悪魔騎士の受難

ミ度

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魔狼の求愛

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 下腹部に刻まれた淫紋が消えていないことに気づいたバアルは、フェンリルを問い詰めた。
「他の魔術刻印と一緒だよ。術者が定めた条件を満たせば消える」
「貴様のことだ。どうせ碌な条件ではないのだろう」
「お前にその気があるなら簡単さ。オレに100回中出しされりゃいい。……あ、お仕置きのアレは計算に入るから、あと99回か」
 バアルが目にも留まらぬ速さで剣を抜き、魔狼の首筋に刃を突きつける。
「待て待て落ち着けって!」
 フェンリルは降参と言うように両手をあげ、悪魔騎士を見つめ返す。細められた蒼氷の瞳は凍えるような怒りを帯びている。
「分かってると思うが、オレを殺してもソレは消えないぜ。心配しなくても、お前の性感は戻してあるし、仕事中に命令もしねえさ。センスのいいタトゥーだとでも思ってくれ」
「ふざけるな、貴様……」
「それでもお前がどうしても消したいって言うんなら、オレはいつでも協力するぜ。……それか、お前の気が済まないってんなら、この首くれてやるよ」
「ほう、ずいぶん殊勝だな」
 魔界には魔界のルールが存在する。幹部同士の私闘は禁じられていないし、片方が殺害されたとしても、生き残った方が罰せられることはない。彼らにとっては「敗北」こそが罪。負けた方が悪いのだ。
「お前になら殺されてもいい」
 フェンリルはプロポーズめいた台詞を口にする。
 本心からの言葉だ。
「……貴様の首など欲しくはない」
 バアルが剣を鞘に納める。
 フェンリルの読み通りの行動だ。
 魔王はバアルの記憶こそ改変したが、その気高い性質には一切の細工を施さなかったらしい。彼は決して命令外の殺生をしない。たとえ己を辱しめた相手でも見逃す優しさ(甘さ)がその証左だ。
「責任を感じているのなら、条件達成を手伝え」
「へへ、喜んで……」
 そして、誇り高いが故に、敗北と屈辱の証である淫紋をそのままにしておけない。


