上 下
42 / 177

名前を… エストレヤ イグニス

しおりを挟む
それからのアティラン様は遠慮なく僕の身体を食べた。
口に含まれたり噛まれたり、僕が逃げられないうに抱きしめる腕が強くなった。
アティラン様の手が僕のを握り刺激してくる。
「ぁっんだめっ」と口から漏れると「私の好みで責めて良いのですよね?」と言われてしまえば頷くしかなかった。
確認しなくてもきっと、僕のパンツには恥ずかしくも染みが出来ちゃってると思う。
アティラン様の膝に座っていると、下から何か固いものの存在を認識してしまった。
アティラン様の…固くなってる。

それが欲しい…。

言葉にするのは恥ずかしくて見つめるだけしか出来なかった。
僕の視線に気づいたアティラン様に唇を奪われた。
ゆっくりソファに倒され、ズボンとパンツが脱がされた。
僕の足の間にアティラン様が沈んでいく。
何回かされたけど、未だにアティラン様にそんなことをしてもらっていいのかと躊躇ってしまう。
…けどアティラン様の口の中がどれほど気持ち良いのか知っちゃってるから、エッチな僕は本気の抵抗が出来ずに「やぁんぁんっん」と気持ちいい声を出していた。

「グラキエスさまぁっ…もっ…だめぇん…口…はなちてぇ。」

もう、イッちゃいそうなのにグラキエス様は口を離してくれなかった。
命令したのに何で?このままじゃグラキエス様の口に出しちゃうよ…。
もう、我慢できないのに…。

「グラキエスさまぁぁぁぁあああ。」

やっちゃった…。
乱れた呼吸の中でグラキエス様を見つめた。

「エストレヤ様、私の事はアティランとお呼びください。」

「ぁっ…。」

僕がちゃんと「アティラン」て呼ばなかったからだ…。

「エストレヤ様?」

「…はぃ」

「続きは致しますか?」

「…ぅん…て。」

「ん?なんでしょう?」

「…し…て。」

「畏まりました。」

「…きゃぁあ。」

足を抱えられ、あの場所を舐められた。

「それはだめぇグラキエス様。」

「………」

「お尻だめぇ、あっアティラン。」

「エストレヤ様、私の好きなようにして良いのでは?」

「ふぇっ…だっけど、それは…こっ香油…香油を使って。」

「…畏まりました。」

アティラン様は僕の足を離し、ベッド脇にある香油を手にし戻ってきた。
僕は起き上がり、足を抱えそれとなくあれを隠しながら裸でアティラン様を待っていた。

「エストレヤ様のご希望通り香油を塗りますので、足を開いてください。」

アティラン様の優しい微笑みの中に、なんか恐ろしいものを感じた。

「エストレヤ様、やはりお舐めした方がよろしいのですか?」

やだっ、それだけはだめと首を振った。
恥ずかしいけど、意を決して恐る恐る足を開いた。

「もう少し開いてください。」

更にちょっと開いてもアティラン様は首を振り許してはくれず、僕はアティラン様の許可が出るまで足を広げた。

「その位置を保ってくださいね。」

やっと許しが出た時のアティラン様の表情は、有無を言わせない笑みだった。
僕に見せつけるように香油を手のひらに垂らし、ピチャピチャとイヤらしい音がした。
なんでもイヤらしく感じてしまうのは僕がイヤらしいからなのかな?
香油を手にした音がイヤらしいなんて、僕は僕がイヤになる。

「あんっ」

アティラン様を直視できず、顔を背けながら視界の端で盗み見ていたが僕のソコに触れるところは目を閉じ分かっていたのに触れられて声が出てしまった。
香油で滑りが良くなった指はプチゅっと僕の中に入った。
香油のお陰とはいえ、こんな簡単に指って入っちゃうものなのかな?
それとも僕の身体って他の人よりエッチなのかな?

