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リーヴェス アフェーレ
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私は朝からアティランを目で追っていた。
あの日のアティランに戻し、私だけを見るようにさせる。
昼休みも彼らを追い続けた。
授業や移動教室以外は常に二人で行動し、犯行のタイミングが見つからなかった。
諦めきれない私は空いている時間を全てアティランに費やした。
漸く時が訪れた。
午後の授業を終え教室に戻るとアティランが見え、私は急いでアティランの元へ走った。
王族としての威厳だの何だのは、今はどうでもいい。
あるのはあの日のようにすれば私が欲しかったアティランが手に入る、それだけだった。
少しふらついているように見えたがそれすらも、私には神が与えてくれた絶好のタイミングだと理解した。
やはり、神も私達を認めているのだと。
私は正しい、間違っていない。
自信をもって私はアティランを突き飛ばした。
「お前は私のだ。」
ゆっくり階段から宙に浮く姿は舞い降りた天使のように美しく、アティランが目を閉じ最後に見たのが私だと思うと気分も良かった。
これでようやくアティランが私の元に帰ってくる。
階段を降りる私の足が震えているのを感じる。
これはきっと興奮からの震えだろう。
床に倒れるアティランの胸に耳を当て、心臓は心地よいリズムで脈打っていた。
「これで漸くアティランは私のものだな。」
幸せを噛み締めていると、見知らぬ人物が二人も私達の邪魔をしに来ていた。
「アティランに触れるな。」
私の声が聞こえないはずがないのに、このグレーの髪の奴はアティランに触れた。
忌々しい。
もう一人の奴に指示を出しながら、睨むような目付きで私に視線を寄越した。
不快な奴だった。
教師が現れアティランを保健室に移動させるつもりのようだった。
私の許可なく私のアティランを勝手に…。
許せない。
「止めろっ、アティランに何するつもりだ。」
「何って治療に決まってんだろ、グラキアスを助けたくないのかよ。」
こんな訳の分からない奴に言われるのは癪だが、死んで欲しいなどは思っていない。
それに私はアティランを殺すつもりなんてない。
私はアティランを愛しているんだから。
「…私が運ぶ。」
「一人で運ぶのは危険だ。」
「そうですね、皆で協力して運びましょう。」
あの男にアティランを触れさせるのは不服だが、教師に言われてしまえば従うしかなかった。
頭を強く打ちすぎた所為か、アティランが全く動かなかったことに不安はあった。
あの時は数秒頭を抱え動きが止まったが、直ぐに私を見た。
なのに…今回は…。
アティラン?
大丈夫だよな?
私を再び愛してくれるよな?
三人でアティランを運び学園の騎士に私の護衛を呼びつけさせ、扉の前に立たせ誰も中に入れさせないようにと伝えた。
手当てをしながらグレーの奴を遠ざけ本当ならアティランと二人きりになりたく教師も部屋から出て欲しかったがそこは我慢した。
私は傍若無人の王族ではないからな。
いつになってもアティランは目覚めない。
教師の手当てが終わってもアティランは眠り続けている。
不穏に思いアティランの手を握った。
初めて握るアティランの手は、全く反応がなかった。
「アティラン…どうした?」
このまま目覚めないって事はないよな?