※※※


 数週間後……。
 魔狼の寝室は性のにおいで満たされていた。
 フェンリルは下着姿のバアルを抱え上げ、彼の尻肉を掴んで肛門を極太ペニスで突いている。いわゆる駅弁の体位だ。長身のバアルだが、彼より恵体である魔狼と並ぶと華奢な女性と屈強な男性ほど体格差が開く。フェンリルは彼を抱えてのセックスなど造作なく、亀頭球の手前で挿入を調整するのも余裕だ。
「んぁうっ、あっ、ぁッひっ、ひぃっ♡」
「はぁ、バアル……お前のケツまんこは今日も具合がいいなァ♡」
「あンッ、んっ、うぁ、はぁンッ……♡」
「この下着もよく似合ってる。紫もいいかと思ったんだけどよ、お前の白い肌を際立たせるには、やっぱ黒だな」
 乳首をさらけ出したデザインのメンズブラジャー、肛門部分がハート型に大きくくり貫かれた下穿き、セクシャルなガーターストッキングとベルト……。これらを身につけてセックスすることが、今回フェンリルが提示した条件だった。
「この私に女のような格好をさせてっ……楽しいのか!?」
「ちんぽ挿れられてアンアンよがってるお前は立派な雌だよ」
「黙れ、悪趣味めっ……! 貴様が≪命令≫するからっ、出したくもないのに声を出すことに、あっ! ぁっあぁんっ♡」
 淫紋のせいでバアルは声を我慢できなくなっている。甘く上擦った艶声がフェンリルを昂らせる。腕の中で喘ぐ悪魔騎士の耳をぺろぺろ舐めると、尻壺が甘えるようにペニスを咀嚼する。魔狼に何度も愛されたアナルは、彼のペニスの愛し方をすっかり心得てしまっていた。
「あッ、ふ……、い、いつまで、こうしてるつもりだ……!」
 バアルが喘ぎ喘ぎ訴える。
「たまにはこういうスローセックスもいいもんだろ?」
「よくないっ、アゥンッ、はっ、早く射精しろっ」
「そうかそうか、バアル様は激しいのがお好みなんだな」
 ニヤリと口角を吊りあげたフェンリルは、腰を勢いよく突き上げた。膨張済みの亀頭球がバアルの肛門にズップリとめり込み、ペニスの先端が結腸を抉り貫いた。
「あひぃいぃいいいいいいいんッ♡♡♡」
 寝室に無様な悲鳴が響いた。
 激しいピストンに合わせて、バアルの長く艶やかな黒髪が揺れる。
 ちゅぷちゅぷとゆっくり遠慮がちだった水音が、グチャッグチャッと速く激しいものにとって変わる。バアルの声からも品性がごっそり削がれていき、迸る音色が獣じみていく。
「おぉんっ! ぁおっ、お゛っ、お゛っおっ、お、おほっ♡ ぉおぉお゛おお゛ンッ♡」
 しかし、彼が感じているのは苦痛ではない。
 その証拠に、彼のペニスは先ほどの一撃で射精して、亀頭球による前立腺への刺激で再び勃起していた。
「あおっオ゛ッオォォッ♡ イグッ♡ イグッ♡ イグゥウウうううぅッッ♡」
 ペニスをバキバキに勃起させたまま、バアルははしたなく絶頂宣言する。今度は結腸責めによるオーガズムを迎えたのだ。冴えた美貌を真っ赤に歪めてアナルアクメによがり悶える。
「今のお前、すっげえツラしてるぜ。魔界一のイケメンが台無しだぞ。オレ以外の奴が見たら幻滅しちまうだろうなァ……。あ゛あ……オレもそろそろイキそうだ。ほら、バアル、こういう時はなんて言うんだ? 言ってくれなきゃ、外に射精しちまうぜ?」
「言うッ! 言うから゛ッ! ……なっ、中にほしいっ! フェンリルの熱々ザーメンッ! 私のケツまんこに全部注いでくれえぇっ!!」
「……いい子だっ」
 この数週間にじっくり教え込んだ卑猥なおねだりを聞き届け、フェンリルも満足感の中で射精を迎える。
 亀頭球がひとまわり膨れ上がり、ペニス全体がビクビク力強く脈打った。噴き出した大量の熱粘液がバアルの内臓をうち叩きながら満たしていく。
「ん゛ぉぉ……♡ お゛♡ ……おぉ、ぉっ……ザーメン、びゅうびゅう入ってる゛う……♡」
「あ゛~、気持ちいいな~♡ …………あ、そういやこれで何回目の中出しだ?」
「に……にじゅう、きゅう回目だ……っ」
「そうかそうか。まだお前に71回中出しできるんだな♡」
「っ、いつも、こんらに出しおって、どうにかならないのか……!?」
「オレは狼だぜ、これくらいが正常なんだよ。お前だって気持ちいいんだから別にいいだろ? 魔狼族と中出しセックスした雌は、他の種族の中出しじゃ物足りなくなるらしいぜ」
