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第5章 Duet
声援
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「じゃあ、頑張ってね。応援してるから」
「はい」
そう言って先生は立ち去って行った。ドアの隙間から風が優しく押し寄せる。
「先生」
堪えきれず、僕はそう呟いてしまった。半分程度開いたドアから、先生が振り向く様子が見えた。
「ありがとう、ございます」
「そんなお礼を言われるような大層なこと、してないわよ。でも…」
先生はつかの間俯いて、また僕の方を見た。
「水瀬さんを、救ってあげて。今それができるのは、きっと相原さんだけだから」
先生はそれだけ言うと、半分開いていたドアを全て閉めて出ていった。精一杯返した返事は、先生にも届いただろうか。
先生がいなくなり、静寂が再び始まった教室で、僕は先生の言葉を反芻していた。
応援してる。
その言葉は、今の僕にとってもまた、救いの言葉だった。水瀬のいない音楽の中に、たった1つある希望。
たった1人でも、応援してくれているということ。たった1人でも、僕らの演奏を待ち望んでいること。その事実が、こんなにも胸を優しく包み込むなんて。
…水瀬。
立花先生も、わかってたよ。
水瀬は逃げるような人じゃないって、先生も信じてる。
だからさ。
早く来ないと、僕と先生に怒られるぞ?
「はい」
そう言って先生は立ち去って行った。ドアの隙間から風が優しく押し寄せる。
「先生」
堪えきれず、僕はそう呟いてしまった。半分程度開いたドアから、先生が振り向く様子が見えた。
「ありがとう、ございます」
「そんなお礼を言われるような大層なこと、してないわよ。でも…」
先生はつかの間俯いて、また僕の方を見た。
「水瀬さんを、救ってあげて。今それができるのは、きっと相原さんだけだから」
先生はそれだけ言うと、半分開いていたドアを全て閉めて出ていった。精一杯返した返事は、先生にも届いただろうか。
先生がいなくなり、静寂が再び始まった教室で、僕は先生の言葉を反芻していた。
応援してる。
その言葉は、今の僕にとってもまた、救いの言葉だった。水瀬のいない音楽の中に、たった1つある希望。
たった1人でも、応援してくれているということ。たった1人でも、僕らの演奏を待ち望んでいること。その事実が、こんなにも胸を優しく包み込むなんて。
…水瀬。
立花先生も、わかってたよ。
水瀬は逃げるような人じゃないって、先生も信じてる。
だからさ。
早く来ないと、僕と先生に怒られるぞ?
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