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ただの、セックス
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「はぁっ♡はっ♡は、ぁ゛ッ♡」
興奮して発情しきった身体を引きずって、骨が砕けるんじゃないかってくらいにきつく手を握り合って、俺達はいつも使っていたスタジオに移動した。どうしてもソファじゃなくベッドで、一緒に、ぐずぐずになりたくてたまらなかった。ベッドの上に乗って、興奮した息を吐きながら、お互い、服を脱ぎ合う。全裸になればもうチンポは完全に勃起していて、それはまゆを見る度にビクビクと反応して、今まで一番、大きくなっているように見える。
「ぁッ♡は、はぁッ♡ふっ♡ふうぅ゛ッ♡」
そんな俺のチンポを凝視しながら、まゆもネクタイをほどいて、シャツを脱ぐ。まゆが脱いでいる姿なんてもう何度も見てきたはずなのに、今はそんな過去が比にならないくらい、目の前のストリップに興奮する。まゆのビンビンに勃ったピンク色の乳首に、今すぐアクメさせてスケベな声を聞きたいと思う。まゆを見ながらチンポを扱きたい。まゆを見ながら射精したい。でももうまゆに触れられるのに、そんな勿体ないこと、出来ない。そんな興奮した俺と同じように興奮した仕草で、まゆはベルトを解き、スラックスを脱ぐ。そこから出てくるのは、既にカウパーでグショグショになった下着。それは白い生地のせいで勃起したピンクのチンポが薄っすらと透けて、生地にぴったりと張り付いてその形をくっきりと浮かび上がらせている。そして今日も白い脚に着けられているソックスガーターとハイソックス。その爪先はアクメを待ち望んでいるように、キュッと甘く丸まったまま。俺へのセックスアピールがMAXの姿に俺はもう我慢出来ず、まゆへと勢い良く抱きついた。
「ま、まゆッ!♡まゆ、まゆッ♡」
「あッ♡ま、まのくんっ♡まゆっ♡まだ、服ッ♡」
「いいよっ♡そのままで、いいっ♡そのままが、いいッ♡まゆ♡まゆ♡まゆぅッ♡」
「ぁ♡あッ♡ンぅっ!♡」
まゆの背中を掻き抱いて、唇を奪う。すぐに舌を挿れて、夢中で、掻き回していく。なにもかも認めて、なにもかも伝えて、なにもかもを受け入れたまゆの唇は柔らかくて、甘くて、死ぬほど気持ち良くて、一生、吸って舐めていられると思った。好きだ。好きだ。好きだ。好きだ。まゆ。好き。自分の中で、感情があふれて、止まらない。
「まゆ♡まゆっ♡ま、ゆッ♡」
「ん、んぅッ♡あ♡ぁ♡や、やだっ♡まのく♡まゆって呼ぶの♡だめっ♡」
「な、なんだよッ♡まゆ、自分でも、まゆって言ってるだろっ?♡」
「でもっ♡ぁ♡だめ♡なまえ♡まゆの♡まゆの名前は、だめっ♡ふぁ♡ぁ゛ッ♡」
「ッ……、」
まゆは何故か、俺がまゆと呼ぶのを嫌がる。さっきも同じように呼んでたのに今になってそれに言及するのは、きっとようやくそこに気付いて、反応するだけの余裕が出てきたからなんだろう。どんなことも口では拒否をするまゆの癖。いや、だめ、と言う常套句。でも、それが、まゆの大好きなマゾのやり口だと俺はもう知っている。そしてまゆが全身性感帯で、いつも俺の想像を超えるくらいのスケベだって言うのも、俺は、もう、知っている。ああ。……それなら。
「っ……。……まゆ♡」
「ぁ、お゛ッ♡ゃ♡やぁ♡やだぁッ♡」
「やじゃ、ないよな?ほら、呼ぶたび、まゆ、すっげぇスケベな顔、してる……ッ♡俺にまゆって呼ばれんの……っ♡ほんとは好き、なんだろ?♡」
俺はまゆの耳元へそっと囁くと、身を捩るその身体を、背中から抱え込んだ。俺の脚の間にまゆを座らせて、逃げられないようにまゆの腹と胸に手を回す。耳。乳首。チンポ。アナル。後ろからまゆの全身を感じさせられる、この体勢が大好きだ。何度もまゆの耳にちゅ、ちゅ、とキスをして、その答えを促してやれば、もうまゆは甘イキを止められないように、いやいやと可愛く首を振る。
「うぁ♡ち♡ちが、う♡た♡たぁ、くんにっ♡なまえ、よばれるの♡まゆっ♡すきじゃ、なぃっ♡」
「っ……?たぁ、くん……っ?」
「あ……っ♡あッ!?♡ぁ゛♡ちが♡ちがい、ますっ♡ちがう♡ちがうのっ♡たぁくん♡ちがうっ♡ちがう、からっ♡やだ♡やだっ♡ちが、ぼくっ♡」
「──。」
明らかにやらかしたような動揺を見せるまゆに、ゾク、と興奮が這い上がる。どこかで一度聞いた覚えがあるようなその呼び名に、ゾクゾク、と高揚が湧き上がる。ああそうか。俺がまゆを見つけたように、知らない間にまゆも、俺の中に「たぁくん」を見つけていたのかもしれない。ああ、なんだよ。なんだよ、それ。なら、ちゃんと、教えてくれよ。俺に、たぁくんのこと、教えて、くれよ……ッ♡俺はまゆを逃さないように緩く乳首を弄りながら、耳元へ声を流し込む。まゆ。お前って。本当。可愛い、なぁ……っ!♡
「まゆ……、たぁくんって、何?」
「ぁ♡あ゛♡ゃ♡やっ♡♡♡」
「たぁくんって俺のこと?俺のこと、まゆ、たぁくんって呼んでんの?」
「うぁ♡ち、ちがっ……♡」
「違くないだろ?だって今、ここには俺とお前しか居ないもんな?それともまゆ、俺の知らないやつ、たぁくんって呼んだのか?」
「ち、ちがうっ!♡だ♡だってッ♡たぁくんっ♡たくと、だからっ♡たぁくん、なまえっ♡たくと、だから……っ♡だから♡だからっ♡たぁ、くん……っ♡♡♡」
「な、んだよ……ッ♡そんな可愛い呼び方で、俺のこと呼んでたの?どこで呼んでたの?呼んで、まゆ、なにしてた?♡」
「あ♡ぁ♡あッ♡」
「まゆ♡な?答えろよ……ッ?♡」
「うあ、ぁ……ッ♡♡♡」
乳首をくにくにと押しながら、まゆへ尋ねる。まゆが好きなやり方は敢えて外して、ひっそりと焦らしてやる。こんなやり方をしなくてもまゆは答えてくれると分かっていても、それを許される状態なら、俺はまゆを苛めたくて仕方なかった。まゆに触り始めて俺は自分が想像したよりサドだと知って、それは好きなやつにほどそうしたい、実に厄介な願望だと気付いた。だから俺は今、スケベに、そして甘やかに、まゆを苛めたくてたまらない。イかない程度、甘イキに届かない程度に乳首を触り続ければ、そこでまゆは観念したように、そして今から言うことへ既に興奮しているように、俺の股間へ、ケツをくいくい擦りつけてくる。
「ごっ♡ごめんな、さいっ♡ま♡まゆ♡まゆぅ……っ♡たぁくん♡たぁくんの、名前、呼びながらっ♡いっぱい、おしりいじって♡ちくび、いじってぇ……っ♡たぁくんに、いっぱい、いやらしいことされる、妄想でっ♡すっ♡すけべな、アナニーっ♡いっぱい♡いっぱい♡数え切れない、くらいっ♡して、ましたぁ……っ♡ごめんなさいっ♡ごめんな、さい……っ♡♡♡」
ごめんなさい、と謝罪しながらも、ここで散々ひとりスケベをしてきたと主張するようにガチガチになっている俺のチンポへアナルを押し当てる仕草は、本当に謝罪していたとしても煽っているようにしか思えない。俺はチンポを無限にイライラムラムラさせながら、まゆのアナルを下着越しにこすこすを指で撫で上げる。
「……ここ?ここ、俺のこと考えて、してたんだ?」
「ん、ぉ゛♡して♡してた♡ここ♡ずっと♡ばいぶでっ♡ぶるぶる、させてっ♡いっつも♡ずっとっ♡たぁくんのこと、想像、してっ♡たぁくんにぐちゅぐちゅすけべされてるって想像、してっ♡まゆ♡ずっとッ♡ひとりで、きもちよく、なって、ましたぁッ♡♡♡」
「……だよなぁっ♡この前、まゆ、電話で、そう言ってたもんなぁッ♡」
「ぁ♡んっ♡ぃ♡言った♡たぁくんと、電話、してっ♡ぼく♡いつの、間にかっ♡たぁくんにぜんぶっ♡話し、ちゃってたっ♡」
「あー……ッ♡クッソ♡マジでまゆ、可愛いなぁ……ッ!♡」
「う゛♡か、かわっ♡ぁあッ♡んっ♡ンん゛ッ♡んん゛……~ッ!♡♡♡」
まゆの芯まで届けるように耳に唇を押しつけてそう言えば、可愛い、と言った途端俺の腕の中で全身を竦めて、まゆはピンと脚を伸ばす。もう何度も見てきたまゆの反応。射精はしていなかったものの、ピクピクと頼りなく震えるまゆのチンポに、俺はすぐ、その意味に気が付いた。
