の状態が続いて欲しい。あまりに不謹慎な話ではあるが、それが西條の抱く率直な本音だった。
だが、そうはならないこともまた、西條は心の何処かで気付いていた。あの倉本少将がこのまま自分たちを放っておくとは思えない。それを分かっているからこそ、西條は新たな手駒を呼び寄せたのだ。彼女らA-311小隊を護る為の手駒、瀬那や一真を護る為の手駒たる特殊部隊、≪ライトニング・ブレイズ≫を……。
「そうだ、君たちに紹介しておかねばならないな」
なんて具合の思考を巡らせている内にハッと西條は思い出すと、話題をガラリと切り替えて。そして閉じられた引き戸の方へチラリと視線をやり「入ってくれ」と扉の向こう側、廊下の方に向かって呼びかける。
すると、扉がガラリと開かれて。そこからぞろぞろと入ってきたのは、皆が皆一様に同じ部隊章を縫い付けたフライト・ジャケットを身に纏う四人と、そしてプラスアルファの一人だった。
数歩下がる西條の横、教卓の前に雅人や愛美、省吾にクレア。それにCPオフィサーのサラまでもがズラリと一挙に並ぶ。入ってきた五人は、その全てが例の≪ライトニング・ブレイズ≫の面々だった。
「既に知っている者も多いとは思うが、改めて紹介しておこう。彼らは第202特殊――――」
と、ズラリと並んだ彼らを西條がざっくりと紹介しておこうと口を開いた直後だった。教室の後方に陣取っていた美弥が「あーーっ!?!?」なんて素っ頓狂な声と共に、信じられないといったような唖然とした表情で立ち上がったのは。
ガタガタッと激しく机を鳴らしながら、大声を出した美弥が立ち上がれば。≪ライトニング・ブレイズ≫の五人を含めた教室中の視線が彼女に注がれる。しかし美弥はそれを気にも止めることなく、「あ、え……!?」なんて具合に教卓の面々に向かって指を差す。やはり、有り得ないモノを見たときのような驚きの表情で。
「どうした美弥、雅人の顔に何か付いているのか?」
美弥がさっきから延々雅人を指差したまま硬直しているものだから、流石に奇妙に思った西條が戸惑いの顔で訊くと、
「お、お兄ちゃん……っ!?!?」
眼を見開く美弥の口から飛び出してきたのは、あまりに意味の分からない一言だった。
「は……?」
とすれば、こんな具合に白井は戸惑い。霧香は無言のままで首を傾げ、美桜は「ど、どういうことなの美弥ちゃん?」と困惑し。国崎は「壬生谷、貴様は何を言っている?」と呆れたのか戸惑っているのかよく分からない口調と語気で言う。
「……どういうことだろ。瀬那、カズマ、分かる?」
続けてエマが傍の二人に小さく耳打ちをして問いかければ「分からぬ……」「分からん……」と瀬那、一真の順でやはり一様に首を傾げた。
「あー……」
なんて具合に教室中が困惑しきっていれば、すると西條は今更思い出したみたいなバツの悪そうな顔をして。それにステラが間髪入れず「ど、どういうことです?」と問いかければ、
「言葉通りの意味さ」
しかしその問いに答えたのは、意外にも渦中の当人――――雅人だった。
雅人はフッと爽やかな笑みを浮かべて一歩前へ踏み出ると、そして休めの格好を取り教室の面々と正対する。A-311小隊一同の視線を一身に浴びながら、しかし身じろぎひとつせず。そうして雅人は口を開き、二の言葉を口にした。自己紹介という形を取って、あまりに衝撃的な一言を。
「自己紹介が遅れたようで申し訳ない。俺は第202特殊機動中隊≪ライトニング・ブレイズ≫中隊長・壬生谷雅人大尉だ、以後見知りおいてくれると嬉しい。
――――それと、久し振りだな。美弥、元気にしてたみたいで何よりだ」
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