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オマケの続き

気分転換のつもりが…

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 図書室に入り浸る日が続くも、なんの手がかりすら掴めず集中力が切れ始めた頃。

「お嬢様こちらをどうぞ」

 ジャネットが差し出したのは、ゴシップ紙。
 私はなんの抵抗もなく受け取り、読み進めていく。
 相も変わらず貴族が表紙を飾り、真実かどうか疑わしいタイトルが目を引く。
 だが、読み進めていくうちに真面目なことも書かれていた。

「湖が赤く染まる…」

 西部にある最大の大きさを誇る湖が赤く染まる現象が発生。
 今年は天候に恵まれ農作物も順調だと言われていた所に、突如湖が赤く染まる事態に。突然の事に領民は混乱し、誰も湖に近付かなくなった…

「これが東部で発生していたら、きっと「ランクーベ公爵の呪い」なんて言われていたんだろうなぁ」

 西部を誰が統括しているのか、湖のある領地は誰が管理しているのかは分からないが、その人物については一切触れていない。

「「赤く染まる」かぁ…考えられるのは赤潮かな?」

 だとしたらプランクトンの異常発生か?もしそうだとしたら、原因は分かっても解決方法は私には分からない。栄養豊富な湖にプランクトンが異常発生し、暖かい気候が更に状況を悪化させると聞いたことがある。

「もしかして、天候に恵まれ…って暖かい陽気ってことだったり?」

 それで、プランクトンが増殖し湖を赤く染めてしまった。
 ゴシップ紙には、プランクトンなどが原因とは書いてはいない。娯楽紙だから詳細に記事にしないのか、それともこの世界ではまだプランクトンが原因だと判明していないのか…
 どちらにせよ東部は「疫病」西部では「赤潮」、どの領地も難しい問題を抱えている事が分かる。

「ん?西部の赤潮については記事になるのに、東部の疫病については記事になってない?」

 去年の今頃、ゴシップ紙に東部の「疫病」についての記事は無かった。
 もしかして、疫病事件が起きた領地の領主であるランクーベ公爵について記事にすると彼の「呪い」が移るとでも思っているのだろうか?

「それは、奥様がランクーベ公爵の妻だからです」

「私?」

 ジャネットの言葉に疑問が生まれる。
 私がオルフレッドの妻だと記事にならない…何故?

「はい。王妃選定以降、奥様やルルーシアン公爵家、並びにランクーベ公爵について、記事になることはありません」

「えっそうなの?」

「きっと王族の贖罪、ご配慮かと」

 贖罪?もしかして私が王妃選定に落ち、泥を被った事を言っているのだろうか?だが、あれは私があの男と結婚したくないから真実を無理矢理ねじ曲げ、更にはダルトン令嬢に王子を押し付けたに過ぎないのに、恩を感じてしまったのだろうか?
 それで、王族は私や家族について不利益になるような記事を禁止させた? 
 だが、それで良いのだろうか?
 嘘偽りを記事にされるのは不愉快だが、真実は報道するべきだ。
 疫病は事実として、決して公爵の「呪い」だとは書かなければ記事として扱ってほしい。
 もしかしたら、他の領地でも似たような事件が起きているかもしれないのに…

「そうよ、他の領地でも起きているのかもっ」

 そう考え、私は他領地でも似たような事件が発生していないのかを調査することにする。
 まずは、お父様に手紙を出した。
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