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現実
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エストレヤを抱き締めたまま目が覚めた。
頭痛が酷く喉も乾いているのに、どこかスッキリしている。
裸でソファに二人で眠っていたらしい。
「エストレヤ…愛してる…」
自然と口から出ていた。
眠るエストレヤを起こさないよう身体を起こし、固まってしまった身体を解すように腕を回しながら辺りを見渡した。
「…ここは、どこだ?」
ソファとローテーブルしか見当たらず、床には俺たちが脱いだ服が散乱していた。
俺のと…見慣れない服が…。
拾い上げ確認しても俺の知っているエストレヤのものではなかった。
俺と一緒に眠っていたのはエストレヤだ。
どうなってんだ?
もう一度手にした服を見るとボタンが何個か取れている。
眠るエストレヤの身体を再び確認した。
「…うそ…だろ?」
エストレヤの身体には無数の噛み痕があり…背中にも…そして尻からは液体が溢れていた。
エストレヤの状態を見て昨日のことが一気に蘇ってきた…。
学園パーティーでエストレヤの着替えの間だけ金髪と話をする予定で二人きりになり、会話していたが身体に異変が生じ始めた。
あの時、口にしたのは紅茶だけだった。
それまではなんともなかったんだから、やはり原因はあの紅茶…。
犯人は金髪…そんなに憎まれているとは考えていなかった。
婚約解消を自分で言うつもりだったのを俺が先に口に出したのがそんなに気に入らなかったのか?
人を雇ってまで俺を陥れたかった…。
ん?
途中誰か来たよな?
あいつが用意した奴じゃなかったのか?
エストレヤ…ずっと…エストレヤだったのか?
眠っているエストレヤを確認すると、幻覚の中で相手にしていた行為と同じ箇所に噛み痕がある。
いや寧ろ噛み痕を見ることで記憶が甦る…。
「うそだろ…。」
頭が真っ白になっていく。
俺…昨日どんな抱き方した?
エストレヤじゃないからって…。
怒り任せに…。
エストレヤ…エストレヤ…。
床に散らばった服を集め、エストレヤに着せていく。
着せていくと分かる、どれだけ乱暴に服を脱がせたのか…。
ボタンなんてほとんど残っておらず、破れているところもあった。
いくら丁寧に着せても、前がはだけてしまう。
俺も服を着たが、ジャケットはエストレヤに被せた。
この部屋から逃げるように、エストレヤを抱き上げて部屋を出た。
医者に見せるべきだが、まずは部屋に戻って身体を綺麗にさせてやりたかった。
部屋に戻る道中何度もエストレヤを確認した。
顔は泣いたことがはっきりとわかる。
気を付けてはいたものの早足での移動と着替えなどしたのにエストレヤは一切起きる気配がなかった。
部屋に戻り風呂場に直行した。
着せたばかりの服を脱がせ、浴槽に湯を貯めた。
抱き上げた体勢で湯に浸かりながら丁寧にエストレヤの身体を洗っていった。
手や足を泡だらけにし背中や胸を綺麗にしていく。
じっくり見るとエストレヤの身体には俺の歯形が痛い程残っていた。
後ろから抱き上げ足でエストレヤの足を拡げ、指で俺のモノを掻き出していく。
お湯が汚れるとかそんなもんどうでも良かった。
何度も掻き出しエストレヤの尻を洗っていく。
傷は付いてないよな?
あんな乱暴な抱き方やをエストレヤにするなんて…。
こんなにしてもエストレヤは反応無く眠り続けている…それ程俺はエストレヤを追い詰めていた。
湯から上がりシャワーで全身を流していく。
尻も念入りに洗った。
風呂場から出て、エストレヤの全身を拭いてバスローブを着せた。
俺はざっと拭きバスローブになりエストレヤをベッドに運ぶ。
ポタポタと水滴が落ちたが、そんなのどうでもいい。
エストレヤの眠る姿を見た後、着替えて医者を呼びに行った。
俺の姿を確認した教師が察して医者を手配してくれた。
エストレヤを医者に見せている間、俺はパーティーで何があったのか事情を説明した。
教師達も大体の内容は把握していたようだった。
それでも判断を渋っていたのは、相手が王族だからだ。
被害者の俺は公爵家、事実確認の後に処分をするのかどうかを決めるのだろう。
安易に王族と公爵家の事件を公にするわけにはいかず、だからと言って何も調べないわけにもいかない。
パーティーでは多くの生徒が目撃していたが、初めは誰もが真実を告白するのを躊躇っていたようだ。
相手が王族では仕方がなかったのかもしれない。
それでも真実がわかったのは、ティエンダとフロイントが証言したからだ。
二人は俺達と別々に戻ったパーティーで既に問題が起こっていたことに驚き、エストレヤと俺が出ていくと追いかけるように金髪も着いて行ったと聞き、二人は俺たちを探してくれたらしい。
これでもし金髪が提案した通り王族専用に用意された部屋にいたら、俺は発見されず金髪と…。
危ないところだったようだ。
んで、二人は俺を発見しティエンダが金髪と話をしている間にフロイントが教師とエストレヤを探してくれていたようだ。
エストレヤの方も直ぐには出られないよう、外から鍵を掛けられ部屋に閉じ込められていたと聞いた。
フロイントに助けられ事情を聴き急いで俺のところ来てくれたらしい。
そして、エストレヤは俺を確認して…その後は…。
金髪は学園には来ていないらしい。
昨日の今日で?と思ったが俺はパーティーから1日中エストレヤを抱き、翌日は眠り続け今に至るそうだ。
頭痛が酷く喉も乾いているのに、どこかスッキリしている。
裸でソファに二人で眠っていたらしい。
「エストレヤ…愛してる…」
自然と口から出ていた。
眠るエストレヤを起こさないよう身体を起こし、固まってしまった身体を解すように腕を回しながら辺りを見渡した。
「…ここは、どこだ?」
ソファとローテーブルしか見当たらず、床には俺たちが脱いだ服が散乱していた。
俺のと…見慣れない服が…。
拾い上げ確認しても俺の知っているエストレヤのものではなかった。
俺と一緒に眠っていたのはエストレヤだ。
どうなってんだ?