「っ……なんだ?まゆ……イった?可愛いって言われて、イっちまった?♡」
「あ♡ぁふ♡にゃ、にゃい♡まゆ♡ぃ、いって♡いって、にゃいっ♡」
「イってねぇの?♡身体、俺ん中であんなビクビクしてたのに?♡」
「にゃ♡ぁ♡して♡してにゃい♡ぼく♡いって♡な、ぁ゛ッ!?♡」
わざとらしく俺の言葉を否定する態度に、俺はビンビンに自分を主張しているまゆのスケベ乳首をキュッと抓ねってやる。ちゃんとまゆが期待しているまま、ちゃんとお仕置きをしてやるように。キツくて甘くて優しい、まゆが大好きな声で言う。
「まゆ♡苛められたくて嘘言うの、ずりぃぞ?♡」
「あ♡ちが♡ちがうっ♡まゆ♡ずるしてない♡ぃ♡いじめ、られた、くてっ♡ず♡ずるなんか♡して、にゃいっ♡♡♡」
するとまるでそれを待ち望んでいたかのように、まゆは俺の手に自分の手を重ねて、もっと、と強請るようにさわさわと撫でてきた。その、最初から変わらない、無自覚で無意識に醸し出されるマゾさこそ、まゆが見せる何よりの媚び方だ。いつもまゆは言葉ではなく態度で「いじめて♡」とねだってくる。その慎ましく、それでいてムッツリにドスケベなやり方が、本当に、たまらない。
「じゃあ俺のこれ、要らねぇ?」
「ぁッ♡ぉ、お゛ッ♡♡♡」
だから、俺もそんなまゆのやり方が大好きだと伝えるように、ズシン、と腰をまゆのアナルへ押し込める。まゆで死ぬほど興奮している、まゆが死ぬほど欲しがっている俺のチンポを、はっきりと伝えてやる。案の定、すぐにまゆはオホ声を上げて、カクカクと腰をヘコつかせ始めた。もうチンポのことしか考えていないのが明らかな動きだ。
「ぉ゛♡た♡たぁく♡あたって♡おしり♡あたって、る゛ッ♡」
「当ててる♡まゆに♡俺のチンポ♡まゆの裸見ただけでこんなサカってるバキバキ勃起チンポ♡まゆのトロットロおまんこに♡わざと♡当ててる♡」
「ぉ゛♡お゛♡や゛♡ゃ゛♡」
「な♡まゆ♡これ要らねぇの?♡これまでまゆのことずうっとアクメさせてきた俺のチンポ♡まゆのトロットロおまんこんナカ♡死ぬほど挿入りたがってる♡まゆのこと大好きな♡バキッバキオスチンポ♡要らねぇ?♡」
「ほっ♡ほぉ゛♡ほ、ぉお゛ッ♡」
心底触って欲しそうなピンク色のぷっくり乳首を敢えて触らず、乳輪だけをくるくるとなぞって、俺は何度もクイクイと腰を押し上げながら、まゆの耳元へドロドロのスケベ願望と欲望を際限なく流し込む。そうすればまゆは脚をピッタリと閉じて、足先までピンと伸ばして、肩の横できゅうっと両手を握り締めて、そして舌を長く伸ばしてヘっ♡へっ♡と喘ぎ始めた。触られていない股間を透けた下着越しに膨らませて、仰け反るように胸を突き出している格好は、俺の言葉でまゆが限界まで発情している証。まゆの可愛さに乗算される真症マゾなメス臭に、俺は更に語気を強めてしまう。
「まゆ、おまんこさみしくねぇの?俺のチンポ欲しくねぇ?な♡まゆ♡ほんとに要らねぇ?チンポ♡おまんこハメしたくねぇ?まゆの弱いトコ♡スケベな前立腺♡にゅこにゅこ♡ぬこぬこ♡掻き回されて♡きっもちいいアクメ、したくねぇ?♡」
「ほっ♡ぉお゛♡たぁく♡たぁくん゛ッ♡」
「な?まゆ♡まゆのおまんこ♡しよ♡ドッスケベなまゆのおまんこ♡しよ♡俺の♡俺だけの♡俺専用の♡俺にピッタリの♡おちんぽケースに、しちまお……ッ?♡♡♡」
「ひッ……!ん、んぉ゛♡♡♡ぉ♡おぉ゛ッ♡ほッ♡ほッ、ぉお゛……んッ!♡♡♡」
夢中でまゆを責め立てていると、そこで突然、まゆはビクン、と震えて。そしてガクガクと震えながら、勢い良く、前触れのない射精をした。下着の布を通り越してビュクビュクと噴水のように吐き出される精液に、ピッタリと閉じられたままの脚がぴぃんッ♡と固まり、両肩の手がギュッと握り締められる。
「──ッ、っ……?」
それは勘繰る必要もないほど突然訪れた全力のアクメで。けれど俺は、それをただ呆けて見つめてしまう。確かにまゆなら、今の一連の流れでアクメしてもおかしくない。さっきも「可愛いイキ」をしたくらいだ、身体が限界までヤバくなってるのは見て取れる。……それでもここまで激しいアクメをするだろうか。それこそさっきは射精まではしていなかった。俺の中にそっと、不自然な違和感が通り過ぎる。
「あ゛ふッ♡ぉ゛っ♡お゛へっ♡んぉ゛♡おッ、ぉ゛~……ッ♡」
「……、」
「んひっ!?♡」
余韻にへぇへぇとだらしなく喘ぐまゆのアナルへ、俺は無言でもう一度、チンポをグッと押し込める。以前、少しだけ、気になっていたことがあった。その時はあまり気にせずスルーしていたものの、今思うと、それは、明らかに不自然だった。その不自然さが、きっと今のまゆの姿にシンクロしていたのかもしれない。だからこそ俺はある種の予感を持って、まゆの耳にぴとりと唇を押しつける。
「……、おちんぽ♡」
「ほッ!?♡お゛ッ♡ぉ゛お♡んぉおぉ゛……ッ!♡♡♡」
俺が「その言葉」を言うと、予想通り、まゆは再び全身をビクビクと震わせた。そして今度はブシッ、と、勢い良く潮を噴く。連続でイったせいで脚に力が入らないのか、脚ピンは緩んだガニ股になって、カクカクと不規則に揺れている。それは連続で本気アクメをした時のまゆの反応。俺はさっき抱いた予感を、いよいよ確信にしてまゆを引き寄せた。
「まゆ……ッ♡」
「ほ♡ほ♡ぉ゛♡」
ふっ、と耳に息を吹き掛けてやると、くたりと力を無くして俺にもたれ掛かっていたまゆの身体がぴくりと跳ねた。まだちゃんと意識はある。まだまゆを、苛められる……っ♡俺はその嬉しさに笑みを顕わにして、まゆが今まで隠していただろうその恐ろしいくらいの天才的性癖、或いはアクメ癖を、まっすぐに、突き付けてやった。
「まゆ♡お前……っ♡おちんぽ、って言われると、アクメしちまうんだな?♡」
「ほッ!♡ぉ、ぉお゛ッ♡ち、ちが♡ぉ゛ッ♡ぉお゛……ッ!♡♡♡」
まゆの否定は追いつかない。言葉に呼応するように、またチンポからプシッ、と潮が噴き出される。同調するような3回連続の潮噴きアクメは、俺の確信を裏付けるものに他ならない。今度こそ言い逃れは出来ないと、俺はさわさわとまゆの乳輪をなぞりながら、まゆを追い詰めてやる。
「まゆぅ……っ♡いッくらまゆでも、それは流石にドスケベすぎるだろ?♡」
「ん、ぉ゛♡ぁ♡た♡たぁくんッ♡ちが♡ちがうの♡まゆ♡これ♡ちがぅ、のぉ゛♡」
「なんで今まで話してくれなかったんだよ?♡こんなヤバい性癖、俺が大好物なの知ってんだろ……ッ?♡」
「だ♡だって♡うぁ♡た♡たぁくんに♡ばれちゃった、ら♡いっぱい♡いっぱい♡まゆ♡ぇ、えっちにッ♡いじめられちゃうって♡思った、からぁッ♡」
「んー?つまりこんな風に俺から苛められたい♡って。まゆ、ずっと妄想してたのか?♡」
「ぁ♡お゛♡ち、ちがっ♡ちがっ♡♡♡」
勿論まゆは否定する。違う、と首を振る。でも、俺にとってはそれは甘い甘い餌と同じだ。大好きなまゆが振りまく、大好きなドスケベの、餌と同じ。それをまゆの目の前で、まゆに見られながら食うのを、俺もやっと許された。だから俺ももう遠慮しない。好きを全力で出しながら、可愛すぎるドマゾのまゆを、全力で。苛めながら、愛してやりたい。
「……でも、まゆ、その妄想で山程アナってたんだろ?さっきも俺でいっぱいアナってたって言ってたもんな♡俺にいっぱい、おちんぽ♡って言われる妄想で♡まゆ、アクメしまくってたんだろ?♡」
「ほぉ゛♡ぉ゛♡らめ♡たぁく♡ら゛めぇッ♡♡♡」
言われたいことを、言われたいまま、言われたいように、言う。
だめ。また否定。でも顔はトロトロに蕩けた完全なアクメ顔。全身はふるふると震えた完全な甘イキ状態。やっぱり言葉ではなく身体で悦びを示すまゆを、俺は褒めるように何度もその耳へキスを落とす。なぁまゆ。さっきはちゃんと言葉で言えたんだ。それなら、今度も、出来るよな?
