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第一章「迷宮都市ベーレント編」
第三話「迷宮都市」
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旅を始めてから五日目、遂に迷宮都市ベーレントに到着した。道中でスライムの軍団と遭遇し、木刀を使って徹底的にスライムを狩った。魔石持ちの個体が二体居たので、スライムが使用するウォーターボールという攻撃魔法を秘めた魔石を弾倉に込めた。残る魔石をガチャに投入して回し、二本目の木刀を手に入れた。
思いの他、体内に魔石を秘める魔物が少ない。この調子では魔石砲の弾倉を埋める事も難しい。早くガチャを引きたいのに、肝心の魔石が足りないのだ。弾倉にはファイアボルト、アースウォール、ウォーターボールの魔石を装填しており、三種類の魔法を自在に撃ち出せるだけで、戦闘の難易度が劇的に下がっている事は間違いない。
ウォーターボールの魔法は小さな水の球を飛ばす殺傷能力の低い魔法だが、ファイアボルトと交互に撃てば敵を翻弄出来る。熟練の魔術師でも三種類の属性魔法を使える者は少ないのだ。通常の人間は一種類の属性を授かって生まれる。俺は火属性を持って生まれたのだ。そしてファイアの魔石と魔法契約書を使い、ファイアの魔法を習得した。
魔術師の素質を持つ者は二種類の属性を持っている場合があるが、Cランクを超える熟練の魔術師以外には、三種類の属性を使用出来る者は少ない。使用出来る属性は訓練によって増やす事が出来るが、生まれ持った属性が最も成長しやすい。
迷宮都市ベーレントの正門を潜ると、そこには冒険者が多く暮らす街が広がっていた。幼い頃に両親と共に旅行に来た事があった。この街に来るのは十年ぶりくらいだろう。木造の建造物が立ち並ぶ通りを進むと、俺は一軒の魔石屋を見つけた。
魔石持ちの個体を見つけられないのなら、魔石屋で魔石を購入すれば良いのだ。最も安い魔石を買い込んでガチャを回し、魔法道具を引き当てて適当な魔法道具屋に持ち込めば一気にお金を稼げるだろう。
現在の所持金は十万ゴールド。このお金でありったけの魔石を買い込もう。店の扉を開けると、店内には色とりどりの魔石が展示されていた。店内で最高ランクの魔石はBランクのレッドドラゴンの魔石だった。
レッドドラゴンの固有魔法はメテオストライク。魔石の価格は五百万ゴールド。途方もない値段だ。父はSランクの魔石を投入し、魔石砲を引き当てた。Bランクの魔石が五百万ゴールドなら、Sランクの魔石は一体いくらなのだろうか。
「お客さん、旅の冒険者かね」
熱心に魔石を見つめていると、白髪の店主が近づいてきた。
「はい、ギーレン村から来ました」
「そうかい、何か必要な魔石があるなら何でも聞いてくれ。私はもう三十年もベーレントで魔石を販売している」
「あの、このBランクの魔石はどうやって手に入れたんですか?」
「それは馴染みの封魔師が持ち込んでくれたんだよ。一年くらい前からベーレントで活動をしているSランクの封魔師、エレオノーレ・フォン・クライン様」
「Sランクの封魔師ですか……」
封魔師は討伐した魔物を魔石化する力を持つ。魔石持ちの個体じゃなくても、特殊な刀で殺めた魔物は全て魔石に変わるのだ。
「非常に腕の立つ封魔師なんだが、そろそろ引退を考えているらしい。継承者を見つけたら自分の全ての技術を授け、普通の女として暮らしたいと言っていたよ」
「その方はよくこの店に来るんですか?」
「ああ、ほぼ毎日来るよ。今日もそろそろ来る頃だろう」