「私は雌ではない……っ、き、気持ちよくなど、あるものかっ」
「はっ、こんなにケツまんこの中ビクビクさせといてよく言う、っぜ!」
 往生際の悪いバアルに引導を渡すべく、フェンリルは彼の身体を激しく揺さぶった。
「くひぃい゛っ!? いぃっ、今っ、ザーメン出てるろ゛にぃ……揺するな゛ぁ! あぁああ゛っ! らええっ♡ らえ゛ぇえええ゛えぇっ♡♡♡」
 許容量を超える快感に堪えきれず、バアルが呆気なく白旗をあげた。汗と汁まみれの身体を仰け反らせ、ピストンに合わせて濁った雌鳴をあげる。
「じゃあっ、気持ちいいの認めるなっ?」
「み、認めるう……っ、中出しアクメ認めるからぁっ、ちんぽズポズポしないでくれえ……!」
「へへ……そうだぞ。素直が一番だぜ♡」
 フェンリルはバアルの目尻に浮かぶ涙を舐めとった舌で、今度は彼の濡れた唇をなぞった。意図を察したバアルがおずおずと自分の舌を絡ませてくる。魔狼は片手で彼の頭を慈しむように撫でた。
「んぅ……♡ ちゅ……♡ んっ♡ うっん♡」
 零れる吐息に甘さが増していき、舌の動きも大胆になっていく。
 想い人の仕草のひとつひとつが無性に愛しくて、フェンリルは目を細めてディープキスを堪能する。
「ンちゅっ♡ んはぁっ♡ は……♡ きもちい……♡ わたひの中れ、フェンリルのちんぽビクビクしてう……♡ ザーメンびゅうびゅうって出てう……♡ はぁん……♡ けちゅまんこ……いい……♡」
 刻印による≪命令≫がなくても、バアルは下品な擬音と淫語で魔狼の耳を楽しませるようになっていた。魔狼好みの雌の作法が染みつき始めている。
「へへ、俺も♡ お前のケツまんこがちんぽにちゅうちゅう吸いついてきて気持ちいいぞ♡」
「や、うぅ、ふぇん、りる、わ、わらひ、いく……またケツまんこイッてしまうぅぅ♡」
「おう、今日も大好きな中出しアクメ、たっぷりキメてくれよな♡」
「ふゃあっぁあっ♡ あ゛ぁ♡ いく♡ イク♡ イクゥ……ッ♡」
 悪魔騎士は宣言通りに快美に堕ちていった。
 アクメを貪る腸内がビクビクのたうち、丸肛門が極太ペニスを噛み締める。
「オッ、オォッ……締まる締まる……っはあ……気持ちいいなぁ、バアル♡」
「きもちいい♡ ふぇんりるのちんぽも、ザーメンも、きもちいい……♡」
「このままズポズポしたらもっと気持ちいいぞ?」
「ず、ズポズポはだめだっ、ケツまんこ気持ちよすぎて死んでしまうぅ」
「それで昨日は気持ちよすぎて小便漏らしちまってたもんなぁ。可愛かったなあ♡」
「あう……それは言うなぁ……!」
「……なァ、お前をこんなに気持ちよくしてやれんのは、魔界中探してもオレだけだぜ。淫紋が消えた後も覆らない事実だ。……あの話、本気で考えてくれてるか?」
 蕩けきっていた蒼氷に正気の光が灯る。
 甘え顔が理性で強張っていく。
(おっと、まだダメか……)
 と、魔狼は察した。
「ま、またその話か……。貴様のつがいにはならないと、何度言わせる気だ」
「お前が首を縦に振るまでかな」
 フェンリルが両手でバアルの尻をぐっと掴み直すと、彼は怯えたようにびくんと肩を震わせた。
「貴様だから嫌なのではない。貴様も知っての通り、この身は魔王様に捧げている……だから……っあひィンッ!?」
「はぁ、バアルよぉ……他の男の話題を出すのはマナー違反だぜ。たとえ我らが偉大な魔王サマのことでも、なっ!」
「んおっ!? おっ、ぉぁっお゛っ♡ おォオ゛ッ♡♡」
 瞬く間にバアルは淫獄に落とされた。戻りかけたなけなしの理性もペニスのひと突きであっさり砕かれる。
「あっ、謝るっ、謝るからぁ! ちんぽズボズボやめてくれえっ!」
「ダメだな。二度と間違わないように、オレのちんぽでしっかりわからせてやるっ」
「やらぁっ、あ゛ッ♡ おっ♡ お゛っ、おほぉっ♡ ぃいい゛、い゛っ、いぐっ♡♡ イグウウウウウウウゥッッ♡♡♡」
 惚れた相手が獣のようにイキ悶えながら自分にすがりついてくる。フェンリルは飢餓感に似た愛おしさに襲われながら、同時に歓喜する。
(いいぞ、いい感じだ……)
 こうして身体を繋げれば、彼が快感を受け入れ、求め始めていることも実感できる。
(絶対にオレだけのもんにしてやる!)
 そのためには、あらゆる障害を排除する必要がある。
 魔狼は準備を着々と進めていた。