「じゃあ、ちゃんと、言葉にしようぜ♡まゆがどんなスケベ妄想してたか♡俺に、何されたい、って思ってたか♡ちゃーんと俺に♡話してみようぜ?♡」
「ぉ゛♡しょれ♡しょれ、はっ♡」
「なんだ?嫌なのか?ちゃんと言えたら、俺、全部それ、まゆにやってやるのになぁ♡」
「ほッ!?♡ほ♡ほッ♡ほぉ゛ッ♡」
「何驚いてんだよ。当然だろ?♡俺が大好きな、まゆの妄想なんだからよ♡」
「ほ♡お゛♡たぁく♡らめ゛♡」
「ははっ♡だからな?言えよ、まゆ♡お前のドマゾで♡ドッスケベな♡アナニー妄想♡ぜんぶ、俺に言え♡」
「ほ♡ほ、ぉ゛……ッ!♡」
俺の命令するその言葉だけでもうアクメしたように、まゆは仰け反って舌を出す。マゾの快感が許容量を完全にオーバーしてるんだろう。正直俺もサドの快感が許容量を超えて、射精してもおかしくないくらい興奮している。でも、まだ駄目だ。まだ勿体ない。このまゆを最後まで愉しまなきゃ、絶対に、勿体ない。
だから、とまゆの言葉を待てば、全身を使って俺へ媚びるように、まゆはチロチロと舌を伸ばす。
「ま♡まゆぅ゛♡ずっと♡ずっとぉ♡た♡たぁくんに♡ぉ゛ッ♡おちんぽッ♡ぉ゛、おちんぽ、ぉ゛♡って♡耳元で、言われる、妄想でッ♡あくめ、ひて、ましたッ♡ち、ちくびも♡おしり、も♡みみ、も♡ぜんぶ♡たぁくんの指と、ぉ♡おちんぽ♡で♡ぉ゛♡ぜんぶ♡このかっこで♡きもちよく、されて♡まゆが♡だめに、なっちゃうくらい♡あくめ、させられ、ちゃぅ、の゛♡ずっと♡ずうっと、もうそう、ひて♡おしり♡ほじって♡ちくぴんあくめ♡ひて、ましたぁ゛……ッ、ぉ♡ぉお゛……ッ!♡♡♡」
言い終わるのと同時に、プシッ、と潮を吐いて、まゆは嬌声を上げる。言い終わるまで必死でアクメを堪えていたのが分かる態度に、俺は、愛おしさが止まらなくなる。俺へ必死で妄想を伝えようとしていたそのいじらしさが健気で、愛おしさでたまらなくなる。俺はこんなまゆが見たくて仕方なかったんだと痛感する。まゆ。繭人。可愛い。可愛い。可愛い……ッ!♡♡♡
「ッ……そっか♡まゆ♡俺に♡そッんなドスケベなことされる妄想して♡毎日ケツほじってたんだなぁ♡」
「ぁ♡お゛♡ぉ゛♡」
「じゃあ、それ、ぜんぶ、やってやらなきゃな?さっきやってやるって言ったもんな♡ちゃんと、全部、まゆに、してやんなきゃな……ッ♡」
ようやく俺は満たされた気分で、ぐっとまゆを引き寄せる。してやる。してやろう。まゆの全部。耳から。乳首から。アナルから。俺の全部で。まゆを、死ぬほど気持ち良くしてやろう。だってそうしたい。そうしてやりたい。俺は心底そう思う。まゆを心底愛おしく苛めたいのと同じくらい、俺はまゆに心底愛おしく奉仕してやりたいと思っている。まゆのしたい願望全部、俺で叶えられるもんなら叶えてやりたいと思っている。だからそれが俺で叶うなら、俺の身体で叶うなら、好きなだけ、まゆを、甘やかに、いじめて、いじめて、いじめて。まゆを、幸せに、してやりたい。
「ッぉ゛♡ぁ♡ぅ゛あ……ッ♡♡♡」
「っ」
……でも。
抱き寄せた俺に、まゆはゆっくりと、振り返った。アクメ顔はそのまま。アクメ声もそのまま。けれど、こっちから覗き込むんじゃなく、視線を合わせるようにこっちを向いたまゆは、なんだか、もっと……切実に、見える。
「た♡たぁく♡たぁ、くん゛……ッ♡」
「っ……?まゆ……?」
俺の名前をふり絞るように言うまゆへ、俺も立ち止まる。それは何かを伝えようとしている仕草。俺へ、伝えようとしている仕草。まゆが、俺の手を握る。きゅっと、力を籠める。
「ぼ、ぼく♡ぼく、ぅ゛♡たぁくんの、こと、すき♡だ♡だい、すき……ッ♡」
「っな。ま、まゆ……ッ?♡」
「だ、だからッ♡さ♡さっき♡さっきの妄想、よりも♡ぼく♡た♡たぁくん、と♡ぎゅうって、して♡きす、して♡手も、つないで……っ♡いっぱい♡いっぱい♡見つめ、あって♡すきって、言う、せっくす♡し、したい♡したいっ、です……ッ♡」
「ッ──、」
俺の両手を握って、それこそ本気でおねがいをするように、まゆは、言う。
突然の欲望。いや、願望。いや、やっぱり……欲望。多分、まゆの、今の、愛情のなにもかものそれを、まゆは、まっすぐ、差し出してくる。一瞬でなにもかものぜんぶがあふれちまいそうなそれを、一気に、ぜんぶ、俺へ。……渡して、くる。
「ま、まゆ……ッ、」
「だ♡だって♡それだけ、は♡してこなかった、から♡たぁくんにいじめられる、のも♡たぁくんにぜんぶきもちよくされる、のも♡ぼく♡いっぱい♡されてきた、けど……ッ♡たぁくんと、すきって言いながら、っ……せ♡せっくす、するのは♡ぼく♡まだ♡たぁくんに♡教えて、もらって、ない、から……ッ♡♡♡」
「ッ──!!♡♡♡」
そしてその言葉で、俺のすべては焼き切れた。まゆとして。多野として。俺に心から指導を請う立場をこの状況でも護ろうとするまゆに、俺は、本当に、ほんとうに、こいつが、多野が、まゆが、繭人が、好きで、好きで、好きで、好きで、たまらないと思った。さっき思った、まゆへ向けた愛情のすべてが、そうしてやりたいと思った願望のすべてが、今、ここで、まゆがやりたいと言った、そのセックスへ注がれる。
やりたい。してやりたい。でもそれ以上に、俺も、したい。
ギュッとして。キスをして。沢山、たくさん、見つめ合って。手を、繋いで。まゆと。好きと言い合うセックスを。俺は。まゆと。多野と。多野繭人と。……したい。
「ッ、まゆ」
「は、はい……ッ♡」
俺も、まゆを呼ぶ。
まゆへ伝える。
俺の気持ち。
俺の思い。
それはもう一度やり直される告白。
お互いを好きと言い合う誓い。
ふたりだけの。
儀式で、約束。
「しよう。まゆの、言う。好きって言い合う、セックス」
「ぁ。あ……ッ♡」
「俺もっ……それ。したい、から……ッ♡」
「っ……は、はいっ……♡たぁくん……っ♡たぁ、くん……ッ♡」
俺の返事に、まゆは心から笑顔を咲かせると、振り返った格好から俺へ向き合う形に姿勢を変えた。そして下着を脱いで、改めてまっすぐ、両手を伸ばしてきた。思えば、まゆとセックスの中でこうして手を繋ぐのは初めてだと思った。今まで、こんなことは一度もしてこなかったんだな、と思った。そしてこんな初歩的なこともしてこなかったなんて、俺は指導係失格だな、と思った。……でも、それでもいい。俺がそう思っていても、まゆはきっと、それを否定してくれる。だからこそ俺に、このセックスを教えて欲しいと願ってくれた。だから。それなら。不格好でも。不器用でも。不相応、でも。まゆと……。いや、繭人と。一緒に、学び合って、いけばいい。
「──」
繭人が伸ばした両手に、俺も手を伸ばして、指を絡めて、ゆっくりと握りしめる。そうすれば繭人もそれを握って、俺を見つめて、嬉しそうに、幸せそうに、わらう。
「ん……ッ♡♡♡」
「ッ……♡」
笑顔から、そして柔い力の指先から伝わってくる繭人の歓びに、俺も言葉にならない嬉しさが巡っていく。こんな気持ちでセックスをするのなんて初めてだ。わけがわからない。なんだか少し、泣きそうだ。
「たぁ、くんっ♡こ♡このまま……ぼくっ……♡挿れてもっ、いい?♡」
「え……っ。ま、まゆが?」
「そ、そう♡だ、だめ……っ?♡」
「……。」
それでも、上目遣いに俺を見つめて小首をかしげるあざとさMAXの繭人の仕草に、お前マジでそれやめろ、と俺は一瞬で真顔になってその涙を引っ込めた。たまに繭人がやるこの仕草は、俺にとっての超絶キラーモーションだ。まだ会社に居た時は見た後即便所でシコり、フェラの時は何度も見て何度もイラマしそうになった代物。……でも、悔しさと嬉しさが等しく両方湧き上がるこの顔は、俺にとってとても大事な繭人の一欠片でもある。だから大事にしたい。大事にして、愛したい。
「た、たぁくん……っ?」
「あ。……い、いや。良いぜ」
「あっ……うんっ♡」
俺の了承にコクコクと繭人は頷いて、大きく脚を開くと俺のチンポを両脚の間で跨ぐようにガニ股姿勢を取った。両手は繋いでいるから頭の後ろに手を置いてはいないが、下半身だけ見れば完全にガニ股スクワットのポーズだ。こんな雰囲気抜群のセックスでも最初に教えてやったドスケベ基本ポーズを取る繭人に、繭人は繭人だと実感する。