もう一度手にした服を見るとボタンが何個か取れている。
眠るエストレヤの身体を再び確認した。
「…うそ…だろ?」
エストレヤの身体には無数の噛み痕があり…背中にも…そして尻からは液体が溢れていた。
エストレヤの状態を見て昨日のことが一気に蘇ってきた…。
学園パーティーでエストレヤの着替えの間だけ金髪と話をする予定で二人きりになり、会話していたが身体に異変が生じ始めた。
あの時、口にしたのは紅茶だけだった。
それまではなんともなかったんだから、やはり原因はあの紅茶…。
犯人は金髪…そんなに憎まれているとは考えていなかった。
婚約解消を自分で言うつもりだったのを俺が先に口に出したのがそんなに気に入らなかったのか?
人を雇ってまで俺を陥れたかった…。
ん?
途中誰か来たよな?
あいつが用意した奴じゃなかったのか?
エストレヤ…ずっと…エストレヤだったのか?
眠っているエストレヤを確認すると、幻覚の中で相手にしていた行為と同じ箇所に噛み痕がある。
いや寧ろ噛み痕を見ることで記憶が甦る…。
「うそだろ…。」
頭が真っ白になっていく。
俺…昨日どんな抱き方した?
エストレヤじゃないからって…。
怒り任せに…。
エストレヤ…エストレヤ…。
床に散らばった服を集め、エストレヤに着せていく。
着せていくと分かる、どれだけ乱暴に服を脱がせたのか…。
ボタンなんてほとんど残っておらず、破れているところもあった。
いくら丁寧に着せても、前がはだけてしまう。
俺も服を着たが、ジャケットはエストレヤに被せた。
この部屋から逃げるように、エストレヤを抱き上げて部屋を出た。
医者に見せるべきだが、まずは部屋に戻って身体を綺麗にさせてやりたかった。
部屋に戻る道中何度もエストレヤを確認した。
顔は泣いたことがはっきりとわかる。
気を付けてはいたものの早足での移動と着替えなどしたのにエストレヤは一切起きる気配がなかった。
部屋に戻り風呂場に直行した。
着せたばかりの服を脱がせ、浴槽に湯を貯めた。
抱き上げた体勢で湯に浸かりながら丁寧にエストレヤの身体を洗っていった。
手や足を泡だらけにし背中や胸を綺麗にしていく。
じっくり見るとエストレヤの身体には俺の歯形が痛い程残っていた。
後ろから抱き上げ足でエストレヤの足を拡げ、指で俺のモノを掻き出していく。
お湯が汚れるとかそんなもんどうでも良かった。
何度も掻き出しエストレヤの尻を洗っていく。
傷は付いてないよな?
あんな乱暴な抱き方やをエストレヤにするなんて…。
こんなにしてもエストレヤは反応無く眠り続けている…それ程俺はエストレヤを追い詰めていた。
湯から上がりシャワーで全身を流していく。
尻も念入りに洗った。
風呂場から出て、エストレヤの全身を拭いてバスローブを着せた。
俺はざっと拭きバスローブになりエストレヤをベッドに運ぶ。
ポタポタと水滴が落ちたが、そんなのどうでもいい。
エストレヤの眠る姿を見た後、着替えて医者を呼びに行った。
俺の姿を確認した教師が察して医者を手配してくれた。
エストレヤを医者に見せている間、俺はパーティーで何があったのか事情を説明した。
教師達も大体の内容は把握していたようだった。
それでも判断を渋っていたのは、相手が王族だからだ。
被害者の俺は公爵家、事実確認の後に処分をするのかどうかを決めるのだろう。
安易に王族と公爵家の事件を公にするわけにはいかず、だからと言って何も調べないわけにもいかない。
パーティーでは多くの生徒が目撃していたが、初めは誰もが真実を告白するのを躊躇っていたようだ。
相手が王族では仕方がなかったのかもしれない。
それでも真実がわかったのは、ティエンダとフロイントが証言したからだ。
二人は俺達と別々に戻ったパーティーで既に問題が起こっていたことに驚き、エストレヤと俺が出ていくと追いかけるように金髪も着いて行ったと聞き、二人は俺たちを探してくれたらしい。
これでもし金髪が提案した通り王族専用に用意された部屋にいたら、俺は発見されず金髪と…。
危ないところだったようだ。
んで、二人は俺を発見しティエンダが金髪と話をしている間にフロイントが教師とエストレヤを探してくれていたようだ。
エストレヤの方も直ぐには出られないよう、外から鍵を掛けられ部屋に閉じ込められていたと聞いた。
フロイントに助けられ事情を聴き急いで俺のところ来てくれたらしい。
そして、エストレヤは俺を確認して…その後は…。
金髪は学園には来ていないらしい。
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