もし、俺が倒した魔物を魔石化出来るなら、際限なく魔石ガチャを回せる事になる。魔物を狩るだけで魔石を得て、ガチャで作り上げた魔法道具を売ればいくらでもお金を稼げるだろう。
封魔師を目指すのも良いかもしれないな。このままでは魔石が圧倒的に足りないのだ。その前に弾倉に込める魔石を購入しよう。
「駆け出しの冒険者にお勧めの魔石はありますか?」
「お客さんは火属性の使い手だろう? Eランクの火属性の魔石をお見せした方が良いのかな」
「いいえ、属性は問いません」
「は? 言っている意味が分からないが……自分が使う魔石を探しているのではないのか?」
「はい、俺が使う魔石を探しています」
「それなら火属性以外は使えないだろう?」
「いいえ、俺は全属性の魔法を使用出来るんです」
「馬鹿な! 何を言っているんだ? そんな人間はSランクの称号を持つ者の中に数人居るだけだ! この老いぼれをからかっているのか!?」
老人は憤慨しながら俺を睨みつけると、それでもカウンターの上に様々な属性の魔石を並べてくれた。どうせ使える筈がないと言わんばかりに俺を見つめている。
魔石屋はEランクの魔石の中から使い勝手の良い魔法を選んでくれた。氷属性の魔物であるシルバーウルフが体内に秘めるアイスショットの魔石、聖属性のホーリーエレメンタルが秘めるホーリーの魔石、雷属性のサンダーエレメンタルが秘めるサンダーの魔石。
「試しに使ってみてもいいですか?」
「何を言ってるんだ……? 魔法契約なしに魔法を使うとは! お前さんは私を馬鹿にするために店に来たのか!? お前さんの体内からは間違いなく火属性の魔力しか感じない! 火属性以外の魔法しか使えないのに、どうやってこれらの魔石を使うと言うんだ!」
「誤解させてしまったなら申し訳ありません。でも使えるんです」
「でも使える? そんな馬鹿な話があるか! 出来るものならやってみるが良い! 魔法契約を結ばずに魔法が使えるとは!」
俺はアイスショットの魔石とホーリーの魔石、サンダーの魔石を弾倉に込めると、魔石屋の扉を開いて空に魔石砲を向けた。
「アイスショット!」
魔法を唱えた瞬間、小さな氷の塊が空を裂いて高速で遥か彼方まで飛んだ。
「ホーリー!」
銃口から銀色の球が炸裂し、闇属性の魔物を退ける魔法が街を照らした。自由自在に魔法を使える事がこんなに楽しいとは思えなかった。俺は生まれ持った火属性の魔法以外は使えないと思っていた。どんなに優れた魔術師でも、三種類の属性を使えれば天才扱いされる。
Sランクの冒険者の中には、全属性の魔法を使いこなす者もいる。俺の父も全ての属性の魔法を使用出来る。父は魔石砲を使わずに自力で魔法を覚えたのだ。勿論、強力な魔法道具の力を借りて全属性の魔法を覚えたのだろう。
「サンダー!」
最後に雷撃を放つと、強烈な攻撃魔法が炸裂して街の人達を驚かせた。十五歳を迎えたばかりの若者が次々と異なる属性の魔法を使用しているからだろうか、辺りには人だかりが出来て、熱狂的な拍手が沸き起こった。
「こいつは凄い! まだ若いのに三種類もの属性魔法を使えるとは!」
「まだ十五歳くらいだろう? 氷属性、聖属性、雷属性を使いこなす神童が現れたという訳か……!」
「是非うちの冒険者ギルドに加入してくれ! 契約金を百万ゴールド払ってもいい!」
街中で魔法を披露したからか、瞬く間に市民達が集まり、ギルドの職員が俺をギルドに勧誘しようと近付いてきた。ただ一人、魔法契約を結ばずに俺が魔法を次々と放った事実を知っている魔石屋だけが呆然と俺を見つめ、涙を流しながら俺の手を握った。
「私は奇跡を見ているのか……? 魔法契約を結ばずに魔法を使用出来る者は存在しない! 君は全ての魔法を習得するために生まれた来たんだ!」