グレーの男はいつの間にか部屋から出ていき、己の立場を理解したのだろう。
私は眠り続けるアティランの顔を見守り続けた。
こんこんこん
私が不安に支配されているのに、呑気に保健室に現れた愚か者がいた。
アティランがこんな状態なんだ、扉を開けるつもりはない。
どんどんどん
ノックは次第に大きくなった。
廊下が騒がしくもあるが、そんな事はどうでも良い。
アティラン、私が側にいる。
私がお前を守るから…。
静かになったと思っていたが、煩いノックが再び始まった。
教師が扉に近づき相手を確認するとグラキアス公爵だと判明した。
公爵の早い到着を考えると、誰かが早馬で報せたのだろう。
仕方なく私は頷き扉を開けた。
公爵の後方にあれがいるのが気に入らない。
そうやって誰かの後ろに隠れこそこそと近付きかっさらう姿が不快で堪らない。
私の横をするりと抜け、アティランの側による姿も気にくわない。
教師がアティランの状態を公爵に報告している。
盗み聞きするつもりはないが、教師の言葉から記憶についても私の予想通りで、これでアティランは私のものに戻ると確信した。
「アティランは公爵家に遷す。」
だめだ。
アティランは私のものだ。
例え公爵でも許さない。
「ダメだ王宮で保護する。」
「何故王宮です?アティランは、もう貴方の婚約者ではありませんよ。」
公爵が勝手に婚約解消させたからな。
「記憶が戻れば、そちらも戻すのが当然だ。」
「私は許可できない。」
私が正しいことを言っても、己の罪を認められないか。
公爵ともあろう人間が…。
「王族に意見するのか?」
「アティランが記憶喪失になった原因をお忘れですか?」
「あれは事故だ、故意ではない。」
あれを止められなかった私にも責任はあるが、事故だ。
「それだけではありませんよね?」
「何が言いたい?」
「婚約者に戻しアティランをどうするつもりですか?」
そんな質問する公爵のがおかしいのでは?
「いずれは結婚し、共に国の繁栄に努めるつもりだ。」
私は当たり前の事を口にした。
「その為にアティランを利用しようと?」
利用?
なぜ、そのような言葉が出るのか不快だった。
まさかアティランは公爵に、いつもこのような扱いを受けていたのか?
だから、アティランは常に感情を出さずにどこか諦めていたのか?
私がもっと早く動いていれば…。
「そのような言い方は相応しくない。アティランとなら共に国を支えられると判断したまでだ。」
貴方と違い私はアティランの事を分かっている。
「アフェーレ王子には別の方がいらっしゃるのではありませんか?」
嫌みのつもりか?
あれとは何の関係もないのは誰が見ても分かりきっている事なのに。
私達を引き離す材料が思い付かないからといって見苦しいぞ。
「私の隣に相応しいのはアティランだ。」
察しの鈍い公爵でもここまで言えば分かるだろう。
「そうですね…あの方は全てにおいて劣っていますからね。政務をこなせるとは思えない。代わりに優秀な人材が必要と言うわけですね。」
まだ、私を試すつもりなのか?
それにしても少ししつこいぞ。
「アティランが居れば他の者を側に置くことはない。」
この答えでも、まだ不満なのか?
「…我々にそれを信じろと?」
「私を疑っているのか?」
「いえ、信じたいのですが…信じる要素が思い出せないんですよ。アティランの誕生日も社交デビューの日も私が共におりましたし、学園に入学した際もアティランは一人だったと報告を受けています。」
「……それは…互いに忙しかったんだ。」
確かに過去の私はアティランに対して誠実とは言えなかっただろう。
だが、これからは違う。
「報告によると、アフェーレ王子は忙しいのにも関わらず有る特定の人物と常に共にしていると聞いております。」
公爵は、私を追い詰めて次期国王としての私の質を見極めているのだろう。
同時にアティランに相応しいのかを、父親として。
「…なにか勘違いしているんじゃないか?あれはただの…友人だ。」
「友人ですか?構わないんですよ、王族であれば側室の一人や二人認められています。しかし、私が許せないのは暴力を振るわれたことです。」
「…側室など設けることは考えていない…それに…あれは…本当に事故なんだ…」
待て、今後の私達の関係を見れば側室なんてものは存在しない。
だが、それよりも公爵は私が暴力を振るったと捉えているのか?
どんな報告をされたんだ?
あの時本当に私はアティランに触れてはいない。
間違った報告をされているのだとしたら、公爵が私に対して鋭い目をしているのも頷ける。
「事故ですか…その後のアティランの容態を尋ねることは一切有りませんでしたね。」
「…それは…」
途端に言葉が出てこなくなった。
公爵は今まで私がアティランに暴力を振るっていたと思っているのか?
