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第三章「迷宮都市アイゼンシュタイン編」

第六十二話「朝のひと時」

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 朝の四時に起きてから一日千回の雷光閃を始める。一発ずつフォームを確認しながら丁寧に剣技を放ち続けると、筋肉に心地良い疲労を感じた。それから乾燥肉とチーズを食べ、タンパク質を飽和状態まで詰め込む。

 レオンハルトとは八時に宿の一階で待ち合わせているので、合流までの四時間で徹底的に肉体を追い込む。俺の強さは毎日の鍛錬によって支えられている。エレオノーレ様との修行をしていた時は起きている時間は殆ど肉体を追い込んでいた。

 そして徹底的に栄養を摂取し、肉体が爆発的に成長したのだ。冒険者として暮らし始めてから一年半が経った。最高の冒険者を目指して旅に出たが、Sランクの称号を得たからといって満足は出来ない。俺の目標はエレオノーレ様なのだ。

 これだけ訓練を積んでもエレオノーレ様に攻撃を当てられた事がない。まだ才能が開花していない二人の天才を指導し、戦う力を持たない人間を守れる冒険者に育て上げよう。レオンハルトは喜んで俺の弟子になったが、エルザという少女とはどうすれば仲良くなれるだろうか。

 そういえば彼女はガーゴイルを飼っていたな。俺がガーゴイルの姿で近づけば心を許してくれるかもしれない。まずはレオンハルトに今日の課題を与え、エルザに会いに行こう。

 朝の稽古を終えて部屋を出てレオンハルトと合流する。だらしなく伸びた黒髪に澄んだ瞳。ライトメイルを纏い、腰にはダガーを差している。どこからどう見ても駆け出しの冒険者。肉体もまだまだ鍛えなければならない。それに、精神的にも彼はかなり不安定だ。

「おはようございます! 師匠!」
「おはよう、レオンハルト。それでは早速課題を与えるよ」
「はい! よろしくお願いします!」

 素直で明るい性格なのは良いが、俺との生活で強さを手に入れた時、連続殺人犯を見つけ出して勝負を挑まないかだけが心配だ。冒険者が一般の市民に比べて死亡率が高いのは、自分の力を正確に分析出来ずに魔物に挑むからだ。

 市民は魔物と遭遇すればたちまち逃げ出すが、冒険者の中には高ランクの魔物を前にしても引かず、短い人生を終える者が多い。特に冒険者登録をしたばかりのEランク、Dランクの若い冒険者の死亡率が高いのだ。

「レオンハルト。確認のためもう一度言っておくけど、両親を殺した犯人を捜そうとするなよ」
「大丈夫ですよ。約束は守ります。勇者ユリウス・フォン・シュタイン様に稽古をつけて頂けるんですから!」
「分かってるならいいけど……俺は君を失いたくないからね」
「師匠……」

 レオンハルトは嬉しそうに俺を見上げると、俺は彼の肩に手を置いた。それから露店が立ち並ぶ通りに入り、俺はレオンハルトを育てるために食料を買い込む事にした。

 ブラックウルフというDランク、氷属性の魔物の乾燥肉安く売られていたので、俺は肉を三百グラム購入してレオンハルトに渡した。

「師匠、この肉は?」
「朝食だよ。さぁ食べるんだ」
「え!? こんなに沢山食べるんですか?」
「これでも少ない方だよ。パンも食べるんだ」

 俺は聖者の袋から大量のパンを取り出すと、レオンハルトにパンを渡した。体の小さなレオンハルトはまず肉体を鍛えなければならない。

「師匠、こんなに食べて太らないでしょうか?」
「動かなければ太るだろうね。地域を守るために魔物を狩って肉体を追い込み、大量の栄養を摂取して筋肉を成長させる。これが封魔師として基本、というよりも冒険者としての基礎かな」
「基礎ですか……分かりました。強くなるために沢山食べる事にします!」

 レオンハルトはブラックウルフの乾燥肉をかじると、黒コショウと塩で味付けされたシンプルな肉が気に入ったのか、俺は露天商から一キロ分の乾燥肉を買い取ってレオンハルトに渡した。彼は鞄にパンと乾燥肉を仕舞うと、俺達は二人で露店街を見て歩きながらレオンハルトが所属するギルドを目指して進んだ。