※※※


 その旋風は、フェンリルと魔王、そしてバアルの三名を外界から完全に隔絶した。
「魔王サマよ。こいつが魔術と、アンタの欲しがってた人間界の技術を融合させた最高傑作だ。その身でよ~く味わいな!」
 嵐凪ぐ中心部に立つフェンリルの手には、小さなアンティークの箱が握られている。闇色に輝く無数の結晶が、風にさらわれ箱の底へ次々と吸い込まれていく。闇色の結晶は、魔王から溢れる魔力の欠片だった。
 『パンドラ』──人界と魔界の合同技術開発責任者が命名した魔法具は、魔王を封印するために創られた秘密兵器だ。
 箱に力を吸われ続けている魔王は、もはや立ち上がることさえ儘ならない。片膝をつき、豊かな白髪を風になぶられながら反逆者を見上げている。身体に亀裂が走り、少しずつ砕け、箱へ吸収されていく……。
「フェンリル! やめろ!!」
 玉座の間に怒号が轟く。
 バアルが美貌を憤怒に歪め、懸命に剣を鞘から抜こうとしている。だが、その体勢から動けない。漆黒の鎧の下……魔狼によって肌に赤々と刻まれた淫紋が、彼の自由を許さないのだ。それでも悪魔騎士は主君を救うため、歯を食いしばって呪縛に抗っていた。
「……なるほど。今回はお前が一枚上手だったな。よかろう、お前に玉座をしばし預けようではないか」
 魔王の顔には疲労が色濃く滲んでいたが、怒りや焦燥、恐怖の気配は見当たらない。それどころか、素直に自身の敗北を認めてみせた。
 彼の余裕を崩さぬ態度が、フェンリルには気に食わない。
「大物ぶるなよ。アンタはもうおしまいなんだ」
「ふふ、ふ……」
 老成した顔に笑みが浮かぶ。諦念の笑みではない。まるで我が子の可愛らしい悪戯に微笑む親のそれだ。
「──バアルよ」
「魔王様、今お助けします……!」
 悪魔騎士が身体に蒼雷を纏う。しかし、発動した刻印により魔力の循環を阻まれ、蒼龍を顕現できない。
「ぐっ、うぅうぅぅ……ッ!!」
 バアルが手負いの獣のような呻き声をあげる。剣の柄を握りしめる手から、口から、目から、血が流れる。皮膚が裂け、骨の砕ける音がした。
 焦ったのはフェンリルだ。
 刻印の命令に抗うことは、それだけで心身にダメージを与える。バアルの感じている激痛は想像を絶する。
(クソッ! 早く終われ!! さっさと封印されやがれクソジジイッ!!)
 想定したよりも封印に時間がかかり過ぎている。魔王の膨大な魔力量のせいだ。
 このままでは未来の伴侶が壊れてしまう。
(──ッ、時間切れだ……!)
 フェンリルがバアルの拘束を解こうと口を開きかけたとき……。
 魔王が、崩れかけている片手をバアルへ向けた。
「お前を縛る刻印の力を弱める鍵は、アマテラスレッドにある」
 そう騎士に告げ、巨大な魔法陣を展開した。
 彼が何をしようとしているか、ふたりの最高幹部は同時に察した。
「≪逃げろ≫!!」
「魔王様っ、お止めください! 私はまだ──」
 フェンリルの命令よりも。
 バアルの懇願よりも。
 魔王の術式の発動が半歩早かった。
 出現したのは荘厳な転移門。門扉が開かれ、無数の黒い手がバアルを闇の中へ引きずり込んでしまった。