「エストレヤ様。」

「ひゃいっ。」

考え事しちゃってた。

「足が閉じていますよ。」

いつの間にか僕の足はピッタリとくっついていて、再びアティラン様の目の前で大きく開く事になってしまった。
なんだか、いつものエッチより恥ずかしく感じる。
僕がアティラン様に命令してる事なのに、何でだろう。

「指増やしますよ?」

「んっ。」

アティラン様は僕の為にちゃんと確認してくれる。
僕のドレイになるってのも、僕を不安にさせない為に…。
こんなに尽くしてくれてるのに僕はアティラン様に何も返せていない。

「アティランさ…アティラン。」

「なんでしょう?」

「僕にして欲しいことってある?」

「ご主人様にして欲しいことですか?」

「んっ。」

「では、淫らに私を誘惑してください。」

「ぇっ。」
しおりを挟む
感想 61

あなたにおすすめの小説

転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!

音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに! え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!! 調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

婚約破棄されて捨てられた精霊の愛し子は二度目の人生を謳歌する

135
BL
春波湯江には前世の記憶がある。といっても、日本とはまったく違う異世界の記憶。そこで湯江はその国の王子である婚約者を救世主の少女に奪われ捨てられた。 現代日本に転生した湯江は日々を謳歌して過ごしていた。しかし、ハロウィンの日、ゾンビの仮装をしていた湯江の足元に見覚えのある魔法陣が現れ、見覚えのある世界に召喚されてしまった。ゾンビの格好をした自分と、救世主の少女が隣に居て―…。 最後まで書き終わっているので、確認ができ次第更新していきます。7万字程の読み物です。

〖完結〗幼馴染みの王女様の方が大切な婚約者は要らない。愛してる? もう興味ありません。

藍川みいな
恋愛
婚約者のカイン様は、婚約者の私よりも幼馴染みのクリスティ王女殿下ばかりを優先する。 何度も約束を破られ、彼と過ごせる時間は全くなかった。約束を破る理由はいつだって、「クリスティが……」だ。 同じ学園に通っているのに、私はまるで他人のよう。毎日毎日、二人の仲のいい姿を見せられ、苦しんでいることさえ彼は気付かない。 もうやめる。 カイン様との婚約は解消する。 でもなぜか、別れを告げたのに彼が付きまとってくる。 愛してる? 私はもう、あなたに興味はありません! 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 沢山の感想ありがとうございます。返信出来ず、申し訳ありません。

5回も婚約破棄されたんで、もう関わりたくありません

くるむ
BL
進化により男も子を産め、同性婚が当たり前となった世界で、 ノエル・モンゴメリー侯爵令息はルーク・クラーク公爵令息と婚約するが、本命の伯爵令嬢を諦められないからと破棄をされてしまう。その後辛い日々を送り若くして死んでしまうが、なぜかいつも婚約破棄をされる朝に巻き戻ってしまう。しかも5回も。 だが6回目に巻き戻った時、婚約破棄当時ではなく、ルークと婚約する前まで巻き戻っていた。 今度こそ、自分が不幸になる切っ掛けとなるルークに近づかないようにと決意するノエルだが……。

期待外れの後妻だったはずですが、なぜか溺愛されています

ぽんちゃん
BL
 病弱な義弟がいじめられている現場を目撃したフラヴィオは、カッとなって手を出していた。  謹慎することになったが、なぜかそれから調子が悪くなり、ベッドの住人に……。  五年ほどで体調が回復したものの、その間にとんでもない噂を流されていた。  剣の腕を磨いていた異母弟ミゲルが、学園の剣術大会で優勝。  加えて筋肉隆々のマッチョになっていたことにより、フラヴィオはさらに屈強な大男だと勘違いされていたのだ。  そしてフラヴィオが殴った相手は、ミゲルが一度も勝てたことのない相手。  次期騎士団長として注目を浴びているため、そんな強者を倒したフラヴィオは、手に負えない野蛮な男だと思われていた。  一方、偽りの噂を耳にした強面公爵の母親。  妻に強さを求める息子にぴったりの相手だと、後妻にならないかと持ちかけていた。  我が子に爵位を継いで欲しいフラヴィオの義母は快諾し、冷遇確定の地へと前妻の子を送り出す。  こうして青春を謳歌することもできず、引きこもりになっていたフラヴィオは、国民から恐れられている戦場の鬼神の後妻として嫁ぐことになるのだが――。  同性婚が当たり前の世界。  女性も登場しますが、恋愛には発展しません。

拾われた後は

なか
BL
気づいたら森の中にいました。 そして拾われました。 僕と狼の人のこと。 ※完結しました その後の番外編をアップ中です

処理中です...