「俺のギルドはここです」
「冒険者ギルド・レッドストーンか」
「はい。ギルドマスターからスカウトされて加入したんですが、クエストはほとんどこなした事がないんです。両親を殺した犯人を捜すのに忙しかったので……」
「これからは冒険者としての活動もしないとな。さぁ肉を食べてしまいなさい」
「はい!」

 レオンハルトは三百グラムの乾燥肉を食べると、俺は聖者のゴブレットで水を作り出して彼に飲ませた。一年前に両親を失ってから路上で生活をしていた彼は食欲が旺盛なのか、随分美味しそうにパンや肉を食べた。この調子なら肉体もすぐに成長するだろう。

 ギルドに入ると、こじんまりとした雰囲気だが個性的な冒険者が多く所属している事に気が付いた。一般の冒険者とは少し雰囲気が異なる様で、魔力が高い者は少ないが、皆やる気に満ちた良い表情をしている。

 ギルドの受付には二十代程の女性と男性が立っているだけで、他に職員は居ない。恐らく男性の方がギルドマスターなのだろう。鋼鉄のメイルを身に着け、腰にレイピアを差している。髪は金髪でポニーテールにしているので、なんとなくエレオノーレ様と雰囲気が似ている。

 昨日出会った忌々しいギルドマスターとは正反対の様な、非常に柔和な笑みを浮かべた中性的な男性がレオンハルトに手を振ると、レオンハルトは恥ずかしそうに手を振り返した。

「レオンハルト、久しぶりじゃないか! 元気にしていたか?」
「はい、エドヴィンさん。今日は久しぶりにクエストを受けようと思って来たんです」
「そうかそうか。それで、隣に居る方は……パーティーのメンバーかな?」
「いいえ、俺の師匠です」
「師匠!?」

 二十五歳程の雰囲気の良いマスターがカウンターから出てくると、ゆっくりと俺に近づいてきた。体内には聖属性と氷属性を秘めており、たれ目気味の瞳で俺に微笑むと、俺は初めて会う中性的な実力者に戸惑った。

 ランクの高い者ほどエレオノーレ様の様な殺人的な魔力を秘めていたり、ヴォルフ師匠の様に一目見ただけで強さが分かるものだが、このギルドマスターは今まで出会ってきた者達とは雰囲気が異なる。一番雰囲気が近いのは国王陛下だろうか。

「あなたがレオンハルトの師匠ですか? 私は冒険者ギルド・レッドストーンのギルドマスター、Bランク、レベル70。魔法剣士のエドヴィン・タークです。お会い出来て光栄です」
「私は冒険者ギルド・ファルケンハインのギルドマスター、ファルケンハイン王国の勇者。Sランク、レベル108、封魔師のユリウス・フォン・シュタインです。こちらこそお会い出来て光栄です。これからレオンハルトの師として、彼には積極的にクエストを受けて貰います」
「シュタイン様……? ラース大陸でヒュドラを討伐したという勇者様ですか!?」
「はい」
「まさか……! 勇者様がレオンハルトの師匠になって下さるとは! レッドストーンに歓迎します! それから、昨日はドラゴニュートの襲撃から市民を守って下さってありがとうございます。勇者様を心から尊敬しております」

 ギルドマスターが跪くと、冒険者達が一斉に跪いて俺を見つめた。昨日の冒険者ギルド・レグルスとは対応が違いすぎて戸惑いを覚える。

「皆さん、どうか立ち上がって下さい。魔物が都市を襲撃すれば冒険者が駆逐するのは当然の事ですから……」
「ですが、勇者様は他国の冒険者でありながら、シュリーフェン王国の国民を魔物から守って下さいました! 冒険者として、人間として以前から尊敬していました。私の憧れの勇者様とこうしてお会い出来て、本当に幸せを感じております……!」

 マスターはゆっくりと立ち上がり、俺に握手を求めると、俺は彼の手を両手で握った。案の定、国王陛下とよく似た神聖な魔力が俺の体内に流れてきた。聖属性を持つ者は冒険者として最も優れていると思っている。なぜなら聖属性は傷付いた者を癒せる唯一の属性だからだ。

「マスター、レオンハルトの実力に合ったクエストはありますか?」
「そうですね……Dランク、闇属性、グリムリーパーの討伐などはどうでしょうか? 都市の地下にある闇のダンジョンの一階層から二階層に生息する魔物です」
「グリムリーパーというと、大鎌を作り出すデスサイズの魔法の使い手でしたね」
「はい。十体討伐で二千ゴールドの報酬をお支払いします」
「ではそのクエストを受けます」