「いいえ、俺はそんな立派な人間ではありません」
「もしかして、他にも魔法を使えるのか? 使えるならこの老いぼれに見せてくれ!」
魔石屋にせがまれて、俺はファイアボルトを飛ばし、ウォーターボールを浮かせ、アースウォールで土の壁を作った。俺が魔法の披露を初めてすぐに、魔石屋の周囲には何百人もの人が押し寄せ、魔石砲で魔法を放つ度に拍手が沸き起こった。
冷静に考えて、十五歳で六種類の属性を使いこなせる者は存在しないだろう。人々が俺の魔法に感動する理由は分かるが、これは魔法道具の力であって俺の力ではない。自分が努力して称賛されるなら嬉しいが、借り物の力を褒められても素直に喜べない。
父が最高の魔法道具と言った魔石砲はやはり偉大な武器なのだろう。この武器を使う価値のある人間になりたいものだ。決して立派な武器を持っているだけの男にはなりたくない。徹底的に魔法を使い込み、魔力を鍛えながら剣を使った戦い方も学ぼう。
「何? この騒ぎは」
腰に刀を差した美しい剣士が人ごみをかき分けて近づいてくると、真の強さを持つ人間が体内に秘める圧倒的な魔力を肌で感じ、俺は心の底から敬意を抱いた。俺の前に立っている人物はSランクの魔法道具屋である父をも凌駕している。
俺は借り物の力で魔法を披露したが、この女性はただ立っているだけで明らかに常人とは異なる次元の強さを証明している。恐らく剣の達人なのだろう。俺の実力を探る様に、隠す気もない強烈な剣気を叩きこんでくる。魔力を乗せたどぎつい剣気を受けただけで俺は膝を着いた。
恐らく剣士の年齢は二十歳程だろう。歳も俺とあまり変わりないのに、途方もない実力差を実感した。これが本物の力なんだ。冒険者を目指して旅に出たが、俺は魔石砲の力に慢心していたのだろう。魔法道具に頼るだけではなく、真の強さを身に着けたい。
「少年、私の弟子になれ。私は封魔師のエレオノーレ・フォン・クライン。レベルは150。Sランクの冒険者だ」
彼女が俺に手を差し出すと、俺は静かに頷き、彼女の弟子になる事を決めた。
思いの他、体内に魔石を秘める魔物が少ない。この調子では魔石砲の弾倉を埋める事も難しい。早くガチャを引きたいのに、肝心の魔石が足りないのだ。弾倉にはファイアボルト、アースウォール、ウォーターボールの魔石を装填しており、三種類の魔法を自在に撃ち出せるだけで、戦闘の難易度が劇的に下がっている事は間違いない。
ウォーターボールの魔法は小さな水の球を飛ばす殺傷能力の低い魔法だが、ファイアボルトと交互に撃てば敵を翻弄出来る。熟練の魔術師でも三種類の属性魔法を使える者は少ないのだ。通常の人間は一種類の属性を授かって生まれる。俺は火属性を持って生まれたのだ。そしてファイアの魔石と魔法契約書を使い、ファイアの魔法を習得した。
魔術師の素質を持つ者は二種類の属性を持っている場合があるが、Cランクを超える熟練の魔術師以外には、三種類の属性を使用出来る者は少ない。使用出来る属性は訓練によって増やす事が出来るが、生まれ持った属性が最も成長しやすい。
迷宮都市ベーレントの正門を潜ると、そこには冒険者が多く暮らす街が広がっていた。幼い頃に両親と共に旅行に来た事があった。この街に来るのは十年ぶりくらいだろう。木造の建造物が立ち並ぶ通りを進むと、俺は一軒の魔石屋を見つけた。
魔石持ちの個体を見つけられないのなら、魔石屋で魔石を購入すれば良いのだ。最も安い魔石を買い込んでガチャを回し、魔法道具を引き当てて適当な魔法道具屋に持ち込めば一気にお金を稼げるだろう。