「はっ♡はぁ♡ゆ♡ゆっくり、でもっ♡おこら、ないで、ね……ッ♡」
怒らない。さっきのマゾっぷりを考えると怒って無理矢理挿入して突き上げるのもアリなのかもしれないが、俺も、繭人の意思やこのセックスを大切にしたかった。だから繭人と同じように頷いて、俺らしく、返事をしてやる。
「……しゃあねぇなぁ。ちゃんと待ってやるよ」
「ん♡ん……ッ♡」
繭人は俺の言葉に嬉しそうに笑って(くそ、可愛い)、慎重にアナルへチンポを充てがうと、じっくり、腰を沈めていく。
「ふっ♡ぉ゛♡ん、ぉお゛……ッ♡」
にゅくにゅくとアナルを擦り上げる亀頭に、すぐ繭人は濁った声を出す。分かりやすいアクメ声はその実、感じている証拠だろう。感度抜群。全身性感帯。おちんぽと言われただけでイく。そんな稀代のドスケベは、アナルに亀頭が擦れるだけでも甘イキしてしまう。こいつに挿入を任せる時は本当に長丁場だ。「ゆっくり」は謙遜じゃなくマジで長い。冗談抜きで5分は掛かる。感度が良いのに加え、繭人は俺のチンポを感じて味わうのが大好きだからだ。だから少し挿れるたびにアナルでチンポの感触や硬さをねちねちと味わって、その度に甘イキして、一向に挿入が進まない。フェラなんて一番最悪だ。キスして舐めて吸って啄んで、散々表面を愛撫して、やっと咥えても動かさず、頬張ったまま舌でチンポをちゅくちゅく味わう、なんてのもザラにある。そういう時だけは繭人を天然焦らしの鬼畜サドだと思ってしまう。悪気はないのが、倍率でタチが悪い。
「ほっ♡お゛ッ♡ぉ、ぉお゛ッ♡」
それでも今、繭人は繭人なりに挿入を早めようとしているようだ。今日はチンポを過剰に味わうことなく、腰を止める素振りもない。声は完全に甘イキ状態。よく見ればチンポからはトロトロと液体が漏れていた。確かにさっきも沢山まゆを苛めて何回もアクメさせた。身体はもうイキっぱなしなんだろう。そんな状態で自分から頑張る繭人を見ているとなんだか応援してやりたくなって、俺は繋いだ指先に力を籠めて、微力でも、繭人の体重を支えようとする。
「ぁう゛♡……はッ♡はふっ♡た♡たぁ、く♡」
「ぁ……ンっ」
……するとその力に気付いたのか、繭人は俺に笑い掛け、そのままの姿勢で首を伸ばして、俺に、キスをしてきた。突然の行動に一瞬頭が真っ白になって。けれどすぐ離れる唇に、繭人は、やっぱりとろけるように笑っている。
「っ、まゆ」
「ふ、ふぁ……っ♡たぁく♡まゆ……っ♡がんばる、ね……っ♡」
「ッ……!♡」
舌足らずにがんばる、と告げる繭人に、俺は心臓を撃ち抜かれる。一発KO。さっきのフルスロットルにイキっていたドサドの俺は今をもって死んでしまった。つまりこれからここに居るのは繭人が可愛くて愛おしくて大好きでたまらない、腑抜けの真野拓斗でありたぁくんだ。そう思えばなんとかこのトキメキってやつも、繭人に思考停止する俺自身も耐えられる気がする。繭人。可愛い。繭人。やっぱ、すげぇ、可愛い……ッ。
「ぁ゛♡ぉ゛♡お゛ッ♡ん、ぉお゛~……ッ!♡♡♡」
俺が繭人可愛い、を10回ほど繰り返した頃、とちゅん、と繭人の腰が、一番下まで落ちた。奥にまでケツを押し込めた動きで、ピュ、と繭人のチンポから潮が噴く。挿入った安堵で勢いが出て、結腸にでも挿入ったのかもしれないが……どちらにしても、繭人の挿入は成功だ。それを繭人自身も分かっているのか、感極まったように、きゅううっと俺の手を握り直してくる。
「は♡はふ♡ぉ゛♡ぼ、ぼく♡ちゃんと♡できたっ♡たぁくんの♡ぉ♡お゛ッ♡おちん、ぽっ♡ぁ゛♡ぉ゛ッ♡挿れられ、たぁッ♡」
「ああ……っ。そう、だな」
「うぁ♡はぁっ♡こ♡これで♡たぁくんと、いちばんしたい、せっくすっ♡できる……ッ♡♡♡」
「ッ……!!♡」
再度の可愛すぎる繭人の姿に俺は再び心臓を撃ち抜かれ、真野拓斗は2度目の死を迎えた。頑張ったその証明のように「おちんぽ」と自分で言ったのも相当の破壊力だった。それらにむしろ俺は射精してしまいそうになったが、繭人が、俺に唇を押しつけてくるほうが先だった。
「た♡たぁ、くん♡すき♡す、き……っ♡たぁくんっ♡すき♡すきぃ……ッ♡♡♡」
「ぁ、ンっ!♡ん……ッ♡まゆ♡ま、ゆっ♡」
それは間違いなく繭人が求めたセックス。繭人が願った。繭人が欲した、いじらしいくらいの、純情なセックスだ。好きと言う。好きと言い合う。そういう、セックス。でも、その純情さが今の俺にはとても新鮮に、瑞々しく思える。繭人の言葉に、俺も舌を絡める。きつく握られる手に、俺も同じだけの力を籠める。ギュッとする。キスをする。見つめ合う。離れた唇に、俺も、ただ、好きだと言う。
「っ俺♡おれも、好きだよ、まゆッ♡まゆ……っ♡すき♡好きっ♡まゆ、すきッ♡」
「ぁ♡ぉ゛♡ぼく♡ぼく、もっ♡たぁくんっ♡たぁくんっ♡ふっ♡ふ♡ふぅっ♡」
自然と小刻みに揺れる腰にリズムを合わせて、緩いピストンにキスと快感を分かち合う。好き。好き。好き。くちゅくちゅ絡まる舌の奥がそう言っているのが自然と伝わってくる。やっぱりこんなセックス初めてだ。やっぱりそう思うと泣きそうになって、今度はちゃんと、視界が潤む。
「ふぁっ♡ぉ゛♡好きっ♡たぁくん♡好きッ♡」
「ん♡ぉ、お゛♡まゆ♡まゆッ♡きもちいっ?♡きもち、いいかっ?♡」
離れる舌を吸い上げて尋ねる。不安?確認?分からない。でも今の繭人から、それを、きちんと、言葉として聞きたかった。お前の望んだセックスはどうかって。ちゃんと気持ちいいのかって。俺は、ちゃんとそれを、教えてやれてるのかって。その質問へ、下からトントン揺すられながら、髪をぱらぱら揺らしながら、繭人は俺を見た。そして俺の質問へ、自信満々に、嬉しそうに、顔を綻ばせた。
「んっ♡きっ♡きもち、いっ♡ぉ゛♡だ♡だってっ♡ぼくっ♡たぁくんでっ♡きもちよく、なれる、からっ♡」
「は、っ……?」
「だってッ♡ずっとっ♡そう、だったからっ♡ぼくっ♡やらしいこと♡えっちなこと♡すけべな、ことっ♡ぜんぶ♡ぜんぶたぁくんに、教えてもらった、からっ♡だからっ♡ぼくの、きもちいい、のは♡ぼくのっ……性感帯、はっ♡ぜんぶっ♡たぁくん、なんだよ……っ♡♡♡」
「ッ──!!!♡♡♡♡♡」
……ダメだった。
そりゃあ、今までも、ついさっきも、ダメだ、ダメだ、とは思っていた。速攻で2度死んだくらいだ、そりゃあ、ダメだなんて、それくらい思うに決まってる。でも、けれど、俺の全部、俺の丸ごと、俺のなにもかも、そういうもののすべてを受け入れて、俺の形がもう自分の形なんだと指し示す繭人に、その、ドスケベさと生真面目さを綺麗に混じり合わせて両立させている繭人に、本当の、本気で、これが、俺の知っている、他の誰でもない、「多野繭人」そのものだと、思った。その理解で、俺は、本当の本気で、本当に、ダメになった。だって俺が在って多野繭人が在ると、繭人が、自分で、言って、くれたんだから。
だから本当にそこで、本当の本気で、俺は、絶対にこいつを、俺の手から離さない覚悟を決めた。こいつが今差し出したそのすべてに見合うくらいの、それくらいの、覚悟を決めた。それは繭人とテレセクをした時、こいつへ少しでも俺自身を遺して刻み込みたいと祈った懇願にも似ていた。
だからこそ、俺は、それをまるで永い永い約束にするみたいに、繭人へ、言った。
「じゃあ、ずっとっ♡っ……ずっと、俺で、いいよなっ?♡まゆの、気持ちいいのが、俺なら……っ♡ずっと、俺と、いっしょで♡いい、よな……っ?♡」
それはきっと、ちっぽけで、拙くて、取るに足らない、か細い約束。すぐにどこかへ浚われて、見えなくなってしまうかもしれない約束。でも。……でも。それをまるでここにしかない宝物だとでも言うように、繭人は、頷く。今俺が差し出したちっぽけな勇気、拙い愛情、取るに足らない誠意、その、か細い、俺のすべて、俺の全部を、決してどこにもゆかないかけがえのないものだと示すように、繭人は俺へ、もう一度笑う。
笑って。
俺を。
心から。
認めて、くれる。
