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12.(番外編)初めてのやり直し
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結局、ヤリ過ぎて身体が痛くて動けなくなった結菜はもう一晩泊まることになった。
「結菜、ベッド使って良いよ。俺もうちょい作業するし」
そう言って保はPCの前に向かう。
「あ、電気消す?」
「いいよ。まだ寝ないから」
ベッドに横になりながらスマホをいじってると、保がキーボードやマウスをカチカチする音が聞こえる。
「……ねぇ」
「あ?」
「なんで洗面所にゴムあったの?」
「……」
風呂場から部屋に取りに行ったにしてはやけに素早く戻ってきたな、と思い聞いてみる。
「誰かと使う予定だった?」
「バ……ッ!」
保が勢いよくふり返って、結菜と目が合ってすぐに顔を逸らす。
「バ?」
保があーともうーともつかない声を出して、頭をグシャグシャかきむしる。
「……お前とだよ」
「へ? なんで?」
保とこうなってしまったけど、正直保に恋愛的な好意を向けられている気はしなかった。
「あのなぁ、男の一人暮らしの家に気軽に遊びに来る女がいたら、万が一ヤレるかもって考えてゴムくらい用意したって良いだろ!」
童貞の妄想力舐めんな、と保が吐き捨てるように言ってふてくされた。
「童貞だったんだ……」
女っ気が無かったからそうかな、と思っていたけれど、それにしてはがっつき過ぎではないか。むしろだからか?
「結菜は!?」
「え?」
「お前は誰かとしたことあんの?」
「はぁ? 私だって初めてだし。ってか処女にするには色々とひどくない!? 私、キスも初めてだったんだけど!! それをあんなキス……」
初めてのキスが互いの性液まみれだったのを思い出し、結菜は苦々しい顔をした。
「……」
保が急に黙り込んだので、顔を上げると保は顔を赤くして口元を隠してた。
「え、な……」
「俺が初めてなんだ……」
「急に何?」
保はしばらくモゴモゴしてから、結菜を見つめた。
「……やり直すか?」
「え?」
「キス」
「え……」
保がギシ、と音を立てながらベッドの上に乗ってきて、寝っ転がっていた結菜の腕を取って起き上がらせる。
「結菜、目つぶって……」
さっきまで散々ヤルことやってベロチューだってしていたのに、急にこんな甘い雰囲気出されたってそんな……と心の中では次から次へと文句が浮かぶのに何も言えないまま、保の顔がゆっくり近づいてきた。結菜は目をつぶった。
あたたかいものが唇に軽く触れた。
すぐにそれは離れていって結菜が目を開けると、そこには顔を赤くして気まずそうにしている保がいた。何か言ってやりたかったけど、かーっと頬が熱くなるのがわかって結菜は横になりながら布団を勢いよく被った。
「もう、寝る! おやすみ!!」
「お、おう……」
布団の中で結菜は、ドキドキとうるさい心臓の音を聞いていた。
「結菜、ベッド使って良いよ。俺もうちょい作業するし」
そう言って保はPCの前に向かう。
「あ、電気消す?」
「いいよ。まだ寝ないから」
ベッドに横になりながらスマホをいじってると、保がキーボードやマウスをカチカチする音が聞こえる。
「……ねぇ」
「あ?」
「なんで洗面所にゴムあったの?」
「……」
風呂場から部屋に取りに行ったにしてはやけに素早く戻ってきたな、と思い聞いてみる。
「誰かと使う予定だった?」
「バ……ッ!」
保が勢いよくふり返って、結菜と目が合ってすぐに顔を逸らす。
「バ?」
保があーともうーともつかない声を出して、頭をグシャグシャかきむしる。
「……お前とだよ」
「へ? なんで?」
保とこうなってしまったけど、正直保に恋愛的な好意を向けられている気はしなかった。
「あのなぁ、男の一人暮らしの家に気軽に遊びに来る女がいたら、万が一ヤレるかもって考えてゴムくらい用意したって良いだろ!」
童貞の妄想力舐めんな、と保が吐き捨てるように言ってふてくされた。
「童貞だったんだ……」
女っ気が無かったからそうかな、と思っていたけれど、それにしてはがっつき過ぎではないか。むしろだからか?
「結菜は!?」
「え?」
「お前は誰かとしたことあんの?」
「はぁ? 私だって初めてだし。ってか処女にするには色々とひどくない!? 私、キスも初めてだったんだけど!! それをあんなキス……」
初めてのキスが互いの性液まみれだったのを思い出し、結菜は苦々しい顔をした。
「……」
保が急に黙り込んだので、顔を上げると保は顔を赤くして口元を隠してた。
「え、な……」
「俺が初めてなんだ……」
「急に何?」
保はしばらくモゴモゴしてから、結菜を見つめた。
「……やり直すか?」
「え?」
「キス」
「え……」
保がギシ、と音を立てながらベッドの上に乗ってきて、寝っ転がっていた結菜の腕を取って起き上がらせる。
「結菜、目つぶって……」
さっきまで散々ヤルことやってベロチューだってしていたのに、急にこんな甘い雰囲気出されたってそんな……と心の中では次から次へと文句が浮かぶのに何も言えないまま、保の顔がゆっくり近づいてきた。結菜は目をつぶった。
あたたかいものが唇に軽く触れた。
すぐにそれは離れていって結菜が目を開けると、そこには顔を赤くして気まずそうにしている保がいた。何か言ってやりたかったけど、かーっと頬が熱くなるのがわかって結菜は横になりながら布団を勢いよく被った。
「もう、寝る! おやすみ!!」
「お、おう……」
布団の中で結菜は、ドキドキとうるさい心臓の音を聞いていた。
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