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一章 白い光に包まれて
11.王都にて-2
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今日はもう家に帰って良いというので、アレクサンドラの家に向かうことになった。
「私の家までは馬車で向かいましょう」
「馬車!?」
(馬車ってシンデレラのカボチャの馬車みたいなやつかな?)
ウキウキして馬車乗り場に向かうと、そこにあったのは二人掛けの椅子に屋根が付いている昔どこかで見た人力車みたいな形の馬車だった。
真子は少しだけがっかりした。
「馬車ってこういうのだけなの?」
「大きな馬車もあるわよ。今度、一緒に乗ってみる?」
「ほんと? 乗ってみたい」
並んで話をしているうちにアレクサンドラの家に着いた。
それは日本の真子の家よりもずっと大きくて、オレンジの壁にカラフルなタイルで模様が描かれており白いドアや窓枠がオレンジの壁に映えていた。
周りを見てもピンクの家や水色の家などの色んな色の家があって、真子はなんだか絵本の中に入ったみたいな気がした。
「ここがアタシの家よ」
「わぁ、かわいいおうち」
「気に入ってくれたかしら?」
「うん」
家の中に入ると、明るい外観とは裏腹に暗く静かで人の気配が無かった。
「あの、おうちの人は一緒に住んでないの?」
「家族はいないの。この家に住んでいるのはアタシだけよ。だからマーコが一緒に住んでくれて嬉しいわ」
家族がいない、という言葉が少し気になったけれど、真子を見てニコリと笑うアレクサンドラに真子はそれ以上のことを聞けなかった。
すると玄関の方から大きな声が聞こえた。
「アレクサンドラさーん!」
「あ、ちょうど良かった。マルタさんよ。マーコに紹介するわね」
「マルタさん?」
「お隣に住んでいるの。アタシ、普段は騎士団のお仕事が忙しくて王宮に泊まることが多くてあんまり家に帰れないのよ。だからマルタさんには家の掃除とかおつかいとかをお願いしているの」
玄関を開けると、明るいオレンジの髪の少しふくよかな女の人がいた。
真子の母親よりは若そうだったが、アレクサンドラや真子よりは年上にみえた。
「アレクサンドラさんおかえり。特に何も変わりはなかったよ。それで今から買い物にいくけど何かいるものあるかい?」
「あら、ありがとう。じゃあ買ってきて欲しいものをメモするから、ちょっと待ってもらえる? その前にマルタさんに紹介したい子がいるのよ」
アレクサンドラは後ろに隠れていた真子をずいと前に押し出した。
「あ、えっと、新城真子です」
「シンジョーマコ?」
「あ、マコで良いです」
「へー、マコ……」
マルタは興味深そうに真子をじろじろと眺めた。
「じゃあメモを作るから、ちょっと待っていて!」
アレクサンドラはパタパタと家の奥に入っていった。
マルタはアレクサンドラが家の奥に入ったのを確認してから、真子にニコッと笑いかけた。
「ねぇ! マコはアレクサンドラさんの恋人なの?」
「え! いや、どっちかというとペット?」
「ペット!?」
「あ、いえ、あの、えっと、居候……かな?」
真子が訂正すると、マルタはあからさまにがっかりしたように肩を落とした。
「あらぁ、そうなの。やっとアレクサンドラさんにも恋人ができたのかと思ったのに~」
アレクサンドラはすぐに戻ってきて、メモとお金をマルタにわたした。
「マルタさん、マーコをよろしくね」
「マコ。私はマルタよ。仲良くしてちょうだい」
マルタは人の良さそうな顔をして笑った。
「私の家までは馬車で向かいましょう」
「馬車!?」
(馬車ってシンデレラのカボチャの馬車みたいなやつかな?)
ウキウキして馬車乗り場に向かうと、そこにあったのは二人掛けの椅子に屋根が付いている昔どこかで見た人力車みたいな形の馬車だった。
真子は少しだけがっかりした。
「馬車ってこういうのだけなの?」
「大きな馬車もあるわよ。今度、一緒に乗ってみる?」
「ほんと? 乗ってみたい」
並んで話をしているうちにアレクサンドラの家に着いた。
それは日本の真子の家よりもずっと大きくて、オレンジの壁にカラフルなタイルで模様が描かれており白いドアや窓枠がオレンジの壁に映えていた。
周りを見てもピンクの家や水色の家などの色んな色の家があって、真子はなんだか絵本の中に入ったみたいな気がした。
「ここがアタシの家よ」
「わぁ、かわいいおうち」
「気に入ってくれたかしら?」
「うん」
家の中に入ると、明るい外観とは裏腹に暗く静かで人の気配が無かった。
「あの、おうちの人は一緒に住んでないの?」
「家族はいないの。この家に住んでいるのはアタシだけよ。だからマーコが一緒に住んでくれて嬉しいわ」
家族がいない、という言葉が少し気になったけれど、真子を見てニコリと笑うアレクサンドラに真子はそれ以上のことを聞けなかった。
すると玄関の方から大きな声が聞こえた。
「アレクサンドラさーん!」
「あ、ちょうど良かった。マルタさんよ。マーコに紹介するわね」
「マルタさん?」
「お隣に住んでいるの。アタシ、普段は騎士団のお仕事が忙しくて王宮に泊まることが多くてあんまり家に帰れないのよ。だからマルタさんには家の掃除とかおつかいとかをお願いしているの」
玄関を開けると、明るいオレンジの髪の少しふくよかな女の人がいた。
真子の母親よりは若そうだったが、アレクサンドラや真子よりは年上にみえた。
「アレクサンドラさんおかえり。特に何も変わりはなかったよ。それで今から買い物にいくけど何かいるものあるかい?」
「あら、ありがとう。じゃあ買ってきて欲しいものをメモするから、ちょっと待ってもらえる? その前にマルタさんに紹介したい子がいるのよ」
アレクサンドラは後ろに隠れていた真子をずいと前に押し出した。
「あ、えっと、新城真子です」
「シンジョーマコ?」
「あ、マコで良いです」
「へー、マコ……」
マルタは興味深そうに真子をじろじろと眺めた。
「じゃあメモを作るから、ちょっと待っていて!」
アレクサンドラはパタパタと家の奥に入っていった。
マルタはアレクサンドラが家の奥に入ったのを確認してから、真子にニコッと笑いかけた。
「ねぇ! マコはアレクサンドラさんの恋人なの?」
「え! いや、どっちかというとペット?」
「ペット!?」
「あ、いえ、あの、えっと、居候……かな?」
真子が訂正すると、マルタはあからさまにがっかりしたように肩を落とした。
「あらぁ、そうなの。やっとアレクサンドラさんにも恋人ができたのかと思ったのに~」
アレクサンドラはすぐに戻ってきて、メモとお金をマルタにわたした。
「マルタさん、マーコをよろしくね」
「マコ。私はマルタよ。仲良くしてちょうだい」
マルタは人の良さそうな顔をして笑った。
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