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二章 ハーレムルート
あの日
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エドバルド様はフレデリック様を追いかけていった。
僕はエドバルド様の言葉が理解できずにいる。
だって…。
「シャル」
不安な顔でライアン様を見上げるとライアン様もなんだか複雑な顔をしていた。
「部屋に…ソファで話そう。」
「…ぅ、うん。」
扉を閉め、ライアン様の隣に座った。
「シャルは覚えてるか?」
「……わかんなぃ。」
覚えてるか?と聞かれ咄嗟にあの光景が思い浮かんだ。
だけどそこには…エドバルド様だけじゃなくて…フレデリック様も…。
あれが夢じゃなかったら、僕は三人と…。
「シャル…」
「違うよね?」
ライアン様の言葉を聞くのが怖くて遮った。
だって…そうじゃなかったら僕は…。
「シャル…」
「ライアンさまぁ」
ライアン様の顔が歪むと全ては夢ではなく現実だと知る。
「ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい」
僕はライアン様に抱きつき謝罪を告げた。
「…あの時シャルのフェロモンが暴走したんだ。」
ライアン様は優しく僕を抱き締めながら、あの時の事を教えてくれた。
「猫だった時、エドバルドとじゃれてたのは覚えてるか?」
「…ぅん」
「その後、人間化したと同時にフェロモンが暴走して…その場にいたエドバルドと…フレデリック、俺でシャルを愛した。」
愛したって言葉を使ってくれたけど、きっと皆僕のフェロモンに耐えられなかったんだ…。
「……んっ」
「誰もこんなことになるとは思わなかった…シャルが悪い訳じゃない。」
「…だけど…エドバルド様が…。」
「あいつは…あいつの気持ちは本人から聞け。」
「……は…ぃ。」
「シャル…俺はどんな決断しても側にいるから安心しろ。」
それはどういう意味?
決断しなきゃいけないことが有るの?
「………。」
「…俺は二人が婚約者になっても構わない…。」
……そう…なんだ。
もしかして、僕の性欲にライアン様は既に疲れてしまったのかも…。
あんなに二人と交互にされてるのに、僕はフェロモンで人を誘っちゃった。
これは僕が生きている限り続くと思うとライアン様も不安だよね…。
過去の獣人も八人の旦那様と愛人までいたって言ってたし…。
このままだと僕はライアン様を廃人に…。
フェロモンを制御出来てない僕は皆を不幸にする…。
もしかして…フレデリック様は…そっか…だから…。
「フレデリック様が僕に謝ったのって…。」
「…あいつも、あの日居たからな…。」
「僕が二人を無理矢理…僕の方こそ二人に謝った方が…。」
「二人と話し合う機会を作るから、あんまり自分を追い詰めるな。」
「…ぅん」
そして、ライアン様は授業に向かった。
ライアン様の部屋に一人になると不安になる。
どうして僕はこうなんだろう…。
ギノフォード先生の時と全く同じだ。
僕がちゃんとフェロモンを制御出来ないからこんなことに…。
先生はこれが分かってたから棟から出るなって言ったのに、僕は自分の気持ちを優先して皆に迷惑を掛けた。
エドバルド様にもフレデリック様にもペアが居るのに…。
「エドバルド様の言葉は本当かな?僕の事を愛してるって…エドバルド様が?」
だめ、よくわかんない。
そりゃ、僕だってエドバルド様の事嫌いじゃないけど…好きって言うのと違うような…。
…ちょっと待って「愛してる」とは言われたけど、婚約したいなんて言われてない。
僕が勝手に婚約を申し込まれたって勘違いしていた。
ライアン様が婚約者になってもと言ったので婚約まで考えてしまったが、実際には言われてない。
なら僕は悩むことはないのかな?
あんまり考えたくない。
僕はライアン様だけで良かったのに…僕は何人の人と婚約すればライアン様を殺さずにすむの?
ライアン様はエドバルド様と直接話す機会を作るって…。
その時どうするのか聞けば良いのかな?