 ……そして、扉は閉じ、門は霧散した。


 フェンリルの顔が、焦りと怒りに歪んだ。
「テメェ……耄碌したか!? 自分が何を言ったのか分かってんのか!? あいつに記憶が戻ったら、困んのはテメェもだろうが!!」
「心配せずとも、余を滅ぼさぬ限り、たとえ真実を知ろうとも、あの子の記憶が戻ることはない。……それはつまり、余への忠誠も、敬愛も、思慕も、あの子からは消えぬということだ」
 神性を宿した英雄といえど、人間だったバアルが200年以上も生きられるわけがない。魔王は彼に自身の不老不死の力を分け与えた上で、記憶を書き換える術式を施した。それほどの呪縛、魔王といえど払っている代償は大きいはずだ。
 それに、残っていた魔力を反撃には使わず、彼を逃がすための転移魔法に使い果たした。
 ──この男もバアルに執着している。
 しかし、彼の愛し方には、フェンリルとは決定的な違いがあった。
「たとえ、これから紅龍と蒼龍が数百年ぶりに番おうともな」
「レッドの野郎にあいつを抱かせる気か!?」
 怒りで全身の毛を逆立たせたフェンリルが、鋭牙を剥き出しにして吼えるように問い詰めた。
「お前にどれほど色を教え込まれようと、紅龍にどれほど愛を与えられようとも……あの子の還る場所は変わらぬ」
「変態ジジイがっ!」
 今すぐバアルを追いかけたいが、魔狼にはそれができない。
 魔王の身体は、残すところ首だけとなっているが、封印が完了したわけではない。
 首だけになった魔王が嗤う。
「お前は、あの子が関わると途端に解りやすくなる。この反乱も、目的は玉座ではあるまい」
 その通りだ。
 フェンリルにとって、魔王の座はバアルを手に入れるための手段の一部にすぎない。
 これまでの戦いを経て、ヒーロー戦隊アマテラスは着実に力をつけていた。現に、悪魔騎士と魔狼以外の最高幹部は、彼らによって打ち倒されている。
 もし、このまま魔王がヒーローたちに倒されたら……。バアルは昔の記憶を取り戻し、蒼龍が解き放たれる。そうなれば、蒼龍は紅龍のもとへ大喜びで帰還するだろう。古の文献によれば、かつて双龍の器に選ばれた人間たちは、年齢や性別に関係なく、夫婦や恋人関係になっていたという。魔王の呪縛が解ければ、バアルは大和を無視できない。無条件に好意を抱き、レッドに求められれば喜んで身も心も捧げるだろう。神性による魂の結びつきはそれほどに強力なのだ。
 フェンリルには我慢ならない。
 運命の赤い糸などクソ食らえだ。
 蒼龍を決して自由にしてはいけない。
 だから、魔王を封印する手段を選んだというのに──!
「100年、といったところか。100年後、あの子の隣にいる者が誰になるのか……楽しみに待つとしよう。だが、少なくとも、それはお前ではあるまい。なまじ賢いばかりに甘い夢を見た、哀れな狼よ……」
 魔王の頭部がボロボロと崩れ去り、箱の中へ消えていく……。


 ──ようやく嵐がおさまった。
 箱は独りでに閉じられ、カチャンと小さな金属音を立てた。
 しかし、『パンドラ』は完璧ではない。100年というのは、技術者がフェンリルに示していた封印の最短期間だ。あの怪物は、パンドラが己をどれだけ縛りつけられるのか解っていたのだろう。
「ああ、100年後を楽しみにしてな、クソジジイ……!」
 箱を握りしめながら、新たな魔王が唸り声をあげた。

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