違う、私はそんなこと一切していないんだ。
「…アフェーレ王子の気遣いは有りがたいのですが、アティランは公爵家で保護しますのでご心配無く。」
「………」
公爵の「保護」という言葉が胸に刺さった。
今の私の信頼では、眠り続けるアティランの側に居ることも許されない。
あの日のアティランに戻し、私だけを見るようにさせる。
昼休みも彼らを追い続けた。
授業や移動教室以外は常に二人で行動し、犯行のタイミングが見つからなかった。
諦めきれない私は空いている時間を全てアティランに費やした。
漸く時が訪れた。
午後の授業を終え教室に戻るとアティランが見え、私は急いでアティランの元へ走った。
王族としての威厳だの何だのは、今はどうでもいい。
あるのはあの日のようにすれば私が欲しかったアティランが手に入る、それだけだった。
少しふらついているように見えたがそれすらも、私には神が与えてくれた絶好のタイミングだと理解した。
やはり、神も私達を認めているのだと。
私は正しい、間違っていない。
自信をもって私はアティランを突き飛ばした。
「お前は私のだ。」
ゆっくり階段から宙に浮く姿は舞い降りた天使のように美しく、アティランが目を閉じ最後に見たのが私だと思うと気分も良かった。
これでようやくアティランが私の元に帰ってくる。
階段を降りる私の足が震えているのを感じる。
これはきっと興奮からの震えだろう。
床に倒れるアティランの胸に耳を当て、心臓は心地よいリズムで脈打っていた。
「これで漸くアティランは私のものだな。」
幸せを噛み締めていると、見知らぬ人物が二人も私達の邪魔をしに来ていた。
「アティランに触れるな。」
私の声が聞こえないはずがないのに、このグレーの髪の奴はアティランに触れた。
忌々しい。
もう一人の奴に指示を出しながら、睨むような目付きで私に視線を寄越した。
不快な奴だった。
教師が現れアティランを保健室に移動させるつもりのようだった。
私の許可なく私のアティランを勝手に…。
許せない。
「止めろっ、アティランに何するつもりだ。」
「何って治療に決まってんだろ、グラキアスを助けたくないのかよ。」
こんな訳の分からない奴に言われるのは癪だが、死んで欲しいなどは思っていない。
それに私はアティランを殺すつもりなんてない。
私はアティランを愛しているんだから。
「…私が運ぶ。」
「一人で運ぶのは危険だ。」
「そうですね、皆で協力して運びましょう。」
あの男にアティランを触れさせるのは不服だが、教師に言われてしまえば従うしかなかった。
頭を強く打ちすぎた所為か、アティランが全く動かなかったことに不安はあった。
あの時は数秒頭を抱え動きが止まったが、直ぐに私を見た。
なのに…今回は…。
アティラン?
大丈夫だよな?
私を再び愛してくれるよな?
三人でアティランを運び学園の騎士に私の護衛を呼びつけさせ、扉の前に立たせ誰も中に入れさせないようにと伝えた。
手当てをしながらグレーの奴を遠ざけ本当ならアティランと二人きりになりたく教師も部屋から出て欲しかったがそこは我慢した。
私は傍若無人の王族ではないからな。
いつになってもアティランは目覚めない。
教師の手当てが終わってもアティランは眠り続けている。
不穏に思いアティランの手を握った。
初めて握るアティランの手は、全く反応がなかった。
「アティラン…どうした?」
このまま目覚めないって事はないよな?