僕はどうして獣人になってしまったんだろう…。
僕はエドバルド様の言葉が理解できずにいる。
だって…。
「シャル」
不安な顔でライアン様を見上げるとライアン様もなんだか複雑な顔をしていた。
「部屋に…ソファで話そう。」
「…ぅ、うん。」
扉を閉め、ライアン様の隣に座った。
「シャルは覚えてるか?」
「……わかんなぃ。」
覚えてるか?と聞かれ咄嗟にあの光景が思い浮かんだ。
だけどそこには…エドバルド様だけじゃなくて…フレデリック様も…。
あれが夢じゃなかったら、僕は三人と…。
「シャル…」
「違うよね?」
ライアン様の言葉を聞くのが怖くて遮った。
だって…そうじゃなかったら僕は…。
「シャル…」
「ライアンさまぁ」
ライアン様の顔が歪むと全ては夢ではなく現実だと知る。
「ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい」
僕はライアン様に抱きつき謝罪を告げた。
「…あの時シャルのフェロモンが暴走したんだ。」
ライアン様は優しく僕を抱き締めながら、あの時の事を教えてくれた。
「猫だった時、エドバルドとじゃれてたのは覚えてるか?」
「…ぅん」
「その後、人間化したと同時にフェロモンが暴走して…その場にいたエドバルドと…フレデリック、俺でシャルを愛した。」
愛したって言葉を使ってくれたけど、きっと皆僕のフェロモンに耐えられなかったんだ…。
「……んっ」
「誰もこんなことになるとは思わなかった…シャルが悪い訳じゃない。」
「…だけど…エドバルド様が…。」
「あいつは…あいつの気持ちは本人から聞け。」
「……は…ぃ。」
「シャル…俺はどんな決断しても側にいるから安心しろ。」
それはどういう意味?
決断しなきゃいけないことが有るの?
「………。」
「…俺は二人が婚約者になっても構わない…。」
……そう…なんだ。
もしかして、僕の性欲にライアン様は既に疲れてしまったのかも…。
あんなに二人と交互にされてるのに、僕はフェロモンで人を誘っちゃった。
これは僕が生きている限り続くと思うとライアン様も不安だよね…。
過去の獣人も八人の旦那様と愛人までいたって言ってたし…。
このままだと僕はライアン様を廃人に…。
フェロモンを制御出来てない僕は皆を不幸にする…。
もしかして…フレデリック様は…そっか…だから…。
「フレデリック様が僕に謝ったのって…。」
「…あいつも、あの日居たからな…。」
「僕が二人を無理矢理…僕の方こそ二人に謝った方が…。」
「二人と話し合う機会を作るから、あんまり自分を追い詰めるな。」
「…ぅん」
そして、ライアン様は授業に向かった。
ライアン様の部屋に一人になると不安になる。
どうして僕はこうなんだろう…。
ギノフォード先生の時と全く同じだ。
僕がちゃんとフェロモンを制御出来ないからこんなことに…。
先生はこれが分かってたから棟から出るなって言ったのに、僕は自分の気持ちを優先して皆に迷惑を掛けた。
エドバルド様にもフレデリック様にもペアが居るのに…。
「エドバルド様の言葉は本当かな?僕の事を愛してるって…エドバルド様が?」
だめ、よくわかんない。
そりゃ、僕だってエドバルド様の事嫌いじゃないけど…好きって言うのと違うような…。
…ちょっと待って「愛してる」とは言われたけど、婚約したいなんて言われてない。
僕が勝手に婚約を申し込まれたって勘違いしていた。
ライアン様が婚約者になってもと言ったので婚約まで考えてしまったが、実際には言われてない。
なら僕は悩むことはないのかな?
あんまり考えたくない。
僕はライアン様だけで良かったのに…僕は何人の人と婚約すればライアン様を殺さずにすむの?
ライアン様はエドバルド様と直接話す機会を作るって…。
その時どうするのか聞けば良いのかな?
僕はどうして獣人になってしまったんだろう…。
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