「ぁ……っ♡は、はい……っ♡はいっ……♡いいっ♡いい、ですっ♡だって、だって……ぼく……っ♡」
──だって。
「ぼくは、たぁくんがいないと……っ。ほんとうに、だめなんですから……ッ♡♡♡」
・
・
・
「まゆっ……♡」
「ぁ、ふ♡たぁ、くん……っ♡」
「ん……ッ♡な、まゆ……っ♡今度は、さっきまゆが言ってた妄想スケベも、しような?♡ドッスケベで♡下品でっ♡ドマゾな……っ♡おちんぽ呼びイキ♡俺アクメ♡いっぱい♡いっぱい♡しような……ッ?♡」
「あっ♡た♡たぁくん♡ゃ♡や゛……ッ♡ぉ゛♡んお゛ッ♡ぉほおぉ゛……ッ!♡♡♡」
興奮して発情しきった身体を引きずって、骨が砕けるんじゃないかってくらいにきつく手を握り合って、俺達はいつも使っていたスタジオに移動した。どうしてもソファじゃなくベッドで、一緒に、ぐずぐずになりたくてたまらなかった。ベッドの上に乗って、興奮した息を吐きながら、お互い、服を脱ぎ合う。全裸になればもうチンポは完全に勃起していて、それはまゆを見る度にビクビクと反応して、今まで一番、大きくなっているように見える。
「ぁッ♡は、はぁッ♡ふっ♡ふうぅ゛ッ♡」
そんな俺のチンポを凝視しながら、まゆもネクタイをほどいて、シャツを脱ぐ。まゆが脱いでいる姿なんてもう何度も見てきたはずなのに、今はそんな過去が比にならないくらい、目の前のストリップに興奮する。まゆのビンビンに勃ったピンク色の乳首に、今すぐアクメさせてスケベな声を聞きたいと思う。まゆを見ながらチンポを扱きたい。まゆを見ながら射精したい。でももうまゆに触れられるのに、そんな勿体ないこと、出来ない。そんな興奮した俺と同じように興奮した仕草で、まゆはベルトを解き、スラックスを脱ぐ。そこから出てくるのは、既にカウパーでグショグショになった下着。それは白い生地のせいで勃起したピンクのチンポが薄っすらと透けて、生地にぴったりと張り付いてその形をくっきりと浮かび上がらせている。そして今日も白い脚に着けられているソックスガーターとハイソックス。その爪先はアクメを待ち望んでいるように、キュッと甘く丸まったまま。俺へのセックスアピールがMAXの姿に俺はもう我慢出来ず、まゆへと勢い良く抱きついた。
「ま、まゆッ!♡まゆ、まゆッ♡」
「あッ♡ま、まのくんっ♡まゆっ♡まだ、服ッ♡」
「いいよっ♡そのままで、いいっ♡そのままが、いいッ♡まゆ♡まゆ♡まゆぅッ♡」
「ぁ♡あッ♡ンぅっ!♡」
まゆの背中を掻き抱いて、唇を奪う。すぐに舌を挿れて、夢中で、掻き回していく。なにもかも認めて、なにもかも伝えて、なにもかもを受け入れたまゆの唇は柔らかくて、甘くて、死ぬほど気持ち良くて、一生、吸って舐めていられると思った。好きだ。好きだ。好きだ。好きだ。まゆ。好き。自分の中で、感情があふれて、止まらない。
「まゆ♡まゆっ♡ま、ゆッ♡」
「ん、んぅッ♡あ♡ぁ♡や、やだっ♡まのく♡まゆって呼ぶの♡だめっ♡」
「な、なんだよッ♡まゆ、自分でも、まゆって言ってるだろっ?♡」
「でもっ♡ぁ♡だめ♡なまえ♡まゆの♡まゆの名前は、だめっ♡ふぁ♡ぁ゛ッ♡」
「ッ……、」
まゆは何故か、俺がまゆと呼ぶのを嫌がる。さっきも同じように呼んでたのに今になってそれに言及するのは、きっとようやくそこに気付いて、反応するだけの余裕が出てきたからなんだろう。どんなことも口では拒否をするまゆの癖。いや、だめ、と言う常套句。でも、それが、まゆの大好きなマゾのやり口だと俺はもう知っている。そしてまゆが全身性感帯で、いつも俺の想像を超えるくらいのスケベだって言うのも、俺は、もう、知っている。ああ。……それなら。
「っ……。……まゆ♡」
「ぁ、お゛ッ♡ゃ♡やぁ♡やだぁッ♡」
「やじゃ、ないよな?ほら、呼ぶたび、まゆ、すっげぇスケベな顔、してる……ッ♡俺にまゆって呼ばれんの……っ♡ほんとは好き、なんだろ?♡」
俺はまゆの耳元へそっと囁くと、身を捩るその身体を、背中から抱え込んだ。俺の脚の間にまゆを座らせて、逃げられないようにまゆの腹と胸に手を回す。耳。乳首。チンポ。アナル。後ろからまゆの全身を感じさせられる、この体勢が大好きだ。何度もまゆの耳にちゅ、ちゅ、とキスをして、その答えを促してやれば、もうまゆは甘イキを止められないように、いやいやと可愛く首を振る。
「うぁ♡ち♡ちが、う♡た♡たぁ、くんにっ♡なまえ、よばれるの♡まゆっ♡すきじゃ、なぃっ♡」
「っ……?たぁ、くん……っ?」
「あ……っ♡あッ!?♡ぁ゛♡ちが♡ちがい、ますっ♡ちがう♡ちがうのっ♡たぁくん♡ちがうっ♡ちがう、からっ♡やだ♡やだっ♡ちが、ぼくっ♡」
「──。」
明らかにやらかしたような動揺を見せるまゆに、ゾク、と興奮が這い上がる。どこかで一度聞いた覚えがあるようなその呼び名に、ゾクゾク、と高揚が湧き上がる。ああそうか。俺がまゆを見つけたように、知らない間にまゆも、俺の中に「たぁくん」を見つけていたのかもしれない。ああ、なんだよ。なんだよ、それ。なら、ちゃんと、教えてくれよ。俺に、たぁくんのこと、教えて、くれよ……ッ♡俺はまゆを逃さないように緩く乳首を弄りながら、耳元へ声を流し込む。まゆ。お前って。本当。可愛い、なぁ……っ!♡
「まゆ……、たぁくんって、何?」
「ぁ♡あ゛♡ゃ♡やっ♡♡♡」
「たぁくんって俺のこと?俺のこと、まゆ、たぁくんって呼んでんの?」
「うぁ♡ち、ちがっ……♡」
「違くないだろ?だって今、ここには俺とお前しか居ないもんな?それともまゆ、俺の知らないやつ、たぁくんって呼んだのか?」
「ち、ちがうっ!♡だ♡だってッ♡たぁくんっ♡たくと、だからっ♡たぁくん、なまえっ♡たくと、だから……っ♡だから♡だからっ♡たぁ、くん……っ♡♡♡」
「な、んだよ……ッ♡そんな可愛い呼び方で、俺のこと呼んでたの?どこで呼んでたの?呼んで、まゆ、なにしてた?♡」
「あ♡ぁ♡あッ♡」
「まゆ♡な?答えろよ……ッ?♡」
「うあ、ぁ……ッ♡♡♡」
乳首をくにくにと押しながら、まゆへ尋ねる。まゆが好きなやり方は敢えて外して、ひっそりと焦らしてやる。こんなやり方をしなくてもまゆは答えてくれると分かっていても、それを許される状態なら、俺はまゆを苛めたくて仕方なかった。まゆに触り始めて俺は自分が想像したよりサドだと知って、それは好きなやつにほどそうしたい、実に厄介な願望だと気付いた。だから俺は今、スケベに、そして甘やかに、まゆを苛めたくてたまらない。イかない程度、甘イキに届かない程度に乳首を触り続ければ、そこでまゆは観念したように、そして今から言うことへ既に興奮しているように、俺の股間へ、ケツをくいくい擦りつけてくる。
「ごっ♡ごめんな、さいっ♡ま♡まゆ♡まゆぅ……っ♡たぁくん♡たぁくんの、名前、呼びながらっ♡いっぱい、おしりいじって♡ちくび、いじってぇ……っ♡たぁくんに、いっぱい、いやらしいことされる、妄想でっ♡すっ♡すけべな、アナニーっ♡いっぱい♡いっぱい♡数え切れない、くらいっ♡して、ましたぁ……っ♡ごめんなさいっ♡ごめんな、さい……っ♡♡♡」
ごめんなさい、と謝罪しながらも、ここで散々ひとりスケベをしてきたと主張するようにガチガチになっている俺のチンポへアナルを押し当てる仕草は、本当に謝罪していたとしても煽っているようにしか思えない。俺はチンポを無限にイライラムラムラさせながら、まゆのアナルを下着越しにこすこすを指で撫で上げる。
「……ここ?ここ、俺のこと考えて、してたんだ?」
「ん、ぉ゛♡して♡してた♡ここ♡ずっと♡ばいぶでっ♡ぶるぶる、させてっ♡いっつも♡ずっとっ♡たぁくんのこと、想像、してっ♡たぁくんにぐちゅぐちゅすけべされてるって想像、してっ♡まゆ♡ずっとッ♡ひとりで、きもちよく、なって、ましたぁッ♡♡♡」
「……だよなぁっ♡この前、まゆ、電話で、そう言ってたもんなぁッ♡」
「ぁ♡んっ♡ぃ♡言った♡たぁくんと、電話、してっ♡ぼく♡いつの、間にかっ♡たぁくんにぜんぶっ♡話し、ちゃってたっ♡」
「あー……ッ♡クッソ♡マジでまゆ、可愛いなぁ……ッ!♡」
「う゛♡か、かわっ♡ぁあッ♡んっ♡ンん゛ッ♡んん゛……~ッ!♡♡♡」