 俺はレオンハルトが受けるクエストを決めると、彼はギルドカードを提示してクエストを受けた。

「師匠、俺は闇のダンジョンでグリムリーパーを狩れば良いんですか?」
「ああ、なるべく多くのグリムリーパーを倒してくるんだ。くれぐれも無理な戦闘はしない様に。基本的には一対一で戦う事。魔物に囲まれる様なら全身に風のエンチャントを纏わせて逃げるんだ」
「大丈夫です、逃げ足には自信がありますから」
「それから、魔石を集めてくると良い事があるかもしれないな」
「魔石ですか? 分かりました。出来るだけ多くのグリムリーパーを仕留めてきます!」

 レオンハルトが魔石を持ち帰ったらガチャを使わせよう。そうすればモチベーションを維持出来るだろうし、レオンハルトに必要な道具も出てくるに違いない。

「勇者様、私が忠告したかった事を全て伝えてくれてありがとうございます。もしお時間があるならお茶でもいかがですか? 私はもっと勇者様と親しくなりたいです」
「ええ、勿論良いですよ」

 マスターは俺の返事を聞いて満面の笑みを浮かべた。身長は百八十センチ程。肉体はしっかり鍛えている様だが、どことなく女性的な雰囲気がする彼とは良い友達になれそうだ。

 それから俺はマスターと共にレオンハルトを見送ると、ギルドの隅で紅茶を飲み始めた。三十分程語り合うと俺はすっかり彼の事が好きになり、俺は彼をエドヴィンさんと呼び、彼は俺の事をユリウス君と呼び合う仲になった。

「エドヴィンさん、エルザ・シュヴァルツという魔法道具屋を知っていますか?」
「エルザですか、彼女は私のギルドのメンバーですよ。エルザをご存じですか?」
「はい、昨日ドラゴニュートに襲われていた所を助けたんです」
「そうでしたか。エルザまで守って頂いて、もはやどうお礼をすれば良いのかもわかりません。何から何まで本当にありがとうございます」
「気にしないで下さい。エルザという子の事を教えて貰えますか?」
「勿論構いませんよ。Dランク、魔法道具屋、エルザ・シュヴァルツ。あの子は素晴らしい魔法の才能を持っていますが、両親を失ってから自宅に引きこもっている様です。たまにクエストを受けに来るんですが、他の冒険者と交流する事はまずないですね……」

 レオンハルトと同様に、エルザもやはり両親を失っているのだ。不意に彼女が焼いた固焼きビスケットの味を思い出した。

「両親は他界しているんですか?」
「はい。一年前のゲイザーの襲撃時に彼女の両親が市民を守るために命を落としたんです。私のギルドのメンバーではありませんでしたが、エルザの両親はBランクの称号を持つ優れた魔術師でした」
「ゲイザーに両親を殺されたんですか……」
「ええ、ユリウスさんはエルザに興味があるんですか?」
「彼女の天性の才能には興味があります。鍛え上げれば歴史に名を遺す魔術師にもなれるでしょう」
「やはり……ユリウスさんは人を見る目があるんですね。私はレオンハルトを見つけた時、きっと彼は最高の冒険者になると感じたんです」
「それは俺も同じです。レオンハルトは正しい道を歩めば最高の冒険者になるでしょう」
「これから勇者であるユリウスさんが指導して下さるなら、レオンハルトも幸せに暮らせるでしょう。どうかレオンハルトの事をよろしくお願いします」

 エドヴィンさんが深々と頭を下げると、俺は彼の肩に手を置いた。

「それではエドヴィンさん、俺はこれからエルザに会いに行きます」
「はい、きっとエルザもユリウスさんになら心を開くでしょう。ユリウスさん、いつでもレッドストーンであなたをお待ちしております。私は新聞でユリウスさんの記事を読んだ時から憧れていたんです。こうしてユリウスさんと出会えて本当に嬉しいです」

 エドヴィンさんは目に涙を浮かべながら俺を見つめると、なんだか美しい女性に見つめられている様で変に緊張してしまった。

「これから毎日会えますよ」
「はい! それではユリウスさん、良い一日を。聖者グレゴリウス・アイゼンシュタインの祝福がありますように……」

 俺はエドヴィンさんと別れると、さっそくシュヴァルツの魔法道具屋に向かって歩き始めた。
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