グレーの男はいつの間にか部屋から出ていき、己の立場を理解したのだろう。
私は眠り続けるアティランの顔を見守り続けた。
こんこんこん
私が不安に支配されているのに、呑気に保健室に現れた愚か者がいた。
アティランがこんな状態なんだ、扉を開けるつもりはない。
どんどんどん
ノックは次第に大きくなった。
廊下が騒がしくもあるが、そんな事はどうでも良い。
アティラン、私が側にいる。
私がお前を守るから…。
静かになったと思っていたが、煩いノックが再び始まった。
教師が扉に近づき相手を確認するとグラキアス公爵だと判明した。
公爵の早い到着を考えると、誰かが早馬で報せたのだろう。
仕方なく私は頷き扉を開けた。
公爵の後方にあれがいるのが気に入らない。
そうやって誰かの後ろに隠れこそこそと近付きかっさらう姿が不快で堪らない。
私の横をするりと抜け、アティランの側による姿も気にくわない。
教師がアティランの状態を公爵に報告している。
盗み聞きするつもりはないが、教師の言葉から記憶についても私の予想通りで、これでアティランは私のものに戻ると確信した。
「アティランは公爵家に遷す。」
だめだ。
アティランは私のものだ。
例え公爵でも許さない。
「ダメだ王宮で保護する。」
「何故王宮です?アティランは、もう貴方の婚約者ではありませんよ。」
公爵が勝手に婚約解消させたからな。
「記憶が戻れば、そちらも戻すのが当然だ。」
「私は許可できない。」
私が正しいことを言っても、己の罪を認められないか。
公爵ともあろう人間が…。
「王族に意見するのか?」
「アティランが記憶喪失になった原因をお忘れですか?」
「あれは事故だ、故意ではない。」
あれを止められなかった私にも責任はあるが、事故だ。
「それだけではありませんよね?」
「何が言いたい?」
「婚約者に戻しアティランをどうするつもりですか?」
そんな質問する公爵のがおかしいのでは?
「いずれは結婚し、共に国の繁栄に努めるつもりだ。」
私は当たり前の事を口にした。
「その為にアティランを利用しようと?」
利用?
なぜ、そのような言葉が出るのか不快だった。
まさかアティランは公爵に、いつもこのような扱いを受けていたのか?
だから、アティランは常に感情を出さずにどこか諦めていたのか?
私がもっと早く動いていれば…。
「そのような言い方は相応しくない。アティランとなら共に国を支えられると判断したまでだ。」
貴方と違い私はアティランの事を分かっている。
「アフェーレ王子には別の方がいらっしゃるのではありませんか?」
嫌みのつもりか?
あれとは何の関係もないのは誰が見ても分かりきっている事なのに。
私達を引き離す材料が思い付かないからといって見苦しいぞ。
「私の隣に相応しいのはアティランだ。」
察しの鈍い公爵でもここまで言えば分かるだろう。
「そうですね…あの方は全てにおいて劣っていますからね。政務をこなせるとは思えない。代わりに優秀な人材が必要と言うわけですね。」
まだ、私を試すつもりなのか?
それにしても少ししつこいぞ。
「アティランが居れば他の者を側に置くことはない。」
この答えでも、まだ不満なのか?
「…我々にそれを信じろと?」
「私を疑っているのか?」
「いえ、信じたいのですが…信じる要素が思い出せないんですよ。アティランの誕生日も社交デビューの日も私が共におりましたし、学園に入学した際もアティランは一人だったと報告を受けています。」
「……それは…互いに忙しかったんだ。」
確かに過去の私はアティランに対して誠実とは言えなかっただろう。
だが、これからは違う。
「報告によると、アフェーレ王子は忙しいのにも関わらず有る特定の人物と常に共にしていると聞いております。」
公爵は、私を追い詰めて次期国王としての私の質を見極めているのだろう。
同時にアティランに相応しいのかを、父親として。
「…なにか勘違いしているんじゃないか?あれはただの…友人だ。」
「友人ですか?構わないんですよ、王族であれば側室の一人や二人認められています。しかし、私が許せないのは暴力を振るわれたことです。」
「…側室など設けることは考えていない…それに…あれは…本当に事故なんだ…」
待て、今後の私達の関係を見れば側室なんてものは存在しない。
だが、それよりも公爵は私が暴力を振るったと捉えているのか?
どんな報告をされたんだ?
あの時本当に私はアティランに触れてはいない。
間違った報告をされているのだとしたら、公爵が私に対して鋭い目をしているのも頷ける。
「事故ですか…その後のアティランの容態を尋ねることは一切有りませんでしたね。」
「…それは…」
途端に言葉が出てこなくなった。
公爵は今まで私がアティランに暴力を振るっていたと思っているのか?
違う、私はそんなこと一切していないんだ。
「…アフェーレ王子の気遣いは有りがたいのですが、アティランは公爵家で保護しますのでご心配無く。」
「………」
公爵の「保護」という言葉が胸に刺さった。
今の私の信頼では、眠り続けるアティランの側に居ることも許されない。
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