まゆの芯まで届けるように耳に唇を押しつけてそう言えば、可愛い、と言った途端俺の腕の中で全身を竦めて、まゆはピンと脚を伸ばす。もう何度も見てきたまゆの反応。射精はしていなかったものの、ピクピクと頼りなく震えるまゆのチンポに、俺はすぐ、その意味に気が付いた。
「っ……なんだ?まゆ……イった?可愛いって言われて、イっちまった?♡」
「あ♡ぁふ♡にゃ、にゃい♡まゆ♡ぃ、いって♡いって、にゃいっ♡」
「イってねぇの?♡身体、俺ん中であんなビクビクしてたのに?♡」
「にゃ♡ぁ♡して♡してにゃい♡ぼく♡いって♡な、ぁ゛ッ!?♡」
わざとらしく俺の言葉を否定する態度に、俺はビンビンに自分を主張しているまゆのスケベ乳首をキュッと抓ねってやる。ちゃんとまゆが期待しているまま、ちゃんとお仕置きをしてやるように。キツくて甘くて優しい、まゆが大好きな声で言う。
「まゆ♡苛められたくて嘘言うの、ずりぃぞ?♡」
「あ♡ちが♡ちがうっ♡まゆ♡ずるしてない♡ぃ♡いじめ、られた、くてっ♡ず♡ずるなんか♡して、にゃいっ♡♡♡」
するとまるでそれを待ち望んでいたかのように、まゆは俺の手に自分の手を重ねて、もっと、と強請るようにさわさわと撫でてきた。その、最初から変わらない、無自覚で無意識に醸し出されるマゾさこそ、まゆが見せる何よりの媚び方だ。いつもまゆは言葉ではなく態度で「いじめて♡」とねだってくる。その慎ましく、それでいてムッツリにドスケベなやり方が、本当に、たまらない。
「じゃあ俺のこれ、要らねぇ?」
「ぁッ♡ぉ、お゛ッ♡♡♡」
だから、俺もそんなまゆのやり方が大好きだと伝えるように、ズシン、と腰をまゆのアナルへ押し込める。まゆで死ぬほど興奮している、まゆが死ぬほど欲しがっている俺のチンポを、はっきりと伝えてやる。案の定、すぐにまゆはオホ声を上げて、カクカクと腰をヘコつかせ始めた。もうチンポのことしか考えていないのが明らかな動きだ。
「ぉ゛♡た♡たぁく♡あたって♡おしり♡あたって、る゛ッ♡」
「当ててる♡まゆに♡俺のチンポ♡まゆの裸見ただけでこんなサカってるバキバキ勃起チンポ♡まゆのトロットロおまんこに♡わざと♡当ててる♡」
「ぉ゛♡お゛♡や゛♡ゃ゛♡」
「な♡まゆ♡これ要らねぇの?♡これまでまゆのことずうっとアクメさせてきた俺のチンポ♡まゆのトロットロおまんこんナカ♡死ぬほど挿入りたがってる♡まゆのこと大好きな♡バキッバキオスチンポ♡要らねぇ?♡」
「ほっ♡ほぉ゛♡ほ、ぉお゛ッ♡」
心底触って欲しそうなピンク色のぷっくり乳首を敢えて触らず、乳輪だけをくるくるとなぞって、俺は何度もクイクイと腰を押し上げながら、まゆの耳元へドロドロのスケベ願望と欲望を際限なく流し込む。そうすればまゆは脚をピッタリと閉じて、足先までピンと伸ばして、肩の横できゅうっと両手を握り締めて、そして舌を長く伸ばしてヘっ♡へっ♡と喘ぎ始めた。触られていない股間を透けた下着越しに膨らませて、仰け反るように胸を突き出している格好は、俺の言葉でまゆが限界まで発情している証。まゆの可愛さに乗算される真症マゾなメス臭に、俺は更に語気を強めてしまう。
「まゆ、おまんこさみしくねぇの?俺のチンポ欲しくねぇ?な♡まゆ♡ほんとに要らねぇ?チンポ♡おまんこハメしたくねぇ?まゆの弱いトコ♡スケベな前立腺♡にゅこにゅこ♡ぬこぬこ♡掻き回されて♡きっもちいいアクメ、したくねぇ?♡」
「ほっ♡ぉお゛♡たぁく♡たぁくん゛ッ♡」
「な?まゆ♡まゆのおまんこ♡しよ♡ドッスケベなまゆのおまんこ♡しよ♡俺の♡俺だけの♡俺専用の♡俺にピッタリの♡おちんぽケースに、しちまお……ッ?♡♡♡」
「ひッ……!ん、んぉ゛♡♡♡ぉ♡おぉ゛ッ♡ほッ♡ほッ、ぉお゛……んッ!♡♡♡」
夢中でまゆを責め立てていると、そこで突然、まゆはビクン、と震えて。そしてガクガクと震えながら、勢い良く、前触れのない射精をした。下着の布を通り越してビュクビュクと噴水のように吐き出される精液に、ピッタリと閉じられたままの脚がぴぃんッ♡と固まり、両肩の手がギュッと握り締められる。
「──ッ、っ……?」
それは勘繰る必要もないほど突然訪れた全力のアクメで。けれど俺は、それをただ呆けて見つめてしまう。確かにまゆなら、今の一連の流れでアクメしてもおかしくない。さっきも「可愛いイキ」をしたくらいだ、身体が限界までヤバくなってるのは見て取れる。……それでもここまで激しいアクメをするだろうか。それこそさっきは射精まではしていなかった。俺の中にそっと、不自然な違和感が通り過ぎる。
「あ゛ふッ♡ぉ゛っ♡お゛へっ♡んぉ゛♡おッ、ぉ゛~……ッ♡」
「……、」
「んひっ!?♡」
余韻にへぇへぇとだらしなく喘ぐまゆのアナルへ、俺は無言でもう一度、チンポをグッと押し込める。以前、少しだけ、気になっていたことがあった。その時はあまり気にせずスルーしていたものの、今思うと、それは、明らかに不自然だった。その不自然さが、きっと今のまゆの姿にシンクロしていたのかもしれない。だからこそ俺はある種の予感を持って、まゆの耳にぴとりと唇を押しつける。
「……、おちんぽ♡」
「ほッ!?♡お゛ッ♡ぉ゛お♡んぉおぉ゛……ッ!♡♡♡」
俺が「その言葉」を言うと、予想通り、まゆは再び全身をビクビクと震わせた。そして今度はブシッ、と、勢い良く潮を噴く。連続でイったせいで脚に力が入らないのか、脚ピンは緩んだガニ股になって、カクカクと不規則に揺れている。それは連続で本気アクメをした時のまゆの反応。俺はさっき抱いた予感を、いよいよ確信にしてまゆを引き寄せた。
「まゆ……ッ♡」
「ほ♡ほ♡ぉ゛♡」
ふっ、と耳に息を吹き掛けてやると、くたりと力を無くして俺にもたれ掛かっていたまゆの身体がぴくりと跳ねた。まだちゃんと意識はある。まだまゆを、苛められる……っ♡俺はその嬉しさに笑みを顕わにして、まゆが今まで隠していただろうその恐ろしいくらいの天才的性癖、或いはアクメ癖を、まっすぐに、突き付けてやった。
「まゆ♡お前……っ♡おちんぽ、って言われると、アクメしちまうんだな?♡」
「ほッ!♡ぉ、ぉお゛ッ♡ち、ちが♡ぉ゛ッ♡ぉお゛……ッ!♡♡♡」
まゆの否定は追いつかない。言葉に呼応するように、またチンポからプシッ、と潮が噴き出される。同調するような3回連続の潮噴きアクメは、俺の確信を裏付けるものに他ならない。今度こそ言い逃れは出来ないと、俺はさわさわとまゆの乳輪をなぞりながら、まゆを追い詰めてやる。
「まゆぅ……っ♡いッくらまゆでも、それは流石にドスケベすぎるだろ?♡」
「ん、ぉ゛♡ぁ♡た♡たぁくんッ♡ちが♡ちがうの♡まゆ♡これ♡ちがぅ、のぉ゛♡」
「なんで今まで話してくれなかったんだよ?♡こんなヤバい性癖、俺が大好物なの知ってんだろ……ッ?♡」
「だ♡だって♡うぁ♡た♡たぁくんに♡ばれちゃった、ら♡いっぱい♡いっぱい♡まゆ♡ぇ、えっちにッ♡いじめられちゃうって♡思った、からぁッ♡」
「んー?つまりこんな風に俺から苛められたい♡って。まゆ、ずっと妄想してたのか?♡」
「ぁ♡お゛♡ち、ちがっ♡ちがっ♡♡♡」
勿論まゆは否定する。違う、と首を振る。でも、俺にとってはそれは甘い甘い餌と同じだ。大好きなまゆが振りまく、大好きなドスケベの、餌と同じ。それをまゆの目の前で、まゆに見られながら食うのを、俺もやっと許された。だから俺ももう遠慮しない。好きを全力で出しながら、可愛すぎるドマゾのまゆを、全力で。苛めながら、愛してやりたい。
「……でも、まゆ、その妄想で山程アナってたんだろ?さっきも俺でいっぱいアナってたって言ってたもんな♡俺にいっぱい、おちんぽ♡って言われる妄想で♡まゆ、アクメしまくってたんだろ?♡」
「ほぉ゛♡ぉ゛♡らめ♡たぁく♡ら゛めぇッ♡♡♡」
言われたいことを、言われたいまま、言われたいように、言う。
だめ。また否定。でも顔はトロトロに蕩けた完全なアクメ顔。全身はふるふると震えた完全な甘イキ状態。やっぱり言葉ではなく身体で悦びを示すまゆを、俺は褒めるように何度もその耳へキスを落とす。なぁまゆ。さっきはちゃんと言葉で言えたんだ。それなら、今度も、出来るよな?