現在の所持金は十万ゴールド。このお金でありったけの魔石を買い込もう。店の扉を開けると、店内には色とりどりの魔石が展示されていた。店内で最高ランクの魔石はBランクのレッドドラゴンの魔石だった。
レッドドラゴンの固有魔法はメテオストライク。魔石の価格は五百万ゴールド。途方もない値段だ。父はSランクの魔石を投入し、魔石砲を引き当てた。Bランクの魔石が五百万ゴールドなら、Sランクの魔石は一体いくらなのだろうか。
「お客さん、旅の冒険者かね」
熱心に魔石を見つめていると、白髪の店主が近づいてきた。
「はい、ギーレン村から来ました」
「そうかい、何か必要な魔石があるなら何でも聞いてくれ。私はもう三十年もベーレントで魔石を販売している」
「あの、このBランクの魔石はどうやって手に入れたんですか?」
「それは馴染みの封魔師が持ち込んでくれたんだよ。一年くらい前からベーレントで活動をしているSランクの封魔師、エレオノーレ・フォン・クライン様」
「Sランクの封魔師ですか……」
封魔師は討伐した魔物を魔石化する力を持つ。魔石持ちの個体じゃなくても、特殊な刀で殺めた魔物は全て魔石に変わるのだ。
「非常に腕の立つ封魔師なんだが、そろそろ引退を考えているらしい。継承者を見つけたら自分の全ての技術を授け、普通の女として暮らしたいと言っていたよ」
「その方はよくこの店に来るんですか?」
「ああ、ほぼ毎日来るよ。今日もそろそろ来る頃だろう」
もし、俺が倒した魔物を魔石化出来るなら、際限なく魔石ガチャを回せる事になる。魔物を狩るだけで魔石を得て、ガチャで作り上げた魔法道具を売ればいくらでもお金を稼げるだろう。
封魔師を目指すのも良いかもしれないな。このままでは魔石が圧倒的に足りないのだ。その前に弾倉に込める魔石を購入しよう。
「駆け出しの冒険者にお勧めの魔石はありますか?」
「お客さんは火属性の使い手だろう? Eランクの火属性の魔石をお見せした方が良いのかな」
「いいえ、属性は問いません」
「は? 言っている意味が分からないが……自分が使う魔石を探しているのではないのか?」
「はい、俺が使う魔石を探しています」
「それなら火属性以外は使えないだろう?」
「いいえ、俺は全属性の魔法を使用出来るんです」
「馬鹿な! 何を言っているんだ? そんな人間はSランクの称号を持つ者の中に数人居るだけだ! この老いぼれをからかっているのか!?」
老人は憤慨しながら俺を睨みつけると、それでもカウンターの上に様々な属性の魔石を並べてくれた。どうせ使える筈がないと言わんばかりに俺を見つめている。
魔石屋はEランクの魔石の中から使い勝手の良い魔法を選んでくれた。氷属性の魔物であるシルバーウルフが体内に秘めるアイスショットの魔石、聖属性のホーリーエレメンタルが秘めるホーリーの魔石、雷属性のサンダーエレメンタルが秘めるサンダーの魔石。
「試しに使ってみてもいいですか?」
「何を言ってるんだ……? 魔法契約なしに魔法を使うとは! お前さんは私を馬鹿にするために店に来たのか!? お前さんの体内からは間違いなく火属性の魔力しか感じない! 火属性以外の魔法しか使えないのに、どうやってこれらの魔石を使うと言うんだ!」
「誤解させてしまったなら申し訳ありません。でも使えるんです」
「でも使える? そんな馬鹿な話があるか! 出来るものならやってみるが良い! 魔法契約を結ばずに魔法が使えるとは!」
俺はアイスショットの魔石とホーリーの魔石、サンダーの魔石を弾倉に込めると、魔石屋の扉を開いて空に魔石砲を向けた。
「アイスショット!」
魔法を唱えた瞬間、小さな氷の塊が空を裂いて高速で遥か彼方まで飛んだ。
「ホーリー!」
