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110.キスだけ・・触るだけ・・・・もう挿れるだけだ!

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「ハァ、ハァ、ハァ・・・、トーカ、やめろ!!」
『んんぁあ・・・あぁん・・ハァハァ』


監禁された部屋に中、2人の荒い息が響く。体がほてる・・・。下半身が自分でも分かるぐらい熱と硬さを帯びてきた。

たぶんトーカもそうだろう。先に捕まったトーカは、私よりも先にこの部屋に監禁されていた。どのくらい薬を打たれたのだろう、自我が残っていないようだ・・・。


ジル殿の言葉を思い出す。


"この媚薬は、麻薬見てぇなもんじゃねぇぞ"


これは、あの時言っていた媚薬だ…、それも自我がなくなる麻薬の方の……。


トーカを探しに交尾部屋を捜索していたら、男達に囲まれた。大人しく着いて来なければ女の命はないと言われ、無理やり馬車に詰め込まれ首に何かを打たれ気を失う。そして、気が付けばベットしかない部屋にトーカと一緒に監禁されていた。


敵の目的が分からない・・・・

私達にこの媚薬を使う意味は何だ?

自我を保つ為、部屋にあった燭台の尖りで自分の足にそれを刺す。私の自我はそれで今は保っているが、トーカにはそれが出来ない。自分の番を傷つけたくないからだ。

仕方なくシーツにくるみ身動きの出来ないようにしていたが、アトラクションを制覇したトーカには、ぐるぐる巻きにしたシーツぐらいでは利かなかった。逆に私がベットに仰向けに縫い付けられている状態だ。

こんなやり方でトーカと身体を繋げたいわけじゃない。もう一度、トーカの名を呼ぶ。


「やめろ!トーカ!くっ・・・」


そんな私も殆ど限界だ。媚薬のせいもあるが、好きな女が目の前に居て色気ただ漏れで迫って来て、こらえきれるわけがないっ!

キスだけだ・・、キスだけ・・。そう思ってキスをした。媚薬のせいでお互いが貪るようなキスになった。息が荒く、まるで獣のようだ。甘いムードもなく性急な本能のままなキス。

そして、キスをしながら自分のシャツに手をかけたトーカ。それを見つめる私は、その行為を止めない。キスだけ・・と心に誓ったのに身体はトーカを欲したからだ。頭の大半はもう媚薬にやられているんだと思う。いや・・、そう冷静に思えるところを見ると、これは言い訳だろう。

シャツを脱いだトーカは下着越しでもわかるぐらい乳首が立っていた。絶対一戦は超えない・・・。

触るだけ・・今度は触るだけだ・・と心に誓う。ここを触れと言わんばかりに主張している乳首を指でつまむように胸を揉む。やわらかく張りのある胸に鳥肌が立ち、自分の雄がビクンと大きく張り詰めた。

あぁ・・抑えられない欲がどっと出る。



"もっと触りたい、もっと感じたい、そして………繋がりたい──────!"



トーカの腰を持ち上げ、自身の雄まで導く。

布越しに感じるお互いの熱と湿り気。トーカも自分の恥部を前後に私の雄に擦り付けてきた。それだけで射精しそうだ。それに合わせて私も下から突き上げる。

もう自我を捨てよう・・・。

媚薬のせいにしてしまえ!と声が聞こえる。残り少なくなった理性はもうその声を止めれない。本当のセックスをしているように高揚する2人。

布越しなのが恨めしい限りだ。

そう思った時、トーカが自分のズボンを脱ぎだした。そして私のズボンにも手をかける。
されるがまま、それを黙って見つめる。私の雄はもう早く窮屈なズボンから開放してくれと汁を垂らす。

解放された雄をトーカが直に撫でる。その行為にゾワリとして「ん・・」と、思わず声が漏れ出た。もうこうなったら止まらない。濡れそぼったトーカの中に早く挿れたい。

トーカの下着をずらし、お尻を鷲掴みにする。

直に触れた肌がしっとりと弾力があって、媚薬のせいか熱かった。そのまま、下着をずらしていく。私が脱がしやすいように腰を上げるトーカ。

せめてトーカに愛を伝えながら身体を繋げよう……。


「ハァハァハァ……、トーカ・・愛している。生涯をかけてお前を愛そう。トーカ、ハァハァ…そなたも私に愛の言葉をくれないか?」
『ハァハァハァ…』
「トーカ…、好きだと一言いってくれ!」
『ハァハァハァ…』

荒い息だけで未だ言葉を発しないトーカ。蒸気した顔でありながら、目は焦点の定まっていない顔。


突然、健太が頭の中に出てきた。



"桃花さんの人権無視するんすか?"



「ふっ…はははは…」


こんな時に健太が出てくるか…思わず笑ってしまう。

途端、媚薬に汚染された頭が冷えた。

好きな女をこんな形で抱いて、結婚を申し込むのか?その後に何が残る?

上に乗っていたトーカをベットに仰向けに縫い付けた。形勢逆転にあったトーカが、私のいきり立った雄を迎えるように足を広げた。それを見て悲しくなる。お互い愛を語りながら一つになりたい。こんな愛も紡げない交尾に意味はない。

ずれた下着を元に戻し、私の脱いだズボンでトーカの足を縛る。されるがままなトーカは、身体全体が性感帯になったかのように、その行為にも身悶えていた。今度は、トーカのズボンで両手をきつく縛った。ベットシーツを割いて、ベットにトーカを縛りつける。身体をもぞもぞさせるトーカ。下腹部が疼くのだろう……。



「敵の思う通りにさせてなるものかっ!つっ・・」



そう叫んで、もう一度燭台で自分の足を刺した。

鉄の扉に覗き窓がある。
必ず、事が終わったかをあそこで確認に来るはず。


ならば芝居をうつ!
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