「じゃあ、ちゃんと、言葉にしようぜ♡まゆがどんなスケベ妄想してたか♡俺に、何されたい、って思ってたか♡ちゃーんと俺に♡話してみようぜ?♡」
「ぉ゛♡しょれ♡しょれ、はっ♡」
「なんだ?嫌なのか?ちゃんと言えたら、俺、全部それ、まゆにやってやるのになぁ♡」
「ほッ!?♡ほ♡ほッ♡ほぉ゛ッ♡」
「何驚いてんだよ。当然だろ?♡俺が大好きな、まゆの妄想なんだからよ♡」
「ほ♡お゛♡たぁく♡らめ゛♡」
「ははっ♡だからな?言えよ、まゆ♡お前のドマゾで♡ドッスケベな♡アナニー妄想♡ぜんぶ、俺に言え♡」
「ほ♡ほ、ぉ゛……ッ!♡」
俺の命令するその言葉だけでもうアクメしたように、まゆは仰け反って舌を出す。マゾの快感が許容量を完全にオーバーしてるんだろう。正直俺もサドの快感が許容量を超えて、射精してもおかしくないくらい興奮している。でも、まだ駄目だ。まだ勿体ない。このまゆを最後まで愉しまなきゃ、絶対に、勿体ない。
だから、とまゆの言葉を待てば、全身を使って俺へ媚びるように、まゆはチロチロと舌を伸ばす。
「ま♡まゆぅ゛♡ずっと♡ずっとぉ♡た♡たぁくんに♡ぉ゛ッ♡おちんぽッ♡ぉ゛、おちんぽ、ぉ゛♡って♡耳元で、言われる、妄想でッ♡あくめ、ひて、ましたッ♡ち、ちくびも♡おしり、も♡みみ、も♡ぜんぶ♡たぁくんの指と、ぉ♡おちんぽ♡で♡ぉ゛♡ぜんぶ♡このかっこで♡きもちよく、されて♡まゆが♡だめに、なっちゃうくらい♡あくめ、させられ、ちゃぅ、の゛♡ずっと♡ずうっと、もうそう、ひて♡おしり♡ほじって♡ちくぴんあくめ♡ひて、ましたぁ゛……ッ、ぉ♡ぉお゛……ッ!♡♡♡」
言い終わるのと同時に、プシッ、と潮を吐いて、まゆは嬌声を上げる。言い終わるまで必死でアクメを堪えていたのが分かる態度に、俺は、愛おしさが止まらなくなる。俺へ必死で妄想を伝えようとしていたそのいじらしさが健気で、愛おしさでたまらなくなる。俺はこんなまゆが見たくて仕方なかったんだと痛感する。まゆ。繭人。可愛い。可愛い。可愛い……ッ!♡♡♡
「ッ……そっか♡まゆ♡俺に♡そッんなドスケベなことされる妄想して♡毎日ケツほじってたんだなぁ♡」
「ぁ♡お゛♡ぉ゛♡」
「じゃあ、それ、ぜんぶ、やってやらなきゃな?さっきやってやるって言ったもんな♡ちゃんと、全部、まゆに、してやんなきゃな……ッ♡」
ようやく俺は満たされた気分で、ぐっとまゆを引き寄せる。してやる。してやろう。まゆの全部。耳から。乳首から。アナルから。俺の全部で。まゆを、死ぬほど気持ち良くしてやろう。だってそうしたい。そうしてやりたい。俺は心底そう思う。まゆを心底愛おしく苛めたいのと同じくらい、俺はまゆに心底愛おしく奉仕してやりたいと思っている。まゆのしたい願望全部、俺で叶えられるもんなら叶えてやりたいと思っている。だからそれが俺で叶うなら、俺の身体で叶うなら、好きなだけ、まゆを、甘やかに、いじめて、いじめて、いじめて。まゆを、幸せに、してやりたい。
「ッぉ゛♡ぁ♡ぅ゛あ……ッ♡♡♡」
「っ」
……でも。
抱き寄せた俺に、まゆはゆっくりと、振り返った。アクメ顔はそのまま。アクメ声もそのまま。けれど、こっちから覗き込むんじゃなく、視線を合わせるようにこっちを向いたまゆは、なんだか、もっと……切実に、見える。
「た♡たぁく♡たぁ、くん゛……ッ♡」
「っ……?まゆ……?」
俺の名前をふり絞るように言うまゆへ、俺も立ち止まる。それは何かを伝えようとしている仕草。俺へ、伝えようとしている仕草。まゆが、俺の手を握る。きゅっと、力を籠める。
「ぼ、ぼく♡ぼく、ぅ゛♡たぁくんの、こと、すき♡だ♡だい、すき……ッ♡」
「っな。ま、まゆ……ッ?♡」
「だ、だからッ♡さ♡さっき♡さっきの妄想、よりも♡ぼく♡た♡たぁくん、と♡ぎゅうって、して♡きす、して♡手も、つないで……っ♡いっぱい♡いっぱい♡見つめ、あって♡すきって、言う、せっくす♡し、したい♡したいっ、です……ッ♡」
「ッ──、」
俺の両手を握って、それこそ本気でおねがいをするように、まゆは、言う。
突然の欲望。いや、願望。いや、やっぱり……欲望。多分、まゆの、今の、愛情のなにもかものそれを、まゆは、まっすぐ、差し出してくる。一瞬でなにもかものぜんぶがあふれちまいそうなそれを、一気に、ぜんぶ、俺へ。……渡して、くる。
「ま、まゆ……ッ、」
「だ♡だって♡それだけ、は♡してこなかった、から♡たぁくんにいじめられる、のも♡たぁくんにぜんぶきもちよくされる、のも♡ぼく♡いっぱい♡されてきた、けど……ッ♡たぁくんと、すきって言いながら、っ……せ♡せっくす、するのは♡ぼく♡まだ♡たぁくんに♡教えて、もらって、ない、から……ッ♡♡♡」
「ッ──!!♡♡♡」
そしてその言葉で、俺のすべては焼き切れた。まゆとして。多野として。俺に心から指導を請う立場をこの状況でも護ろうとするまゆに、俺は、本当に、ほんとうに、こいつが、多野が、まゆが、繭人が、好きで、好きで、好きで、好きで、たまらないと思った。さっき思った、まゆへ向けた愛情のすべてが、そうしてやりたいと思った願望のすべてが、今、ここで、まゆがやりたいと言った、そのセックスへ注がれる。
やりたい。してやりたい。でもそれ以上に、俺も、したい。
ギュッとして。キスをして。沢山、たくさん、見つめ合って。手を、繋いで。まゆと。好きと言い合うセックスを。俺は。まゆと。多野と。多野繭人と。……したい。
「ッ、まゆ」
「は、はい……ッ♡」
俺も、まゆを呼ぶ。
まゆへ伝える。
俺の気持ち。
俺の思い。
それはもう一度やり直される告白。
お互いを好きと言い合う誓い。
ふたりだけの。
儀式で、約束。
「しよう。まゆの、言う。好きって言い合う、セックス」
「ぁ。あ……ッ♡」
「俺もっ……それ。したい、から……ッ♡」
「っ……は、はいっ……♡たぁくん……っ♡たぁ、くん……ッ♡」
俺の返事に、まゆは心から笑顔を咲かせると、振り返った格好から俺へ向き合う形に姿勢を変えた。そして下着を脱いで、改めてまっすぐ、両手を伸ばしてきた。思えば、まゆとセックスの中でこうして手を繋ぐのは初めてだと思った。今まで、こんなことは一度もしてこなかったんだな、と思った。そしてこんな初歩的なこともしてこなかったなんて、俺は指導係失格だな、と思った。……でも、それでもいい。俺がそう思っていても、まゆはきっと、それを否定してくれる。だからこそ俺に、このセックスを教えて欲しいと願ってくれた。だから。それなら。不格好でも。不器用でも。不相応、でも。まゆと……。いや、繭人と。一緒に、学び合って、いけばいい。
「──」
繭人が伸ばした両手に、俺も手を伸ばして、指を絡めて、ゆっくりと握りしめる。そうすれば繭人もそれを握って、俺を見つめて、嬉しそうに、幸せそうに、わらう。
「ん……ッ♡♡♡」
「ッ……♡」
笑顔から、そして柔い力の指先から伝わってくる繭人の歓びに、俺も言葉にならない嬉しさが巡っていく。こんな気持ちでセックスをするのなんて初めてだ。わけがわからない。なんだか少し、泣きそうだ。
「たぁ、くんっ♡こ♡このまま……ぼくっ……♡挿れてもっ、いい?♡」
「え……っ。ま、まゆが?」
「そ、そう♡だ、だめ……っ?♡」
「……。」
それでも、上目遣いに俺を見つめて小首をかしげるあざとさMAXの繭人の仕草に、お前マジでそれやめろ、と俺は一瞬で真顔になってその涙を引っ込めた。たまに繭人がやるこの仕草は、俺にとっての超絶キラーモーションだ。まだ会社に居た時は見た後即便所でシコり、フェラの時は何度も見て何度もイラマしそうになった代物。……でも、悔しさと嬉しさが等しく両方湧き上がるこの顔は、俺にとってとても大事な繭人の一欠片でもある。だから大事にしたい。大事にして、愛したい。
「た、たぁくん……っ?」
「あ。……い、いや。良いぜ」
「あっ……うんっ♡」
俺の了承にコクコクと繭人は頷いて、大きく脚を開くと俺のチンポを両脚の間で跨ぐようにガニ股姿勢を取った。両手は繋いでいるから頭の後ろに手を置いてはいないが、下半身だけ見れば完全にガニ股スクワットのポーズだ。こんな雰囲気抜群のセックスでも最初に教えてやったドスケベ基本ポーズを取る繭人に、繭人は繭人だと実感する。
「はっ♡はぁ♡ゆ♡ゆっくり、でもっ♡おこら、ないで、ね……ッ♡」