銃口から銀色の球が炸裂し、闇属性の魔物を退ける魔法が街を照らした。自由自在に魔法を使える事がこんなに楽しいとは思えなかった。俺は生まれ持った火属性の魔法以外は使えないと思っていた。どんなに優れた魔術師でも、三種類の属性を使えれば天才扱いされる。
Sランクの冒険者の中には、全属性の魔法を使いこなす者もいる。俺の父も全ての属性の魔法を使用出来る。父は魔石砲を使わずに自力で魔法を覚えたのだ。勿論、強力な魔法道具の力を借りて全属性の魔法を覚えたのだろう。
「サンダー!」
最後に雷撃を放つと、強烈な攻撃魔法が炸裂して街の人達を驚かせた。十五歳を迎えたばかりの若者が次々と異なる属性の魔法を使用しているからだろうか、辺りには人だかりが出来て、熱狂的な拍手が沸き起こった。
「こいつは凄い! まだ若いのに三種類もの属性魔法を使えるとは!」
「まだ十五歳くらいだろう? 氷属性、聖属性、雷属性を使いこなす神童が現れたという訳か……!」
「是非うちの冒険者ギルドに加入してくれ! 契約金を百万ゴールド払ってもいい!」
街中で魔法を披露したからか、瞬く間に市民達が集まり、ギルドの職員が俺をギルドに勧誘しようと近付いてきた。ただ一人、魔法契約を結ばずに俺が魔法を次々と放った事実を知っている魔石屋だけが呆然と俺を見つめ、涙を流しながら俺の手を握った。
「私は奇跡を見ているのか……? 魔法契約を結ばずに魔法を使用出来る者は存在しない! 君は全ての魔法を習得するために生まれた来たんだ!」
「いいえ、俺はそんな立派な人間ではありません」
「もしかして、他にも魔法を使えるのか? 使えるならこの老いぼれに見せてくれ!」
魔石屋にせがまれて、俺はファイアボルトを飛ばし、ウォーターボールを浮かせ、アースウォールで土の壁を作った。俺が魔法の披露を初めてすぐに、魔石屋の周囲には何百人もの人が押し寄せ、魔石砲で魔法を放つ度に拍手が沸き起こった。
冷静に考えて、十五歳で六種類の属性を使いこなせる者は存在しないだろう。人々が俺の魔法に感動する理由は分かるが、これは魔法道具の力であって俺の力ではない。自分が努力して称賛されるなら嬉しいが、借り物の力を褒められても素直に喜べない。
父が最高の魔法道具と言った魔石砲はやはり偉大な武器なのだろう。この武器を使う価値のある人間になりたいものだ。決して立派な武器を持っているだけの男にはなりたくない。徹底的に魔法を使い込み、魔力を鍛えながら剣を使った戦い方も学ぼう。
「何? この騒ぎは」
腰に刀を差した美しい剣士が人ごみをかき分けて近づいてくると、真の強さを持つ人間が体内に秘める圧倒的な魔力を肌で感じ、俺は心の底から敬意を抱いた。俺の前に立っている人物はSランクの魔法道具屋である父をも凌駕している。
俺は借り物の力で魔法を披露したが、この女性はただ立っているだけで明らかに常人とは異なる次元の強さを証明している。恐らく剣の達人なのだろう。俺の実力を探る様に、隠す気もない強烈な剣気を叩きこんでくる。魔力を乗せたどぎつい剣気を受けただけで俺は膝を着いた。
恐らく剣士の年齢は二十歳程だろう。歳も俺とあまり変わりないのに、途方もない実力差を実感した。これが本物の力なんだ。冒険者を目指して旅に出たが、俺は魔石砲の力に慢心していたのだろう。魔法道具に頼るだけではなく、真の強さを身に着けたい。
「少年、私の弟子になれ。私は封魔師のエレオノーレ・フォン・クライン。レベルは150。Sランクの冒険者だ」
彼女が俺に手を差し出すと、俺は静かに頷き、彼女の弟子になる事を決めた。
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