怒らない。さっきのマゾっぷりを考えると怒って無理矢理挿入して突き上げるのもアリなのかもしれないが、俺も、繭人の意思やこのセックスを大切にしたかった。だから繭人と同じように頷いて、俺らしく、返事をしてやる。
「……しゃあねぇなぁ。ちゃんと待ってやるよ」
「ん♡ん……ッ♡」
繭人は俺の言葉に嬉しそうに笑って(くそ、可愛い)、慎重にアナルへチンポを充てがうと、じっくり、腰を沈めていく。
「ふっ♡ぉ゛♡ん、ぉお゛……ッ♡」
にゅくにゅくとアナルを擦り上げる亀頭に、すぐ繭人は濁った声を出す。分かりやすいアクメ声はその実、感じている証拠だろう。感度抜群。全身性感帯。おちんぽと言われただけでイく。そんな稀代のドスケベは、アナルに亀頭が擦れるだけでも甘イキしてしまう。こいつに挿入を任せる時は本当に長丁場だ。「ゆっくり」は謙遜じゃなくマジで長い。冗談抜きで5分は掛かる。感度が良いのに加え、繭人は俺のチンポを感じて味わうのが大好きだからだ。だから少し挿れるたびにアナルでチンポの感触や硬さをねちねちと味わって、その度に甘イキして、一向に挿入が進まない。フェラなんて一番最悪だ。キスして舐めて吸って啄んで、散々表面を愛撫して、やっと咥えても動かさず、頬張ったまま舌でチンポをちゅくちゅく味わう、なんてのもザラにある。そういう時だけは繭人を天然焦らしの鬼畜サドだと思ってしまう。悪気はないのが、倍率でタチが悪い。
「ほっ♡お゛ッ♡ぉ、ぉお゛ッ♡」
それでも今、繭人は繭人なりに挿入を早めようとしているようだ。今日はチンポを過剰に味わうことなく、腰を止める素振りもない。声は完全に甘イキ状態。よく見ればチンポからはトロトロと液体が漏れていた。確かにさっきも沢山まゆを苛めて何回もアクメさせた。身体はもうイキっぱなしなんだろう。そんな状態で自分から頑張る繭人を見ているとなんだか応援してやりたくなって、俺は繋いだ指先に力を籠めて、微力でも、繭人の体重を支えようとする。
「ぁう゛♡……はッ♡はふっ♡た♡たぁ、く♡」
「ぁ……ンっ」
……するとその力に気付いたのか、繭人は俺に笑い掛け、そのままの姿勢で首を伸ばして、俺に、キスをしてきた。突然の行動に一瞬頭が真っ白になって。けれどすぐ離れる唇に、繭人は、やっぱりとろけるように笑っている。
「っ、まゆ」
「ふ、ふぁ……っ♡たぁく♡まゆ……っ♡がんばる、ね……っ♡」
「ッ……!♡」
舌足らずにがんばる、と告げる繭人に、俺は心臓を撃ち抜かれる。一発KO。さっきのフルスロットルにイキっていたドサドの俺は今をもって死んでしまった。つまりこれからここに居るのは繭人が可愛くて愛おしくて大好きでたまらない、腑抜けの真野拓斗でありたぁくんだ。そう思えばなんとかこのトキメキってやつも、繭人に思考停止する俺自身も耐えられる気がする。繭人。可愛い。繭人。やっぱ、すげぇ、可愛い……ッ。
「ぁ゛♡ぉ゛♡お゛ッ♡ん、ぉお゛~……ッ!♡♡♡」
俺が繭人可愛い、を10回ほど繰り返した頃、とちゅん、と繭人の腰が、一番下まで落ちた。奥にまでケツを押し込めた動きで、ピュ、と繭人のチンポから潮が噴く。挿入った安堵で勢いが出て、結腸にでも挿入ったのかもしれないが……どちらにしても、繭人の挿入は成功だ。それを繭人自身も分かっているのか、感極まったように、きゅううっと俺の手を握り直してくる。
「は♡はふ♡ぉ゛♡ぼ、ぼく♡ちゃんと♡できたっ♡たぁくんの♡ぉ♡お゛ッ♡おちん、ぽっ♡ぁ゛♡ぉ゛ッ♡挿れられ、たぁッ♡」
「ああ……っ。そう、だな」
「うぁ♡はぁっ♡こ♡これで♡たぁくんと、いちばんしたい、せっくすっ♡できる……ッ♡♡♡」
「ッ……!!♡」
再度の可愛すぎる繭人の姿に俺は再び心臓を撃ち抜かれ、真野拓斗は2度目の死を迎えた。頑張ったその証明のように「おちんぽ」と自分で言ったのも相当の破壊力だった。それらにむしろ俺は射精してしまいそうになったが、繭人が、俺に唇を押しつけてくるほうが先だった。
「た♡たぁ、くん♡すき♡す、き……っ♡たぁくんっ♡すき♡すきぃ……ッ♡♡♡」
「ぁ、ンっ!♡ん……ッ♡まゆ♡ま、ゆっ♡」
それは間違いなく繭人が求めたセックス。繭人が願った。繭人が欲した、いじらしいくらいの、純情なセックスだ。好きと言う。好きと言い合う。そういう、セックス。でも、その純情さが今の俺にはとても新鮮に、瑞々しく思える。繭人の言葉に、俺も舌を絡める。きつく握られる手に、俺も同じだけの力を籠める。ギュッとする。キスをする。見つめ合う。離れた唇に、俺も、ただ、好きだと言う。
「っ俺♡おれも、好きだよ、まゆッ♡まゆ……っ♡すき♡好きっ♡まゆ、すきッ♡」
「ぁ♡ぉ゛♡ぼく♡ぼく、もっ♡たぁくんっ♡たぁくんっ♡ふっ♡ふ♡ふぅっ♡」
自然と小刻みに揺れる腰にリズムを合わせて、緩いピストンにキスと快感を分かち合う。好き。好き。好き。くちゅくちゅ絡まる舌の奥がそう言っているのが自然と伝わってくる。やっぱりこんなセックス初めてだ。やっぱりそう思うと泣きそうになって、今度はちゃんと、視界が潤む。
「ふぁっ♡ぉ゛♡好きっ♡たぁくん♡好きッ♡」
「ん♡ぉ、お゛♡まゆ♡まゆッ♡きもちいっ?♡きもち、いいかっ?♡」
離れる舌を吸い上げて尋ねる。不安?確認?分からない。でも今の繭人から、それを、きちんと、言葉として聞きたかった。お前の望んだセックスはどうかって。ちゃんと気持ちいいのかって。俺は、ちゃんとそれを、教えてやれてるのかって。その質問へ、下からトントン揺すられながら、髪をぱらぱら揺らしながら、繭人は俺を見た。そして俺の質問へ、自信満々に、嬉しそうに、顔を綻ばせた。
「んっ♡きっ♡きもち、いっ♡ぉ゛♡だ♡だってっ♡ぼくっ♡たぁくんでっ♡きもちよく、なれる、からっ♡」
「は、っ……?」
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「ッ──!!!♡♡♡♡♡」
……ダメだった。
そりゃあ、今までも、ついさっきも、ダメだ、ダメだ、とは思っていた。速攻で2度死んだくらいだ、そりゃあ、ダメだなんて、それくらい思うに決まってる。でも、けれど、俺の全部、俺の丸ごと、俺のなにもかも、そういうもののすべてを受け入れて、俺の形がもう自分の形なんだと指し示す繭人に、その、ドスケベさと生真面目さを綺麗に混じり合わせて両立させている繭人に、本当の、本気で、これが、俺の知っている、他の誰でもない、「多野繭人」そのものだと、思った。その理解で、俺は、本当の本気で、本当に、ダメになった。だって俺が在って多野繭人が在ると、繭人が、自分で、言って、くれたんだから。
だから本当にそこで、本当の本気で、俺は、絶対にこいつを、俺の手から離さない覚悟を決めた。こいつが今差し出したそのすべてに見合うくらいの、それくらいの、覚悟を決めた。それは繭人とテレセクをした時、こいつへ少しでも俺自身を遺して刻み込みたいと祈った懇願にも似ていた。
だからこそ、俺は、それをまるで永い永い約束にするみたいに、繭人へ、言った。
「じゃあ、ずっとっ♡っ……ずっと、俺で、いいよなっ?♡まゆの、気持ちいいのが、俺なら……っ♡ずっと、俺と、いっしょで♡いい、よな……っ?♡」
それはきっと、ちっぽけで、拙くて、取るに足らない、か細い約束。すぐにどこかへ浚われて、見えなくなってしまうかもしれない約束。でも。……でも。それをまるでここにしかない宝物だとでも言うように、繭人は、頷く。今俺が差し出したちっぽけな勇気、拙い愛情、取るに足らない誠意、その、か細い、俺のすべて、俺の全部を、決してどこにもゆかないかけがえのないものだと示すように、繭人は俺へ、もう一度笑う。
笑って。
俺を。
心から。
認めて、くれる。
「ぁ……っ♡は、はい……っ♡はいっ……♡いいっ♡いい、ですっ♡だって、だって……ぼく……っ♡」
──だって。
「ぼくは、たぁくんがいないと……っ。ほんとうに、だめなんですから……ッ♡♡♡」
・
・
・
「まゆっ……♡」
「ぁ、ふ♡たぁ、くん……っ♡」
「ん……ッ♡な、まゆ……っ♡今度は、さっきまゆが言ってた妄想スケベも、しような?♡ドッスケベで♡下品でっ♡ドマゾな……っ♡おちんぽ呼びイキ♡俺アクメ♡いっぱい♡いっぱい♡しような……ッ?♡」
「あっ♡た♡たぁくん♡ゃ♡や゛……ッ♡ぉ゛♡んお゛ッ♡ぉほおぉ゛……ッ!♡♡♡」
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